2018/07/26 のログ
ご案内:「常世神社」に鈴ヶ森 綾さんが現れました。
■鈴ヶ森 綾 > 風のある少し涼しい夜、静まり返った境内に人影が一つ。
大股で敷地内を練り歩き、賽銭箱のある社殿の前で立ち止まって願掛けでもするのかと思えば、
ひょいと軽い身のこなしで社殿の瓦屋根へと飛び乗ってしまう。
そうしてそのまま、カチャカチャと足元を鳴らしながら屋根の上を進み、その頂上部に腰を下ろした。
■鈴ヶ森 綾 > 不敬な来訪者は海に向かって流れる風に髪を流し、視線は空、満月に少し足りぬ欠け月を見上げる。
しかし表情は久方ぶりの涼夜を楽しんでいるという風ではなく、どこか気の抜けた憮然としたもので。
「まぁ…当然なんでしょうけど…。」
何か考え込んでいるのか、漏れた思考が時折言葉になって口をつく。
それに気づいて一旦は口をつぐんでも、暫くするとまた同じことを繰り返し。ぼやぼやする内にも時は過ぎていった。
■鈴ヶ森 綾 > 「まっ…なるようにしかならないわね。」
堂々巡りに陥る思考をすっぱりと切り捨て、不安定な屋根の上に身体を横たえる。
背中がごわごわするが、月を見る分には見上げ続けるよりは楽でよかった。
余計事を考えるのをやめてみると、静まり返っていると思った境内にも随分音が溢れている事に気づく。
風にそよぐ木々の葉擦れ、虫の声、遠くからは微かに波の音も聞こえる。
そういったものに耳を澄ませていると、乱れた心も幾分落ち着いてくるようだ。
■鈴ヶ森 綾 > そうして月が雲に隠れて見えなくなるまで時を過ごし
その日はそのまま寮の部屋へと帰っていった。
ご案内:「常世神社」から鈴ヶ森 綾さんが去りました。