2017/01/19 のログ
ルチア > 「褒めてくれるのに、下手に謙遜しては失礼に当たるよ」

苦笑に込められた意味が、好意的なものであったから出てくる言葉は自然体。
元々あまり気張ったりするのは得意ではないのだ。
何やら主張したそうな様子に喉奥で笑いながら浮かべた笑みは、性格の悪い猫のよう。

「この島は学園に所属している人には優しいけれど、それ以外には厳しいからね。
それも悪くないかもしれないなぁ。元々荒事屋だしね」

勿論、彼がどれほどの時を生きているのか、そもそもどういう存在なのか。
それを知っているわけでもないので、察することは出来ない。
だが、過去は過ぎ去ってしまって返ってくることはなく、未来はまだ見えない。
発言は一定方向に寄っているが――此方が煽っているのもあるけれど――基本的には誠実な人物なのだろう。

「信じられない、と言うほどもでもないがやはり意外な気はするな。
――そうか」

自分の行動を謎だと言う男に今度は此方が小さく笑う。
理由なき行動ではないのだろうが、忘れてしまえばそれは本当に過ぎ去ってしまったものだ。

「雰囲気作りは大事だろう?
しかし……君に頑張られたら一晩中ヘトヘトになるまで付き合わせられそうだ」


目を細めて笑いながら。
彼の予想はどちらも半々ずつ、といった所。
意識してやっている部分もあるし、そうでない部分もある。

「キスぐらいなら多めに見てもらえそうだけどね。
……ああ、ダメなのか」

マスターが首を左右に振っている。
とりわけ残念そうでもなくそう言うと、置かれたソーセージに箸を伸ばして。
行儀は悪いが片方を突き刺して挟むよにして。

「これは想像以上かもしれない。
教えてくれた人にはサービスが必要だな」

ミックスナッツでも、と言った思考は一旦頭の端に置いておいて。
大きく口を開けてソーセージにかぶりつく。
自分がとったのはチョリソーで、刺激的な辛味をまとった上質な肉汁、確かな噛みごたえに頬が緩む。

「……ん?
まあヴァージンだと思われていたのなら流石に節穴だと言うところだけど。
――そうだね、想像してみて、と言うのは流石にずるい答えかな?」

しれっと特に身構えるでも非難するわけでもなく答える言葉は自然体。
紙ナプキンで口元を拭いながら首を傾げる。
どう思う、と。

櫛鉈 蛟 > 「そういうもんかねぇ…んー…まぁ、そうなのかも?」

考えてるようであまり考えていないような返答を返す。と、いうか褒められた覚えがあまり無い。
基本、軟派で軽い男と見られがちなのだ。しかしまた維持の悪い笑みだ。美人だから全部許せるけど!!
そして、男は”蛇”な訳だが、残念ながら猫に巻きつくどころか猫に弄られている。

「ルチアの過去は気にならないでもないけどな。まぁ、結構修羅場潜って来てるのは分かるけど」

根拠というよりも勘だが、それは同じように修羅場を潜り抜けてきたからこそ確信を持ってそう言えるのだ。
あと、男は基本美女や美少女にはこんな態度だからしょうがない。誠実、というより変に気取ったり自分を飾らないだけなのだ。

「…ま、古巣の連中に偶に扱き使われたりもするけどなぁ。…世の中世知辛いねぇ」

ルチアが食べているのとは別のソーセージをパクリ。こちらは中にとろっとしたチーズ入っており、仄かにバジルのアクセントが利いている。美味い。

「いやいや、ハッスルしない通常ノリでも一晩中は当然付き合って貰うけども?」

そこは軽口でも変に真顔になったりもせず、ごく自然にそう即答した。ハッスルした場合?
…まぁ、ルチアは学生だから変に欠席させたくないしそこはノーコメントという事で。
あと、マスターからキスも駄目だと言われた。ちくしょう…とは思わない。そりゃそうだろうなぁ、と諦めた。

「んーーヴァージンではないだろうな。俺のスケベ発言も自然に対応してるし。
かといって、百戦錬磨とも言えない…かな?まぁ、人並みにそっちの経験はしてる…と、見てるが」

もっとも、男からすれば大事なのはヴァージンか否かとか、経験豊富かどうかではない。
…美人かどうかだ!!…もう一度声を大にして言いたい。美人かどうかだ!!!

「…え?何マスター?…顔に出てる?あーそりゃ失礼。けどこれが俺、だからねぇ」

マスター指摘されても楽しげに笑ってそう返していた。スケベ心を無くすつもりは微塵も無い。
で、ルチアへと顔を戻していく。フと今度はこちらが首をかしげて。

「んで、ルチアから見て俺はイイ男だと思う?あ、変な意味じゃなくて、率直な印象みたいなの」

単にそこらが素朴な疑問になったので聞いてみたいだけだったりする。

ルチア > 「そういうものだよ」

短く、しかし軽い笑みを浮かべながら返して。
その印象が強いのは言われれば確かに、と答えるだろう。
尤も、本当に軟派で軽い“だけ”の男とは毛頭思っていないけれど。
蛇を弄ぶ猫。遊んでもらっているのかもしれない。

「この世界にまできて隠すことでもないけれど、面白い話は特にないよ。
修羅場というか、まあ、仕事が仕事だったからね」

それなりに命のやり取りはしてきた自負はあったし、それは彼も同じなのだろう。
何処か似た匂いがあるのは事実だ。
――まあ、変に気取ってとっつきにくいよりはよっぽど付き合いやすいし信頼も出来るのである。

「その時は正当な報酬を要求すればいいさ。私もそこら辺が気にならないわけではないけど」

そちらも美味しそうだね、とかぶりつく様子に言って。

「と言うことは一日中かな。
流石に体力が持たなそうだ」

どうやらそういうことになれば一晩中は確定らしい。
ハッスルした場合は――まあ、その時のお楽しみ、と言ったところか。
その時が来るのかいつになるのかは別として。

「まあ、君くらいの発言なら別にどうってことはないくらいだから。
……人並みかどうかは兎も角、まあそこそこ“場数”は踏んでるよ。
だからと言って上手いかどうかは――」

等と宣いながら。
何やらやっぱり主張したそうな男にくつくつと喉奥で笑う。
こう言う下手に隠し立てしない男性はスマートさとは違う所で好ましい。
マスターに指摘される様子も、また笑みが溢れるもので。

「そうだね。
何というか、君は善良……ちょっと違うかな、とりわけ害意を持って人に近づくタイプではないし、軟派な所に隠れては居るけれど、根っこのところでは率直かつ誠実な人間なのだと思う。
人を傷つけるための嘘はつかないし、無闇矢鱈と誰かと対立することを好むようには見えない。
平和主義、ではないだろうけれどね。
それなりに人を観察してるだろうし――だけど、案外あっさり女性に騙されてロクなことにならない気もしないでもない。
勿論進んで騙されていく可能性も含めてね。

長々といったけれど、私にとって君は好ましい人物だよ。
“恩人”云々は別としてね」

そう、彼を見ながら率直な乾燥を述べた。
少しばかり照れくさくて、誤魔化すようにグラスを傾けつつ。

櫛鉈 蛟 > 「そっかそっか…ん、納得した」

何をどう納得したのかはさて置くとして。軟派で軽い、というのは演技ではないけど本性の全てでもない。
ある意味で処世術であり、またある意味で単に女好きであるというだけ。
まぁ、人間誰しも色んな側面がある訳で。彼女だってきっともっと違う側面とか色々あるのだろうな、とボンヤリ思いながらカクテルをちびり、と煽る。
現在、蛇は猫にじゃれつかれているという状況だが、ソレはソレで楽しい。
男たるもの、女に弄られる事も楽しめなければ詰まらないものだ。

「まぁ、アレを持ってる時点で真っ当な日の当たる職業、って訳はねぇからなぁ」

アレ、とは彼女が扱う二丁の拳銃だ。落第街の銃砲店を案内した際にブツも見ている。
ただの拳銃ではない、というのは直ぐに分かったものだ。
ちなみに、そもそも気取ったりする態度がこの男は全然似合わないので、その時点で論外なのであった。

「いやぁ、ちょっとまぁ訳アリでな?そうそう簡単には断れんのよ…あ、食う?…ほれ、あーん」

そして、こちらのソーセージに目をつけたルチアにあーん、で食べさせようとするノリ。
構図が男女逆な気がするが、そこはノリとか雰囲気とか。細かいことは気にしてはいけない!

「いや、流石に小休止はするけどな。ま、どうせアレコレするなら一晩じっくりの方がお互い満足出来るだろうしさ?」

中途半端に終わらせるより、長くじっくりの方が楽しめるというもの。
もちろん、一方方向ではなく”お互いに”楽しめるように、というのがポイントだ。

「…んーールチアはこう、何か受け身…と、見せかけてチャンスがあればこっちを攻めてきそうな雰囲気がするぜ」

もちろん、それはそれでドンと来い!!なのが男のスタンスな訳だが。
そして、マスターに指摘された通り、スケベ心は顔にも出るのであった。
まぁ、顔以前に態度からして滲み出てるし、本人がそもそもオープンで変な裏表が無い訳で。

「…ふむふむ、確かに平和主義ではねぇなぁ。叩くべき時はきっちり叩くし――殺る時はきっちり殺る。
とはいえ、自分から揉め事を起こす気は…昔はまぁ、正直ヤンチャしたが今はあんましねぇなぁ。
面白いことにはついつい首を突っ込んじまうけどな。…けどまぁ」

ルチアが照れ臭い感じなのは貴重な気がする。だから、フッと笑みを浮かべてこう礼を述べよう。

「…高評価ありがとよルチア。…お前さんは”イイ女”だよホント」

と、述べてからカクテルをグイッと煽る。単に美女とかではななく、そう評したのは男なりの敬意と友愛だ。
で、少し照れ臭い空気を払拭するようにマスターに追加で注文していこうと。

「マスター、燻製料理で他に何かオススメあれば追加で一丁!」

ルチア > うん、とでも言うように頷いて。
自分と彼は良き友人であり、自分は彼のその側面しか知らないわけだし、彼もそれは同様だろう。
願わくばこの良好な関係が長く続いてくれることを祈るだけである。
勿論遊んでもらっている、と言うのは甘え以外の何物でもないのだが、それが許される関係、と言うのは貴重なものだ。

「そうだね。
アレはこっちの世界でも規制品だから。
でも稼ぎは今より良かったな」

今はまっとうな仕事をしている分、収入に関して言えば比べるまでもないのだけれど、それでも生活するのには十分な金銭を稼ぐことが出来ている。
それは幸運意外の何者でもないし、それ以上は贅沢というものだ。
日の当たる場所を歩くのなら。
――そこに居たいのか、と言われれば自分でも解らないけれども。

「ふぅん? 面倒なんだな。
……じゃあ一口貰おうか」

あーんのノリに乗った。
大きく口を開けてソーセージに齧り付く。
もぐもぐと咀嚼してそのバジルのアクセントの利いたチーズと肉汁の風味を楽しんで。
美味しいな、と唇に付いた油をなめとった。

「流石にぶっ通しは無理があるよ。まあ、そう云うのはお互いが満足するのが一番大事だからね」

本気でも遊びでも二人でする行為なのだから、お互いが楽しむのが一番だ。
充足感があるかないかでそれ以降の関係も変わってくるものでもあるし。
例え愛し合っていたとしてもだ。
性の不一致、なんて良くある話なのはそれなのである。

「否定はしないよ。
男性相手だと受け身のことが多いけれどね。攻めるのも嫌いじゃない」

君は楽しければ何でもありなんだなぁ、なんて笑って。
勿論限度はあるだろうけれど。
スケベなところがあるのはもうここまで付き合っていれば百以上も承知している。
それも含めて、のこの付き合い方と距離感である。

「きっちり殺ったほうが後腐れもないしね。
そう言うので半端なのは良くないからなぁ。
人生多少の刺激は必要だしね」

そして、ふ、と見せられた笑み。
それに尚更照れくさくなってしまって、少しばかり唇を尖らせてから。

「……ふふ。
今更気づいたのかい?」

なんて憎まれ口を叩いたのは、彼からの敬意を友愛を真正面から受け止めるのが本当に照れくさかったから。
それを飲み込むようにもう一切れスモークチーズを口に放り込んだ。


追加注文にマスターは頷くと、少しの燻製卵とスモークチキンをカウンターに置いて。
メジャー中のメジャーだが、独特の照りが美味しさを物語るよう。

櫛鉈 蛟 > こういう友人関係は男の周りには意外と少なく、というか殆ど無いので大変に貴重だ。
彼女と同じく、可能なら長くこの良好な関係が続いて行く事を願いたいものである。
まぁ、遊ばれようが遊ぼうが、男からすればそれが美女なら良し!!で済んでしまう。
単純思考と言ってしまえばそれまでだが、つまりはある意味で本当に裏表や打算が無いのだ。

「…そりゃ、危険なお仕事は金が良くなきゃやってる意味があんまねぇしなぁ。
単なるバトルジャンキーとか、そういうのなら兎も角として」

ある意味で、日のあたる場所と当たらない場所の中間…グレーゾン、夕暮れを歩くに等しい男からすれば。
矢張り危険な仕事はそれに見合った報酬が無ければやる気は無いのだ。
まぁ、美女絡みとかだったらコロリと引き受けてしまいそうなアレな不安要素はあるが。

「おおぅ、良い食いっぷり!…ま、個人的にはルチアとの体の相性が良いかどうかは気になるなぁ。
と、いうか相性悪いと空しい結果になりそうだしな…!」

主に片方しか達しないとかそんな感じで。充足感を得るなら、思いやりと努力もだが矢張り相性も加味すべきだろう。
…と、いうか受け身云々のルチアの言葉に「ん?」と首をかしげ。

「あれ?まさかアレか?男女両方一応はイケる口なのか?ルチアって。
男なら受け身が多いってこたぁ、女相手だったら攻めが多いって感じにも聞こえるが」

ちなみに、男は楽しければ何でもいい、というのは基本方針ではあるが限度はまぁ一応はある。
何処かでそういう”線引き”は必要だからだ。ストッパー的な意味で。
あと、ルチアとの関係や距離感はもう、お互い把握してるというか何と言うか。
男からすれば、地味にエロネタに乗っかってくれるのが有難いものである。

「刺激かぁ。一度ルチアと軽くサシで手合わせとかしてみるのも面白いかもしれねぇなぁ。
正直、偶に絡んできたチンピラとか相手にする程度でマジな手合わせとか全然してねぇからな…」

腕前が鈍っていくのが少々不安だ。演習場を利用できる立場でもない訳だし。
ともあれ、照れ隠しとして憎まれ口を叩く様子にケラケラと楽しげに。
どうやら、猫に蛇が反撃するのは成功したようで何よりである。
弄られるのは悪くないが、そればかりではフェアじゃない。
そして、追加で出された燻製卵とスモークチキンに美味そうだなぁ、と目を輝かせて。

「あんがとマスター。よぉし、食おうぜルチア!」

そんな感じでまだまだダベりながらのディナーは続くのである。
多分、帰りは女子寮近くまではエスコートしたかもしれない…むしろした。

ご案内:「SEVEN FINGER」から櫛鉈 蛟さんが去りました。
ルチア > 友人、と呼べる人間は自分とてまだ多くはなく、こうして気兼ねなく話せる友人がいる、と言うのは有り難いことである。
その“美人なら良し!”の話を聞けば本当にそれで良いのかと突っ込むところではあるのだが、今は知らぬこともであり。
その裏表のなさは自分にとっては付き合いやすさでもあるのだけれど。

「あ――まあそうだね。
ジャンキーになってしまうと、それが目的だからね。手段ではなく」
陽のあたる場所と当たらない場所を選べる贅沢なんて殆ど無かった、なんてことは口にすることはなく。
勿論元の世界での生業の報酬が良かったのはあったけれど。
美女が絡めばどう転ぶかわからないのは解る。
凄くよく解る。

「こう言うのは気取らず行くのが良いからね。
それはもう試してみる以外に知る方法が無いからなぁ。
初めての相手とはどう出るか解らないのも楽しみの1つだとは思うけど」

勿論相性というのものは存在している。
しかしそれは開けてみないと全く解らないブラックスボックスでもあるのだ。
首をかしげる仕草にこちらも首を傾げて。

「あれ。言ってなかったっけ。
私はバイセクシャルだよ。
男性だと年上と付き合う機会が多かったし、女の子だと年下が多かったからなんとなくね」

てっきり知ってるものとばかり思っていた女。
自分に関して言えば、楽しければなんでも良い、とは少し違う。
どちらかと言えば、男と反対でストッパーが殆ど機能していなのだが、それを語ることも知らせることも無く。
まあこのくらいのエロネタであれば会話のアクセント、と言ったもので。
友人との楽しい会話の範疇である。
事実楽しんでいることも伝わるだろうか。

「ただ、私の武器は殺傷力がな……ゴム弾とか使えばいいのだろうけど。
こっちに着てからさっぱりだから、腕が鈍ってないか心配だしね」

銃器がメイン武器であり、それが無いとなると多分じゃなくいい勝負に持っていくことも難しいだろう。
然しながら腕前について不安であり、手合わせすることには異論はない。
楽しげに笑い声を漏らした友人を軽く睨みつけてから、煽るように残っていたグラスを空けた。

「そうだね。まだ夜は長いんだし。
マスター、後お勧めでもう一杯――」

等と、いかがわしい話も、ちょっぴり真面目な話も含まれたディナーの続きを。
エスコートには素直に甘えて送ってもらうことにして。
戯れ混じりの頬にキスくらいはお礼にしたかもしれない。

ご案内:「SEVEN FINGER」からルチアさんが去りました。