2017/08/28 のログ
ご案内:「異邦人街」に宮比 奏楽さんが現れました。
宮比 奏楽 > ――さて。転移した際に出来た神社。
なかなか、設備も揃い。大分人らしい生活はできるようになった頃……

――だらけていた少女には珍しく頭を抱えていた

「うーむ……」

見ているのは、信仰者が持ってきた雑誌。
それをうんうん、うなりながらペラペラとめくって。

「……うううううむ……」

ご案内:「異邦人街」に久世藤士郎時貞さんが現れました。
久世藤士郎時貞 > その信仰者とやらは横でのびていた

暑い、あまりにも暑すぎる
自分のいた場所はここまでではなかったはずである

コンクリートジャングルというものになれていない侍はそれはもうだらしなくのびていた

着物ははだけ裾からはふんどしが覗いている

「あづい・・・」

当然、貧弱な電源しか持たないこの神社にクーラーなどという文明の利器はない

そんなものを買う余裕というものもない

うんうんうなる駄女神を死んだ目で見る
大変うるさい

が、それを諫める気力もなかった

宮比 奏楽 > 普段の態度がまるで逆である

だらけるのが少女のはずで、いつもそれを諌めるのは信仰者のはずだったのだが――

「ふぅむ。ふぅむ……なるほど。まずは踊りからか」

ポツリと呟いて――

「おい、侍。ばりえーしょん、とやらになにかいい考えはないのか」

雑誌をめくりながら、そう訪ねて

久世藤士郎時貞 > 神社の戸を開けっぱなしにしていても風はほとんど入ってこない
建物の隙間に滑り込むように現れた神社だ
空気のめぐりも悪いのである

じっとりとした中、視線だけ動かしてつぶやいた

「踊り・・・・・・?
 拙者ら侍は戦うが仕事、神楽はきさんらの領分であろう
 聞いても無駄というものだ」

などとバイト戦士がいっている

剣舞ならできようものだがただの踊りなど門外漢である

期待した返事は来そうもなかった

宮比 奏楽 > 「――役に立たんのぉ」

はぁっとため息。膝を片方だけ立てて。
滴る汗、湿って張り付く髪にも構わず雑誌を捲る――……

「踊り、祈祷、奉納などされる側だったからな、全くもってわからんよ。ぐぅたら寝ながら、納められたものを貪るだけだった故な」

ちっと舌打ち。ちょっと勿体無かったなぁなんて呟いて

「といっても、周りの世界に出ているのはお主のほうが多かったろう。なにかないのか、なにか。雑誌以外にも」

戦いに明け暮れようとも、それでも、だ

「男だ、色々遊んでおったのだろ?」

久世藤士郎時貞 > ところがどっこい、何もないのである
それもそのはず

「拙者らの経済状況をしってのことか」

穀潰し一人を抱えて、見ず知らずの土地である
そんな余裕はとうていない

武士は食わねど高楊枝などというがすすんで清貧に身をやつすものではない
そんなものがいたらただのうつけである

「・・・・・・武の家に生まれ、武に心血を注いできた
 そして勲功を立てこれからというときだったのだ
 芸事など縁遠い話だ

 ・・・・・・できても型としての剣舞くらいよ」

宮比 奏楽 > ――ものすごく、しょっぱい顔をした

みーんみんみんと鳴くセミがめちゃっっこ、煩い

「そういえば、首取って逃げてたんだったな。お前」

つまりは、銭がなければ何も出来ない。
ふむ、なるほど。あいどる、というものになるのにも銭が必要、ということだ。

なるほど

「――よし。侍。その剣舞とやらを、してみせよ。ほれ、ほれ。今すぐだ、今すぐっ」

久世藤士郎時貞 >  いやじゃ あつい

などといってもこの駄女神のことだ、駄々をこねて結局こちらが折れることになるのが目に見える

どうせかかる手間ならさっさとやってしまうに限る

「・・・笑うなよ」

立ち上がり着物の帯を結び直すと、なれた動きで鞘から刀を抜き放つ
そのまま正眼に構えるとまるで静止画のようにピタリと止まる

それからは静と動
見えない何かを切り伏せるように
時折舞うようにまわりながら刀を振るっていく

どのくらい舞い踊ったのか
またピタリと動きを止めると刀を背後に隠しスッと一礼した

ぽたりと思い出したかのように汗がしたたり落ちた

宮比 奏楽 > 「――…………」

じっと見た。見つめた。見てみてみて見て――

瞬きすらせず。見つめた。
そして――

「覚えた。おい、侍。もう一回だ。もう一回。今度はゆっくりだ――」

そしてもう一度と呟いて――

久世藤士郎時貞 >  
「いやじゃ」

必要な分は見せたということだ これ以上は見せぬ
というか覚えたというなら必要ないではないか

「あーーーあづい!」

暑い中踊ってさらに暑い
そういってまた帯を緩め大の字になった

宮比 奏楽 >  
「さーむーらーいーーー、もういっかい!! もういっかいじゃっもういっかいーーーーー」

じたばたじたばた

駄々こね始めた

久世藤士郎時貞 >  「む り 」

全くその気が無いようである
そちらの方を見もしない

「そもそもあいどるなんぞの参考にはなるまいて」

と手の平をひらひらしてみせる

雰囲気がはい!おしまい!、おひらき!といっている

宮比 奏楽 > 「けちんぼーーーーっ、お主、信仰者じゃろっ、もっとお願いを聞け―っ」

むきーーーーっとなりながら。じたばたじたばた。

「路銀を稼ぐ手段にはなろうがっ。あいどるになるには金が必要なのっ」

うがーっと言いつつ、ちっともう一回舌打ちして。
はぁっとため息――そして……目をつぶる。
仕方がない、剣舞を再現。頭で再生、合致する楽曲を思い出して――

「――♪」

歌った。見よう見まねの、歌。
かつて、奉納時に聞いたことがあるものを、剣舞のリズムに合わせて

久世藤士郎時貞 >  
「・・・・・・わるくない」

ぐったりと横たわりながら歌を聴く
自然と笑みがこぼれた

別に涼しくなったわけではないのだが
すやすやと寝息を立て始めた

宮比 奏楽 >  
「――よし、これなら路上で稼いでも問題なかろ、そう思うだろ、おい、さむら――」

振り返って感想を求めれば。

「ねるなああああ、ごらあああああああ!!!!!」

全くもって。だが、ようやくスタートラインに立てた気がした。
そんな、残暑の日

ご案内:「異邦人街」から宮比 奏楽さんが去りました。
ご案内:「異邦人街」から久世藤士郎時貞さんが去りました。