2015/10/06 のログ
ご案内:「常世神社」にソラさんが現れました。
■ソラ > ぺたり、ぺたりと音が響く。
石段を裸足で登る音。
常世神社に続く石段の途中には、暗い夜道でもよく目立つ
金色の髪と白い服の少年が歩いている。
いつも笑顔で有り余るほどの元気を振りまいている彼にしては珍しく、
今夜は少々落ち込み気味。
大袋入りのたまごボーロを飲み物もなしに口に放り込みながら
神社を目指して歩いていく。
どう考えても口の中の水分を全て持っていくようなそのお菓子を
一気につかんでは口に運び、もっさもっさと咀嚼して飲み込む。
偶にむせるが気にしない。
■ソラ > 少年は物事を深く考えない。
面白そうだと思ったら即実行に移る。
大抵の場合は笑って済ませられる程度で終わるし、
片割れも呆れた目で見てくるくらいで何もいわない。
けれど、毎回そうだとは限らない。
なんとなく片割れに避けられていたような気がしたここ数日。
いつも通りのスキンシップもやたらと拒否されたり
別行動が多くなったり。
ちょっと腹いせに驚かしてやろうか、などと考えていたところに
丁度よさそうな代物を見つけて持ち帰った。
拾ってきたのは人の生首。
少年には善悪がわからない。
それを見て真っ青になった片割れの顔を見て、
ようやくしてはいけないことをしてしまったのだと知った。
普段感情を表に出さない片割れに思い切り叱られ、
泣き出してしまった彼女をなんとか宥めて。
しばらく一人にしてほしい、といわれて夜歩き中。
歩きながら、ぼんやりと夜空を眺める。
■ソラ > 一段、また一段と鳥居に向けて石段を上る。
くるりくるりと危なっかしい足取りで、踊るように回りながら。
向かう視線は空の上。
途切れ途切れの雲が月を覆い隠している。
けれども、星はよく見える。
再びくるりと一回転。
瞬間、尖った石を踏みつけてしまった。
びっくりしてバランスを崩す。
思いっきり、石の上に倒れこむ。
袋詰めのたまごボーロと血しぶきが飛び散った。
■ソラ > しばらくそのまま動かなかったが、数分してむくりと起き上がる。
常人なら致死量か、少なくとも気絶しているであろう出血量。
軽くあたりを見回すと、たまごボーロの袋を拾い上げ、
こぼれたものも拾って口に入れる。
石段が血まみれになっているが、
彼の中ではお菓子のほうが優先度が高いらしい。
■ソラ > 血まみれの石段をそのままに少年はふらふらと降りていく。
この後、神社でのんびりお菓子を食べる予定だったが
その大半をこぼしてしまったことで萎えてしまったらしい。
残されたのは真っ赤に染まった石段と
拾い切れなかったたまごボーロ。
目にした人は一体何を思うのだろうか。
ご案内:「常世神社」からソラさんが去りました。
ご案内:「常世神社」に稲鳴 数間さんが現れました。
■稲鳴 数間 > 「よっほっはっ、と」
少年が一人、石段を登っていく。
一歩、また一歩。それなりに角度があるものの、少年の足取りは一定のリズムを乱すこと無く、遅くも早くも無い速度で階段を登っていく。
「とうちゃくっ、と!」
無駄に力強く境内の石畳を踏みしめ、楽しそうに笑った。
■稲鳴 数間 > 「はー。にしても、此処が常世神社かー。思ってたより綺麗だなあ」
物珍しそうに見渡しながら、少年は参道を歩いて行く。少し不自然な事に中央は歩かず、端の方を歩いて行くのは、そこが神様の通り道だと知っているからか。
そして、本殿までたどり着くと、スズを鳴らして二礼二拍一礼。
「俺の神様を宜しくお願いしますよ」
そう言って、百円玉を賽銭箱に投げ入れる。
■稲鳴 数間 > そして、それを終えると、一息ついて、本殿を背にして伸びをする。
「さってと。取り敢えずお参りは終わったし、どうすっかなー。掃除しようにも此処綺麗だし……しばらくベンチでぼんやりするかなあ」
そう言って、境内の隅の方にあるベンチに座った。
石段を登って少しばかり疲れたし、何より暇なのである。偶にはのんびりするのもいいだろうと思い、ポケットから文庫本を取り出して読み始める
■稲鳴 数間 > 「……あきた」
文庫本を読み始めて三十分もしない内に、ぱさり、と本をベンチの上に投げ出してしまった。
「んー。どうすっかなあ。流石に此処で運動とかするとバチ当たる気もすっしなあ。でも今から帰るのもなーんか」
もったいない。空は晴れているし、この神社は空気が綺麗だ。折角ならもう少し居たい。
「むむむ……どうすっかなあ」
悩む間も、時は過ぎていく。
■稲鳴 数間 > 「……んー。帰るかなあ」
頭を掻いて、本をポケットに入れなおす。
用事は済んだのだし、帰って自分の店を開けるのもいいだろう。
「んじゃ、また来ますよ」
最後に本殿に小さくお辞儀をして、彼は石段を降りていった。
ご案内:「常世神社」から稲鳴 数間さんが去りました。
ご案内:「常世神社」に稲鳴 数間さんが現れました。
ご案内:「常世神社」から稲鳴 数間さんが去りました。