2016/08/03 のログ
ご案内:「常世神社」に美澄 蘭さんが現れました。
■美澄 蘭 > 夕暮れが近い時間帯。
海水浴場の救護所詰めが終わった蘭は、また常世神社に足を運んでいた。
やりたいこと、出来るようになりたいこと、やらなければならないことは色々あるが、今は、「暴走」の抑制のために精神の安定を優先することにしているのだ。
そんなわけで…正しい作法に則って参詣し、挨拶をした後に鎮守の森へ向かう。
■美澄 蘭 > 蘭は、この島に来てから、極力夜に外を出歩かないようにしている。
外ではあまりないような力の持ち主が多い上、両親などの庇護者もいない状況では、太陽の下で守られているのが一番安全だからだ。
…そうはいっても、図書館で勉強にのめり込んでしまい、気がつけば日が暮れていたことは何度かあった。それに、用事が夜に入ってしまうこともないではなかった。
それでも、大事なく今に至っている。やはり、ここに来て過ごした一年あまり、蘭はかなり運が良かったと思って良いのだろう。
…それでも、少しずつでも、「一人で歩く」ことを覚えなくてはいけないのだと、蘭は思っていた。
せっかく、濃淡はあれど家族も背中を押してくれているのだから。びくびく縮こまっている「だけ」なのは、終わりにしたい。
「力」の制御に必要な集中力、精神力を養うのは、今の蘭にとっての最重要課題と言っても良かった。
■美澄 蘭 > そうして、物理防御術式を発動させ、そこに隠蔽術式を被せて、鎮守の森のただ中に立つ。
物理防御術式のおかげで、足元が汚れるとか、蚊に刺されるとかの心配はとりあえず脇において、瞑想に集中することが出来るだろう。
(…わざわざ隠蔽術式を重ねるなら、いっそ術式に組み込んでみたいけど…
調べないと大変だから、また今度かしら)
新たな課題を思いつくも、それも一旦おくことにして。
蘭は、立ったまま静かに目を閉じた。
■美澄 蘭 > 目を閉じた中で、冷却魔術をまとい夏の湿り気から距離を置いてなお感じるのは、森の青い薫りと「甘い」「光」の濃淡。
いつもとは違った世界の感じ取り方に、静かに心を躍らせながら…「視る」範囲を広げることを試みる。
「光」の濃淡を感じながら、少しずつ先を見………と、神社の敷地内に、強烈な「光」を感じ取る。
その「光」は巨大な塊で………
(………もしかしてこれ、御神体の大岩?
…余計なものを見ちゃったかしら…怒られないと良いけど)
蘭は、急いでその感覚の範囲を狭めようと、意識を逆に向ける。
より内側へ、内側へ。
………その中で、奇妙なものを「視た」。
■美澄 蘭 > 御神体の大岩には遠く及ばないものの、森のただ中で、強く存在する人型の「光」。
それを中心に漏れだす「光」が、周囲の「光」の濃淡と、淡く境界を共有していて…
「………!」
驚いて、蘭は自ら目を開けてしまった。
「………」
(今の………何?
多分、私がいた位置だと思うけど………)
意図せず自分で自分を「視て」しまった動揺に、少しだけ息を荒くする蘭。
胸に手を当て、少しだけ時間をかけて、呼吸を鎮め、気を落ち着かせる。
■美澄 蘭 > そうして、何とか落ち着いて…蘭が端末で時間を確認すると、予定の時間を過ぎていた。
「あ、やばっ…」
今日は仕事をした後なので、早めに帰るつもりだったのだが、その予定が若干危うくなってしまった。
空はまだまだ明るいものの、西の方の空は赤みを強くしつつある。
■美澄 蘭 > 慌てて鎮守の森を出る。
境内から出る前…鳥居の下で、前回よりも少しだけ深め、長めに頭を下げた。
(うっかり「視て」しまってごめんなさい…今度、改めて謝りに来ます!
また、ここで瞑想するのを許してくれると嬉しいです!)
そんなことを念じてから顔を上げ、そして身を翻し…蘭は、軽やかに神社の石段を駆け下りていった。
ご案内:「常世神社」から美澄 蘭さんが去りました。