2016/08/13 のログ
ご案内:「宗教施設群」にライラさんが現れました。
ライラ > 今日も今日とて、夜の散歩。
異邦人街は歓楽街などに比べれば落ち着いた風情であるので散歩コースとしてはまずまず。
今日は行ったことのない道に足を伸ばしてみたのだけれど。

「……なんじゃ、ここは。
 異様というか混沌というか…… なんじゃここは」

様々な宗教施設が並ぶ といえば聞こえはいいけれど。
モスクのとなりに、神社が建って、その横に教会があるかと思えば、向かいにはなんかよくわからない建物。

ある意味で、ここが一番異邦人街の特徴を表現しているかもしれない。

ご案内:「宗教施設群」にメグミさんが現れました。
メグミ >  
「宗教施設群。
 古今東西の祈りが寄せられる為の聖地です。」

 背後から張りのある透き通った声が響く。
 もし振り向けば、薄手の外套から風紀委員の制服を覗かせる少女の姿が見えるだろう。

 ……外套は魔術的な意匠のあるもので、薄手のケープのようなものだ。
 

ライラ > 「他所の神か。
 ここまで加護が届いておるかは知らぬが……どこかの四文字と違ってよほど心が広いとみえる」

フンと鼻で笑ってから、声のする方に振り向いた。

「こんな夜更けに散歩かえ?
 わらわの疑問に答えてくれた事には感謝するが……夜はバケモノが統べる時間じゃぞ」

扇を広げて口元を隠す。
緩く扇いでいるのは、単純に風が欲しかったからだろうか。

メグミ >  
「良い夜ですから。」

 出歩いている理由などは答えない。
 否、答える必要はないだろう。風紀委員だ、言うまでもない。 

「残念ながら、それに"はい"と言えるものはありません。
 昼でも夜でも、新参者に我が物顔で歩き回られると"少々困る"ものでして。

 ――ええ、申し遅れました。
 風紀委員神秘対策課から参りましたメグミと申します。以後よしなにとなる事を期待しますが。」
 
 改めて告げる。
 恐らく言うまでもない事だが、言っておかねばならないことだ。
 風紀委員の人間として名乗っておかねばならないのだ。
 
 

ライラ > 「確かに、よい夜じゃな」

月を見上げる。
周囲が明るく星は見えにくいが、月は変わらずそこにある。

「わらわは、ライラ・シルバーロード。
 嘗ては“黒薔薇卿”や“銀主卿”と呼ばれておった身じゃ。
 おぬしの顔は覚えておこう」

風紀委員といえば、従者が所属している組織と聞いていたし。
名乗りには貴婦人の礼でもって返すが、続く言葉は。

「新参?わらわが? いや、この島においてはそうじゃろうな。
 なれば先達に問おう。
 “何が困る”のじゃ? わらわは目覚めてから誰も殺めておらぬぞ?
 いつぞやの無礼者に灸を据えようとは思っておるがな」

メグミ >  
「ライラ・シルバーロード。」
「“黒薔薇卿”」
「“銀主卿”」

 一つ一つを確かな口調で復唱し、顔と名を認める。

「では“銀主卿”。その問いは論外です。
 貴方に知性があるのでしたら、それが私たちにとって詭弁にしか過ぎず意味の成さないものと分かっているでしょう。

 統べるものとして、脅威足りえるものが闊歩している。
 にも拘らず何もしていないからと手を打たない。困らない。

 ――そんな知性のない統治を行える筈がないでしょう。
 もしあなたがそれを行うのでしたら、とても“銀主卿”や。“黒薔薇卿”などと呼べません。

 違います?」

 一歩も畏れも怯えもせず、真っ向から言葉を交わす。
 この手のモノは基本的に気高い。

 そして、真っ先に出た言葉が、 "殺められる方が悪い" 
 ではなく、
 "何が困る。誰も殺めておらぬ"。

 それが真実であるならば、力に訴えた思考を是としないだろう。
 するならば――矜持を突くように、意地悪そうに煽ってみせる。
 お前が力に訴える蛮族でないのなら、私達が貴方の存在をどう思うかは想像に難くないだろう。
 そのように含みを持たせ、訴える。
 

ライラ > 「ふむ。
 どこぞの狩人達と違い、分別はあるようじゃ」

面白い、と呟いて大きく頷く。
扇を閉じて、メグミをまっすぐと見つめた。
目があえばとても魅力的だと感じてしまう視線をもって。
少しでも防ぐ手立てがあれば、簡単に防げてしまう程度の、所謂 漏れ出した 程度の魅了の視線。

「メグミと言うたか、確かにおぬしの言うとおりであろう。
 して……わらわに何を望む?
 わらわとて、悪戯に律を乱すつもりはないが言質だけでは信がおけぬであろうしな。
 出歩くな、と言われても窮屈でかなわぬわけじゃし」

メグミ > 「 ! ……。」

 吸血鬼の類に多く見られる魅力の視線。魔眼。
 そういうものであることと、そのような能力であることは召喚士の見地から理解できる。

 故に、即座に外套の内より儀式用の短剣を取り出し、頬を切った。

 痛みで上書きし意識を仕切り直す。
 軽いものだから耐えられると捨てて置けば、どのような契約を結んでしまうか分かったものではない。

「"面倒ごとを起こさないで頂きたい。"です。
 そして、私たちの秩序に下らぬものが秩序の管轄内に居るだけで面倒事足り得るのです。
 故に最善を要求するなら常世島の秩序に下って頂く事ですが――
 ――下って頂かずに闊歩される様でしたら調伏しなければなりません。」
 
 ある種の降伏勧告。
 見方次第では、"出歩くな"よりも強い要求。
 だが、風紀委員としてばそう言わざるを得ないのだ。
 

ライラ > 「よい」

魅了を払えば、それにも頷く。
この程度にすら耐えられない輩が相手では取引のテーブルに上がるつもりもなかったのだから。

「だが……淑女が顔に傷をつけるのは、よろしくないの」

切った頬に指を伸ばす。
可能であれば、血を拭うだろう。
目をやや伏せ気味にしているのは魅了の視線を向けないためか。

「首輪をつけるのは好きじゃが、つけられるのは余り好まぬ。
 ……が、ただ暴れるだけの下賤と同一に見られるのはもっとゴメンじゃ。
 さて、そんなわらわにとって妥協できる範囲はどこじゃろうな?」

やや楽しそうに笑みを浮かべている。
純粋に楽しんでいるのだ。
対等に言葉を交わす存在そのものが少なかった事もあるが、元来はお喋り好きなのだろう。
対話を楽しむように言葉を紡ぐ。

「ただし、狩人と同じくわらわを滅ぼしにかかるのなら……相応の犠牲は覚悟しておけ。
 ノスフェラトゥの名に恥じぬ恐怖を、この島に植えつけてくれよう」

メグミ >  
「貴女こそ、はしたないですよ。」

 拭わせず、手を当てて制止する。
 ただで血液(対価)をやるつもりはない――彼女らのようなものにとっては僅かな血でも価値を持つ事は理解している。
 
 だからこそ、拭わせぬように制止した。

「それは知った事ではありません。風紀委員としては、そう言う他在りません。
 貴女の存在は認めても、貴方に常世学園と同等の法権を認めを認める訳にはいきません。
 ……その時は互いに滅ぼし合わねばなりません。
 ですが、それを避けたい事はお互い様でしょう。それとも知性はあっても血の疼く方でしょうか。

 ……今日は準備がありませんから、するとしても威力偵察に留める他ありませんが。」

ライラ > 「そうかえ、残念じゃ。
 後に残らぬように治療しておくのじゃぞ」

再び残念 と呟いて、手を引いた。
そのまま、ふむ と思案する様子を見せて。

「この島がどこまで夜の眷属に優しいかを知らぬが……。
 まぁ、よい。 好きにせい。
 口ぶりからするに抑止力として組織であろうが、絶対遵守の呪を使うという類でもなさそうじゃ」

わざと口から牙を生やして。

「よい、火の粉を払うか無礼者を手打ちにする以外ではこの島の律に従おう。
 別に陽の当たる立場なぞはどうでもよいしのぅ」

まぁ、爵位とかあった方がトラブルは少ないかもしれないが。
前時代的な考えである事はわかっているつもりだ。

「して、用向きはそれだけかえ?
 それだけであるならば……同胞と事を構えるならば時を与えぬ事じゃな。
 わらわ達は、“増える”のじゃぞ」

メグミ >  
「――分かりました。
 もし名実ともにそうなる場合異邦人に対する奨学金や入学・履修補助、
 宗教上ないし身体機能上の理由からの規制緩和、物品補助、合法的な栄養・食事支援――
 ――色々な支援が御座いますから、上手く活用なさってください。」

 にこ、と、笑った後――
 ――繭を顰めて首をかしげる。

「そうしているのならとっくに別の手を打っています。
 吸血鬼だから ではなく、秩序を乱す・面倒事を起こす存在だから厄介なんです。
 ……吸血鬼だから、異邦人だからとバケモノヨソモノと根絶に奔る訳には行かないだけの話です。
 少なくとも建前としてはそう言う島ですから。ここは。そうしようと働く組織もあるみたいですが――」

ライラ > 「……そちらには遅かれ早かれ使いをよこそう。
 どうせ学び舎には入れぬがな」

招かれれば話は別だが、いかんせん面倒くさい。

「キワモノを集めて新たな群にでもする実験、といったところかの。
 まぁよい。
 増えすぎて手詰まりになる前に間引きをするというのはわからぬでもないし、自分たちと違うモノは排除しようとするのが普通じゃ。
 まぁ大体は理解した。それについては感謝するぞえ」

「さて、わらわはそろそろいくとするかの……ここら辺りの気配は、どうにも好かぬ」

混沌もそうだが、ちらほら漂ってくる神聖な気配とかもう気に入らない。
神様はいつだって助けてくれたりしないから。

メグミ > 「……真っ当な手段で学生証か教員証を手にしてしまえば入れるとも思いますが。」

 頬を掻いて、軽い苦笑を併せて応える。
 それらは学び舎の住人であると示すものだ。見方を変えれば、招かれた証である通行証とも言える。

「そうでしょう。確かに届き、宿っている場ですから。」

 対するメグミは何も言わず、そして居心地が悪そうにも覚えず。
 "当たり前"のようにそこに居る。

「ええ。私も報告をしなければなりません。
 ――それでは、また会いましょう。“銀主卿”。」

 改めて通り名で呼んだ後、踵を返してその場を去った。
 

ご案内:「宗教施設群」からメグミさんが去りました。
ライラ > 「ふん……何度、ヒトに期待してきたことか」

さて、此度はどうであろうな と零して その場を立ち去った。

ご案内:「宗教施設群」からライラさんが去りました。