2015/06/12 のログ
ご案内:「歓楽街」にヴィクトリアさんが現れました。
ヴィクトリア > 【テーブルの上には冷めた飲みかけのコーヒーとポットサービスの保温ジャー。
食べかけのアップルパイ。
そしてヴィクトリアの両足。

例によって黒服を連れ、奥の席を占領し、容赦なく居座っている。】

……あー。
【やる気がでない。
当然といえば当然だったが。
思い出したくもない「あんなこと」の後だったが、今はとりあえず震えなくらいには落ち着いた。
それなら、やることはいつもと同じはずなのだが、だからといって、他人を蹴って自分を奪う側だってごまかしきれない
少なくとも今日は。

だが、ナメられてしまえばあがったりだ。
だからといって学生街やアッパータウンに行く気も起きない。
あそこはボクの居場所じゃない。
ボクなんかがいていい場所じゃない、もっと頑張ってる奴のための場所だ。

そうなると、治安がどうこう以前に、自分が自分らしい場所としてこの近辺から離れられなかった。
すがる場所がこのへんしかないとも言える。】

ヴィクトリア > ……結局、ボクは何も出来ないんじゃないかよ、わかってるよ。
どーせ、コレがなけりゃボクも向こう側なんだしさ。

【コーヒーを啜る。
にがい。
しかも酸っぱい。

今のボクみたいな安い味がする。
アップルパイがなきゃやってらんない。

パイも甘く味付けただけの廉価品だけど、それでも単体で食えるだけマシだ。】

アイツもアイツもアイツも
何を言ったってアップルパイ側だ
あいつら、ボクと違ってコレがなくたって、たぶん変わんない。
きっともがき続けて立ち向かうんだ、安くても。

でも、ボクは……コッチ側だ。
お代わりに価値もない、腹も膨れない、だれかの胃を傷めるだけの存在だろ

わかってるよ。
お前らだってアップルパイでいろよ、責任取らねーぞ?

【珍しく似合わない気弱なセリフ。
しかも中間が抜けてるから意味がよく通じない。
とは言え彼女が癇癪を起こしてはこういうセリフをときどき吐くため、周囲の者はだいたい知ってるのだが。
だからヴィクトリアから吸えるだけ吸いたいか、もしくはせめて黒服でいいからほっとけない、みたいな部下が自然と増える

もちろんヴィクトリアから彼らにこれと言って目を向けることはないが、たぶんそれでも黙って従うのが彼らの流儀なんだろう】

ヴィクトリア > ……うー、まずい。

【言いながらコーヒーのおかわりを継ぎ足すあたり、いい根性してるのかもしれない。】

これからどーすっかな。
どうするかなってやること変わんないんだけどさ。

【室長補佐代理にも、翔にも、犬飼にもひどいことしたからな。
なのになんであいつらボクに手をかけたがるんだ。
ボクはあいつらの手を噛んだことしかないのにさ。

だってそうだろ……ボクは引っ掻いて噛み付くしかわかんないんだ。
助けてっていう方法がさ。

……ボクなんかじゃないところに行きゃいいのにな。

それでも結局、ボクのそばから離れようとしないってのは、あいつら賞味期限切れたアップルパイなのかもしれない。
どこか一般に見向きされなくて冷めた安いコヒーが似合うt頃があったりするのかもしれない。】

ヴィクトリア > ……ま、いいけどさ。
ボクはそれでも。

【保温ジャーで温度が高いだけマシだが、もう長いこと置かれていたのだろう、やはりコーヒーはまずい
別にこんなところでこんなくそマズいドロ水をすする必要など全くないのだが、今日はそんな気分で丁度あってた。

頼んでたポテトが来る。
冷凍だがポテト以上にいい加減な調理でまともな味がするものは鶏唐ぐらいだ。
別にこんな店で安ジューシーなチキンを頼む必要もない。

コーヒーがまずかった腹いせに、ポテトにはめいっぱいハイツンのケチャップをかける。
マスタードはノーブランドなのにケチャップだけはいつもここだ
何だこの差別待遇、コレが生まれ持った差ってやつか

ま、ボクはマスタード側なんだろうなって思う
マスタードは粒入りでもない限りブランドなんか気にされない】

あー、そういえばフランスパン焼いて粒入りマスタードたっぷりつけて分厚いハムとレタス挟んで食いたいなあ……
【よく考えれば朝はいつもほとんど食わないからそういうのは案外食べてない気がする。
サンフランシスコサワーブレッドに玉ねぎとサラミとかそういうんでもいい】

ヴィクトリア > ……ま、とりあえずマスタードから始めるか。

【気を取り直しながらポテト&ケチャップをつまむ。
ケチャップみたいにブランドなんかないしそう扱われることもないが、無いと困る。
ボクがクズなことには変わらないが、まあ、無いよりあった方がいい、たぶんそう。

このくそまずいコーヒーも、ないと悪態も付けない。
世の中には「不必要っていう価値」が有るのかもしれない

まあ、このコーヒーはともかくマスタードには少し失礼な気もするが。】

ま、そーだよな。
どーしよーもないクズならコレ以上無くす心配は、あんまりないか。

【奈落すぎて底は見えないからいつまでも落ちる気もするが、ボクの立ち位置はともかく、
持ち物が無くなる心配をしても仕方ない気もする。
どうせボクができることは他人を蹴り飛ばして搾取することだけだ。
代理に心配をかけ、翔を苦しませ、犬飼を怒らせるくらいしか出来ない。】

んじゃ、まあ、また弱い者いじめに精を出しますか……どうせボクは他人傷つけるんだもんな。
塩コショウが羨ましいぜ。

【テーブルの上の足を組み替えつつ、皿を持ったままポテトを3本頬張ると
指についたケチャップとマスタードを舐める。】

コレも冷めるとベチャッとしてきてサイテーだなと思いつつ、それでもポテトは食っちまうからずりぃ。ずるすぎ。
この死ぬほどマズいコーヒーみたいなボクからすればマジ許せねー。

ヴィクトリア > 【スゴイひとりごと過ぎて周りには意味が通じないのだが、別に誰かに聞いて欲しいわけでもないから気にしない。
ポテトを完食し、皿に残ったケチャップを指ですくう。
テーブルの上に足を乗っけてるのに今さら言うことでもないが行儀はとにかく最低だ。】

……あー、ボクはなんでこんなくそまずい泥水を3杯目いってるんだ?

【別にマズいコーヒみたいだ、と自分を比喩したところでコーヒーに共感した気はない。
というかこんなくそまずいコーヒーに共感とかしたくない。
でも入れてしまったし、しょうがない。
入れた以上、残すのは嫌だ。負けた気がする】

よし、お前……これ飲め。

【半分ほど残したおかわりを黒服に飲ますのは明らかにアウトだが、この程度で注意する店ならテーブルの上に足なんか置けない
黒服はむせることになるだろう】

ヴィクトリア > この店もボクも、ひどいことしか出来ないってことだな。
なンだよこんな苦くて渋いもん飲ませやがって……
ほら、とっとけよ。コレでくそまずくないコーヒー買えよばーか。

【立ち上がってパーカーを整えると、黒服に目配せをしてチップをテーブルに置く。
チップというには札束は行きすぎだが。
そのまま出て行くが、一ヶ月の売上より多い金額を置いていく少女に、いったい何が起こったのか理解できない店員は呆然としていた】

ま、ボクにはあのコーヒーが必要だったってことだな。
まずかったけどな。

よっし、適当に回るぞ。
【気を取り直したパーカー少女は、取り巻きに声をかけると、店を背にした】

ご案内:「歓楽街」からヴィクトリアさんが去りました。
ご案内:「歓楽街」にジブリールさんが現れました。
ジブリール > 【喧騒の音が耳に馴染む。あやしい店への誘い文句が男女様々、ほうほうから聞こえる。
 そんな通りの端で静かに白杖をついて歩む銀の女。】

「―――」

【にぎやかなのは良いことだ。そんな風に紡ごうとした声は、やはり喧騒に飲まれてしまう。】

ジブリール > 【間近に聞こえた音は硬化の音。誰かがお金を落としたのだろう。またすぐ近くで何やら言い争いの声が聞こえた。『俺が落とした』だ『俺のだ』だと。
 しまいには殴り合う殴打の音まで聞こえる始末。矮躯の女はしばし興味を持ったように立ち止まっていたが、次第に飽きてきたのか沈黙を守ってそこを通り過ぎる。】

「暴力はいけませんわ」

【彼らがさらに別の"何か"に取り押さえられる音が聞こえた。それを見計らって振り返り、聞こえもしない筈の遅すぎる言葉。銀の髪がゆぅらゆらと靡いた。】

ジブリール > 「血走った眼」

【睨み据える為に細めた眼。勘定を剥き出しにした眼。欲望を表した、ソレら。
 包帯に包まれてもなお捉えた瞳《明かり》はとてもステキではあった、けれど。】

「……捨てがたいですわ。でももう少し」

【そう、それだけでは面白くない。白杖の手持ちを指先で撫でながら呟いた。
 有体に言えばつまらない。女は新たな喧騒のある街の中を、再度歩き出す。】