2015/07/03 のログ
ご案内:「歓楽街」に焔誼迦具楽さんが現れました。
■焔誼迦具楽 >
「はあ……ここが歓楽街か」
【思わず感嘆の声がこぼれた。
右を見ても左を見ても人間。
そこかしこから騒がしい音が聞こえてきては、人の波がせわしなく流れていく】
「本当に人間というのは……」
【右も左も娯楽のための施設。
人間のこの、欲求を満たすための探究心には心底恐れ入るものがある。
こういった文化を創る人間だからこそ、アレだけ美味くもなるのだろう。
きょろきょろとあたりを見ながら、通りを歩いて行く。
どれもこれも興味を引かれるものばかりである。
人間の食事も面白そうであり、遊びにも興味がある。
あれこれと目移りしている様子は、どこぞのおのぼりさんのようにも見えるだろう】
■焔誼迦具楽 > 「……ふうん、どうしよう」
【一通り近くの店や看板を眺め、首をかしげる。
なるほど、確かに興味はあるのだが。どこもやはり金銭が必要である。
先日まで人を象ることも出来ず、人間を主食としていた怪異なのだから当然、金など持っていない】
「仕方ない、適当に……」
【もう一度周囲を見回す。
適度に金銭を持っていそうで、襲ったところで騒がれそうにない人間の姿を探し始めた。
どうせなら女がいい。ブレたまま纏まらない自身の性格を、ある程度固定したいのだ。
ついでに美味しそうな相手なら文句がない。
と、周囲の人間を品定めし始めた】
■焔誼迦具楽 > 「……いない」
【当然、そんな都合の良すぎる獲物なぞいるわけもなく。
悩ましげに首を傾げながら、仕方なし、とばかりに。
ちょうど近くを通りかかった少女と影が重なる瞬間に、靴底に変えていた体を切り離して、少女へと取り付かせる。
そのまま歩いて行く少女は、何度か怪訝そうに足や背中を見ていたが、徐々に震えながら蹲る。
『……こんなものか』
少女が倒れこむのを横目に、切り離した体を呼び戻した。
もともと殺すつもりはない。少々熱を奪っただけである】
「んー、まあまあかな」
【少女の味は、まあ悪くはなかった。
戻ってくる体に取り込ませてきた財布を拾い上げ、また体の一部で形を真似ると、財布の中身だけ取り出して余計なものはすべて体内に取り込み焼却。
抜き出した数枚の札を、自ら作った財布に入れなおし、ポケットにしまう……と見せかけて、体内に収納。
これで証拠も残らず金も手に入った。
幸いな事に、少女の一部を食したことで性格の方向性も定まった。
ようやく遊び歩くことが出来そうだ、と、面白そうな店はないか探しながら、通りを歩き始めた】
■焔誼迦具楽 >
「……やっぱり、やめておこうかな」
【面白そうな物は多かったが、どこも店内は人が多すぎた。
こうたくさんいると、つまみ食いの一つや二つはしたくなってしまう。
それは、今回の目的と合致しない。
それにあんまり派手に食べたら、また厄介な連中が出張ってくるに違いないのだ】
「人の食事を試すなら……今度は商店街かな」
【これまで喰らった知識の中から、その存在を思い出す。
そっちは娯楽施設こそ少なそうだが、何かを食べるにはよさそうだ】
「お金も有限だし、計画的に使わないとねー」
【財布の中身を考えつつ、怪異は住処の路地裏へと戻って行く。
予定が出来れば、計画を立てねばならない。
『お金』という新しい玩具も手に入ったのだ、しばらくは暇をつぶしていられるだろう……】
ご案内:「歓楽街」から焔誼迦具楽さんが去りました。