2018/07/16 のログ
ご案内:「常世神社」に暁 名無さんが現れました。
暁 名無 > ちょっとした用で港まで出た帰りのこと。
あまりの暑さに耐えかねて、何処か涼しい所で一休みしようとやって来たのは常世神社。
長い石段を見た時には判断を誤ったかと舌打ちをしたが、上りきって境内に出れば、石段の上と下でこれほど差があるのかと思うほどに涼しい風が吹いていた。

「……まるでここだけ他所から切り離されてるみたいだな。」

そんなことを独りごちながら、道中の自販機で買った水を呷る。
いやぁ生き返った生き返った。これでタバコでも喫えれば言うこと無しなんだが。流石に神社でタバコはまずいよな。

ご案内:「常世神社」に白鈴秋さんが現れました。
白鈴秋 > 「ふぅ……」

 階段を上り終え少し汗を拭う。
 神社の少し静かな空気。こういう空気が好きでたまにここに通うのだが。やはりこの時期はだいぶ厳しいものがある。
 一応は体を鍛えてはいても暑いものは暑い。

「ん、あれ」

 ふと視線の先。見たような見たこと無いような人影がいる。少し記憶を掘り起こし。

「先生……でしたよね。こんな場所で何やってるんですか」

 学校で何度か見かけたことがある、でも生徒としてではなかったはずなので先生だと当たりをつけ声をかけた。

暁 名無 > 「おう」

特に何をするでもなくぼーっと空を眺めていたところで声を掛けられ、意識を引き戻すと共に取り敢えずで短く返事を返す。
学校の外で生徒に声を掛けられるのはそう珍しい事じゃないが、場所が場所だけに何と答えれば良いのか少し迷った。

「あー、うーんと……出先から帰る途中でな?
 どうにも暑くて敵わんから、ここで一涼みしてるとこだ。」

そして相手の名前を思い出そうと頑張ってみる。
女子の名前ならなー忘れないんだけどなー……なんて。
まあ、パッと思い出せないって事は俺の受け持ちじゃない可能性が大いにある訳だが。

白鈴秋 > 「なるほど、なんか妙に涼しいですからねこういう場所って」

 なるほどと納得する。
 そして相手の様子を見る。少し困惑する様子、少しだけ可能性を探して。

「……ああ、先生の授業は受けてないですしね。白鈴秋です、授業では会ってないですけど一応同じ学校の生徒ですよ」

 そういえば名前も何も名乗ってなかったなと思い出して改めて名乗る。
 それから少し影に入り。

「折角なんで少しご一緒しても? 俺は涼みにというより単純にここに来ただけなんですけど。結構好きなんですよこういう空気」

 静かで良くないですかと少しそちらに視線を投げかけながら話しかける。

暁 名無 > 「ああ、やっぱりか。
 いやー、授業に来る男子の顔は忘れねえんだけどなーって思ってたとこだったんだ。」

見事に心中を察したことに感嘆と共にひらひらと手を振って返し。

「別に構いやしねえが、こんなとこに散歩かい。
 このクソ暑い中お前さん相当な物好きだな。」

静かで居心地がいいのは確かにその通りだが、だからといってこの炎天下の中歩いて来たくなる程でも無いように思う。
よっぽど気に入ってる場所なんだろうか、それとも言えのクーラーが壊れてるとか。

白鈴秋 > 「いやはや、すいませんでした。名前も名乗らず失礼しました」

 少しだけ笑い頭を下げる。
 それから壁にもたれかかる。ふぅと息を吐く。

「まぁ家にいても暇ですしね。たしかに暑いですけどまぁ暇よりはと思いまして」

 実際は色々とモヤモヤしてしまうだけなのだが。
 横目で視線を向けると

「でも物好きは先生は言えないでしょう。涼む為にあの階段上ってまで来てるんですから。喫茶店、少し行けばありますよ?」

 少しだけ笑いながらそう言った。

暁 名無 > 「いやいや、気にすんな。
 べらぼうに人の多い学園が悪いんだ。」

なんて、その学園からの給料で生活している身の上で言えた義理は全く無い言葉を吐き出す。
でも実際多過ぎるでしょ。人間の脳の容量なめてんのかって思える人数が授業受けに来るんだぞ。

「いやー、俺の方はほら。
 この暑い中境内の清掃に励む巫女さんとか居て目の保養にならねえかなーって思ったからさー。」

居なかった訳だけど。巫女さんどころか参拝客すら居なかった訳だけど。
やっぱあの石段は夏は辛いよな、わかる。
大人しく喫茶店行けばよかったかな、なんて笑いつつ、俺は外出用として被っていたハットを一度脱ぐと髪を掻き上げまた被り直した。

白鈴秋 > 「巫女さんがいたとしても、あんまり変な目で見ないでくださいよ。俺自分の学校の先生を通報とかしたくないんで」

 少しだけフッと笑いそう返す。
 少し周囲を見るもたしかに人はいない、巫女さんもいない、あぁいたとしてもあまり関係はないが。むしろ通報しないといけなくなりそうだ。

「……そういえば先生って何の教師なんですか? 学校の中では見たんですけど。正確には知らなくて……魔術関連の何かですよね」

 本がそうでしたしと言って先生の方を見る。
 もし自分に関係がありそうなら後期に取るかもしれないので一応興味本位で聞いてみた。 

暁 名無 > 「はっはっは、変な目で見る前に口説いてるさ。」

流石に学校の中じゃ出来ないけれど、学校の外となれば話は別だ。
先生という肩書きも生徒という肩書きも一旦脇に置いておける。……うん、置いといちゃいけないよな。

「うん、俺かい?
 ははぁん、さてはお前さんシラバスに目を通してないな?ダメだぞ、ああいうの、編纂も面倒なんだから。
 ……幻想生物の生態学がメインで、あとは常世島に棲息する動植物に関してもアレやコレやと教壇に立たされてるな。」

生憎と魔術は人並に毛が生えた程度にしか扱えない。
その手の事柄に関しては是非他の先生を頼って欲しい。

白鈴秋 > 「……せめて生徒の見てないところでお願いしますね」

 少し反目でそちらを見る。口説くのも程ほどにと目が言う
 そして帰ってくる言葉少しキョトンとして。

「……あれ、ん? ……あ、そうかあれ違う先生か。すいません、俺の方こそごっちゃになってたみたいです」

 生徒も多いが先生も対応して多い。たぶん他の先生と見間違えていたのだろう。
 それからふむふむと頷いて。

「でも幻想生物とここに生息する動植物……か。なるほど」

 少しだけ考えてから。

「俺もそれなりに詳しいんですけど……たぶん俺の知ってるのと基礎が違う方向ですよね。少しきょうみはあります、単位って簡単に出ますか?」

 それなら後期で取るかもとか少し冗談を交えながら話す。
 なんて、冗談ですよとその後に付け加えるだろう。

暁 名無 > 「大丈夫だって、口説いた先が生徒だったって事もあるんだから。」

自分で言ってて何が大丈夫なのか解らない。
夏の暑さのせいって事にしとこうかな。うん、そうしよう!

「……んー?
 まあ、先生もそりゃ多いからな。頭ん中でこんがらがったりもするか。いい、いい、気にすんなって。」

とはいえ俺自身あまり自分に似た容姿の先生というのは会った試しがない。
はたして誰と勘違いしたのやらと小首を傾げつつ、

「基本的にはそう難しくはないだろうな。
 ちゃんと出席してちゃんと授業聞いてりゃ、だが。」

その辺は他の先生と同じである。
いや、変に甘くしたり厳しくしたりすると俺自身の給料に返ってくるからね。こればっかりは上の方針に諾々と従うしかないのだ。

白鈴秋 > 「それ、絶対に大丈夫じゃないですよね……?」

 むしろ先生としてはかなりアウトラインであると思う。
 
「アハハ、ホント重ねてすいません」
 
 申し訳無さそうに少しだけ頭を下ろし。
 そして少しだけ考えて。

「まぁそうですよね、流石に簡単に単位は出せませんよね」

 少しだけ笑ってからそちらを見て。

「もし時間が合えば取らせてもらいますよ。もし会ったらよろしくお願いします」

暁 名無 > 「へーきへーきへーき、デキてるからって変に成績とかで依怙贔屓しなきゃ良いんだって。
 ……いや今まで生徒と付き合ったこと無いけどさ。」

しかしまあ、学園の特殊な事を考えれば、別段在学中の生徒と交際するくらいどうって事はないかもしれない。
まあ、実際どうって事なかったところで付き合えるかはまた別の話になるんだけどもな。

「そりゃあこっちも仕事なんでね。
 それに危険も多少ある分野だ、生半な知識だけで世に出すのは個人的にも避けたい。」

幻想生物は必ずしも安全な生物ばかりではない。
むしろ危険な生物の方が圧倒的に多いが、それらも適切な知識の下に扱えば危険性はいくらでも軽減できる。
逆に言えば半端な知識では危険性を増大させるということでもある。

「はは、まあそん時は、な。
 その前に不順異性交遊で俺が辞めさせられてなきゃ良いけど。」

白鈴秋 > 「むしろあるって言われたらどうしようかと思いましたよ。まぁあったら巫女さんを口説くなんて言わないでしょうけどね」

 少しだけ笑って答える。
 実際それを見たらどんな反応するかは……予想できない。

「確かに幻想生物はかなり危険な生き物も多いですからね。中にはかなり知能が高いのも居ますし」

 コクリと頷く。
 自分もそれなりには詳しいためその危険性は理解している。
 
「いや、ホントにそれやめましょうね。そんな理由で先生が辞めさせられるってなんか嫌ですよ俺」

 一応は知り合いになったのだ。そんな理由でさよならしたくはない。

暁 名無 > 「はっはっはっはっはっは。」

付き合ったことはないだけで肉体関係を持った事はあるぞぅ。
……なんてこと口が裂けても言えねえなって笑って誤魔化すおちゃめな俺である。
あと巫女さん口説くのと生徒との交際経験が無いのとは関係無いよネ!

「そういうこと。見た目はアニマルでも人間よりもよっぽど魔術を駆使したりとかもするしな。
 門をくぐって転移してきた奴なんか、何をしてくるか分かったもんじゃねえ。」

まだまだ世界には未知の生物がごまんといるわけだ。
そんな状況でも既知の生物の情報と照らし合わせたりなんだりしていかないといけない。それも俺のお仕事の一つ。

「はっはっはっはっは。訴えられなければ大丈夫。たぶん。」

繰り返しになるけども抱いた抱かれたは既にやっちゃってるのでな?
まあ心配はないとは思うけど、世の中何が起こるか分からないもんだし。
結局笑って誤魔化すしかねーんだな。いやまいったまいった。

白鈴秋 > 「……え、まさか本当はあるんです? いや口説くとか言ってたから今フリーなのかと思いましたけど」

 変なタイミングで笑うのでまさかと思って口に出てしまう。
 少し驚いたような顔を浮かべているだろう。

「それこそ頭を振るだけで人が行える魔術の規模の現象を引き起こす生物なんていくらでもいますからね」

 だからこそ道具として捕まえて返り討ちなんて事件が良く起きたりするのかもしれない。
 
「なんかさっきの反応もあわせて本当にあった気がしてきましたよ俺」

 少しだけ笑いそういう。
 実際あったなど想像も出来ていない。

暁 名無 > 「いやいや、フリーだよ。赴任してからずっと。」

悲しいかな恋人作りは半ばあきらめかけてる。
まあだからこそ後腐れ無い一夜の逢瀬が可能でもあるんだけどな!

「そうそう、人間って奴はどうも自分が生態系の頂点に居るんだと誤解しがちだからな。
 実際のとこ歯牙にも掛けられてないってのが大半だったりな。」

さて、そろそろ帰るとするか。
よっこいせ、とベンチから腰を上げつつ

「無い無い、少なくとも清く正しいお付き合いみたいなのはな。」

いつか俺にもそんな機会が訪れる事があるのだろうか、と考えてあまりにも無縁過ぎてすぐに止めた。

「じゃあ、俺はそろそろ行くわ。
 帰ったらシャワー浴びて、また学校に出向いて軽く明日の準備とかしとかねえと。それじゃあな。」

白鈴秋 > 「ああ、ですよね。あのタイミングであんな風に笑われるからまさかとおもいましたよ」

 ハハハと少しだけ笑う。
 恐らく大学を出てすぐぐらいには若い、普通に人気が出そうではあるが。

「ほとんどはそうでしょうね。だからこそ道具が発展したとも言えますけど……まぁそのせいで頂点だと思ってしまったのかもしれませんけど」

 少しだけ頷いて同意する。道具を作る側の人間だったから尚更わかるのだ。

「つまり清くないのはあったんですね。まぁモテそうですしわかりますけど」

 と少し笑う。

「はい、また今度。もし学校であったらよろしくお願いしますね」

 そういって見送る構えだ。

暁 名無 > 「おお、そうだ。
 熱中症には気を付けろよ、今週はずっと暑いみたいだからなー」

去り際に思い出して声を掛ける。
いや、汗一つかいてない俺に言われても説得力とかあんまり無いと思うけども。

さて俺は俺でまず石段を下りるという地獄を乗り越えますかっと。
ひらりと手を振って、俺は神社を後にしたのだった。

ご案内:「常世神社」から暁 名無さんが去りました。