2016/06/18 のログ
ご案内:「小さな祠」にサヤさんが現れました。
サヤ > 日も沈みきった夜の宗教施設群。
施設と施設の間の小さな敷地とそこに建てられた小さな祠。夏の日差しを浴びて元気に成長した雑草が祠を覆い隠すように生い茂っている。
何の神が祀られているのか示すものは何もないが、掃除用具一式を持って来た巫女装束の少女、サヤは知っていた。

祀られているのは、他でもない、サヤの使う流派人刃一刀流の開祖カタナである。
最低でも週に一度は掃除に来ているのだが、このあたりの土地は栄養豊富らしく、すぐに雑草が伸びてしまうのだ。
道具を詰め込んだ袋から草刈り鎌を取り出して、まずは祠と、伸びた草に一度ずつ頭を下げた。
「私の開祖を敬うためにあなた方を刈ります。あなた方を新たな命の礎とすることで、この無礼をお許しください。」
草にも命があり、魂があり、司る神が居る。それを刈り取る前の礼儀として教えられた言葉だ。

しばらく、まるで返事を待つようにそのままの姿勢を取ってから、顔をあげてしゃがみ込み、草を刈り始める。

ご案内:「小さな祠」に真乃 真さんが現れました。
真乃 真 > 真の日課であるトレーニング。その代表ともいえるランニング。
その道中でとんでもないミスを犯してしまった。
普段とは違う道を行き、帰りの道が分からなくなった。
異邦人街の道は複雑でとても迷いやすい。
しかし、真の顔に一切の焦りの色は無い。

「おっと、そこの君こんな夜中に草刈なんて大変だね!ここの巫女さんなのかい?」

そんな感じで途中であった人にも声をかけたりする。
異邦人街はともかくこちらの方には全然来ないのでこんなところに和風の祠があるなんて知らなかった。

サヤ > 額に浮かぶ汗を拭って見回すと、だいたい半分ほど刈り終えたようだ。
鎌を握り直したところで近づいてくる足音がして、爽やかに声をかけられた。
首だけで振り向けば、自分よりも少し年上に見える男性、着ているのは確か…じゃーじゃーとかいう運動着。

「どうも、こんばんは。」
と向き直って頭を下げる。
「えーと…巫女ではなくて……氏子、が近いでしょうか、縁ある神でして、私が管理しているんです。
そちらは、走りこみですか?お疲れ様です。」
運動着と先ほどの足音のペース、ついでに汗をかいているのと鍛えられた肉体から推測して、もう一度頭を下げた。

真乃 真 > 「はい、こんばんは!」

頭を下げられれば頭を下げ返す。

「なるほど、巫女じゃないのか…。
 氏子ってことは君は結構前からこの島に住んでた人なのかい?」

或いは、この少女がこの世界に来てから建てたものかもしれない。
それか、たまたま同じ神様が祭られているのかもしれない。

「そうなんだよ!普段と違う道を行ってみようと軽い気持ちで行ってみたら道に迷っちゃってね!
 ああ、帰れるあてはあるから大丈夫なんだけどね!」

大体あの時計塔を目印にすればなんとでもなる。

サヤ > サヤは心中でひぇーとなった。なんか凄い元気だこの人、ちょっと気圧される。

「えーと、それも違くて…。」
顔を横にふる。あまり否定してばかりでは失礼だ、早く説明しないと。
「私は昨年この世界に飛ばされて来まして、元居た世界の神様なんです。
こちらでは祀られていないようでしたので、敷地を借りて、大工さんに建てていただいたんです。」
焦りからか、少し早口で、この祠のおおよそのなりゆきを説明する。

「ああ、道に迷われて……大変ですね。何か道標をお持ちなんですか?
私も良く迷うんですけど、星の位置がこちらは全然違うので、迷ったまま彷徨うはめになるんですよね。」
迷っていると言うのに全く困っている風もなく、帰るあてがあるというのに、首を傾げる。

真乃 真 > 「なるほどなるほど!異世界の方から来た人なのか!」

そう言いながら祠の方をみる。…確かに新しい!
巫女服だしむこうでも信心深かったりしたんだろうな。

「ああ、簡単さ!この島ならどこにいてもあの時計塔が…」

見えない。
たまたま見事に周囲の建物に隠されている。

「うん、時計塔をみれば大体の方角は分かるからね。見れるとこまで行けば行けるのさ!」

どっちにいけば建物が少ないかもわからないがいけるらしい。

「それにしてもあまり広くはないとはいえここの草を全部刈るのは大変そうだね…よし手伝うよ!」

ジャージの腕を捲りつつそんな事を言い始めた。

サヤ > 「はい。あ、えっと、申し遅れました、サヤと申します。あと、えと…常世学園の一年生です。」
そういえばまだ名前も言ってなかった、元気いっぱいな相手に負けないように、少し声を張る。

「見えませんね、時計塔……。」
時計塔があると思しき方向、はサヤもわからないので、ぐるりと周囲を見回して、軽く跳ねてみたりもしたが、時計塔は見えない。
「迷った時はとりあえず歩いてみますよね、わかります。そのうちどこかに着きますよ、明日は日曜日ですし!」
方向音痴が何故か判を押したように繰り返す、迷ったまま彷徨うことを肯定し、一晩中彷徨うことを前提とした答え。
ここにはツッコミ役は居ない。ボケにボケが重なるノンブレーキ空間だ。

「あ、いえ、そんな…悪いですよ、いつも掃除して慣れてますから……。」
手伝う、と上着の袖をめくるのを見れば、慌てて助けを辞退する。
大変だからといって他人に手伝わせるような考えは出ないのだ。

真乃 真 > 「ああ、僕は真乃真!同じく常世学園の三年生だよ!よろしく!」

無駄にカッコいいポーズをとりながら名前を名乗り返す。

「うん、意外と高いねこの辺の建物…。」

学生街とかよりは低いけれども時計塔という希望を隠すには十分な高さである。

「うん、知らないところ歩くのも結構楽しいしね!それに通った道も覚えれば一石二鳥さ!」

そんな風に道を覚えられるのであればそもそも迷わないのだけれども…。
感覚派な迷子解消術である。

「いや、悪くはないよ。それに慣れてるっていうなら僕も草を抜くのには慣れているからね!
 うん、走り込みより疲れないよ!」

意味の分からない理屈を展開して自分は平気だと伝える。
しかし、これ以上断られるなら流石に手伝わないだろう。

ご案内:「小さな祠」に迦具楽さんが現れました。
迦具楽 >  
【練習帰りに軽く山に顔をだして、またその帰り。
 売れそうなものを異邦人街の商店で売った後、家路を駆けていたら良く知った声と、最近知った声】

「あれっ、サヤに……昨日のお兄さん?
 たしかえっと、真だったかしら」

【覗き込むように現れるのは、赤いジャージ姿。
 サヤからすれば親しい相手であり、真からすれば昨日餌付けした少女だ】

「二人で何をしてるの?
 ……草むしり?」

【二人の様子を交互に眺めてそう結論づけた。
 迦具楽の背中にはなぜか、大きな籠が背負われている】