2015/08/05 のログ
ダナエ > 「クッ、何たる邪悪……!!
 世界を滅ぼす魔王と規模は違えど、
 その性質が邪悪なことに変わりはないな!」

ビシッと装甲に覆われた人差し指を突きつけて。
言ってやった感がすごい表情。

「神より上の存在か……考えたこともなかったぞ。
 私の世界では、そんなことを考えることは不遜だろうな」
世界が変われば思考の枠さえ変わる。
不思議な感覚に、束の間ぼーっと考えを巡らせ。
ふと相手を見て、
「ちなみに魔王と神と、どちらが立場は上なのだ?」
トラとライオンどっちが強い、的な小学生男子っぽい発想。


──ゴッ……ゴス…… ゴッ……ゴス……
  ゴッ……ゴス…… コッ……コス、
  コッ、コツ、コッ、コツ……

「……んん?」

中身は汗まみれで歩きながら、ふいに体が軽くなった気がして足下を見る。
(……何もないな)
が、確実に体は軽い。
?マークを頭に浮かべながら感性を研ぎ澄ますと、魔法の力を感じる。

「おおお、まさかこれは風の神のお恵み……!?
 常世島には風の神もいらっしゃるのか!」

魔王がこれほど細やかな魔法を使えるとは夢にも思っておらず。

「ギル殿、もはや歩みに情けは無用!!
 どういう気まぐれか風の神のお恵みだ、
 今ならこの通り馬のように走れる!!
 体が軽いぞ、ハハハ!!」

勘違いして有頂天。馬ほど速くない早歩き。
コツコツと音を立てて案内者を追い越し、不動産屋さえ追い越しかける。


「では私が勝ったら貴公が罰を受けるのだぞ。
 ……流石にゴーレムに負けるということはない、はず」

負けず嫌いはギラリとした視線を相手に送る。
後半は小声。

ギルゲイオス > ほほう、ではその邪悪にのこのこと道案内されている、お主はどうなのかな?
正しい道へと導かれているとは、限らんぞ?
なんといっても邪悪であるからな。
(邪悪っぽいイメージの笑い方を含ませて、言い返してみる魔王様。
もっとも、明らかに目的地に近づいているのだけれど)

あくまで想像上の話ではあるがの。
ふーむ、かなり厳格に神を崇めておるのだな。
(先も話した通りに信仰は薄い為、少々不思議そうに思いつつ)
魔王と神であるか?
創造神とは、元の世界へと帰る方法を探す協力者であるし。
破壊神とは、友人であるし。
立場としては、コレといって上下は無いと思うのだが。
力については、戦った事が無いので分からんの。
まー……一般的なイメージとしては、神の方が上っぽそうだが。
(あくまで魔族の王であるし、世界そのものをどうこう出来る、という訳ではない。
言葉の意味としては、やはり神の方が上、ではないだろうか)

(などと話している間に、立てた人差し指をくるくると回し。
ちょいとばかし、鎧の重さを無視できる魔術を、掛けてみたの、だが)

破壊神や創造神が居る訳だし。
属性系の神様が居ても、正直驚かんな。
(今更としか思えなくなってしまった、この体。
もっとも、その風の神様は自分な訳であるが。
どうも嬉しそうにしているし、そっと言わないでおく事にする魔王の優しさ)

おぉ、それは良かったのであるな。
うむ、風は気まぐれという、ならばご加護のある内にさっさと不動産屋に――
って、行き過ぎである!!
バック、バック!!
少し戻って左である!!!
(ほっとくと全力で突き進んでしまいそうな予感しかしない。
後ろから思いっきり声を掛けると、引き戻しに掛かる)

つまり、ダナエがゴーレムより美人だったらダナエの勝ち。
ゴーレムより美人でなかったら我の勝ちという事か。
良かろう、ほどほどに良い罰を考えておくがよい。
(僅かに双眸を細めれば、一つと頷く。
もっとも、既に晒されている部分で、魔王様の負けは確定しているような気もするのだが)

ダナエ > 何とも巧みなカウンターに、思わず絶句。
うぐぐと呻きながら、

「そ、それはその……あれだ、邪悪な者を悪の道から引き戻すためには、一度自分も一緒に悪の道を歩まねばならないというような……ほら、そういう……?」

意味不明の返し。頑張ったが疑問形になってしまった。
本人としては、不良生徒の悪行に付き合う熱血教師が最終的に生徒の心を掴んで生徒を改心させられるのだ、的なことを言いたいらしい。

人間関係的な神との関係に耳を傾けていたが、神の方が上ではないかと言われて笑顔に。

「はは、そうか、やはり神が万物の頂点か。
 そうでなくては下々の者としては困る」

慰めるように、かつ嫌がらせのように肩にポンと(ゴスッと)手を置こうとする。

引き留める風の神の声には、急ブレーキで止まり。

「後ろか! 後ろの、左!?
 どこだ不動産屋め、出てこい!!」

戦闘中のようにきびきびと踵を返し、くるくると回り無意味に剣を振ってみたり。
身軽に動けるのが嬉しくて嬉しくて仕方ない。

「フフン、良い罰では罰にならんだろう。
 ……私を謀ったこと、後悔させてやる」

この世に絶世の美女ゴーレムが存在しないよう神に祈りながら、不敵に睨み上げる。
暗黒のオーラで脅かされたことを根に持っている。

そうして辿り着いたのは、先日何度も前を通った派手な建物。

「ここが不動産屋だと……?
 あそこに国王の肖像画を掲げているではないか。
 ここは国の施設ではないのか?」

店の看板に描かれた社長の似顔絵を指さし、不思議そうに尋ねる。
看板に人の顔=国王の肖像画=国の施設=不動産屋ではない、というある意味異邦人らしい論法。

ギルゲイオス > 随分苦しいような、……というかもうそれ、一緒に悪落ちして戻ってこれない展開に聞こえるのである。
(邪悪な魔王と悪の道を歩んだ女騎士とかそう言うお約束しか見えない。
そもそも、教師が悪行に付き合ったらその時点でアウトじゃね?と思わなくもない)

世界を破壊する魔王とかであれば、話は別かも知れぬが。
我はあくまで、一国家の魔王であるからな――ってか、痛っ!!
(自身としては特に慰められる要因が無かった為、やたらと重い肩ポンが嫌がらせのように突き刺さる)

不動産屋はモンスターか何かであるか!?
商人である故、むしろ警戒したら逃げると思うのであるがっ
(非常に面白愉快な事になっているが、とりあえず、止めないと拙い。
不審者扱いされても困るし、その時は自分逃げるけど)

……余程根に持っているのであるな。
ゴーレム……この世界のロボットというのは、ゴーレムに入るのかのぅ。
(予想以上のやる気っぷりに、思わずとうめき声。
噂に聞くには、女性と見た目変わらないロボットが居ると聞くが)

視れば見るほど派手であるな……
(もっと別の店に見える建物を、眺めつつ)
そもそも、日本に王は居ないのである。
近い存在は、居るという話ではあるが。
一先ず置いといて(右から左へ)

恐らくは、店主辺りの肖像ではないのか?
我も入った事はあるし、その時はちゃんと不動産の紹介もしてもらったし。
(入り口辺りを眺めてから、ダナエに戻し)

まぁ、何にせよ、一度入って聞いて来ればよかろう。
違うのなら、また別の場所を訪れればよいだけであるし。
っと、そう言えば、今日泊まる場所はあるのかな?
(相手がちゃんと紹介を受けれるようなら、お役は後免。
その後は本来の用事を済ます心算、ではあるが。
今のところどう暮らしているのか不安も含めつつ、問う)

ダナエ > 「そ、それは貴公が邪悪だからそう思うのだ。
 悪人と共に歩み思いを共有することこそが、
 真に相手を救える手段なのだよ。
 ぬかるみで溺れる者を救うためには、
 己が汚れることを厭うてはならん。

 ──まあ、これは人間の理だ。
 魔王殿には少し難しかろう」

視線を逸らしながらそれらしいことを言う。
最後は種族が違うから分からないよね、的に上から目線でまとめて話を終わらせようとする。

「おっと、すまないな。ハハハ」

痛がる相手を見て楽しげに笑っている。
謝罪の気持ちゼロ。

「ろぼ、っと……?」

美女ゴーレム存在の可能性があるようだ。
あえてそれ以上詳しくは聞かない。負けたくはない。

「王がいないのか? では皇帝か」

一人で納得。頷いている。

(置いといて……?
 なんだあの手つきは)

奇妙なジェスチャーにやや驚くが、知ったかぶって動じない表情。

「なんと!
 一介の店主ごときが肖像画を描かせて、
 王のようにそれを往来に掲げるとは……!
 何という傲慢、何という恥知らず」

地球の感覚では罵詈雑言と受け取られるようなことを言いながら、大剣を背中に戻す。

「そういうことなら、貴公を信頼して中へ入るとしよう。
 ……宿か?」

一瞬遠い目。
安宿を泊まり歩いていたのだが、金銭的に厳しくなってきたので昨日からは野宿をしているとは言えないプライド。

「…………………………心配は無用だ。
 世話になったな、空腹なのにすまなかった。
 案内、感謝する」

礼はきちんと、騎士の一礼。

ギルゲイオス > ぬかるみ云々は分からぬでもないのだが……うぅん?
(なんとも釈然としない様子で首をかしげる)

清々しい程に悪びれた気配が無いのである。
(半眼気味に見やる)

てんのー、というらしいが。
日本は王国でも帝国でもないのである。
(非常にざっくりとした地理情報)

かつては兎も角、今この国でそういうのを規制する文化も規則もないならの。
まぁ確かに、少々自意識過剰という点は認めるが……
(半ば同意を含め、頷いて)

それでは、後はダナエに任せるとしようかの。
良い部屋が見つかれば、いいのだが
(と、そのまま送り出そうと思った、のだが)

…………
(すっごい心配無用ではない間を感じた気がする。
そして此方にも、間が出来る。
相手のプライドを可能な限り傷つけず、なおかつ、安全な寝床。
とは言え、そう長く助ける事が出来る訳でもなく、ある意味では偽善ともいえるのだが。
異邦人としての、よしみもある。
金を渡すのは、恐らく論外。
とはいえ、どこかの宿に泊まるなら、金は必要だし。
ただで人をとめてもらえる、コネも無い)

ふむ、案内してもらった恩義を、その程度で済ますのかな?
(ちょっと悪いツラを敢えて作ってみる)
時間も過ぎて、食事を用意するの面倒になってしまったのでな。
感謝に感じるのなら、我が部屋の食材で食事でも用意してほしいモノであるな。
寮なので遅くなると出にくくなるであろうが……寝床は用意する故、どうにかなるであろうし。
(随分苦しい事いってる自覚があり過ぎて困る。というか無茶があり過ぎる。
鎧が呪いで脱げない=此方が妙な事はしない、というのは相手も予想出来る、のかなぁと希望的観測を醸し出しつつ。
自分は隅で小さくなればなんとかなるなかーと、思考をグルグルと巡らせる)

ダナエ > 「ぬかるみの例えで分かってもらえたか?
 そうならば、
 貴公も人間の心の機微に精通しているということだ」

分かれば賢い、分からなきゃ賢くないということにしてさりげなく誘導。

「王も皇帝もいない……!?
 それで一体どうやって国を治めているのだ」

民主国家を知らぬ身。目を白黒。
食事の提供の話には、眉間に皺を寄せて考え込む。

(……作戦で野営中ならともかく、
 他人の飯炊きなど、騎士がすることではない。
 ……ない、が…………恩もある、それに……
 屋根……壁……快適な室温と湿度…………
 昨夜のように、愚連隊の少年らに火炎瓶を
 投げつけられることもあるまい……

 これはまたとない好機、
 しかし騎士としては……むむむ……………)

正確には火炎瓶ではなくロケット花火なのだが。
もちろん少年らには騎士の鉄槌を下した模様。
邪悪どころかもうお人好しレベルの魔王の、
細やかな気遣いには微塵も気づかない。
むしろ己が邪悪の気配。
じろりと相手の顔を見る。

「風の神がいるなら、食の神もいるやもしれんな。
 恐らくこれは食の神のお導き、
 神のお導きには逆らえん。
 いいだろう、恩に報いよう。作ってやる」

こちらもなかなかに苦しい理屈で応じる。
ゴコッと音を立てて、偉そうに腕組み。

「騎士の料理だ、味に文句は言わせんぞ。
 せいぜい腹を空かせて待っておくがいい!
 ハッハッハ!」

本心を隠すためにいつも以上に尊大になりながら、
マントを翻して不動産屋に入っていく。

ギルゲイオス > ……(シンキングたーいむ)……思考を誘導されている気がするのである。
(他所を向けば、呟く声が)

議会制民主主義、だったかの?
民衆が投票で代表を選び、その者達が議会で国の運営を決めるとか。
我が国でも議会はあったが、有力貴族からの選抜であったな。
(夜の迫り始める夕焼け空を見上げながら、授業の内容を思い出す。
国民にそのレベルまで委ねると言うのも、興味深いと思う魔王様であった)

(互いの思惑と狙いとその他もろもろが、程よくズレつつ程よく交差している、のかも知れない。
これは一体どういう表情なのだと、次なる対策を考えつつ、無理そうだったら諦めるのも視野に入れつつ。
向けられた視線に、思わずと一歩、後ろへと下がる)

なん、だと……
(言っておいて、一瞬驚愕の表情を浮かべ)
いや、何もでもない。
そうであるな、食の神様もそれが今宵の運命だと囁いておる。
(さっさと取り繕い。
話が妙にこじれる前に、それで通すように話を合わせる)

そもそも、他の世界の味、というモノを探して商店街をブラついておったのでな。
むしろ我にとっては丁度が良い。
ダナエの故郷の味、というのを期待しておこう。
(早くも素に戻りかけるが、大丈夫だろうと。
考えては大きくと頷いて)

では、よろしくと頼むのである。
帰る方向も一緒になる故、部屋選びも幾分かは協力しよう。
ダナエに比べれば、土地勘もあるのでな。
(ヒラヒラと手を振れば、後に続いて不動産屋の中へと入って行く。
値段やら場所やらで、お人よし魔王が色々と口を出しながら、話を進めて……)

(その後は、男子寮に向かいつつ。
とりあえず兜で顔を隠してしまえば、話さなければバレナイであろうし。
先に言った通り料理を任せつつ、必要であれば風呂も貸しつつ……入れるのだろうか。
最終的に、ベッドをダナエに譲り、自分は適当に隅で丸くなるとしよう。
彼女が身に着けている鎧の重さに安ベッドが耐えられるか、磯臭くならないか、それが心配ではあるが
――日が変われば適当な時間に送り出すとしよう)

ダナエ > 「……むむ、気づいたか。
 なかなかやるな……」
誘導に気づかれ、唸る。


「民衆が政治を行うのか!?
 とてもまともな統治などできそうにないが……」

通りを見渡す。

「少なくとも、この国では上手くいっているようだな。
 ふむ……」

難しい言葉は分からないが、民衆が王と聞けば目から鱗。
祖国で民衆が王になったらどんなことが起こるだろうかと、
ぼんやりシミュレーションしてみたり。

「……なぜ驚く?」

驚かれたことに少し驚く。
料理の話には、先日話題に登った郷土料理を思い浮かべて。

「よし。ではヤトルーシュにするか。
 魔王なのだから肉料理は好きだろう?
 ヤトルーシュの肉は、赤味の骨付きに限る。
 なければ買っていくぞ」

懐かしい故郷の味を思い出して寂しくもあるが、
表向きは張り切りながら。


店内では慣れない交渉に途中で気力が尽き果て、
後半は相手にほぼ任せきりだったとか。
重みで床が抜けないよう、
一階の安アパートを無事契約したことだろう。

寮では不躾に調度品やら何やらを眺めたり引っ張り出したり、これは何だと質問責めにしたり。
料理は、本物のヤトルーシュはもっと旨いんだ!!と謎の逆切れをする出来映えだったとか。
とにかく、相手に自分を泊めたことを後悔させたと思われる。
シャワーは死ぬほど浴びたかったが、
昨夜のロケット花火攻撃でよく眠れていなかった分、
睡魔には勝てず、爆睡。臭い体のまま。
朝になってからたっぷり1時間ほど浴びたのだろう。
見送られればややぎこちない礼を述べ、丁寧な騎士の一礼。
魔王相手に神の加護を祈りながら、寮を去るのだろう──

ご案内:「異邦人街大通り/商店街」からギルゲイオスさんが去りました。
ご案内:「異邦人街大通り/商店街」からダナエさんが去りました。