2015/06/16 のログ
ご案内:「異邦人街大通り/商店街」に緋依さんが現れました。
緋依 > 商店街の裏通り。
人目につきにくい場所に緋毛氈を敷き、小さな露店を開いている。
客は酔っ払った異邦人らしい女だ。
液体の入った美しい青い硝子瓶に興味を持っている様子に、にこやかに商人は口を開き。

「御嬢様、善い物に目をつけられましたなぁ。
ここだけの話、基方は実はただ美しいだけではなく、特別な効果が有りんして……」

緋依 > 「御嬢様にも仲の悪い御方がいらっしゃるでしょう。
彼の方の飲み物か食べ物に一筋これを垂らせばあら不思議、なんと彼の方の目に、御嬢様は旧来の親友の様に親しい相手として映る様になると言う……」

嘘でしょう。
酔っているせいか、楽しげに笑う女に商人はくふりと口元を緩め。

「はてさて、真偽の程は吾にも判りかねるところで御座んすが、此れを売ってくれた仲買人によると、此方はなんと、若い女子の生き血を啜って数百年はその美貌を保ったという、彼の魔女伯爵夫人の御手によるものとか、そうでないとか……」

インチキくさい講釈を真面目腐った顔で垂れながら、そしたらこちらはどうですかなどと、別の商品にも手を伸ばして。

緋依 > (ほんに、上物ですわいなあ)

にこやかに客あしらいを続けながら、商人は内心で目前の女を値踏みする。

(真珠の如き玉の肌に、濡れた桜の花弁の唇、柳腰に見えて胸にも尻にも程よい肉がついている……嗚呼、本土の知り合いに見せたら、如何程の御代をつけてくれるやら)

値踏みしつつも、流石にここで手を出すのはマズい事を、商人は知っている。
風紀や公安の連中に見つかったら、商売がやりにくくなって仕舞う。

「口惜しや……」

呟いた声が聞こえたのか、目の前の客が不審そうな表情を浮かべる。
慌てて笑みを浮かべて取り繕い。

緋依 > 「ささ、如何で御座んしょう。纏めて御買い上げ頂けるのであれば、勉強させて頂く心算はあります故に……」

客からの値引き交渉を受けて、のらりくらりとした調子で交わしながら、商人の夜は更けていく。
最後の客がいなくなった後は、最初からそこにいなかったみたいに、忽然と消えて……――

ご案内:「異邦人街大通り/商店街」から緋依さんが去りました。
ご案内:「異邦人街大通り/商店街」に石蒜さんが現れました。
石蒜 > 楽しかったなァ……。昨日の戦いと、快感を思い出しながら、石蒜は異邦人街の大通りをうろついていた。
ここは異邦人の自治に任されているため、風紀委員もおおっぴらには手を出して来ないだろうと考えてだ、一応人相を隠すために網代笠をかぶっている。
特に何処へ向かうでもなく、大通りを行ったり来たりを繰り返す。

石蒜 > 足に食い込んだゴム弾の鈍痛、左上に突き刺さったナイフの、その刃に塗られた毒の焼けつく痛み。
骨まで突き刺さった杭の全身を走る衝撃、どれも素晴らしかった。でも左腕を切り離したのはやりすぎたかもしれない。とても気持ちよかったけど。
ご主人様に言えば直してもらえるだろう、でもあまり手間をかけされては悪い気がする。それに体のバランスが変わって歩きづらい。

石蒜 > ふらふらと蛇行するように歩いていると、通行人と肩がぶつかった。じろりと睨まれる。
『気をつけろガキが』苛立ちをそのままぶつけられ、石蒜の中で一瞬、殺意が膨れ上がる。
悪いのお前だろう、殺してやろうか。
しかし、ケシ粒ほどの理性がそれはまずいと告げる。ここで騒ぎを起こすな、と。
右腕の指で空をつかむようにして怒りをこらえながら「失礼しました」にこやかに謝る。
通行人は肩を怒らせて去っていった。その背中に斬りかからないようにするには、その場に立ち止まってじっと下を見ている必要があった。

石蒜 > ああ、斬りたい。人を斬りたい、斬られたい。殴りたい、殴られたい。
撃ちたい、撃たれたい。打ちたい、打たれたい。痛めつけたい、傷めつけられたい。
思考があの強烈な快楽への欲求に満たされて、薄ら笑いを浮かべながら立ち尽くしている。

石蒜 > 何故私は今何もしてないんだろう?
刀は人を斬るためのものだ、私は刀でもある。なら斬らなくては。
ほんの僅かに残った理性は言う。ここは唯一安全な場所だ、ここからも追われてはまずい。
どうして?荒れ狂う衝動が問う、安全な場所なんか必要ない、襲ってくる相手が居たら全員殺せばいい。
忌々しい良心が叫ぶ、誰も傷つけてはいけない。
思考の奔流に、顔をしかめて壁に手をつく。
私は何をしているんだ、斬り合いの最中なら、こんなに考えこむことはないのに。

ご案内:「異邦人街大通り/商店街」にメアさんが現れました。
メア > (何かを探すように歩く少女が一人。
ここまで様々な場所を回ってきたのか少しふらついている)

ん...どこ..

(ゆっくりと通りを進む)

石蒜 > 「黒く塗り 赤く彩り 我が御魂 鳴り鳴り響く 主の声ばや(私の魂を黒と赤だけで塗りつぶし、聞こえるのがご主人様の声だけならいいのに。)」即興で、歌を詠んだ。季語がないが、どうでもいい。
辛い時、悲しい時はそれを歌にしろと、誰かに教わった気がする。
誰にだったかな……。まぁ、どうでもいい……。

石蒜 > 感情と思考の奔流が少し鎮まった。
立ち止まって考えると良くない、また歩き始めようとして。
ふと、ふらつきながら歩く少女に目が止まった。
どこか、浮いている……異邦人ではなく、この世界の人間だろう。
なんとなく、観察する。

メア > ふぅ..

(疲労が溜まっているのか、ふらつく足取りのまま
先ほど少女が方をぶつけてしまった通行人にぶつかって
しまいました、転んだ)

ん、うぅ...

(ゆっくりと立ち上がろうとするが、疲れのせいか
うまく立ち上がれない。
男は謝罪のない事に肩を震わせている)

石蒜 > 「…………。」倒れた少女は、のろのろとした動作で起き上がろうとしている。通行人の男は続けてぶつかられたことに怒り心頭だろう。
それをどうでも良さそうに見ている。
私には関係ない、なんとなしに、つめ先ほどの小石を拾う。
右手に力場を展開し、親指で石を弾く。
斥力によって加速された小石は、怒鳴りつけようと口を開けた男のこめかみにぶつかり。男はそのまま倒れた。

「…………。」何をやってるんだろう、私は。自分でも何をしたか信じられないまま、少女に歩み寄り。手を差し伸べる。

メア > ..あ、ありが..と...

(差し伸べられた手に気づき、その手を掴み立ち上がる。)

ん..?

(背後で倒れた男に気付き、首を傾げる。)

石蒜 > 「……」きっとあの男に仕返しがしたかったんだ。私はそう結論づけて、これ以上理由を考えるのをやめることにした。

「行きましょう。」手を掴んだまま、少女を引っ張って、大通り脇のベンチまで連れて行こうとする。

「殺してはいません」首をかしげる少女に告げる。いきなり倒れた男の周りには、人垣ができ始めていた。

メア > え..ぅん..

(手を引かれそのまま着いて行き、ベンチに腰掛ける)

あ、あの...私は、メア...さっきは、ありがと....

石蒜 > 「別にあなたを助けたかったわけではありませんから。」そうだ、人助けなんて、自己満足をしたい連中がする行為だ。私はそういった連中を憎んでいる。

「私は、石蒜です。さっきの男には個人的な恨みがあった、それだけです。」そうだ、それだけだ。自分に言い聞かせるように心のなかで繰り返す。

メア > ん...でも、助かった...

(よくはわからない、だがあれは多分ぶつかった人で
自分に何かするかもしれなかった。
そう思い素直にお礼を言う)

えと..石蒜....よろ、しく..

石蒜 > 礼を言われると、自分の中の善人ぶった、忌々しいサヤだった部分が
喜ぶのがわかる。かすかに、顔をしかめる。

「ええ、よろしく。あなたは異邦人には見えませんが、ここになんの用です?外の人間に反感を持っている人も居ますから、ここは安全とはいえませんよ。」私のように風紀委員の目から逃れるためにここに潜伏している人間もいる、そういった人間にとって目の前の少女は美味そうな獲物に見えることだろう。

メア > 友達を、探してて...その子も、異邦人..だがら...

(ここにいるかもしれない、そんな思いで探していたようだ)

...ごめん、なさい...

石蒜 > 「友達、ですか……。その友達に、自分の身を危険に晒し、ヘトヘトになるまで探しまわるほどの価値があるんですか?」
私にはそんな人間は居ない、逆に私にそんなことをしてくれる人間も居ないだろう。無自覚な嫉妬から、言いくるめてやろうという、問いかけ。

メア > うん、あるよ...

(悩むこともなく、答える)

大事な、友達...
危ない、から..探す、の...

石蒜 > 悩む素振りすらない、迷いなく答えられたことに、ギリッと奥歯を噛みしめる。
「本当に?相手のほうは、あなたを便利な、都合のいい相手としか思ってないのでは?なんの連絡もなしにいなくなるのは、あなたが疎ましくなっただけじゃないんですか?」否定してやる、否定してやる。私にないものを持っているお前を。反撃の糸口を探して早口にまくしたてる。

メア > んーん、違う...
それに、ソラは..素直で、私を..信じて、くれた...

(少女を見上げ、はっきりと答える)

だから、私も...信じて、探す...

ご案内:「異邦人街大通り/商店街」からメアさんが去りました。
ご案内:「異邦人街大通り/商店街」にメアさんが現れました。
石蒜 > 「信頼など、ただの思いこみです、そんなものありはない。」ぐつぐつと心のなかでマグマが煮えたぎるような、怒りを覚える。何故信じられる、所詮は他人なのに、世界の誰も私を助けてはくれないのに。

殺してやりたい、殺そう。殺せばいい、こいつを黙らせよう。
右腕に力をこめ、その白く細い首へ手を伸ばそうとして……。

「ぐ、ぅぅぅうう……。」強烈な嫌悪感に襲われ、その場にうずくまる。畜生、畜生……!こめかみをガリガリと爪でひっかき、相手と自分に対する憎悪に顔が歪む。