2016/10/17 のログ
ご案内:「浜辺」に東瀬 夏希さんが現れました。
■東瀬 夏希 > 「……広い。ここならば、存分に戦うことが出来るな」
ここ数日の調査で、通常の路地等で戦うのは無理筋だと言う事が分かった。
故に、広く戦える場所を模索していたのだが、この浜辺は悪くない。
「砂利が、足を取るが……そこは条件は同じ。いざとなれば『ペルセウス』の空中歩行能力を使えばいい」
ざっざっざ。歩き、軽く走り、踏みしめて。
足場の状態を確認して、体に覚えこませる。
ここなら人目も少ないので、ここに追い込むことが出来れば、存分に戦えるだろう。
ご案内:「浜辺」に龍宮 鋼さんが現れました。
■龍宮 鋼 >
(ざしざしと砂の上を歩く。
怪我の治りが早いと言うのは便利なもので、先日まで付けていた包帯はもう外してある。
そもそも頭の怪我はそんな対したものではない。
腕の方はそうも行かないが、折れた腕でのケンカは慣れている。
そう言うわけで今日も学校にも行かずにぶらぶらと歩いているのだが、流石にこの自機の海辺は少し冷える。
特に予定もないし、そろそろ帰るかと考えていたところで、前方に人影が見えた。
見たことの無い姿と燃えるような髪の色。
なにやら調べているらしい。
とりあえず遠巻きにガンを付ける。
癖のようなものだ。)
■東瀬 夏希 > 「…………おい貴様、何を見ている」
流石に、遠巻きにとは言えガンを付けられては、気配は察する。
こちらもにらみ返しながら、威圧的に問い掛けた。
■龍宮 鋼 >
――あ?
(明らかな敵意を向けられている。
最近どうにも元気が無いとは言え、そう言う風に言われてはこちらもそう言う気分になってしまう。
同じように威圧的な態度を取りながら、ポケットに手を入れたまま近付いて。)
俺がどこで何見てようがテメェにゃカンケーねーだろ。
それともなんだ。
見てたらなんか都合悪い事でもしてんのか。
見られたくねー事すんなら人のいねぇとこでやれよ。
(ケンカ腰である。)
■東瀬 夏希 > 「ただ見るのならばそこまでは気にしない。
明らかに睨み付けているのが気に喰わんと言っているのだ」
負けじと睨み返す。
そもそも、先日の神父との邂逅で心に憎悪とストレスが沈殿していたのだ。
その苛立ちが、そのまま視線にも出てしまう。
「別に貴様に見られようとも、大した問題でもないことだ。貴様が気にすることでもない。
貴様が異端……人ならざる属性を持つ者だというのであれば、話は別だがな」
睨み付けながら観察。ぱっと見は人間だ。
だが、半人存在は、おおよそ見た目は人間だったりする。
ついでに確認程度の気持ちを込めて挑発する。
関係なければ?気に喰わない奴と出会ってしまった、と言うだけだ。
■龍宮 鋼 >
睨んでる?
俺が?
ッハ、テメェのカンチガイだろ。
腕の良い眼医者紹介してやろうか、あ?
(明らかに睨みつけておいてこの言い草である。
イライラしている、と言う事であればこちらも同じだ。
彼女と同じく、態度に出てしまう。)
――ッハ。
だったら何だ。
人じゃないヤツには敵わないから助けてください、ってか?
(更に近付き、挑発。
こちらの眼は明らかに人ではない。
瞳孔が縦に長い、爬虫類の瞳。
馬鹿にしたような顔を向けた。)
■東瀬 夏希 > 「貴様は自分の行動すら把握できんのか。大した脳味噌だな」
嘲弄するように口にする。
……が。
気付く。気付いてしまう。
……その自分を睨んでいる目が、明らかに人類のソレでないことに。
目の前にいる女性が―――異端であることに。
「……その目。そうか、貴様異端か」
即座にゲート魔術を起動。
二振りのブロードソードを取り出し、掴む。
右手のブロードソードには『Anti Heresy Holy Weapon Series Assault type「Helsing」』、左手のブロードソードには『Anti Heresy Holy Weapon Series Prototype「Innocentius」』と、刀身に刻印されている。
それらを構え、そして、先程までとは質も量も違う憎悪と殺意を向け、宣言する。
「異端であれば、どうするか教えてやる。
―――狩るのだ!貴様らに、生きている権利などありはしない!!」
言うや否や、右手のブロードソード『ヘルシング』で突きかかる。
―――Anti Heresy Holy Weapon Seriesは、全ていくつかの『固有性能』と呼ばれる特殊な能力を持つ。
ヘルシングは二つ。その内の一つは『悪魔の子を串刺しにせよ(ツェペシュ・ドラキュリア)』。
このヘルシングで突きを放った場合に限り、魔法、異能、人外の持つ特性の絡んだ防御に対し、高い貫通効果を発揮すると言うものだ。
また、突き刺す事に成功した場合、その地点から放射状に杭が飛び出し、相手をまさに『串刺し刑』に処す。
その性能を活かし、初動でいきなり大打撃を……否、致命傷を与えんと襲い掛かる!
■龍宮 鋼 >
先に絡んできたのはテメェだろ。
(そんなものは詭弁でしかない。
お互いがお互いを気に食わない。
ケンカをする理由などただそれだけ。)
――。
(が、「異端であるが故に狩る」と言う言葉を聞いて表情が変わった。
ヘラヘラした挑発の表情から、静かな怒りを含んだ顔に。
彼女がブロードソードを取り出すとほぼ同時に、右手で髪を掻き上げるように。
それだけの動作で右の額から側頭部にかけてを仮面のような甲殻が覆い、両の手を手甲のような甲殻が覆う。)
――偉そうに吼えてんじゃねェぞ!!
(視界が変わる。
世界が減速して視える。
迫る刃を左の甲殻で流し、右の拳を叩き付け――ようとしたのだが、滑る剣の刃が甲殻に食い込んでくる。
咄嗟に流す動きから弾く動きに変え、同時に右拳でその剣の腹を叩く。)
■東瀬 夏希 > 「その姿、まごうこと無き異端……!
貴様に弁明の権利はない、生存の権利もだ!
死ね、今ここで死んで果てろ!!」
必殺の心積もりで放った突き。
だが、それは素早い対応で受け流され、そして弾かれる。
―――しかし、異端との戦いにおいて、この程度よくある事。
異端は単純な身体能力であれば人類を上回ることが多い。
なればこそ……『二段構え』だ。
「『魔女に対し慈悲は要らず。ただただ裁きの鉄槌を』!」
左手のブロードソード、インノケンティウスを振りかぶりながら早口でそう唱える。
すると、インノケンティウスの刀身が白く輝きだした。
……当然、インノケンティウスにも固有性能がある。
今回発動したのは、二つある固有性能の内の一つ『魔女への鉄槌(マレウス・マレフィカルム)』。
先程の詠唱を挟むことで、刀身が10秒間だけ白い輝きを持った魔力に包まれる。
この時間内に異端を斬り付けた場合……異端の魂そのものに、強烈な苦痛を刻み込む。
その痛みは、瞬間に一週間分の拷問をその身に受けるのに等しいとされ、更にその苦痛は相手が女性であれば更に増す。
魂に刻み付ける為、通常の治癒は不可。ダメージの持続時間は数秒だが、その数秒で大抵の異端は発狂する。
そんな苛烈な能力を持つブロードソードを、弾かれて右腕が流される反動も活かして唐竹割りに振り下ろす!
■龍宮 鋼 >
(苛烈な叫びに答えるは、無言。
しかし歯は思い切り食いしばり、瞳には敵意をみなぎらせ。
その顔は、憤怒に染まっている。
振り下ろされた剣の腹を、裏拳気味に繰り出した右拳で叩き付ける。
そのままの勢いで踏み込み、左拳を彼女の腹へと繰り出そうとした瞬間、)
――が、ああああああああああああああああああああ!!
(激痛と表現するにも生温い衝撃。
剣の腹を叩いたときに、切っ先が腕に掠っていた。
そんなものを確認している余裕も無く、叫ぶ。
しかし膝は付かない。
歯を砕かんとばかりに、その苦痛ごと叫びを歯を食いしばって耐え、右腕を地面に叩き付ける。
地面が爆発したように砂が舞い上がる。
直後に左拳で自身の頬を殴り付けた。
二度三度と殴り、更に一歩、右足で踏み込む。
同時に、地面の重量をたっぷり乗せた右拳をまっすぐに突き出す。)
■東瀬 夏希 > 「(取った!)」
掠った、ただそれだけ。
だが『魔女への鉄槌』の効果はそれだけでも地獄の苦痛を相手に与える。
その苦痛に耐えた異端など、夏希は見たことがない。
無様に泣きわめき、転げまわり、その間に首をはねられるのが定めだ。
女性ならなおさら。魔女への鉄槌は、女性相手に更に効果を増す。
故に、勝利の確信を得た。
……はずなのに。
目の前の異端は、屈しない。
あらゆる異端を屈服させてきた地獄の苦痛に、膝を付く事すらしない。
「馬鹿、な……!?」
勝利の確信は油断となり、そして次の行動を鈍らせた。
地面を叩き付けた際に発生した砂に目を晦まされ、そして体勢を崩す。
「(あり得ない!魔女への鉄槌に耐える異端、しかも女など……!)」
しかし、そこに至っても混乱は抜けず。
戦闘において致命的な行為……戦うための構え、備えをせず、棒立ちになるという愚を犯してしまった。
そこに……渾身の追い突きが襲い掛かる。
「うぐあああっ!!!」
棒立ちしてしまっていたため、丁度胸部にクリーンヒット。
ギリギリで気付いて僅かに後ろに飛び退ったこと、無駄に大きい胸が衝撃を抑えたことが相まって、即死や気絶は免れたが……。
「おぐっ、げほ、がはっ……!」
吹き飛ばされ、地面に打ち付けられて回転。
血を吐きながら地面にうつ伏せに転がってしまう。
「きさま、なぜ、たって、いられる……!」
インノケンティウスを杖のようにしながら、何とか立ち上がる。
左手に握ったヘルシングを構えようとするが……ダメージが、それを阻んでいた。
■龍宮 鋼 >
(苦痛はいつの間にか消えていた。
しかしその数秒の苦痛は、確実にこちらの動きを鈍らせていた。
正直今の攻撃が当たったのが不思議なぐらいだが、当たったのならそれで良い。
苦痛に屈して折れてしまいそうな足を殴りつけ、歩を進める。)
――ナメてんじゃねぇぞ。
(笑うように口の端を吊り上げ、更に一歩。
先ほどの数秒を思い出せば、脚が竦む。
もう一度振るわれれば、大げさに距離を取るだろうと言う確信めいた予感もある。
それでも、進む。
一歩、また一歩と、恐怖を踏み付けるように、近付いていく。)
そんなモンで止まるかよ。
痛みが何だ、恐怖が何だ。
(心は折れない。
既に折れて砕けた心だ、これ以上折れようがない。
だから、この身を突き動かすのは、ただ一つ。)
そんなモン、アイツが受けたモンに比べりゃ、屁でもねェ。
龍宮鋼を、ナメんじゃねェぞ……!
(彼女の理不尽な思想に対する怒りが、その脚を動かしている。)
■東瀬 夏希 > 「ははっ……」
苦笑する。
確かにナメていた。そういう指示があったとは言え、自分の手札も限定していた。
だが、それでも。魔女への鉄槌を耐えるのは並大抵のことではない。
それを支える精神力の源が、鋼の過去にあるのならば。
「貴様こそ……東瀬夏希を舐めるな……!
異端の分際で、囀るんじゃない……!」
夏希を駆り立てる憎悪の火種も、夏希の過去にある。
目を見開き、気合で痛みをねじ伏せ立ち上がる。
そのまま、近づいてくる鋼を睨み……念話を繋ぐ。
「司祭様。早々に言いつけを破ることをお許しください」
それだけ言って、鋼が近付きすぎる前に……急いで、詠唱をする。
「『限りない願いをもって要望する。異端に裁きを、同胞には平穏を』!」
その瞬間、インノケンティウスの二つ目の固有性能が発動する。
インノケンティウスの第二の固有性能、『異端迫害聖域(スンミス・デジデランテス)』。
インノケンティウスを地面に突き刺し、先述の詠唱を行うことで発動。インノケンティウスを中心とした半径7mの円状に、異端存在に継続的に苦痛を与え、動きを阻害する結界を展開する。
……が。
その威力は当然『魔女への鉄槌』には劣る上に、地面に突き刺していることが条件である関係上、『魔女への鉄槌』とはどうやっても併用出来ない。
この選択は、吉なのか凶なのか……しかし、夏希は『魔女への鉄槌』を振りかざす事を諦め、『異端迫害聖域』で少しでも鋼を足止めする方を選んだ。
ヘルシングで、確実に殺し切るために。
「殺してやる……!異端は全て、殺し尽くしてやる……!」
燃え上がるような憎悪を迸らせ、ヘルシングで突きの構えを取る。
足が止まるようであれば、即座に『悪魔の子を串刺しにせよ(ツェペシュ・ドラキュリア)』で貫けるように。
■龍宮 鋼 >
(彼女が何事かを呟き、地面に剣を突き立てた。
途端、再び自身の身体を苦痛が襲う。
しかし先ほどのものと比べ幾分か弱い。
苦痛に顔を歪め、脚を止める。
止められたのではなく、止めた。
彼女を正面から迎撃するために。)
――ぴーちくぱーちくうっせェんだよ。
ご大層な正義振り回しやがって、うざってェ。
(脚を前後に開き、腰を落とす。
左手を前に、右手は腰に。
右の拳に魔力を集め、更にそれをドリルのように高速で回転させる。)
――来いよ。
全部叩き潰してやる。
(螺旋勁と名を付けたそれで、彼女の攻撃を迎え撃とうと、脚を止める。)