2018/01/31 のログ
ご案内:「常世神社」に鈴ヶ森 綾さんが現れました。
鈴ヶ森 綾 > 島では現在、一部で何やらきな臭い事態が起こっているようだが、
居住区においてはその影響も見受けられない。

むしろ先日の大雪の方が余程重大な事件と言える。
しかしその雪もほぼ溶け消えて、街はいつも通りの姿を取り戻していた。

ここ、夜の神社も平穏そのもの。
静けさに浸るには丁度いい環境と言えた。
鳥居をくぐって無人の境内に入り込んだ女は、そこをぶらぶらと散策した後、拝殿の前にやってくると足を止めて上を見上げていた。

ご案内:「常世神社」にアリスさんが現れました。
アリス >  
階段をぴょこぴょこと跳びはねるように上ると、夜の神社に出た。
鳥居を見ながらあちこち眺めている。

そして赤い月を見上げて携帯デバイスで禍々しい天体を撮り始めた。

そして。
先客に気付いて、挨拶をした。

「あ、どうも」
「夜の神社に人がいるとは思わなかったからちょっとビックリ…」

そう女に話しかけながら携帯デバイス片手に頬をかく。

鈴ヶ森 綾 > 暫くの間拝殿を見上げる姿勢のままでいたが、近づいてくる気配を感じてそちらへと首を回す。
そこに一人佇む少女の姿を認めると、口元に薄っすら笑みを浮かべて口を開く。

「あら、こんばんは。こんな時間に参拝かしら?熱心なことね。」

夜の神社への来訪者という点では、二人とも立場は同じ。
しかしいかにも自分はそうではないと言うような調子で少女に語りかける。
体全体をそちらへと向け直すと、改めて観察するようにその全身を眺めやる。

アリス >  
「ああ、私は別に参拝じゃなくて。近くにパパとママの会社があるの」
「仕事が長引いてるみたいだから迎えに来たついでに月の撮影を、と思って」

撮影した月の写真をSNSにアップロードする。
ついでに神社なうと書き込んでおいた。

「……?」

視線に気付いて自分の服を見る。
ガーリィなピンクファッションに何故か白衣を着ている。
研究対象だった時に面白かったから着たらつい癖になった白衣。

鈴ヶ森 綾 > 「あぁ、なるほど。それなら私と似たようなものね。
 ゆっくり月を見るのに、静かな場所を探していたらここを見つけたのよ。
 それで、いい写真は撮れたのかしら?」

自分は、ただで見るだけで満足してしまうが。
空を見上げれば、月食で陰る満月がそこにある。

「でも…両親を迎えに、ね。どちらかと言うと、迎えが必要なのは貴方の方だと思うけれど?可愛らしいお嬢さん。」

どうも彼女は、その不躾な視線の意味を理解していないようだ。
自分が興味があるのは、着ているものよりその中身だ。
とは言え、夜間とは言え学生街や居住区であまり派手な事をするわけにもいかないが。

アリス >  
「確かに、静かで暗くて。月を見るには良い場所!」
「ええ、最近は携帯デバイスのカメラも高性能ね、良い感じに撮れたわ」

大きな月は闇に食まれていく。
周囲が一層暗くなる。

「ふふ、確かにそうかも知れないわね」
「でも月が綺麗だからつい外に出ちゃった! こんな天体ショー、なかなか見れないわ」

視線に込められた意味にも気付かず、空と携帯デバイスを交互に見ている。

鈴ヶ森 綾 > 「そう、それは良かったわね。でも私は写真より、やっぱり自分の目で見るのが一番だわ。」

何も知らない程に無邪気なのか、知っていてこうなのか、その警戒心に乏しい様子はある種の欲望を疼かせる。
ゆっくりとした足取りで彼女に近づくとその隣に並び立ち、その横顔を見つめる。

「…ねえ貴方。どうせなら、もっと見晴らしの良いところから撮ってみたくないかしら?」

忙しそうに視線を月と手にした機械との間を行き来させる少女に対し、
思わせぶりな言葉と共に手を差し伸べる。
顔には優しげな微笑みを浮かべているが、その腹のうちがいかなるものかは、読心の能力でもなければうかがい知れないだろう。

アリス >  
気付いたら女性はすぐ隣に来た。
薄い月明かりに浮かび上がる彼女の顔は、ぞっとするほど美しかった。
知らなかった、美人は月の下にくるとこうなるんだ。

「見晴らしのいいところ?」

鸚鵡返しに聞き返して、差し伸べられた手を見る。
少しドキッとした。でも、優しげな表情を見て、ついその手を取った。