2015/12/14 のログ
■ダナエ > ちょくちょくヤドカリになってしまうので、
過剰反応してしまった。
少女を泣かせてしまい、途端に慌てる。
「あっ……いや、違……
とととにかく、大声を出したりしてすまなかった。
全面的に私が悪い、だから泣かないでくれ……!!」
おたおたと両手を空中にさまよわせながら謝罪。
人気のないところで少女を泣かせる、フジツボ重騎士。
風紀委員にでも見つかったら言い逃れは困難な状況。
「わ、私は重騎士のダナエだ。
だが謝る必要はないぞ、私が大人気なかったのだ。
……『良いものじゃない』?」
少女の言葉に、少し考えて。
「そう言えば先ほどは、人格がどうとか……
まさかシーシュアンも、何者かに呪われているのか!?」
早とちり。ますます慌てる。
■石蒜 > 「うん、うん…石蒜泣かない、強いから……。」涙は驚いて出ただけなので、すぐに止まった。また袖で目元を擦る。
「だなえ、ダナエだね。…ダナエ、ごめんなさい。石蒜、失礼なこと言っちゃった。」名前を聞いて、深々と頭を下げた。
呪われているのか、と問われれば。
「ううん、えっとね。説明難しいんだけど。サヤっていうのが、最初に居たの。でもこっちの世界に一人で迷い込んじゃって。
寂しかったり、色々あって、魂が砕けちゃったの。それで、サヤの魂の欠片から鳴鳴っていう人が作り出したのが石蒜なんだ。
鳴鳴様は石蒜に優しくしてくれたけど…良い人じゃなかったの、むしろ悪くて…楽しむために人を痛めつけたり、殺したりしてた…。」
身振り手振りを交えながら、自らの来歴を話す。事情を知らない人間に説明するのは慣れておらず、懸命に言葉を探している。
「ええと、それで…石蒜もそれが当然だと思ってたから、色々悪いことしたの。人も、殺したよ…。
この体もサヤと取り合いになって、サヤにも酷いことしちゃった。今は仲直りして、体を共同で使ってるけど…。
石蒜はやっぱり良くない子なんだ。全然、償いとかもしてないし……。」
普段は考えないようにしていたことを、説明する内に思い出してしまって、うつむいてしまう。
■ダナエ > 強いから泣かない、と袖で目元を拭う少女の
けなげな仕草に、胸がキュッと痛む。
「えらいぞ、シーシュアン……」
頭を下げられれば、みっともなく動揺。
「いやいや、私が悪いのだ、頭を上げてくれ!」
少女の説明を真剣な表情で聞き、たっぷり数分考える。
「つまりその……シーシュアンは、
元々サヤという少女だったのだな。
メイメイという第三者によって、
サヤの魂のかけらからシーシュアンが生まれた。
それで、サヤとシーシュアンは2人の人間になったわけか?」
てっきり体も2つになったと思い、
サヤを探すように周囲を見回すが、
続く言葉を聞いて少女に視線を戻す。
「人を……?」
こんなに小さくいたいけな少女が人を殺めたと聞き、驚く。
そしてサヤと少女が、体は一つであることも理解する。
うつむく少女に、また泣かれてしまいそうで焦る。
「シーシュアンはいい子だとも!
そんな事情があったのなら、シーシュアンはまだ
生まれて間もない赤子みたいなものだろう。
子どもは誰でも過ちを犯すものだ、
間違ったことをしたなら正せばいい。
具体的な償いを無理に急ぐ必要はない、
大人になってからでも遅くはないと、私は思うぞ」
慰めようと、懸命に言葉を紡ぐ。
「大体、そのメイメイとやらが一番悪いのではないか?
シーシュアンは悪くないはずだ」
見知らぬメイメイに、少し怒りながら。
■石蒜 > 「うん、うん。」相手の確認に、頷いて肯定する。
「サヤとは体を交代で使ってるんだ。今はサヤが寝てるから、交代できないけど。」
「うん、ありがとう…。ダナエは…優しいね。畝傍みたい、あの…畝傍はね、今一緒に暮らしてる、石蒜の恋人。あのね、すごく綺麗で、優しいんだよ。」
もじもじと指先を合わせて弄りながら、はにかむように笑った。
だが、鳴鳴に対して、怒りを向けられると。
「鳴鳴様は……悪いけど、悪くないの…!石蒜の大事な人だから、悪く言わないで…!」
論理が破綻しているのを自覚してか、遠慮がちに、否定した。
「鳴鳴様は…えと、石蒜のことを愛してくれてたから…だから…ええっと…ごめんね、上手く言葉に出来ない…。」
今となっては鳴鳴は間違っていたとわかる、だがあの狂った邪仙の玩具であった間、石蒜は確かに愛されていた。
その関係性を表す言葉を、石蒜は知らなかった。声にはその混乱がありありと表れていた。
■ダナエ > 「一つの体に二つの心か……。
何かと不便そうだが、どうなのだろう。
サヤとシーシュアンの魂は、もう一つに戻ることはないのか?」
メイメイならばできるのだろうか、と考えながら。
「なんと、恋人が!?」
何となく少女を幼い子どもと思って話していたので、
恋人という言葉が出てきたことに驚く。
「ウネビ、か……。年は近いのか?
何にせよ、同居人がいるのはいいな。
異邦人には仲間が必要だ。
すごく綺麗で、優しくて……他にはウネビの、
どんなところが好きなのだ?」
少し微笑みながら聞いてみる。
今度は騎士が怒られる番。動揺。
「んん、大事な人? ……どういうことだ?」
こちらも軽く混乱。
「………………狂人の歪んだ愛情、というやつだろうか。
とにかくシーシュアンはメイメイが好きなのだな、
それならば悪く言ってすまなかった」
愛していた、と過去形なのが気になる。
「……メイメイは、今もこの島にいるのか?」
■石蒜 > 「色々、便利も不便もあるよ。テレビの番組とか、ご飯の好みとか違うから。石蒜はコーヒーが好きだけど、サヤは苦手なんだ。時代劇とか料理番組もサヤは一生懸命見るけど、石蒜には退屈。
でも、いつも絶対一緒に居るのは、寂しくないかな。サヤには内緒だけど。記憶も共有してるけど、鍵をかけて見れないようにも出来るんだ。だからナイショ話も出来るよ。」
人に色々教えるのが嬉しいのか、段々と明るい声になっていく。戻れないのか、と聞かれれば。
「ううん…多分無理だと思う。もう、サヤと石蒜の魂は別々になっちゃってるんだ。一部は繋がってるけど、別の人間だよ。」
畝傍について聞かれれば、パァっと顔を輝かせて。
「うん、教えてあげる!あのね、あのね。畝傍はね、畝傍・くりすた・すてんでるって言って、こう書くんだよ。」
としゃがみこんで指で土に、"畝傍 クリスタ ステンデル"と書いた。書き慣れているようで、指先に迷いはない。
「畝傍はね、年が15で、サヤが14なの。ええとね、好きな所はね。優しいんだ、絶対石蒜を大声で怒ったりしないの。
それにね、おっぱいが大っきくて抱きつくと気持ち良くて、いい匂いがするんだよ。
あとね、えっとね、約束したんだよ。石蒜は畝傍の1番で、畝傍は石蒜の1番なの。ずっと一緒なんだ、いつか結婚して、子供も作るんだ!」
興奮した様子で、思いつく限りの情報を並べ立てる。同性であっても石蒜には子供を作る能力があることなど、必要とされる説明は喜びのあまり頭から吹き飛んでいた。
鳴鳴に関しては
「うん、ごめんね。石蒜もよくわかってないのかもしれない。鳴鳴様の言うことは、いっつも難しかったから。
今は、もう居ないよ。サヤと畝傍ともう一人、風間蒼介のみんなで鳴鳴様を倒したの。その頃の石蒜は鳴鳴様と繋がってたからわかるんだけど、そのあと跡形もなく消えちゃった。」
少しだけ、悲しそうに言った。
「でも、良かったんだと思う。あのまま鳴鳴様と一緒に居たら、畝傍とは一緒になれなかったから。最後に鳴鳴様に、幸せになれって言われた気がするんだ。愛してるから、幸せになれって。」
■ダナエ > 「なるほど、サヤと趣味趣向は違うのか……ふふっ」
テレビや食事の好みの違いを聞き、
姉妹喧嘩のようなものを想像して思わず笑ってしまう。
「サヤとシーシュアン、二人で一人……
確かに、孤独を感じることはなさそうだな」
「おお、シーシュアンは漢字も書けるのか。
やるな」
地面に書かれた『畝傍 クリスタ ステンデル』の文字に目を見張る。
「ほう、同じくらいの年なのだな。
絶対に大声で怒らない、か。それは私も見習いた……
……んん?」
何か違和感が。おっぱいとか聞こえた気がする。
「あー…………ウネビは、女性なのか?」
騎士は目の前の石蒜を完全に少女と認識している。
少女の恋人は、少女。
「うーむ……シーシュアン。
子どもを作るのは、無理かもしれないぞ……?」
可哀想なので、無理とは言い切れない。
無用な心配ということには気づいていない。
「そうだったのか……。
余計なことを聞いてしまったな」
鳴鳴はもういない。
その可能性があることは何となく感じていたのに、
自分が知りたい気持ちを優先して、つい質問してしまった。
反省し、少し肩を落とす。
「だが、ウネビに、カザマ……
シーシュアンは仲間に恵まれているのだな」
良かった、と。
「愛してるから、幸せになれ、か……」
それ自体はごく当然の願いなのだが、
その言葉を少女に告げた人物の人となりを先ほど
聞いたため、難しい顔をする。
「……複雑な思考の持ち主だったのだな、メイメイは。
だがそれが最後の願いならば、叶えてやらなくてはな」
何だか切ないような気持ちになり、微笑む。
カラスの鳴き声。空を黒い翼が渡っていく。
それを見上げて空の色で日の傾きを知り、
「さて……
そろそろ私は、てみずを頂いて帰るとしよう。
シーシュアンはまだここで遊んでいくか?」
もし帰るなら、一緒に鳥居の外へ出ようかと少女を見る。
■石蒜 > 「これで体が別だったら良いんだけど、一緒だから大変なんだー。えへへ。」つられて、こちらも笑う。なんだかんだで、サヤのことは嫌いではないのだ。
指についた土を袴で拭って、立ち上がる。
「うんー、畝傍も女だよー。」質問には、当然のこととして答える。
そして、子供は作れない、と言われて。
「なんで?あ、そっか。」気付く、自分の体は特異なものであることを。
「あのね、石蒜は両方あるんだよ。病院で調べたらちゃんと機能してるって言われたから、大丈夫!
でもね、今は出来たら大変だから作らないようにしてるんだー。」そういったところまで考えが回らなかった石蒜と違って、畝傍はちゃんと将来設計ができていた。
「畝傍は石蒜よりずっとしっかりしてるから、安心なの。」自分のことのように、自慢げに鼻を鳴らした。
「うん、いつかね。サヤも石蒜も、畝傍も、あと千代田もみんな幸せになって…あっ」忘れてた、と新たな人名について付け足す。
「千代田はね、畝傍の別人格なの。こっちは怒ると怖くて、歯磨けーとか、お風呂入れーとか、色々言ってくるんだ。」
つまり、石蒜の家で暮らしているのは二人分の肉体と四人分の精神ということになる。
相手がもう帰る素振りを見せると。ポケットから携帯端末を取り出して時間を見る。
「んー。石蒜もそろそろ帰る。一緒に帰ろ。石蒜の家は学生寮なんだよ。ダナエはどこに住んでるの?」
■ダナエ > 笑う少女は可愛い。ほのぼのする。
「いつかサヤにも会ってみたいものだな」
「りょっ、両方ある……!?!?」
驚いて凍りつく。
が、少女が異邦人であることを思い出し、
それも珍しいことではないのかと考えを改める。
「そ、そうか。頼れる恋人で良かったな……」
「ウネビにももう一人分の心があるのか!?」
また驚く。
「それはもう、運命的な出会いだったのだな……。
これでサヤとチヨダが恋人になれば、
万事丸く収まりそうだが……」
まあそう上手くはいかないかもしれない。
「しかし、二人で四人か……。
ややこしいかもしれんが、賑やかそうなのはいいな。
食費も光熱費も二人分で済むし……」
せこい感想。
「寮?
そうか、シーシュアンは学園の生徒なのだな。
私も生徒だぞ、一年だ」
入学の時期によっては少女のほうが先輩かもしれないな、と思いながら。
「私が住んでいるのはな、異邦人街の……」
住所を告げ、学園のことなどをあれこれ話しながら神社を去るのだろう──
ご案内:「常世神社」から石蒜さんが去りました。
ご案内:「常世神社」からダナエさんが去りました。