2016/09/11 のログ
ご案内:「常世神社」にクロノさんが現れました。
滝川 浩一 > 「はぁ……」

参拝を一通り終わらせると大きなため息をつき、境内にあるベンチに座る。
最近、何だか疲れが溜まっている気がする。
学校の授業のせいか、はたまた同居人のせいか…

ともあれ、今日はその疲れを少しでも癒そうとここに来た。
ベンチに寄りかかり、上を見上げる。
頭上は木の枝と葉で覆われており、木漏れ日を見るととても幻想的であった。

ドタバタとした日常から解放された気分だ。

クロノ > (長い長い階段を登る一台の男の子。階段を一段登る毎に、ジージー、ジージー、と身体の節々から機械らしい駆動音が鳴る。重厚な機体を登らせるために、胸のエンジンも頑張って吹き上げる。背中、首の後ろにちょこんと突き出た排気筒からは、熱気を帯びた排気が元気よく吹き出している。)

… んっしょ、よいしょ、

(長い長い階段を登り終えて、鳥居の前で一礼して、そっと鳥居の小脇を通る男の子。階段を登り終えて一息、んーっ、とのびのび両腕を上げて深呼吸していたら、遠くに何やら見覚えのありそうな人影、発見。)

 … 浩一~!!
(おーぃ!みたいに元気の良い声で人影の名前を呼んで、ガシャンガシャンと重そうな音を立てながら駆け寄る緑色。)

滝川 浩一 > 手で顔を覆う。
何だか、緊張が解けたせいか疲れがどっと出て来た。
最近忙しくて十分に睡眠を取ってなかった。

ウトウトしだすが静かな境内に似合わない機械音が聞こえてきて必死に目を覚ます。

「…」

鳥居の方を見るするとそこにいたのは何時ぞやのロボットだ。
途端に目が覚めると彼もこちらに気付いたようで声を掛けて来た。

「あ、あぁ…クロノ」

緑色の装甲がこちらに走ってくる。
重そうな音を聞き、少し驚くが同時に彼との再会に喜んでもいた。

クロノ > (見知った顔に、急きょ参拝は一時休止。見た目も音も重そうな男の子はしかし、思いの外身軽な身のこなしで相手の前へと駆け寄ってくる。相手の座るベンチの前まで来ると、いつかと同じ、満面のニコニコ顔。)

… っふふふ。 … お参り?何かお願い事かな? …叶うといいね。
(お隣、おじゃましまーす、と相手との再会を喜ぶ一声。またベンチの強度を確認してから腰を下ろす仕草。)

…浩一、ちょっとお疲れ中?大丈夫?
(なんだか疲労感滲む彼の表情に、ロボットは心配そうにその顔を覗き込みつつ、機械の手を彼の額にそっと優しく宛がおうと。金属の部品で作られた男の子の手は、その表面は柔らかい素材で覆われていて、意外とひんやりもしない。)

滝川 浩一 > 相変わらずニコニコの笑顔にこちらも釣られて笑みが零れる。

「お参り…もあるが、少し静かな場所で休憩したくてな。
 住んでるところは事情があって落ち着けなくて…」

腰を降ろし、そう聞く彼に返答する。
確かにお参りもあるが第一は静かな場所で休憩することだった。
男子寮の部屋でも休憩できなくはないが、如何せん同居人を意識してしまうせいで完全に落ち着けなかった。

「大丈夫だ。少し、運動を…」

疲労が顔に出てたかと頭を抱えると笑顔を取り繕って返そうとすれば彼の手が優しく額に宛がわれる。
その手はひんやりと冷たく。未だ暑いこの季節ではとても心地よかった。

クロノ > …そ、っか。 …ごめん、邪魔しちゃったみたいだね。
(静かな場所、休憩。その言葉を聞いて、ロボットは動力をエンジンからバッテリーに切り替えた。胸元の、鋼鉄の心臓が停止すると、可動部の動力部品以外の音はしなくなるから、これで少しは静寂も取り戻せるか。)

 …ん。ちょっと火照ってはいるけど、階段上がってきたからかな。風邪とかではなさそうだね。
(おでこ、耳の裏、首。お医者さんが診察の時にするのと同じ手順でささっと確認をするけど、とりあえず問題は無さそうだ、と。そこまでしてみたところで、相手のおでこに載せた自分の手が気持ち良いのだろうか、すっと消えるような相手の言葉。くす、と静かに微笑んだ男の子は、片手をおでこに添えたまま、隣に並んで静かにじっと動かない。)

 …… ――――。
(先日の別れ際に見た、自分との会話のなかでの意味深な表情と、まだ少なかった彼の携帯の連絡先の数。後者は、彼がここにきてまだ短いということであれば納得はできるけど、それでもなんだか釈然としない疑問点について、ロボットのコンピュータはおでこのインジケータを忙しく点滅させながら、じっとあれこれ考える。)

滝川 浩一 > 「いや、いいんだ」

境内の静寂と自身の休憩を邪魔したと思い、謝罪する彼にそのように返す。
申し訳なさそうな彼から聞こえる駆動音が少し小さくなったような気がする。

「あぁ、これでも病気にならないのは自分の長所なんでな」

おでこの他に一通り触診されればそのように返す。一応、田舎にいた時は大した病気も怪我もなかった。
その他に体が大きいことも相まって病気には強い体、と本人は思ってるらしい。
ひんやりとした手が戻ってくるとそのひんやりとした感触を再度味わう。

「……?」

ひんやりと彼の手を宛がわれながら、何かを考えて静止している彼を見る。
おでこのインジケータが忙しなく点滅する様子を見て、とても大事なことを考えているのだろうと他人事のように気にしないでいた。

クロノ > … そぅ、ありがとう。 …住んでる所が落ち着けないって、なんか大変そう…。
(彼の返事に、男の子はほっとしたように頷く。続く彼の言葉を聞きながら、ん、と小さく短い相槌。)

… 健康は、大切な財産だよ。
(体も大きくて、健康的に見える彼。その健康がいつまでも続いてくれれば、と願いつつ。)

 …… ――――。… ね、浩一。 …… えっと、 ……。
(男の子の短く、途切れ途切れな問いかけの合間には、ピッ、…ピッ、と、途中に何度も思考処理を挟む小さな電子音。言うべきか、聞くべきか、或いはどう聞いたらいいのか、ロボットはロボットなりに悩んでいるようだ。旧式の機械である男の子は、暗記や計算と違い、こういう曖昧な心情の駆け引きは苦手らしい。)

滝川 浩一 > 「あぁ、何とか慣れようとしてるんだけどな」

頭を抱え、ため息交じりにそのように返す。
実際は同居人のせいで全く慣れてない訳なのだが。

「ははは、そうだね。病気とか気を付けるよ」

頬をかき、健康が財産と語る彼にそのように返す。
確かに今まで大きな病気には掛かってないが彼の言葉に従って無理しないようにと考える。

「ん?どうした?」

頬をかき、電子音を聞きつつ彼の顔に向き直る。
ロボットでも何かを迷うのかと同時に驚いていた。

クロノ >  …ん、僕に手伝えることとかあったら、いつでも呼んでね?
(彼の住まいがちゃんと安住の地になれるように、男の子も色々お手伝いしたい、と。一方的な指導ではなく、些細な相談事等でも色々受けるのは、きっと男の子自身も学生寮生活だから。医師として診察や健康指導をするだけでなく同じ屋根の下で寝食を共にする寮友でもありたい、と男の子なりに色々思っている様子。)

… … 。 ん。あの、これ聞いていいかちょっと悩んだんだけど…。
(相変わらずおでこのランプは忙しく点滅を続けている。途切れ途切れに、自信無さそうに、小さな声で話し始めるロボット。)

…この間の、浩一の。 …僕、こんな感じで、感情表現とか、意思表示とか、下手だけど… ぅうん、…人間の物真似するのも下手な機械だけど、それでも、 …その、僕、人間と …みんなと… …浩一と、お友だちになれるかな。
(とりわけ、ここの学生さんたちは普通の人間とちょっと違って、色々な特殊能力を持っている人も多い。故にいろんな過去、経歴を経てきた人たちも多いみたいで、もちろんそういう能力のない、何の変哲もないただのロボットの自分には、なかなか彼らの悩みとか苦労とかが理解出来ないようで。医師兼技師でありながら寮暮らしの機械は、教職員やメンテ技師ではなく、あえて同じくらいの年頃の、同じ寮生に相談をしてみる。)

滝川 浩一 > 「…?あ、あぁ、分かった。」

首を傾げ、彼の言葉にとりあえず頷いておく。
勿論、困ったことやどうしようもない時は頼るつもりだが、何故今更聞いたのだろうと少し疑問であった。

「ん?何だい?」

聞いてもいいか迷ったと言いながら、自身無さげの彼の顔を凝視する。
何故あたまのランプが点滅しているのか少し謎であった…が

「…プッ、はははは!いや、もうとっくに友達じゃないか?俺ら」

彼の言葉に笑い、笑顔でそのように返す。
他の人間は知らないが滝川少年はつい最近特殊能力である異能に目覚めたのだ。故に普通の人間であった期間の方が長いため、特に大した苦労も経験もしてなかった。
異能に関してはまだ大きな悩みや苦労はない。というか自身の異能をあまり知らないために知るところからのスタートとなっている。
ともあれ、そんな彼に対し何故そのような言葉をかけるのか。恐らく気を遣っているのだろう。
そんな気を遣わなくていいと付け加えた。

「っと…もうすっかりこんな時間だ。すまん、用事があるんで俺は帰るぜ」

スマートフォンのバイブレーションに反応してボタンを押せば時間を確認する。
もうすっかり憩いの時間は過ぎたようでスマートフォンの電源を落とすと彼にそう言い、境内の外へと歩いていく。

ご案内:「常世神社」から滝川 浩一さんが去りました。
クロノ >  …む。 …そ、そう、かな? …そうだと、いいな…。

(彼の反応に、意外そう、というかやはり少し長めの処理時間をおいて返す言葉はまだ自信無さそうな疑問系。その後少し間をおいて、ちょっと照れ臭そうに機械自身の気持ちも添える。)

 …ぁ、うん。わかった。今日もありがとうね。…気をつけて。
(ベンチから立って歩き始める彼へ、またいつも通りのニコニコ顔で手を振る男の子。彼の姿が見えなくなったら、男の子もベンチから立って、中断した一通りのお参りをして帰ろう。 …お賽銭入れて手を合わせてお祈りするのは、学校に、この街に暮らす大勢のみんなの、健康と幸福。…あと、たくさんの人とお友だちになれますように、とか。)

ご案内:「常世神社」からクロノさんが去りました。