2017/01/18 のログ
ご案内:「SEVEN FINGER」にルチアさんが現れました。
ご案内:「SEVEN FINGER」に櫛鉈 蛟さんが現れました。
■ルチア > “いつかディナーを”
そんな約束を恩人兼友人と交わしたのは、この島に飛ばされてきた日のことだ。
あれからそれなりに月日は経って、遅くはなったもののその約束を果たすべく、その友人に誘いを掛けたのは数日前。
気取った、というわけではないがそれなりの格好で店の前で待っていたが、
友人が姿を見せれば久しぶり、なんて笑ってから寒いから中へと早速彼を促した。
中も外観同様、年季の入った古めかしい内装で、中世やファンタジーを舞台にした映画の酒場の様な雰囲気。
カウンター席に彼を誘導して腰掛けると、コートは椅子の背もたれへと掛けた)
「すまないね。
本当はもっと早く“約束”を果たしたかったんだけど」
苦笑しがちにそんなことを言いながら、見かけは人間だが7本指のマスターからメニューを受け取って、
自分らの間に置いた。
お勧めはソーセージの盛り合わせと、燻製類が美味しいらしいとか、この店オリジナルのリキュールを使ったカクテルがあるだとか、そんな事を付け足しつつ。
■櫛鉈 蛟 > 戯れ少しと本気多々、そんな感じでディナーの約束を取り付けたのはかなり前の事だ。
あれから数ヶ月経ち、年度も跨いだ1月中旬。友人から待ちに待ったお誘いのメールが来た訳で。
彼女の方もどうやら生活が安定してきたようなので、そこは内心で『良き哉良き哉』などと呟きつつも。
流石に何時もの真っ赤なロングコートは美女とのディナーにはアレだろう。
と、いう訳でこちらもそれなりの若者ぽいファッションに整えてみた次第。
そうして、待ち合わせていた友人と久しぶりに顔を合わせれば笑顔で挨拶を交わしただろう。
まぁ、挨拶ついでに「ミニ丈のワンピースと黒ストッキング…いいな!」とかほざいていたけど。
さて、彼女に先導される形で店内へと。外観は事前にメールで画像を受け取ってはいたが中を見るのは初めてだ。
「ん?いいって事よ。ルチアの生活が安定してからの方がいいだろう、とは思ってたしな?
それに、長く待つほど楽しみな気持ちも増すってもんさね」
等と、何時もの様に飄々とした軽薄な態度と笑顔は相変わらずか。
店内の様子に「へぇ…」とか、「ほぉほぉ…」とか感心しつつもカウンター席に腰を下ろそう。
こちらもコートだけ脱いで背凭れへと掛けておく。サングラスは…少し迷ったが外す。
さて、メニューをマスターから受け取った訳だが、その指は7本…なるほど、店の名前の由来が分かり易い。
「ふむ、じゃあソーセージの盛り合わせは二人で食うか。酒のつまみには丁度いいし。
後は燻製か…マスター鴨肉の燻製とかってある?…あ、じゃあそれも一皿。
あと、このオリジナルリキュールのカクテルも一つ。…と、ルチアはどうする?」
食事もだがお酒も今回のメインな為、最初は控えめな注文だ。後でその都度追加すればいいだろうという考え。
■ルチア > 何時もとは違うカジュアルにキメた友人には中々じゃないか、なんて笑ったけれども。
挨拶ついでに付けたされた言葉には君の好みからは外れないだろう? と冗談めかして付け足して。
他の客は二、三組、と言った所。それらの話す声は秘めやかで、
店内に流れる何処かエキゾチックな音楽の方が少しばかり大きいくらいだ。
「お陰様で、大分安定してきたよ。
とりあえず特別なことがない限り、食事と寝所に困ることは無さそうだ。
ふふ、そう言ってくれると有り難いな。
私も楽しみにしていたんだ、これでもね」
サングラスを外した向こうに見えた瞳に目を細めたが、それも一瞬だ。
それは些細な事だろう、特にこの島では。
メニューも食べ物の取り揃いも多く、酒も大体のものは揃っている。
価格もお財布に優しい設定だ。
「結構盛りは良いらしいから、そうしようか。
ああ、マスター、ついでにチーズの燻製も。
飲み物は――同じものを頼んでも面白くないな、モスコー・ミュールで」
自分も追加で注文を付け足しつつ。
考えることは同じで、口寂しくなればその都度追加すればいいと思っている。
「後、忘れらたら困るから先に渡しておこうか。
本当に助かったよ。
ありがとうございました」
そう言って差し出したのは、白い封筒が1つ。
中身は以前借りた、セーフハウスに置いてあった“軍資金”だ。
■櫛鉈 蛟 > 「そうかぁ?生憎と俺はイケメンじゃねーからなぁ。まぁ中々なら及第点は貰えるって感じかね?」
と、ケラケラと笑う。別に謙遜でも卑下している訳でもなく、この友人との会話は言葉の戯れが常。
多分、”お約束のやり取り”みたいな感じになっているかもしれない。
そして、好みにはストライクだ。オフショルダーで肩が露出してるのもグッドである。
店内をザッと赤い瞳で見渡すも、そんなに多くは無い。矢張り穴場的な店なのだろう。
「おぅ、そりゃあ良かった!確か女子寮入ってんだっけか?
なら学園通ってる限りはまず安泰だなぁ…。
と、ゆーか美女との食事…つまりデート!男として楽しみでしかないだろう!」
くわっ!と無駄に真顔でルチアへと顔を向けながら口にする。
…無論、迷惑にならないように声はちゃんと抑えてるけども。
まぁ、先ほどから流れているエキゾチック音楽のお陰であまり気にならないかもしれないが。
さて、彼女も注文が済んだ様なので後は提供されるのを待つだけだ。
とはいえ、まずカクテルは手早く作れるだろうから真っ先に出るかもしれない。
「…ん?…おおぅ、わざわざあんがとさん。正直ほぼ忘れかけてたわソレ」
と、白い封筒を受け取れば笑顔でのたまう。…本当に忘れ掛けてたのは内緒だ。
さて、このお金は…次にこちらから誘うディナーの軍資金にしておこう。
今回は彼女からのお誘いなので、いずれはお返しにこちらからも誘う予定である。
さて、そんなやり取りをしていれば、二人の前に注文したカクテルがそれぞれ置かれるだろう。
「お、来た来た…ルチア、乾杯しようぜ」
カクテルグラスを持ちつつ、そんな提案をしてみようか。断れなければ乾杯の合図と共に、互いのグラスを軽く打ち鳴らしていこう。
■ルチア > 「流石に常日頃からテレビを賑わせる美形とは言い難いが、言うほどではないだろう?
まあそうだな、一緒に歩いていて胸を張れる程度には」
そう、この距離が自分達の距離感だ。
冗談とも本気ともつかないような、軽い戯れめいた会話。
ちなみに谷間も下着も見えそうで見えない。ギリギリのラインである。
適度に露出しつつ、隠すところは隠す、そんな服装だ。
「そう、女子寮だ。食事もついてるから気楽なものだよ。
卒業してからの事を考えると頭は痛いが、まだまだ先だからね。
今は気楽に学生生活を楽しむよ。
それは光栄だ。
やはり恩人には楽しんで欲しいしね」
真顔に小さく笑いつつそう口にしながら、その真顔の鼻の頭をつつてみようか。
まあ、声はそこまで大きいものでなければ他の客も特には気にしないだろう。
「けじめとしてね。
金銭に関わることは確りとしておかないと。
結局セーフハウスも借りっぱなしになってしまったことだし。
助かってる」
彼が忘れかけていようとも借りであったことには変わりなく。
借りたセーフハウスはたまに使っているとか、そんな事も。
まだ次のディナーのことは意識に上ることもなく。
置かれた二つのカクテル、自分のグラスをを手に取った。
乾杯の言葉に、笑みを浮かべて頷いて、軽く持ち上げグラスを打ち鳴らそう。
「そうだね。
じゃあ約束を果たせた喜びに。
乾杯」
そんな言葉を付け加えて乾いた高く軽い音を立てて。
それから一口グラスに口を付けた。
■櫛鉈 蛟 > 「いやぁ、そこまで美形なのは流石に――あぁ、この島はイケメンとか美女がゴロゴロ居るんだったわ…」
フッと遠い目をしてみるが、別に自分の容姿にコンプレックとか欠片も無いのでただのポーズである。
そして、この適度な距離感が自分達らしいと思う。…そして、冷静にルチアの服装を観察する。
(…クソッ、谷間も下着も見えそうで見えない絶妙のバランス…!流石だなルチア…!!)
と、悔しさ半分感心半分。裏表無く素でそう思ってるのがどうしようもない男であった。
まぁ、彼女は変に露出が多めよりも、このように見えそうで見えない…!服装が似合う気がする。
「卒業後は…まぁ、外に出るか島に留まるかだなぁ。元の世界に帰るとしても、そう簡単には見つからねーだろうしよ?
…ってか恩人って程でもねぇんだけどなぁ。俺の美女へのお節介ってだけだし」
そうホイホイと帰還できるなら、このような島というか今自分達が居る店や異邦人街の必要性が薄れてしまう。
あと、美少女や美女は基本困ってたら迷わず助けるタイプなので、恩人と言われても実はあんまりピンと来てない。
それだけ自然体でそうしている、という事にもなるのだろうけれど。
あと、真顔キメてたら鼻の頭を突かれたので、何か対抗してルチアの頬でもくすぐっておこう。
「ああ、セーフハウスはぶっちゃけ軍資金と違って俺に返却する必要ねーからな?
同じような場所は幾つもこっそり確保してるし。
それに、ルチアも適度に利用してるなら無駄にはならねぇってこった。ならお前さんが使ってる方がいい」
つまり、持っているだけでは宝の持ち腐れ。それならば、有効活用している彼女に預けたままの方がいいだろう。
さて、カクテルグラスを互いに掲げて軽く打ち鳴らす。
「おぅ、それと俺の目の前の美女のセクシーな姿にも乾杯!」
と、ある意味でこの男らしい付け加えをしながら乾杯を。この店のオリジナルリキュールの味はどのようなものか。
「……ん、飲み易いけど意外とピリッと刺激がくるな。あんまし飲んだ事が無いタイプだ。
…あ、でも後口が爽やかだな…美味い」
と、感想を零しながら、マスターが今度は二人が別個に頼んだ燻製を提供してくれる。
男の方が鴨肉の燻製を薄切りにしたもの。彼女のほうはチーズの燻製。そちらも美味そうだ。
ソーセージ盛り合わせはもうちょっと掛かるようだが程なく出てくるだろう。
「しかし…(ジッとルチアの格好を改めて見る)…うーむ…何というかこう、爽やかというか落ち着いたセクシーさだな」
■ルチア > 「そうそう、吃驚したことの1つなんだ。
この島には綺麗な人が本当に多いね、目の保養になる」
ポーズなのは解っているので、そこまでシリアスに捉えることもなく。
然しながらこの島の住人のレベルと言ったら!
本当に目の保養。男性も女性も見ているだけで飽きない。
「……ふふっ」
彼の内心を読んだかのように意味あり気に笑うと、軽く脚を組んで。
位置もあるだろうが、当然ながら見えそうで見えない。
解っててやっている、確実に。
「そうだね。元の世界に戻ることは今のところ考えてないよ。
まあそっちは追々で良いかな。まともな働き口を、と考えると職業訓練も必要そうだ。
戯れ半分だよ。恩人というよりは友人と呼んだほうが正しいしね、クシナダは」
考えていない、と答えた口調には特に痛みも悲しみもない。
愛着はあったが、それはそれとして未練は少ないのだ。
この世界には自分のような異邦人を受け入れる制度も整っているようだし、なんとかなるだろう、と言う楽観視も含まれているが。
ピンときていない様子の友人に、笑いながら答えつつ――この世界での数少ない友人の一人なのだ。
擽ったいよ、と身を捩ってから。
「ああ。ありがたく使わしてもらってるよ。
そう頻繁って訳でもないけれど。
幾つも……クシナダはこの島で暮らして長いのかい?」
そちらの方向に行って帰るのが遅くなった時とか、“独り”になりたい時とか、そんな時だ。
「おだてても何も出ないよ。
だけど、君らしいなぁ!」
乾杯の言葉に楽しげに笑いながら。
「ふぅん?
後で一口貰ってもいいかい?
こっちは少し強めに作っているけれど――うん、飲みやすい」
カウンターに置かれた燻製の皿を引き寄せつつ。
視線に気づいてチーズを箸で摘むと鴨肉の燻製の横に数切れお裾分け。
箸の持ち方もおかしいところは特になく、危なげなく使っている。
「ん?
まあ、そうだね。
あんまり露出が高いというか……こう、派手なのは好みじゃないしね。
フォーマルな装いが嫌いなわけじゃないけど、気楽なディナーってことだったし。
後は君の好みを考えつつ、かな」
と、最後の一言は冗談めかして。
事実ではあるが、だからと言ってどうこうなりたい、という話ではない。
綺麗に着飾って、と言う話も出ていたし、ならば、といった程度の話だ。
ご案内:「SEVEN FINGER」に櫛鉈 蛟さんが現れました。
ご案内:「SEVEN FINGER」に櫛鉈 蛟さんが現れました。
■櫛鉈 蛟 > 「うむ、……いや、お前さんもめっちゃ美女の範疇に含まれてますけども」
美形が美形を見て目の保養とか何と贅沢な!…あ、目の保養は現在進行形である。
そして、軽く足を組んだりして見せる友人。…わざとだなこんにゃろう!
(ぬぅ…!マジで”お持ち帰り”しちゃうぞこの美人さんめ!!)
と、ちょっぴり本気になってる男である。と、いうか何でこちらのツボをちゃっかり把握してるのだこの友人。
「俺も恩人扱いはくすぐったいというかむず痒いから友人の方がいいねぇ。
…つか、ルチアはそもそもどんな職業に就きたいか、とか大まかな展望はあんのか?」
飲食店でアルバイト、は確か今彼女はやってる筈だが、就職?となると別の選択肢も数多くある訳で。
元の世界にあまり未練、というか執着が無さそうな彼女の態度だが深くは突っ込まない。
そういう所の節度というか、あまり根掘り葉掘り聞き出すのは好きではないのだ。
あと、頬を突いた感想はプニプニのもち肌でした。色白だけでなく肌の質が大変よろしいようで。
「んー大体10年くらい?2年前までは学園生徒だったぜ。もうすぐ3年になるけど。ちなみに元・風紀委員会所属だったりする。」
と、ヘラヘラ笑いながら語る。特に隠すような事でもないので、その辺りは割りと軽口じみていて。
「いや、セクシーな格好してるんだから、もうちょっとサービスするとか!」
何もでない、という彼女に「えー…」と不満そうな声で、男らしい意見が飛び出る。
なんというか、こういう所は素直すぎるというか隠さず直球だった。
あと、こちらもチーズの燻製とシェアするように鴨肉の燻製を一部そちらにお裾分けしておく。
「ん?いいぜ…あ、口移しでも大歓迎よ?」
と、軽口は止まらない。やっぱり美女と二人だとテンション上がるなぁ、と我ながら思いつつ。
しかし、ルチアも別にその気があるという訳でもないのだろうが、結構男心をくすぐってくる一言が多い。
「…うぅむ、俺の好みにストライクというか、これはもうルチアをお持ち帰りするべきだと俺は思うんだ」
キリッとした真顔で述べながら鴨肉の燻製をモグモグ。しかもこの友人モデル体型に近いから尚更似合うという隙の無さである。
ご案内:「SEVEN FINGER」に櫛鉈 蛟さんが現れました。
■ルチア > 「ありがとう。
やっぱり美人と言われると悪い気はしないね」
謙遜するわけでもなくするっとそう言う。
特別美人な方かと言えば疑問は残るが、褒め言葉は素直に貰う主義だ。
「ふふん?」
若干目がマジな気がしないでもない友人に何処か挑発的な笑みを浮かべる。
何で把握しているのかって? だって解りやすいからね。
「どんな職業、か。
難しいな、人生において選択肢が無限にあるのは中々に大変なことだからね。
未来の話というよりは可能性の話だから」
勿論、望んで勉強すれば大体の職業につける可能性はあるだろう。
この世界に来る前のような職業も探せば就けるはずだ。
かと言ってそれの中に今のとろこ魅力的なものがある訳でもなく。
現状保留かな、と珍しく曖昧に笑った。
深くは突っ込まない、その距離感はやはり居心地がいい。
「結構長いんだな。
……学生だったのはともかく、君が風紀委員だった、と言うのは不思議な気がするな。
どちらかと言えば風紀を乱すほうが好きだろう?」
風紀委員だった、との言葉に瞬きを1つ、意外そうな顔をした。
とは言え、彼が軽い調子だったので、それに倣うように軽口を叩いてスモークチーズを口の中に放り込んだ。
燻された濃厚な味が幸せを誘う。
「それは君次第かな」
とは言え、こう言うのはこの位だから良いのである。
過剰なサービスは逆に色気がないのだ。
適度な想像力を誘うのが大事なのである。
誘えているかは知らない。
続いて鴨肉も口に運んで。
脂身がくどくなくて美味しい。
「口移しだけで済むとは思えないんだけどな、そうなると」
こうなってくると軽口の応酬になるのは自然なことだろう。
勿論、この手の会話が冗談として取れるだろう相手だと解っていてやっているのである。
小気味の良い会話。それと酒と食べ物を楽しみつつ。
「それは光栄。
ふふ、その気にさせてくれるのなら考えるよ」
なんて、真顔に無駄に甘い声で囁く質の悪さ。
勿論コレも解っててやっているのである。
そして、置かれるソーセージの盛り合わせ。
3種類が二本づつ、まるまると太った腸詰めだ。
■櫛鉈 蛟 > 「うん、そこで否定したりしないでサラッと礼を言える所がやっぱり”美人”だわ~…」
苦笑を浮かべるが呆れた、という訳ではない。むしろ逆だ。
男もそのタイプだが、彼女も自然体であまり力みすぎていないのだろう。
あと、その挑発的な笑みは止めてくれないか…グッと来るじゃないか!!と、声を大にして言いたい男。
…まぁ、声を大にしたら流石にマスターや数少ないほかの客の迷惑になるからしないが。
「…だろうなぁ。まぁ、俺もぶっちゃけ学園辞めてからは落第街でその日暮らしだし。
いっそ何でも屋とか揉め事解決屋(トラブルシューター)とかでもするかねぇ」
鴨肉をゴクン、と飲み込みながら。長生きしすぎてそもそも過去も未来も正直ピンと来ない。
確かなのは現在進行形の今だけなのだから。と、いうか先を見据えてあれこれ立ち回るタイプでもなかった。
現状保留、というルチアの言葉に「そうかい」と、小さく笑ってそれ以上は尋ねない。
発言はセクハラというかスケベなのが多々あるが、だからこそ過度に踏み越えすぎはしない。
「えーーまぁ…うん。これでも刑事課でそれなりに第一線で頑張ってたんだぜ?
…今思えば、何で風紀委員会なんて俺は所属してたか我ながら謎だけどな?」
今度はこちらが曖昧に笑う番だ。そんなに前の事でもない筈なのに、理由すら忘れてしまった。
もっとも、10年程度は男からすれば1年程度とさほど変わらない。
長生きしていると時間間隔が麻痺してくるのが少々困り物である。
「なはは、俺次第とあっちゃ頑張るしかねーかぁ。でも頑張るのは”本番”の方がいいんだけどなぁ」
鴨肉だけでなく、お裾分けしてくれたチーズもモグモグと口に運ぶ。濃厚な味が真に美味。
そして、色気の出し方を心得ていらっしゃるこの友人。いや、自分自身の魅力を何となく理解しているのではなかろうか?
もしくは、意識して無くてもそう振舞える天性のものがあるのか、だ。
「うむ。と、いうかここでしたら店から出禁食らいそうだからそこは弁えてるけどなー」
軽口の応酬は、所々に本気をにじませるのがポイントだ。まぁ、男のスケベ発言は8割本気だが。
ともあれ、ソーセージの盛り合わせが来た。今夜のディナーのある意味でメインかもしれない。
「おー盛り合わせなだけあって3種類くらいに分かれてんのか。ジューシーそうだなぁ」
美味い。食べる前でも分かる…これは美味い。と、いう訳で早速1本頂いていきたい所。
「――つか、下世話な質問でアレだけど、”そっち”の経験ってルチアってそれなりにあったりするのか?」
軽口の応酬は好きだが、偶にこんな切り込むような質問もしていくのが男である。