2015/07/18 のログ
ご案内:「そば処きりん」に矛海 遼さんが現れました。
■矛海 遼 > 蝉も鳴き初め、海の賑わう夏。
【一仕事】を終えて、一人の男は静かに行きつけの蕎麦屋に足を運び、
座敷にて茶を啜りながら本を片手にくつろいでいた。
人が別の場に集中し、以前と比べれば少ない物の歓楽街は騒がしい。
それに反比例するような静かな此処は、疲れた体を癒すには最適な場であった。
■矛海 遼 > 白を基調とした、青いラインの入った半袖のパーカーにジーンズと言った軽い服装から漏れた、熱を持った肉体を室内の空気が冷ます。
夫人曰く、『最近冷房を新調したのよ♪』との事らしい。
ここ最近客の入りが良かったようで、それだけの余裕が出来たようだ。
ある意味で隠れた名店であり、そこの常連ではある身とすると嬉しくもあり悲しくもある。
ネギを切る包丁の音と共に風鈴が風で踊り、心地良い音を響かせる。
ご案内:「そば処きりん」に湖城惣一さんが現れました。
■矛海 遼 > 店内に置かれたテレビをラジオ代わりに、自身の注文が来るまでの間に本を一つ読み進める。
タイトルは【汚忍空】である。表紙や紙の状態を見ると、どうやら新装された者のようだ。
帯には【総てを焼き尽くす恋愛バイオレンスアクション】と書かれている。
…………お察しください、とでもいうような煽り文句である。
晒された脛や足からは冷えた空気が熱を奪ってゆく。
実に心地良いと思うのだが、痛覚が無い故、その心地良さが解らないというのは内心残念に思っていたりする。
■湖城惣一 > 唸る腹を響かせながら、ゆっくりと入店する一人の男。
相も変わらぬファッションで、唸る腹を丸出しにしている。
「主人、熱い蕎麦を一杯。それに、天ぷらを全種類乗せてくれ」
まったくもって懲りない注文。
前回来たときは、人との会話のために麺と天ぷらがつゆを吸いきってしまった。
入るなり、冷気がうだるように暑かった腹を冷やす。
腹痛を起こすほどではないが、軽く息を吐いた。
ご案内:「そば処きりん」にライガさんが現れました。
■矛海 遼 > 店主は無言で一つ頷き、作業に入る。
共に、夫人が笑顔で奥の座敷に案内するだろうか。
そこに普段と比べて大分肩の力を抜いたような服装の知人が座っているのだが。
「ふむ、こんばんはだ。湖城」
本から視線を少しずらし、青年に視線を向ける。
注文は聞こえていたようで、なかなか物好きだと心の中で呟きながら、新たに入ってきた者の足音に耳を立てる。
■ライガ > 「お、民家かと思ったら。
ここ、蕎麦屋だったんだなあ。いつもついつい通り過ぎるからわからなかったわ」
大柄の青年が戸口から顔をのぞかせ。
入ってくると、物珍しそうにきょろきょろと店内を見回す。
■矛海 遼 > 『おやおや、いらっしゃいませ。ゆっくりしていってねぇ。』
妙齢の夫人が戸口に戻り、にこやかな笑顔を少年に向けながら姿を現す。
何処か古めかしい造りが広がっている。
風鈴の音と包丁の音が響き渡り、蕎麦を茹でる音が広がっている。
■湖城惣一 > 奥に通されると、その直後に入ってきた見知った顔。
「……ん」
落第街で見かけた彼を横目に、ゆっくりと矛海の近くの席に座る。
ひとまずお茶を頂きながら蕎麦を待ちつつ、
「ええ、どうも先生」
目礼した。
■ライガ > 「……どうするかな。
じゃ、鳥そばをひとつ、たのもうかな」
さて、どこに座ろう。
知った顔が2人、居るようなので、片手を上げて挨拶をする。
涼しいところ、涼しいところ。風通しのよさそうな席を見つけて座りに行く。
■矛海 遼 > 「落第街での戦闘以来、だな。」
啜る茶の入った湯呑を机の上に乗せ、
本にしおりを挟み、閉じて懐にしまいながら言葉を返す。
「どうやら君もこの店を気に入ったようで………この集まりはあれだな、あの時の戦闘に居合わせた者同士と言う事になるな。」
新たに表れた少年に手を振りながら視線を返す。
縁というのはこういう物か、と心の中で呟きながら。
■湖城惣一 > 「確かにそういうことになりますか」
言いながら、折角なので自分の対面を指し示してみる。
「良ければ君も、そこにどうだ」
空いた空席。お茶をすすりながら勧めて。
折角なのでお品書きなどに目を通しつつめっちゃ腹をならしている。
■ライガ > 「ああ、あのときは自己紹介もろくにできなくて……。
僕はライガ。6月半ばに入ってきた、一年生さ」
軽く自己紹介をする。
席を勧められれば、ありがとう、と頭を下げて、そこに座る。
「いやあ、あのときはいっぱいいっぱいで。
皆が戦い慣れてるようだったから、補助に回ったんだけど」
■矛海 遼 > 品書きには飲み物や蕎麦以外の物。
例えばうな重などと言った物や、唐揚げなどと言った物も扱っているようだ。
「どうにもこの店も顔が広がったようで。まさかこうも顔見知りのみが集まるとは思わなかったが………ライガ君か、ふむ。私は矛海、通りすがるのが得意な教師だ。」
自己紹介に自己紹介を返し、座るように首で催促する。
「良い援護の腕だったよ。私一人だけでは無理があったからな。礼を言うよ。」
■湖城惣一 > 「俺は湖城惣一、だな」
自己紹介をしつつ、蕎麦が運ばれてくる。
熱い蕎麦に、下の見えない大量の天ぷらが乗っている。
大盛りも大盛り、大量のそれにしょうゆを軽くまわしかけていく。
「頂きます」
パチンと箸を割ってから。
「俺はそれが仕事だからな」
と、端的に述べた。
そのまま蕎麦の前に天ぷらを攻略しにかかる。
■ライガ > 「ああ、よろしく。
……あ、すいませーん。麦茶もお願い」
やがて運ばれてきた鳥そばを受け取ると、七味をさっとかける。
割り箸をパキンと割り、いただきます、と小さくつぶやき、熱い麺をすすり始めた。
「……僕が落第街に居たことについては、つっこまないんだ?」
あの時は、まだ委員会に所属していたわけではなかったのだが。
一般生徒は近づかないようにとの掲示も見たことがあるし、実際風紀委員に見咎められたこともある。
■矛海 遼 > 数分後、遅れて笊蕎麦と麦茶の入った湯呑が運ばれて、机の上に乗せられるだろうか。
「今回は麺が伸びる前に食べられればいいな。」
前回、この場に居合わせた際に食べ損ねた事を知っているが故の言葉だ。
伸びきった蕎麦は作った側にとっても食べる側にもよろしくない。非常に。
「さて、私も頂くとしよう。いただきます。」
割り箸を綺麗に割ると、ゆっくりと啜り始める。
喉奥に深く沈む汁の味。そして適度な歯ごたえを持った麺。
実に美味である。ここに足を運ぶ甲斐があるという物である。
「敢えて深くは言及せんよ。だとすれば私も同じような物だろう?」
落第街や付近の路地裏には良くあることだ。一般市民は道に迷った物暗いだろう。
■湖城惣一 > ひたすらに咀嚼する。
そもそもが、長い時間をかけて食事を摂る湖城惣一は
はっきり言って麺類自体との相性は良くない。
しかしながらとにかく味わうようにして、腰を据えて味わっていく。
「こと、大して興味はないな。
俺は立場として気にするべきだろうが、縛られすぎる立場でもない」
公安にして風紀。嘱託委員とされる彼の果たすべき役割はカウンターだ。
どうしようもない案件に応援要請を受けて剣を抜く。
切り札めいた立ち位置にある彼が、そのあたりの不良相手とやりあっては身がもたない。
一言答えると、ただ一心に天ぷらをかじっている。
■ライガ > 「そりゃ、そうだね。
ま、自衛できて騒ぎを起こさなけりゃ大丈夫ってやつかな」
あっ、鶏の胸肉が柔らかい。
筋っぽくなく、歯にあたれば解れていく。
長時間煮込んで出汁がしっかりときいた鶏白湯は、濃厚でそれでいてクセもなく、スッと喉奥へ流れてゆく。
ふうふういいながら、やや太めの、コシの強い麺をすする。
■矛海 遼 > 湖城の言葉に一つ頷く………そのペースで食べきれるのか?と思いつつも同意の意見を落とす。
「同じく、だ。常にあのような騒ぎに首を挟んでは体が持たないだろう。」
事件や騒ぎが嫌いなわけではないが、何度も起きれば気が滅入るという物だ。
何を言っているのかは知らないが、
猟奇趣味も大概にしろよ、と。
「薬にバラバラ死体というのも芸が無い。」
啜る手を速めながら、言葉を溢す。
まぁ、自身の言えた言葉ではないのだがそれは割愛するとしよう。
■湖城惣一 > 間違いなく麺は伸びるだろう。
ライガの食べる鶏肉に一瞬目を向けながら、天ぷらを咀嚼する。
ざくり、ざくりと音を立てながら、たっぷり時間を掛けて咀嚼。
つゆの奥に残った天ぷらを沈めながら、つゆと衣の混ざり合うを楽しむ。
「俺は俺の与えられた仕事を果たすだけでな。
せいぜいが、目の前で一般生徒に危害が加わるならば、流石に黙ってみても居られないが」
そう。それ以上のこと、二級学生同士の闘い程度にかかずっていては身がもたない。
"自衛が出来て、騒ぎを起こさなければ"。まったくもってその通り。
矛海と違うのは、それ以外は特に割りきって、淡々としたところだということだろうか。
■ライガ > 向かい側の惣一が食べている天ぷらも、無駄な水分がなくからりと上がった上質の衣のようだ。ざくざくと音を聞きながら、この店はなかなかやるぞ、と心の中で思う。
自分のどんぶりの中に、胸肉はもう見当たらない。
ネギの甘さに顔を緩めながら、食は進む。
「犯罪者側にもトンデモ能力はいるけど、それを鎮圧できるだけの力はあるみたいだね、この学園組織は。
でないと困るんだろうけど、島外よりはよっぽど安全だよ、この島は」
■矛海 遼 > とことんまで割り切ったそのストイックさ。それが彼の強い所なのだろう。
何時か何処かで相対したいと思える一方で、手を貸したいとも思える。
………やはり、伸びるよなぁ。今度はあらかじめ麺などの量を少なくするように店主に夫人越しに伝えておこうか?などと考え始める。
「そういうこと。まぁ、まず目の前に出なければ私も動かないだろうな。」
最も、それが原因で知人の家族に危害が回った際に動けなかったという事もあったのだが。
今はその話を溢すところでは無い。
「ま、所謂実験室の中のフラスコとでも言っておくべきか。
島の外は確かに危険な物はあるだろうよ。」
元より戦場生まれで戦場育ちだ。過去にいい思い出も無い。
そう考えればこの島は安全だろう。公安とか風紀とかいろいろいるし。