2015/08/23 のログ
ご案内:「常世神社」に由乃 廻さんが現れました。
■由乃 廻 > ……498、499、ごひゃく、と……。
(時刻は昼を少し過ぎた辺り。社の後ろ側の少し開けたところでトレーニングウェア一枚の少年が一人、木刀を振っている。)
あっちー……。
(規定の回数を終えて、木陰に置いてあったバッグから弁当……塩むすびなんだけど。と水筒を取り出し、そのまま仰向けに倒れこんで、そのまま頬張ることにした)
■由乃 廻 > ここんとこ入学の手続きやらなんやらで日課もロクにやれてなかったからな……。
(具も何もないがこういう時の塩気はたまらない物がある。4つほどあったおにぎりはあっという間に消えてなくなった。)
っつってもばーちゃんが居たら、何があってもやらされたんだろーな……。
(誰にともなくつぶやいてから、スポーツタイプの水筒の蓋を押し上げて、喉に冷えた麦茶を流し込んだ。)
ご案内:「常世神社」にダナエさんが現れました。
■ダナエ >
──ゴッ……ゴス…… ゴッ……ゴス……
ゴッ……ゴス…… ゴッ……ゴス
神社へと続く道に、陽炎に揺られながら人影が現れる。
石灰に覆われた海底の岩のような全身鎧の、
ふう、ふう、という見た目に反して人間味あふれる荒い呼吸が道端に響く。
「……朱色の、門のようなもの……。
恐らくは、これがトリィだな」
汗だくで鳥居をしげしげと見上げ、この奥が神社か、と呟く。
自室の隣りに住むおばあちゃん大家さんに学園に入学しようと思うと話したところ、
合格祈願にこの神社を勧められたのだった。
信じていない神の神殿など行けないと一度は断ったものの、
大家曰くここの神社の神様は異邦人にも人気らしい。
眩しい緑の木々を従えた鳥居は美しかったが、
異国の騎士の目には何故だか少し恐ろしくも感じられた。
大きく深呼吸をする。
「そちらに御座すトォコヨ島の神よ。
ここではない国に生まれここではない国の神を信じる私が、
神殿へ入ることを許していただけるだろうか?」
無駄に凛とした声で鳥居の向こうに声を掛ける。
返答があると思っているわけではなく、自分なりの妙な礼儀だった。
■由乃 廻 > ……さてと、そろそろ練習さいか……あん?
(何かを引きずるような音とそこはかとなく香る磯の匂い……。
幾ら神社が海に面しているとはいえ、ここまで漂ってくるものではない
……はずだ。直後、境内に響き渡る声。)
何だ何だ何だ!?
(警戒レベルが跳ね上がる、敵意はなさそうだが内容からしてもどうも「こちら側」の人間ではなさそうだ。
バットケースの中から木刀とは別に入れてある、一振りの刀をひっつかんで、そっと境内の裏から様子を伺ってみる……。)
鎧だ。
(小声で一人つぶやいた。鎧としか形容する言葉を俺は持っていなかった。
こんな真夏にバカなんだろうか、それともさっき言ってた宗教上の理由とかそんなもので脱げなかったりするのだろうか。)
あー……神様とか居ないと思うんスけど、気にしないでいいんじゃないっすかー?
(ちょっとまだ向こうに姿を見せる勇気は無かった。
社の裏側から大声で声のする方に投げかけてみる。)
■ダナエ > 「神が喋った!?」
思わず鎧の中で仰け反る。
「……ああ、いや、今のは人間の声だな……」
動揺。
別に誰も騙そうとはしていないのに、危ない危ない、騙されるところだった、と安堵。
「ふむ。入らせてもらうぞ」
この言葉は、誰かはわからないが奥にいる人間へ向けて。
「失礼つかまつる」
この言葉は、神へ向けて。一礼し、鳥居をくぐる。
──ゴッ……ゴス…… ゴッ……ゴス……
ゴッ……ゴス…… ゴッ……ゴス
「……?」
周囲をぐるりと見回す。
鳥居を抜けても、どこにも人影を見つけられない。
「まさかあれは、本当に神の声……?
いや、だが神などいないと言っていたが……」
耳慣れない蝉時雨の中、異世界の神殿でただ一人。
「だ、誰かいるのだろう。どこだ……?」
不安になり、狛犬の後ろを覗いたりと辺りをうろつく。
挙動不審。
■由乃 廻 > や、だから神じゃねっつの……。
(聞こえないように小声で呟きつつ、そのまま様子を伺ってみる。)
いやでもこええ、こええよアレ……。
(ゲームの世界でしか見たことないような全身鎧の男(……男であってほしい。)が俺を探している。
割と恐怖だが剣呑な雰囲気でもないようだし、刀もある。なんとかなるだろう。たぶん。)
あー……、えーと。さっきの声なら俺だけど、なんか探しもんとかしてんの?アンタ……。
(ザリ、と靴が砂を噛む音をさせて、境内に姿を表すことにした。
おっかなびっくり全身鎧に声をかける。)
■ダナエ > 「おお!
そうか、先程の声は貴公だったか」
少なくとも見た目は普通っぽい人間の登場に、心からほっとする。
「探し物というか……
ここは、願いを叶えてくれる神殿だと聞いてきたのだ。
貴公に願いを伝えれば、神に願いを届けてもらえるのだな?」
誤解。
相手の手の刀に目が行き、怪訝そうな顔。
「それは……?」
■由乃 廻 > 貴公って……。ま、話通じるならいいけどよ。
(芝居がかったというか時代がかったというか。とにかく方が凝りそうな喋り方だが
どうやら意思疎通は可能なようだった。)
願いを叶えてくれる、ね……あってるっちゃあってるけど後半部分スゲー間違いが来ちゃってんな。
(なんと説明したものか。そもそも神様がどうとかそういう話からするべきなんだろうか。)
とりあえずなんでも叶うっつーわけじゃなくて叶うといいなー?とかそういう感じでお願いする場所だよ。ここは。
あと神の使いとかそう言うのじゃねーから!
(トレーニングウェア一枚の神の使いなんて、威厳にかけるだろうな……
などとどうでもいい想像を巡らせながら応じる。)
これはえーと。修行の一環っつーか……なんつーか?
(アンタの見た目怖いから持ってきましたとは言えない。
夏なのに冷や汗ををかきつつ答えた。嘘は言ってないな、うん。)
■ダナエ > 「叶うといいな……?
神に願い事をするのに、そのようないい加減な気持ちで良いのか?
逆に天罰が下りそうだが……」
日本の願掛けの緩さを理解できず、眉間に皺。
「そうだったか、失礼した。
確かに先程、神などいないと言っていたな。
それで聖職者のはずがない」
自分の間違いに気づき、ちょっと笑う。
「修行? ほう、剣の使い手なのか。
良ければ少し訓練を見せてもらえるか?」
日本の剣技に興味津々。腕組みで待機。
■由乃 廻 > あーっと……おっさん?お兄さん?が元いたトコがどうかは分かんねーけど、
少なくとも俺の周りでは神様とか見たことないんだわ。
(さり気なく年齢を推し量るように投げかけつつ。
これで年下だったら怖いな、別の意味で……。などと内心思いながら)
ま、お祈りしといていい事あったりうまく行けばご利益があったっつー事だし
なければやっぱ神頼みとか意味ねーって愚痴る訳よ。
(声に少し明るい色が見えて、こちらも自然と口調は軽いものとなる。
適当な説明に過ぎるが、一般的な(?)認識としてはこんなものだというのが伝わればいいだろう。)
見ても別に面白くないと思うけどな……。ま、いいけど。先に神頼み、しといた方がいいんじゃね?
(顎で賽銭箱の方を指すが、見えてるんだろうか。少し不安になったが、先に彼の目的を遂げるべきだろう。)
■ダナエ > 「おおおおっさん!? 失敬な!!
これでも中身は十八歳の婦女子だ!!」
フルフェイスの面甲を跳ね上げて、顔を露出する。
それは怒りに歪んではいるが、年相応の人間の少女のもの。
「フン。
聖書が書かれた大昔は別として、
私の世界でも神が姿を現すことはない。この世界と同じだ」
「ふむ。
神というよりはもっと下位の……
精霊か何かに願いを掛けている感覚なのだろうか」
それなら軽さも理解できる、と自分の感覚で想像。
「そうだな、先に済ませておこう」
賽銭箱は見えているが、それが何かは知らない。
素直に指し示された方へ歩いていき、鈴も鳴らさず賽銭も入れずに。
胸に拳を当てて頭を下げ、祖国流に祈る。
祈る。
……祈る。
…………まだ祈る。
たっぷり時間を掛けて祈り、満足そうに戻ってくる。
「これで私も学園の生徒になれるだろう。
さあ、それでは剣技を見せてもらえるか?」
ワクワク丸出しの表情。
■由乃 廻 > ……。
(しばしの沈黙。)
は……?ええ?!おおお女ァ!?
(たっぷり30秒ほどの沈黙のあと、飛び退るほどに驚いた。マジでか。
おそらく学園に来てからのちゃんとした女子との絡みは、ロマンスの香りと言うよりは磯の香りしかしなかった。)
その辺はここと同じなんだな……。悪かったよ。
(謝って置くに越したことはないだろう。バツの悪そうに軽く頭を下げた。)
ま、いっか。俺もせっかくだからお参りしときますか。
(ポケットに突っ込んであったのは10円と5円。まぁ二人分ということでいいだろう。
ポンと賽銭箱に放り込んでガラガラと鈴を鳴らして二礼、二拍手、一礼。
この辺りは祖母に叩きこまれたので慣れたものである。)
え、いやそんな期待の眼差しで見られても……。大したモンでもないって。
(しかし暑いのに鎧を脱ぐ気配が全くない。とりあえず社の裏の木陰で見てるように薦めておく。)
■ダナエ > 「ま、まさかおっさんと間違われるとは……!
このダナエ、生まれてこの方これほどの屈辱を受けたことは……」
握ったガントレット拳をプルプル震わせながら考える。
──が、考えたら意外とあったので黙る。
相手に頭を下げられ、鼻から大きく息を吐く。
吐いた息が鎧の上を通って、さらなる磯の香りが辺りに撒かれる。
「まあ、確かに外からは察することは難しいだろうからな……」
仕方ない、と。
参拝の作法を見て、
「おお、あれがこの国の祈りの捧げ方か……」
感心。
作法を覚えようとするが、半分も記憶に残らないだろう。
「ここでいい、近くで見たいからな」
日陰を薦めてくれた親切をよく見たいという好奇心から断り、腕組み。
「さあ、ここに誰もいないと思って自由に始めてくれ」
無茶を言いながらガン見。
■由乃 廻 > なんつーかその、普通の18歳の婦女子は全身を鎧で固めてたりしないかな……って。
(頭をかきつつ、社の裏へと移動しながら。やっぱり山なのに海の匂いがする……。)
お祈りなんだから気持ちがこもってりゃ何でもいいんじゃねー?
ウチはおばあちゃんがうるさかったからキッチリやってるってだけだし。
(おばあちゃん、という単語だけ普段の口調から浮いている気もしたが、変にカッコつけても仕方がない。
俺にとっておばあちゃんはおばあちゃんなのだ。)
で。いや、あの……?オネエサン?威圧感スゲーんだけど……。
(別に争ったりもしないだろうし、見せたところで困りはしないだろう、とは言ったものの。
プレッシャーが凄い。だからといってそんなことで集中を乱されるほどの鍛え方はしていない。
意識を刀にだけ向ける。切り替えは一瞬。腰を落とし、刀の柄に手をかけた)
……。ハッ!セイッ!
(ただ抜き、打つ。刹那の間に鞘から刀が閃き、走った。間髪入れずに横に薙ぐ。)
……。だーっ。見られるとやっぱ緊張はすんな!
(丁寧に鞘に刀を収め、大きく息をついた。ダナエに笑いかける顔つきは歳相応のもの。)
■ダナエ > 「私も普通の人間だぞ。
貴公はもっと普通の幅を広げておくがいい」
自分が普通と見なされないのは普通の範囲が狭いからだ、
もっと範囲を広げるべき、という図々しい発想。
社の裏へおとなしくついていく。数分遅れで。
「そうか、気持ちなら籠もっているから問題ないな。
礼儀に厳しいのか、良い祖母だな……」
神を敬う気持ちはかなり強い。
祖母の話には目を細める。
初めて見るこの国の剣、カタナは細く長く──濡れたように美しく光っていた。
その光沢と形状から、ガツガツぶつけ合う剣ではなく切れ味が命の剣であることは見て取れる。
相手はなかなかの使い手、薄く長い剣を重装の隙間から差し込むのは恐らく難しいことではあるまい。
思わず手合わせをしたくなり背中の大剣を引き抜きかけるが、ここは神殿。
何とか堪えて、笑いかける相手にこちらも晴れやかな笑顔で。
ゴッゴッゴッゴッと、ガントレットをしたまま拍手。
「素晴らしい、抜きが速いな」
■由乃 廻 > や、普通の人間かも知れませんけど普通の女子じゃないって言ってんですけど?!
(意外と天然だこの人!と驚きつつツッコミは入れておく。鎧叩いたら凄い音がしそうだ。)
なんか今背中に手かけようとしてませんでした?!
(物々しい拍手のあと、思わず二度見してしまった。
よく見たら柄があった。身の丈に近いサイズの大剣である。
あんなものを叩きつけられたらひとたまりもなくポッキリと逝くだろう。俺ごと。
背筋に寒いものを感じながらも続ける。)
今のがそのさっき言ってたおばあちゃんから教わった剣なんだよ。普段はこのまま。
(といって鞘に収まった状態の刀を指さし)
戦うときにズバッと抜く訳よ。
(鯉口を切り、少し刀身を覗かせて。)
っと、そろそろ家戻んねーと。俺は由乃 廻ってんだ。1年な。またガッコであったらよろしく頼む。
(握手……でいいんだろうか。恐る恐る、というのが分からないようにダナエに握手を求める。)
■ダナエ > 「ああ、普通の“女子”か……。んむ」
確かに普通の女子ではない自覚はある。
「まああれだ、女子も男子と同じくらい色々いるのだ、本当は。
外では普通の女子の皮を被っているだけでな」
知った風な口をきいてみる。
「い、いや、背中が痒かっただけだ」
神殿で手合わせしようなどしてませんよの顔。
誤魔化した結果、鎧の上から背中を掻こうとしていたワイルドな人となる。
「なんと、祖母に教わった剣だったのか。
なかなか魅力的な御仁だな……」
一度会ってみたいものだ、と。
「良いものを見せてもらった。感謝する。
私はダナエ、近々学園に入学予定の騎士だ。
よろしく頼む」
楽しげに礼をして、ガントレットを脱いで握手。
別れの挨拶のあとは、自分もまだ熱いアスファルトの道を亀の歩みで帰っていくのだろう。
ご案内:「常世神社」から由乃 廻さんが去りました。
ご案内:「常世神社」からダナエさんが去りました。