2015/06/17 のログ
■メア > ………
(自分の首に手を伸ばし、うずくまった少女を見つめる。)
まっくろ、だね……
(そっと手を伸ばし、頭を撫でようとする)
…貴方は……何か、あった…の…?
■石蒜 > 頭に伸びてきた手を、弾いて拒否する。
「お前に、お前に私の何がわかる……!私には、ご主人様だけしか居ないんだ……!私を愛してくれるのはご主人様だけなんだ……!他の誰も、私を助けてくれやしない!!」怒りを、嫉妬を吐き出しながら、地面に拳を打ち付ける。
そして、何か思いつき、ゆらりと立ち上がる。その口は喜悦にゆがんでいる。
「クフッ、クフフフフ。そうだ、殺してやる、殺してやるよ。お前の、友達を。ヒヒヒヒヒ、ソラと言ったな、殺してやる。そうすればお前もわかるだろう。わからせてやる。」壊れたように笑いながら、殺意を叩きつける。
■メア > …ねぇ、知ってる……?
(手を弾かれ、じっと青い瞳で見つめる。
少女は今、ソラを殺すと言った……)
命って、重いんだよ…?
(ポツリと漏らす、子供の戯言とも
警告ともとれるだろう)
私は…貴方を、まだ…愛せない……から…
友達、なら…なれる…
■石蒜 > 「黙れ、黙れ黙れ黙れ!!」駄々をこねる子供のように喚く、それは否定、必死の否定。否定できるものではないと知っているのに、感情がそれを許さない。
「命に価値などない!!何もかもが無意味で!無価値なんだ!!私に歩み寄るな!私に近寄るな!!友など要らない!私の友になれる人間など居ない!」それはすっぱいぶどうの寓話に似て、自分が手に入れられないものを羨むことの裏返し。誰よりも求めているがゆえに、それを認められず、否定する。
「二度と、二度と私の前に現れるな……!私を、私をたぶらかすな……!!」よろよろと数歩下がり、震える指で相手を指差す。
そして、素早く踵を返し、そのまま走り去ろうとする。
■メア > ……また、会おうね…
(拒絶をしながら去って行く少女を見つめる。
口では拒絶をしているが、あれは違う…そう思いながら)
私は、友達に…なりたい、から……
(ベンチから立ちあがり、自身も歩き出す)
ご案内:「異邦人街大通り/商店街」からメアさんが去りました。
ご案内:「異邦人街大通り/商店街」から石蒜さんが去りました。
ご案内:「異邦人街大通り/商店街」に岡部 吹雪さんが現れました。
■岡部 吹雪 > 異邦人街だけあって、人波のシルエットは様々だ。
大きく角を生やした者。1mほどの身長しか持たない者。
大昔のホラー映画にでも出てきそうなほど、異形の姿をした者など。
歴史学者の多くが未来を想像してきただろうが、このような状況を予見していただろうか。
岡部はこの街へと足を運ぶたび、思いを馳せる。
■岡部 吹雪 > 彼がこの地へと赴いたのは理由がある。
それは昨夜の一幕、財団本部にて。
「旦那ァ、定期報告にゃまだ早いっしょ。」
「俺これからデートの約束があったってえのにさ。」
生活観のない無機質なロビー。
長大なテーブルに椅子がずらりだ。
その一端に、"旦那"と呼ばれた壮年の男と、岡部が向かい合っている。
■岡部 吹雪 > 「いや何。すまないね、君のプライベートは最大限尊重したいんだが。」
「少し込み入った話になりそうだ。」
"旦那"は何処にでもあるような缶コーヒーを傾ける。
「また面倒事は勘弁してほしいンすよ。」
「この間のクッソでっけえワームとか!」
「あれ『特別授業』に投げはしましたけど、どう聞いても怪しいってんで誰も集まんなかったんだから。」
結局はその場に居合わせた生活委員と、岡部自らが仕方なく始末をつけることとなった。
このようにしてイレギュラー案件は往々にして、彼の元へと舞い込んでくる。
それが、契約だからだ。
■岡部 吹雪 > 「なあに、今度は別段大きくもない。」
「サイズじゃねえって!」
「まあまあ。」
ガタリと身を起こす岡部に対して、"旦那"は別段気にも留めていない。
「ここ最近、島民間の暴行事件が多発している件だ。」
「以前資料を渡したことがあったが、進展があってね。」
「どうも加害者には妙な共通点があった。」
「仕事先や人間関係とか、そういうので?」
「いや違う。加害者は誰もが愛煙家でね。」
「それもかなりのヘビースモーカーときた。」
「ははあ、それじゃあ旦那もあぶねえな。」
頬杖を突いてへらへらと返す岡部。
■岡部 吹雪 > 「その心配はない。」
「何で?」
「共通点がもう一つあった。これだ。」
テーブルの上に置かれたビニールバック。
見たこともない銘柄のタバコが入っている。
長方形の箱には、"レッドマン"の刻印があった。
「あー……そゆこと。」
「それなら大方、落第街の連中でしょうや。」
「人間同士なら公安にでも投げりゃいいでしょ。」
以前にも危険薬物絡みの事件が多発していた。
今回もそうであるだろう。それであるなら話は早い。
人間同士のいざこざなら、対応部署が決まっている。
「まあ待ちたまえ。」
「中身から、未知の成分が発見された。」
依頼先を間違えていると言いたげに、席を立つ岡部。
しかし"旦那"の言葉に足を止め、視線を落とす。
「原因だと思われる物質は、地球には存在していないんだよ。」
「つまりは……。」
「そう。異邦人絡みだ。」
■岡部 吹雪 > ―――舞台は再び現実時間へと戻る。
岡部が持ち得ている情報は以下の通りだ。
・加害者は総じて自我を失う。
・加害者は"レッドマン"という銘柄の煙草を、事件の三日以内に購入している。
・加害者は三日以内に、この落第街を訪れている。
以上。
事件解決の手がかりは足で稼ぐ。
古来からの捜査哲学ではあるが、これがなかなかに効果的だ。
何せ正式に行政側へ情報が渡れば、島民側にも渡り不安を煽りかねない。
異邦人絡みとならば尚更である。
民族問題がデリケートなのは、人類史において何処も同じだなと
岡部は一人ごちる。
■岡部 吹雪 > ―――三時間程が経過。
得られた情報と言えば僅かであった。
販売員は拠点を持たず、直接的に新商品のサンプルとして配布していたということ。
過程で数名からは現物を得られた。
その中さらに2人程が提供を拒み、無理やり巻き上げたのはまた別の話である。
「こんだけあっても吸えねえっつーのはよー。」
「ストレス溜まって仕方ねえっつの。」
提供者が足元に転がる中、なかなかに嵩張るなと思案していたその時であった。
狭い路地から伺える人の波。悲鳴、爆音。明らかな異常事態!
「これでただの異能犯罪だったら恨むぜ!」
前髪をかき上げて走り出す!
■岡部 吹雪 > 店先の看板やテーブルを踏み越えて、器用に人の逆流を越えていく。
波の切れ目から覗く先、広がっていたのは冗談のような破壊の爪痕。
集落が空爆で廃墟と化すなんてのは、紛争地帯ではよくある話だが
この島ではありえない話である。
現実問題、左程変わらぬ状況ではあるが。
「おいおいマジかよ……台風来たってこうはならねえぞ。」
既に居合わせた一般人は逃げおおせたところだろうか。
岡部の目に映るのは、無数の怪我人と元怪我人。今現在はただの肉と言ったところ。
その中央に立つのは、全身から蒸気を噴出す3mクラスの大男。
真夏でもないのに拝啓を揺らめかせて、ゆらりと岡部へと振り返る。
「一服しただけでこんなんになっちまうってえのかよ……。」
「厄介なモン持ち込んでくれたな!」
ホルスターから拳銃を抜き放ち、瓦礫を踏破しながらトリガーを絞る!
気の抜けた乾いた音とは裏腹に、放たれた弾丸は大男の身体を啄ばんでいく!
ざあ、と欠落した鉄筋の影へと身を移し、手早くマガジンの交換を済ました。
飛び出すか機を待つか。
物言わぬ屍が、岡部の姿を見据えている。
■岡部 吹雪 > 「肩口二発。太もも一発。あとは腕に当たってればもう一発ってトコか……。」
どんなに強靭な人体であれ、それ程の弾雨を浴びれば致死量だ。
動脈が損傷していれば、さらに活動停止までの時間がグッと早まることだろう。
だが相手はこの騒動の発端だ。油断はできない。
スライドを引き飛び出さんとした矢先、突然岡部のいた地点が粉々に吹き飛んだ!
破砕流に巻き込まれ、強かに身体を打ちつける。
遠隔操作型の異能使い。しかも不可視とは。
「サイズの問題じゃねえって。」
昨夜"旦那"へと言い返したあの言葉。
再び咥内の血と共に吐き捨てる。
目前へと迫る大男。岡部はよろめきながら立ち上がった。
■岡部 吹雪 > 大男が振り被る!
岡部は家屋の残骸を蹴り付け、ビルの非常階段へと駆け上る!
後方では再びすさまじい爆発が起き、地形があっさりと塗り変わる。
大男が振り被る!
岡部は非常階段を飛び降り家屋の屋根から屋根へ!
後方では再びすさまじい爆発が起き、非常階段が建物ごと崩壊する。
大男が振り被る!
岡部は大男へ組み付き、腕を伝って首を取る!
そのまま地面へと捻じ伏せた!
頚骨に銃口を押し当てて銃声5つ。痙攣する頭部を抱え捻じ切った。
絶命したのか大男は動かない。
岡部は立ち上がり、砕石の粒や埃を払う。
「それ以上は許せませんね。」
「!?」
背の向こうから声が響く。
腰骨のあたりには何かが突き付けられたような感触があった。
両手をあげて降参の意を示す。
背後を取ったのは事の首謀者。
岡部が探していた異邦人だった。
ご案内:「異邦人街大通り/商店街」から岡部 吹雪さんが去りました。