2017/06/04 のログ
ご案内:「異邦人街大通り」にセシルさんが現れました。
セシル > 非番の休日。セシルは、異邦人街の服飾店を歩き回っていた。
夏用の私服を持っていないのでシャツや前の学校の制服のパンツを適当に身につけて、買い物に来たのである。
サイズ感や服飾観の都合上、普通の商店街ではなかなかこれというものに出会えなかったのだ。

「………しかし、暑いな………」

いくつか店を覗いた後、休憩に木陰のベンチに腰掛けて、溜息を吐くセシル。
そろそろ、去年買った魔術具の再度の出番かも知れない。

セシル > 「………流石に、宗教の戒律に沿った装束を、信者でもない私が買うのはまずいだろうからなぁ………」

とある店を思い浮かべながら、空を仰ぐセシル。
ゆったりとした、風通しの良さそうなライン。それでいて、手足を極力露出しないシルエット。
ディスプレイはなかなかに魅力的だったのだが…どうやらとある宗教の戒律に沿った服飾を扱う店らしく、その信徒ではないと目に見えて明らかだったセシルは丁重にお断りされてしまったのだ。

セシル > しかし、こうして衣服に注目して異邦人街を歩くと、どう着たらいいのか分からないようなものから、明らかに人型でない体つきの者向けの衣服など、実に多様で、色彩豊かだと思う。

(ここは小さな島にしか過ぎんのだろうが…世界は、広くて多様だな)

ぼんやりと、大通りの街並みと、そこを歩く人々を見やる。

セシル > ふと、恐ろしい考えがセシルの頭をよぎる。

他の世界に流れ着き、これだけの多様性に触れ、自由を味わったセシルは。
仮に帰れたとして、元の世界に居場所を持てるのだろうかと。

(………何で、こんな時にそんなことを考える?)

彫りの深い顔の眉間に皺を作り…不吉な考えを振り払うように、ゆるやかに首を横に振る。

セシル > せっかく買い物に来ているんだから、もっと楽しまねば。
元の世界でだって、服飾に興味がなかったわけではないのだ。いわゆる「女らしい」方向に行かなかっただけで。

(あ、あれは着心地が良さそうだな…)

ベンチから立ち上がって歩き始めたセシルは、いわゆるエスニック系に近い店を見つけ。
着心地や手頃な値段が気に入ったセシルは、そこでチュニックを二着、パンツを一着買って帰ったのだった。

ご案内:「異邦人街大通り」からセシルさんが去りました。