2015/08/02 のログ
ご案内:「異邦人街大通り/商店街」にダナエさんが現れました。
ダナエ >  
──ゴッ……ゴス…… ゴッ……ゴス……
  ゴッ……ゴス…… ゴッ……ゴス……

海底から引き揚げられたかのようなプレートアーマーを装備した人影が、通りの向こうから足を片方ずつ引きずるようにゆっくりと歩いてくる。

「このあたりか……?」

一度足を止めて、きょろきょろとあたりを伺う。
先日話した学生のアドバイスに従い、学園に教師として雇ってもらえるよう申請した帰り道。
学園の事務員が教えてくれた、格安の部屋を貸してくれる不動産屋はこの辺にあるはずだった。

ダナエ > 方向音痴ではないが、何せろくに字が読めないので看板のマークや店内の様子だけが手がかりだった。
不動産屋ではないとはっきり分かる店以外は、一軒一軒外から中を覗いてみるしかない。

──ゴッ……ゴス…… ゴッ……ゴス……
  ゴッ……ゴス…… ゴッ……ゴス

足を止めて店の中を覗く。

「…………?」

見るからに異邦人と分かる三つ目の店員が、尻尾のある客に穴あきのスカートを勧めているのが見える。
どうやら洋服を扱う店らしい。

「……違うようだな」

ダナエ >  
──ゴッ……ゴス…… ゴッ……ゴス……
  ゴッ……ゴス…… ゴッ……ゴス

また足を止めて中を覗く。
窓のすぐ近くにいた店員がぎょっとして、客に運ぶコーヒーをこぼしかけた。

「す、すまない」

飲食店だったようだ。
申し訳ないことをしてしまったと、足早(本人基準)にその場を離れる。

ダナエ >  
──ゴッ……ゴス…… ゴッ……ゴス……
  ゴッ……ゴス…… ゴッ……ゴス

「…………ふう。少し休むか……」

不動産屋を探しながらずっと歩き通しで、流石に疲れてきた。
ベンチに座るとベンチが壊れそうなので、歩道に設置されたモニュメントを見つけその下の石の台座に体をもたせかけると、

「ああああ~……」

温泉に浸かった老人のような情けない声が漏れてしまう。
自分で思っていたよりも疲れが溜まっていたようだ。
長い長いため息をついて、しばしの休息を取る。
後ろから見ると、モニュメントの石の台座と一体化したような姿。

ダナエ > 数分後。

「不動産屋の看板なら、
 家の絵が付いていそうなものだな……」

家の絵の付いた看板はどこだと、懸命に不動産屋の看板を探しはじめる。

「あれは……肉をパンにはさんだ料理の店か」
→ハンバーガーショップの看板。

「……足跡? いや、あれは足の裏の絵か。
 足の裏を売る店……? 何と面妖な……」
→フットマッサージの看板。

「白い手袋が人差し指を立てている絵……手袋屋か」
→店の看板ではなく、こちらが駐車場、の案内看板。

「あれはこの国の王の肖像画だろうか。
 ということはあれは国の建物だな、不動産屋ではない」
→不動産屋の社長の顔のイラスト入りの看板。
→ここが探している格安不動産屋。

ダナエ > その後も数時間しつこく探し続けたものの、不動産屋は見つけられずに終わる。
何度も目的の不動産屋の前を通ってはいるのだが、国王の肖像画がある=国の建物、と思い込んでいるのでどうにもならず。

「…………今日は駄目だな。宿を探すとするか……」

肩を落としてため息をつき、重い体を引きずるように昨日泊まった宿へと向かう。

──ゴッ……ゴス…… ゴッ……ゴス……

ご案内:「異邦人街大通り/商店街」からダナエさんが去りました。