2016/10/16 のログ
■美澄 蘭 > 自然への親和性。魔力への感受性。
見る者によっては、それ自体が「異能」とすら言えそうな、蘭の魔術適性。
…実際、それそのものが異能ではなくても、蘭の異能は、その魔術適性の開花に伴って発現したものだった。
本人は、その自覚には未だ乏しく、こうして神社で一人、普段のそれより本来の意味に近い瞑想をしているのだが。
雑念を追い払い、ただ、自然の囁きに耳を傾け。
…そうして雑念を払えば払うほど、蘭の魔力と神社の気配は、その境界を曖昧にしていた。
■美澄 蘭 > 蘭の魔術適性の意味を、歴史的経緯を知る者はもうこの世界にない。
その意味を知っていた、異邦人であった祖母は、魔術について多くを語ることなくこの世を去ってしまった。
「………んー………っ」
当の本人は、そんなことを考えるでもなく、気分転換を満喫して、ベンチの上で伸びをしているのだが。
■美澄 蘭 > 伸びをした後、目をぱっちりと開き、すたっと軽い足取りで立ち上がる。
自然の多い場所での気分転換は想像以上に効いたらしい。蘭の顔は、気分一新といった感じで晴れ晴れとしていた。
「…よし、今日は帰りましょ」
秋分から三週間も過ぎれば、陽が落ちるのは大分早くなっている。
蘭は鳥居の下で改めて本殿の方に向けてお辞儀をすると、軽い足取りで神社の石段を駆け下りていった。
ご案内:「常世神社」から美澄 蘭さんが去りました。