2015/07/10 のログ
ご案内:「歓楽街食通り」に詩露 久路さんが現れました。
詩露 久路 > 「ふーむ」
ずらりと立ち並ぶ飲食店。
そこにラフな服装で大よそ歓楽街に似合いそうもない奴が一人。
事の次第は単純で。
何か美味しいものが食べたい、そう思ってこちらまで足を延ばした。
歓楽街の方に美味しいお店がある、と聞いたからである。
とはいえそんな大ざっぱな話だけで来てしまい、いう程情報などは仕入れていない。
「……マズったな」
ここ最近で何度も話は仕入れておくべきだし噂は聞くべきだなどなど言われてこの体たらく。
反省はしていれど中々身には着かないな、と苦笑する。

詩露 久路 > 言ってしまえばどこもかしこも美味しそうであり、パッと見で判断なんぞ付くわけがない。
適当に入ってしまえばいいし、次また来て色々入ればよいのだろうが、一期一会、折角なのだから美味しいものを食べて帰りたいと言うのは自然な流れのはずである。
しかし気になってうろうろして時間を浪費して言い時刻とも言えなかった。
限られた時間で出来るだけの判断を行えるか。
そんな状況であるが。

「誰かに聞けやしないだろうか」
そう思いきょろきょろと聞けそうな奴を探す。

贔屓目に見てもその様はそこそこ長身であり、目立つのであった。

詩露 久路 > 「ま、居る訳ないわな」
うん、と頷く。
しばらく眺めていたがさっさと切り上げ歩き出す。
「こうなりゃ適当かな」
人の入りが多い所はまあアタリだろうか、などと考え店先から店内を眺めはじめる。

詩露 久路 > 「これまた失敗か……」
少し歩いてわかった事だ。
どこも大体同じぐらいの入りで、皆美味しそうに食べていた。
判断なんぞ付くわけもない。
「……」
そして貴重な時間はまた浪費されたというオチである。

詩露 久路 > 道を随分と歩き、大通りの切れ目まで来た。

結論は何処も美味しそうなので何処に入ってもいいんではないか。
である。
オススメを聞くとかというかもういいし、どこでもいいだろ。
っていう乱暴な理論が展開されている。
「じゃあ後は何が食べたいか、だ」
想像する。
……。
「中華、かな」

結論付け、横を見る。

中華料理店だ。
が。
人は余り入っておらず、照明も暗い。
余り覇気があるように見えない店で。

有体に言えば流行ってなさそう。
である。

「……ええー」
中華と決めた途端に横に中華料理店があり。
ある意味天啓を得たと言わないでも無いのかもしれないが。
よりによって美味しいのかちょっと判断がつかないというか脳内レーティングは4:6でダメそう、である。

詩露 久路 > 一応メニューに目を通してみる。
一通り中華料理店らしいメニューが並ぶ。
逆に言えば本当にそれだけ。
「んん……」
唸る。

戻ればいいのだ。
確か幾つか中華両店はあった。
わざわざここを選ぶ必要は無い。
無い。
中を見る。
どう見ても流行ってない。
今3:7ぐらいになった。
時計を見る。
秒針は当たり前に時を刻んでおり、時計を見ていたら一つまた分が進む。
「あー……」
少し上を見る。
店の名前をネオンがうす暗く光らせている。
何ていうかネオンついてても全く派手じゃない。

隠れた名店では?という可能性もある。
捨てきれないっていうかそうであって欲しい。

詩露 久路 > ―――思考が既にここに入ると決めていたのに気付くのは入店した後で。

美味しかったのか、不味かったのか。
それはまた別のお話である。

ご案内:「歓楽街食通り」から詩露 久路さんが去りました。