2015/10/14 のログ
■チェシャ > 「分かるわぁー本人には出来ても無茶な事って沢山あるわよねぇ!!……うん、うん
お師匠様、かなり剣の達人で有名な人だったもの……多分、本人としては無茶振りしているつもりな入んでしょうけど
言われた方はたまったもんじゃないわよねぇ」
分かる。自身も魔術に長けた家系の姉妹たちに囲まれて即レベルの差と違いを見せられて早々に諦めた側だから
それと同時に、相手の情を感じる事も
「そうよね……今はそれしか出来ないけれど
きっと、多分何処かでまた会える日は来ると思う
……その時に娘の成長を知れば、お母さんだもの。嬉しいと思うの」
耳としっぽから、ステーシーの中でのリルカの存在の大きさを知る
けれど、ステーシーが思う様に 同じくらいリルカも、ステーシー自身が大事な存在なのだろうと思う
「あの人良い人だよ。困ったことあったら言ってくれって気にかけてくれたりして……」
「ムッツリしているんだ……良い人だって聞いたから気になっているのよね」
「時間と重力を操るんだ……随分と大きな力を扱える能力を持っているのねぇ
へぇぇ……!一緒にカラオケいってみたい!」
等等と、楽しいトークに花を咲かせながら
「悩むわよね」
静かに、そうとしか返せなかった
今はきっと、此方の世界を歩みながらも選択の余暇を与えられている時期でもあると思うから
「ロイヤルミルクティーも、美味しくって良いわよね
ルフナは、セイロン紅茶の一種で甘い香りと濃い色がミルクティーに良く合うのよ」
なんていいながら。ストレートのセイロンも捨てがたい
店内に仄かに漂う良い香りからも――……きっと。良い茶葉を使っているののであろう事が分かる
「フォンダンショコラは外のケーキ部分と、中の温かいとろっとしたチョコレートソースが本当に美味しくって良いわよね」
「……うん、うん」
彼女のお話に、また耳を傾ける
彼女の真摯さを伺わせる、姿勢の良さや、凛とした雰囲気は格好良く、クールな印象があるのは分かるけれど
そんな印象とは裏腹な、お茶目な中身がまた可愛い子だったなぁ なんて思いながら
「真面目でしっかりとしていた子だったわよね
……私が居た街を去る時も、家主の二人に別れの挨拶をしに来たわ」
彼女が憧れるのも、分かる
本人自体の魅力的なキャラクターも
剣の英雄の名を称されるほど、剣の道を貫いて磨きあげる強さも持っていた少女だった
フォンダンショコラと紅茶が運ばれてくれば
甘いショコラと紅茶の香りに頬を綻ばせて、フォークとナイフを手に、きめ細やかな生地へと切り込みを入れる
中から柔らかくとろける上質なチョコレートソースの濃厚さが、一層美味しさを引き立てる
「……本当。凄く美味しい」
濃いビターながらも、苦さや酸味をあまり感じず、チョコケーキの甘さを引き立てる素晴らしい一品であった
彼女の方へと目を向ければ、師匠を探すかのように視線が窓の外へ向いていた
「かも、しれないわね」
甘い甘いミルクティーを口に運びながら、何を言おうか考える
魔女の家に生まれながら、あまり上手く相談やアドバイスに乗れないのは、少し恥ずかしいなと思いながら
「……一応私魔女の家系の出でさ。魔術を勉強するんだけど こういう言葉があるんだよね
『志す者、その扉が開かれる』とかなんとかっていうんだけど……えっと
一つは魔術ってちょっと特殊なものだから、そう本当に心から『学びたい!』って思う人の前に
本なり人なり、師匠というか志す者や方法が扉として出て来て、進めるってお話と……もう一つは
『何かイベントが起こる時』っていうのは、ひっくるめて「本人にそう言う資質があった」とか『それを望んでいた』とか
なんかねぇ、在るべき所にそう言う所も存在するらしい、のね
……だから、失礼な事を言うかもしれないけれどまだ何も起きないって言う事は
それに満たす為の何かが足りない・或いは本当に望んで無い……って事じゃないかな?
う…うーん、だから 多分ステーシーがこの街に来た理由って言うのが何かしらあって
それをクリアしたり、ステーシー自身が見えない課題をクリアしてレベルアップしたりすれば
何かイベントが起きるんじゃないかなぁって思うの
でも、盗んだにせよなんにせよ『旋空』が手元にあるって言うのは
多少なりともステーシーを主人だって認めている筈だよ。絶対
まぁ、また魔術がらみの話で悪いんだけどさ。魔術でも剣でも通じる所はあると思うし……縁の無い物って言うのは絶対喉から手が出るほど欲しがっても
手に入らないし、そういう縁も出来ないし……ましてや盗んだもの、というと言い方は悪いけど
ステーシーの事嫌っていたら、刀の方から居なくなっていると思うよ」
上手くは言えないけれど……言いたい事が少しでも伝わればいいな、と思いながら
必死に説明を重ねる
『今はこの街で、何かする事があるんじゃない?』という事を
■ステーシー > 「そうそう、本人は呼吸するくらい簡単にできるでしょうけど……無理なものは無理!」
ぷくー、と頬を膨らませる。
だって出来ないんだもの。
「………うん」
まるでお姉ちゃんに母親の愚痴を言っているみたいだ。
優しく諭されると、素直に頷いてしまう。
「い、良い人なのはわかるけどあのコワモテで可愛いもの全般大好きなのはちょっと……!」
「今度会えたら会ってみるといいわ、悪い人ではないもの」
「本人はまだ能力に覚醒して日が浅いみたいだけれど、間違いなく怪異対策室三課最強の能力者ね、あかりは」
「……悩む。けど、今は考えない…元の世界に帰れる保証もないなら、この世界で精一杯」
そうだ。目の前のこともこなせていない間に、帰ることばかり考えていてはダメだ。
きっと自分に胸を張った生き方ができない。
「へえー……セイロンってセイロンという種類しかないんだと思ってた…!!」
「フォンダンショコラの甘さは満足感が大きいし、何よりこの味わいが幸せな気持ちにさせてくれるのよね」
中のぬるいのが気に入っているステーシーだった。
「……師匠の話ばかりしてしまったわね」
「次に会う時には、ブランシュの話も聞かせて頂戴」
「そうしたら、私の話もするから。もっとブランシュと仲良くなりたいの」
にっこりと笑って、猫耳の右側がピッピッと二回動いた。
「志す者、その扉が開かれる」
彼女の言葉を反復する。
「な、なるほど……課題や足りないものを満たしていけば、自ずとイベントは起きる」
「……旋空、意思を持っているのなら」
「今まで私を守ってくれていたのよね……」
そっと刀の柄頭を撫でる。
「……この街で人を守る」
「悪意を斬る」
「それができたら……きっと旋空も認めてくれるよね」
ふっと笑いながらフォンダンショコラを食べた。
甘い。そして、彼女とすごす時間のように温かい。
それから二人で色んな話をした。
これが私とブランシュとの出会い。
猫と猫の距離、人と人の絆。
ご案内:「異邦人街」にチェシャさんが現れました。
■チェシャ > 「……超人と比べられてもね、困るわよね」
ステーシーの愚痴を聞きつつ自分の愚痴も少し入れてしまう
似ている境遇のせいか、自分も魔女の家系に生まれたけど、早々に魔術を諦めた事
「……だから、無理とか出来ないって言いながら 反発しても剣の道から出ないステーシーは凄いよ」
私は諦めてしまった方の人間だから
だから、その強さがあれば――……
「今はきっとできないかもしれないけど、いつか出来る様になるから大丈夫だよ」
と、心から思う
少しだけ『妹が出来たら、姉ってこんな感じなのだろうか?』と
自分の姉達を想像して
「あぁ、確かに顔は怖いかもね。でも優しいし良い人だと思う……可愛い物好きなんだ、似合わないけど可愛いね」
「うん、一度会ってみたいなって思うから、いつかあって遊んでみたいの」
「……そうなんだ。鍛錬次第と能力の覚醒次第でかなり高い能力者なのが分かるわ……」
「そうよね。ここ色んな世界に繋がっているらしいし、変な世界に行ってしまったらたまったものでは無いもの」
生きていくには平和だし、異世界の中でも『当たり』だとは思う
中にはもっととんでもない場所もあるだろうから
……それに、何処に居ても大事なのは『自分自身』だと思うから
いつかきっと、彼女が自分自身に真に誇りを持てた時に、答えも見つかるのかもしれない
「セイロンは正しく言えばスリランカで取れる茶葉の名称で、セイロンティーの名称は旧国名に由来しているの
標高別山地で名称が違って、高地産茶(ハイグロウンティー)はウバ、ディンブラー、ヌワラエリヤ等
中地産茶(ミディアムグロウンティー)はキャンディ、低地産茶はルフナが有名ね
どれも美味しいし飲みやすいし、飲み比べて見ると違いが分かって面白いわ
うん、フォンダンショコラの美味しさってまた格別よね
温かいチョコレートケーキとソースと双方味わえて贅沢だもの」
こうして誰かとお茶を過ごす時間は、幸せそのもの
「ううん、私も色々と聞きたかったし 嬉しいわ
うん……私の方の師匠のお話もお話しするわ、それからステーシーのこっちのお話も色々教えて欲しいな」
仲良くなりたいと言われれば、嬉しそうに
「勿論。私もステーシーと仲良くなりたいから……よろしくね」
「うん、なんか有名な台詞っぽい
志して、その道を歩む人には扉が開かれるんだって
……そうそう。例えるならRPGのイベントに近いかな?
どんなに先に進みたくっても、重要アイテムを入手しないと先に進めないとか
何か『これやれ!』って言うのをこなさないと、進まないのと一緒 みたいな
それと同じく、同時に『今やるべき』ゲームの攻略のヒントって、ゲーム内に現在進行形である
……みたいな感じだと思う」
きっと姉であれば、聖書やら魔術やらの例えを上手く用いて解説等するのだろうが
自分には無理だ。簡単な言葉だけど、その意味と真意が伝わればいい
刀を撫でる様子から、大切にしているのは見てとれて
「……多分きっと。やる事が分かっているなら、とりあえずそれに向かえば大丈夫だと思うよ
始めは手探りでも、徐々に段々どういう方向に向かうべきか、分かると思うから」
そうして、始めは思い当たる事を積み重ねていけば
後ろに彼女の道が、自ずと出来て来て、どう進めばいいかも分かるだろうから
笑いながら、彼女と美味しいフォンダンショコラとミルクティーを飲んで過ごす
美味しい上質なショコラや紅茶と同じくらい、贅沢で幸せな時間――……
それが、ステーシー・バントラインとの始まりで
猫同士の秘密の会話であると同時に
幾つもの時間の交差する、運命の一つであり
人の絆という縁であった
ご案内:「異邦人街」からステーシーさんが去りました。
ご案内:「異邦人街」からチェシャさんが去りました。