2015/07/26 のログ
ご案内:「常世神社」にライガさんが現れました。
ライガ > 神社の裏手にある休憩スペース。
石の一つに腰を掛けて、ぼんやりと佇む人影があった。

ミーン、ミンミンミンミンミィー……
せわしない蝉の声が辺り一面に響いている、蝉時雨といったところか。
目を閉じれば風が心地よい。
両腕を首の後ろに回し、ごろりと寝っ転がる。
頭上には古い樹が日陰をつくってくれている。

(あーー……寝そう)

昨日はどうも疲れた、いっそこのまま昼寝してしまおうか。
眼鏡を右手でつまんで、そうっとはずす。

ライガ > (しっかしあの先生の態度、妙に引っかかるな。
公的権力が嫌いみたいだったし)

むくりと起き上り、頭を掻く。どうにも不安がぬぐえない。
いろんな教師がいるけど、思想次第ではちょっと考えなきゃいけないだろう。今朝カフェテラスにそれとなく人を遣ってみたが、バイトの店員曰く、自分が去った直後に座席を漁るなどの奇行が見受けられたそうだ。

ライガ > 「あの言動、めっちゃ疑われてるよな……はーあ」

ライガ個人に疑念、敵意を向けるのはまだいい。
公安所属の身分も、相手がまっとうな教師ならば別にそれほど痛くはない。元々なるだけ隠してた方が動きやすいわけだし。

「でも、“探る”って言ってたよな、確か。
あちこち首突っ込まれちゃあたまったもんじゃない、何か対策考えなきゃ」

とはいえ、生徒相手ならともかく、教師を監視するシステムなんてあったっけ。そもそも教師の採用基準がかなり緩いのは聞くし、妙なのが紛れ込んでてもおかしくはない。

ライガ > 「まったく、エグリゴリの動向も調べなきゃいけないってのに……」

とはいえ、恨まれるような心当たりは正直、ありすぎて困る。
特に、海外に居た頃は一時期、財団にとって不都合な相手を消す濡れ仕事をやっていたのは事実で、もしその関係ならば復讐者が出てもおかしくはない。そのあたりは足がつかないよう、各所に手を回して丁寧に工作したが、絶対大丈夫とは言いきれないし。

ご案内:「常世神社」にマティアスさんが現れました。
ライガ > 考えながら、帰り支度を始める。
休憩しに来たのに、まったくそんな気分にもなれないのがつらいところか。

マティアス > (妙な自販機から購入した「トマトじゅーす」なる飲料の検査に行き詰まったので、散歩に出掛けてみた)

(よく考えたら普段は学園地区と落第街を行ったり来たりするばかりで、他の地区に行った覚えがないのだ)

(とりあえず学生居住区に出掛け、うろうろしていたら神社を見かけたので入ってみた)

(神社を探索中、難しい顔をしている青年を発見、熱中症かなんかってわけでは無さそうだが、一応声を掛けてみる)

「あのー……大丈夫ですか?」

「」

ライガ > 「んぇあ!?」

思考の沼に沈みかけていたが、突然声をかけられて、素っ頓狂な声を上げる。
顔を上げれば、この暑いのに眩しいくらい白い肌の少年であった。西洋系のハーフだろうか、女の子にもてそうな顔つきのイケメンである。

「ああ、大丈夫大丈夫。
ちょっと考え事しててさ、具合悪いわけじゃないよ」

ここ涼しいしね、と笑いかける。

「君も日差しから逃げてきたクチかい?」

マティアス > 「そうです、ならよかったです」

(単に考えごとをしていてボーッとしていただけと解ると、安堵し表情を緩ませる)

(そして軽く投げかけられた問いに)

「いえ、なんとなく歩いていただけです」

(周囲の温度を測る機能は付いているが、周囲の温度によって不快感を感じるということはない)

(しかしこうして見ると随分大柄な男である、人混みの中でも一発でわかる外見だろう)

ライガ > 一目見て異邦人とわかるような外見は、この学園内ではそう珍しくはない。
とはいえ、確かに威圧感を覚えそうな外見であることは自覚している。学生の身分が浸透してきたせいか、最近は泣いて逃げられることもなくなったが。
眼鏡を掛けなおすと、虎のような黄金色の眼がやや落ち着いた。

「そっか、僕もこの神社は初めて来たんだけど、静かだし物思いにふけるにはちょうどいいかなと思ってさ。
っと、僕はライガだ。一応魔術師関係の教科とってる、魔力はわけあって全然少ないんだけどね。
君も、みたところ学生かな?」

マティアス > 「私はマティアス・ベルンシュタインです、一応学生ですね」

(自己紹介には自己紹介で返す、これ基本)

「ああ、魔術に詳しいなら少し相談があるのですが」

(そう言ってごそごそと鞄を漁り、中から一つの小瓶を取り出す)

(小瓶の中には赤い液体、例の自販機から手に入れた「トマトじゅーす」なる飲料である)

「訳あってこの液体を研究しているんですが、現状手詰まりの状態でして……
私以外の魔術師に見せたら、もう少し詳しいことがわかるかもしれないと思いまして」

(そう言って小瓶を手渡す)

(この液体には質も量も高い魔力を保有するトマトを使っていて、それを保存するために安全性のある薬品を使っている、ということしかマティアスには解らなかった)

(これは一度他の魔術師に見せて、別の意見を聞いた方が研究に繋がる意見が聞けるかもしれない、と考えて)

ライガ > 「マティアスね、覚えた」

相談と聞けば、後頭部を掻きながら答える。

「ん?僕みたいな半端ものより、魔術学の先生に頼んだほうがいいと思うんだけど。
…どれどれ、『トマトじゅーす』??」

小瓶を受け取り、眺める、一見すると瓶入りのトマトジュースのようだ。赤が濃すぎる気もするが。
木漏れ日にかざして眺めてみる。
製造者は……常世財団??いやいや、まてまてまて。

「……ただのトマトじゃあ、なさそうだな。キラートマトかな?
植物の汁にしては、赤が濃いような気もするけど」

一滴掬ってみてもいいかな、と許可を求める。

マティアス > 「はい、大丈夫です」

(毒見にもなるし、とは声にも表情にも一切出さない、どこまでも面の皮が厚い奴である)

(あくまで「毒性は無い」というだけで、妙な効能が付いてくる可能性もある)

(後日例の自販機について色々と調べると、妙な効能が付いていたという噂話がわんさか出てきたのだ、安全とはいえ安心とはならない)

(まぁ自分の技術なら影響受けたところを摘出して代わりの義体を用意、とか簡単にできるし、まあ大丈夫だろうなと思いながら)

ライガ > 「ありがとう。
もしキラートマトだった場合、分類がトマトじゃなくてマンドラゴラになるんだろうけど。それはそれで、使い道はあるかもね」

言いながらポケットから小箱を取り出す。
蓋を開ければ、ピンセットやらスポイトやら中和剤やらがのぞく、今回はスポイトを使おう。
小瓶のふたを開けて、匂いを嗅ぎ、一滴吸い出すと、すぐに閉める。

「匂いはトマトっぽいな、確かに。
ちょっと鉄臭い気もするけど」