2015/07/21 のログ
ご案内:「歓楽街・路地裏」に平岡ユキヱさんが現れました。
■平岡ユキヱ > 赤や黄色、緑のド派手なネオンがきらめく常世不夜城歓楽街。
いつもは適度に不健全なこの街も、この時はの血の気配にさざめいていた。
最初は肩が触れた、触れないだの小さなトラブルなのだろう。
それがあれよあれよと膨れ上がり。しまいには。
『―――ッ!』
数人で一人の男子生徒を囲んで暴力をふるうという大喧嘩が起きていた。
『…! ッ!!』
下品な怒号と笑い声、悲鳴を上げていたほうの男が馬乗りに殴りつけられている中、野次馬を割って金髪の少女が入り込む。
「そこまで」
有無を言わさぬ調子で、短く、簡潔に述べる。
「その生徒はすでに戦闘能力を失っている。これ以上何を望むのか」
ネオン街のハイライトを背に立つ堂々とした影。名を平岡ユキヱという。
(「防犯で巡回してみればさっそくこれか…」)
回る場所間違えたかな、と頭をかいた、
■平岡ユキヱ > うるせー! と目の血走ったリーダー格の男が少女ににじり寄り、その取り巻き達は新たな標的とばかりに少女を囲む。
これをユキヱ、一向に動じず、男を見返して。
「うるさくない。事情は知らないけど、もう十分痛めつけたでしょう。
それ以上はやめなさい」
『戦争』になるよ。と静かに、しかしよく通る不穏な調子の声で告げた。
「あとあんた…口が臭い、何か変な薬やってんじゃないでしょーね?
体壊すから止めておきなさい。そういうのは」
ぐがっ! とか女子に口臭を指摘されて、顔がヒキつる男。
ご案内:「歓楽街・路地裏」にミウさんが現れました。
■ミウ > 白き翼を生やし、白いワンピースを着用した少女が歓楽街の裏路地を歩く。
ここもトラブルに事欠かない場所と聞くが、落第街の裏路地よりはマシだろう。
そんな時、少女を囲んでいる男達の姿を目撃する。
上品な笑みを浮かべつつ、そちらの方に近づいていく。
「一人の少女を複数人で囲むなんて、穏やかな光景ではないわね」
そう、男達に声を発した。
■平岡ユキヱ > 「…。 …!?」
どうも、と新たにあらわれたワンピース姿の翼(!?)が生えている少女に多少驚きながらも、軽く会釈をした。
思わず二回見てしまったが、生でああいう姿の存在を見るのは初めてだった。
気を取り直し、再び固い調子の声で男たちへ。
「武装を解いて学園へ投降しろ。更生カリキュラムを…」
言い終わる前に、ビール瓶が飛んできた。額で受ける。
がしゃん、と派手な音が合図に、ミウの方にまで
酔った(あるいは薬でハイになった)男たちが数人とびかかるか。
「…その行為、宣戦布告と判断する…!!」
風紀執行! と声をあげる。状況が大きく動いた。
■ミウ > 少女から会釈されたので、ひとまず会釈し返す。
少女が男達に警告を最後まで聞かず、ビール瓶で攻撃していた。
少女は、そのビール瓶を額で受ける……これは痛そう。
「本当に穏やかではないわね……」
その時、ミウの方にまで数人、飛びかかってきた。
酔っているのか、あるいは薬でハイになっているのか……。
ひとまず鎖を創造し、それをサイコキネシスで操り飛びかかってきた数人の男を拘束しようと試してみる。
「もう少し、落ちついたらどうかしら……?」
■平岡ユキヱ > 「…! そういう力か! 有難い!」
ミウの方から発せられる鎖に、感嘆の息を漏らす。傷つけず好き勝手させず、血を流さない。
良い人だ、そう思う。よもや相手が人ではない神様だとは、露知らず。
自分よりも小さな少女の方に声をかけるというか、気遣いながら
相手の拳をボクシングのスウェーのような動きでかわしつつ叫ぶ。
「危ないと感じたら、すぐに転進でよろしく! ほかの風紀も向ってるからねー!」
皮一枚の間合いで割れたビール瓶を拾って振るう男の懐に潜り込むと、
左ヒジ、次いで右の握りこぶしを高速で叩き込み、一気に暴れる不逞の輩の1名を無力化させた。
「『千刃訓(せんじんくん)』…。野良犬相手に表道具は必要ない」
竹刀袋からその得物は抜かず、その五体のみにて捕縛を開始した。
■ミウ > 別に、わざわざ男達を傷つける事もない。
動きを封じれば、それで十分だ。
酔っているのか、あるいは薬の影響かは知らないが、男達は今、正気ではないのだろう。
少女の方も、相手の突きを回避する。
中々にお強い人だという事がうかがえる。
少女は、ミウの事を気遣ってくれているようだ。
「お気遣い感謝するわ」
そう言っている間に、風紀の少女は一人の男に迫り、一瞬で無力化させた。
大したものだ。
「次は、あなたね」
再び鎖を創りだしてそれをサイコキネシスで操り、そして手前の男を拘束しようとする。
■平岡ユキヱ > 「二人…三人…ッ!!」
カウントしながら、体に覚えた捕縛の「型」を超高速で完遂する。無駄がないというとよりは、
不自然にフレームレートを落としたキャラクターのような無機質な動きでもって制圧を続ける。
横目には、援軍の翼の生えた少女が次々と鎖で男たちを捕縛していく姿
大勢は決した、そこへ追い打ち。
『全員動くな! 風紀委員である!』
拡声器にのった声と同時、執行開始! と揃いでデザインされた制服に身を包んだ男女が
通称:板○サーカスと呼ばれるアニメ的な変態軌道でもって喧嘩をしていた生徒たちの捕縛にかかる。
峠は越えたか、とふうと息を吐いて、ユキヱがミウの方に近づく。
「ごキョーリョク感謝いたします! キョーシュクです!」
島民のご協力に敬礼! と一部の生徒と同時に礼を述べてから、少し砕けた雰囲気になる。
「…なんちて。いやー、助かったわ、ありがとうね? アメちゃんいる?」
なにせ相手が小学生にしか見えないせいか、膝をかがめ、目線を落としてから文字通り児童に接する高校生…
いやオバちゃんのようになっているが、ともかくその労をねぎらっている。
瓶を受けた額から、まだ乾ききらぬ血が流れていた。
■ミウ > 次々と男達を捕えていく少女。
それは綺麗すぎるものであり無機質なのだと感じさせた。
こちらも少女のペースに負けじと、鎖を操り、男を捕えていく。
その時、他の風紀委員が到着した。
そして、男達を捕縛していく。
風紀委員の少女がこちらに近づいてくる。
「どういたしまして。
風紀委員のお仕事、ご苦労様ね」
そう優雅に笑って、言ってみせる。
そして少女は、砕けた雰囲気になる。
「わたしは偶然通りがかったまでよ。
それにしても、あなたも相当な腕だったわね。
アメちゃん、貰っておこうかしら」
まるで小学生扱いしてくる少女だが、見た目が見た目だけに仕方がない。
「それより、額の傷は大丈夫なの?」
心配するような感じで、少女の額の傷を見る。
そして消毒液と包帯を創りだし、
「よかったら、使う?」
少女に差し出す。
「わたしはミウよ。
あなたは?」
そして自己紹介をし、相手にもそれを求める。
■平岡ユキヱ > 「別に仔細なし。かすり傷よ。でも親切は嬉しいな。
ありがたく使わせてもら…。…いや、ちょい待ち。それ今どっから出したの?」
なんか今突然出てきた気がする。血が割とだくだく流れているが、ツッコまずにはいられない。
「平岡ユキヱ、風紀の一年。どうぞよろしく!
困ったことがあったら、おねーさんにいいなさい!」
ミウちゃんねー! と元気に自己紹介をした。
■ミウ > 「出したのではなく、今創りだしたのよ。
わたしは万物の創造を司る神なのよ」
そう言って、小さな花を創りだして実演してみせる。
「先程の戦いで鎖を使っていたのも、この力よ」
そして、自分の異能について少し解説した。
「風紀のユキヱちゃんね。
よろしくね。
それでは、困った時はユキヱちゃんに頼ろうかしら。
誰か悪い人に絡まれてしまった時はお願いね」
元気よく自己紹介するユキヱちゃんを見て、品格良く笑う。
「落第街に比べて平和なイメージがある歓楽街にも、こういった場所があるのね。
歓楽街も少々……気をつけなければいけないわね」
何せ、異能が飛び交う島だ。
■平岡ユキヱ > 「…。…んっ?」
カミ? いや神といったのだろうかコノコハ。
真顔でかくんと首をひねった。
「…。いやいや神って…まさかそんな。ははこやつめ!
年上をからかうもんじゃないの!
鎖はびっくりしたけど、花を出すなんて素敵な力ね?」
いやこの世界ならマジでありうるが、ははよもやな。とぶつぶつ言っている。
おお神よお許しください、人間とは疑い深い生き物なのです。
「んー…まあそうね。でも生きている以上は多少のトラブルも起こすだろうし、
たたけばホコリくらい出るわよ。この辺はまだ清濁併せて呑めるほうじゃないかなあ。
…って、私は落第街まで行った事ないんだけどね」
あはは、ちょっと知ったかしました、と苦笑いする。
■ミウ > 神という言葉に、首をひねられる。
「からかってはいないわ。
事実、わたしは神よ」
とは言え、ユキヱちゃんの反応はごもっともなものだ。
そして、素敵な能力と褒められる。
「お褒めの言葉、感謝するわね。
よければ、どうぞ──」
そう言って、お花を差しだそうとした時……。
「いえ、あなたは先に治療ね!」
びしっと告げる。
「そうよね。
落第街には、行かない方が平和だわ……」
気紛れで落第街に行って巻き込まれたトラブルの数々を思い返しながら、遠い目。
「でも、あなた達風紀のお陰で島の平和は守られているわね。
感謝するわ、ユキヱちゃん」
そう言って、笑ってみせる。
■平岡ユキヱ > この国は元々、八百万の神様ウェルカムな風土なれば問題ない。いっそわははと笑う。
「…。オーケーオーケー。神様でも何様でも歓迎するわ。
何より、ミウちゃんはあの土壇場で自分の力を、人を傷つけない形で使っていた…。
いい子ね。…いや神様か」
ユキヱの方に話を合わせている感があるのはさておき、人を無暗に傷つけない点で、
ミウという翼の生えた少女個人を信頼しているのは確かだった。
声や仕草が、そう雄弁に語っている。
「あー、ごめんごめん。ちゃんとするから。消毒っと…包帯!
縫うのは安全な場所でやるわ」
差し出されていた包帯で、取りあえずの応急処置をする。
「…ありがと。これで私たち風紀は百人力よ」
なにせ神様から感謝されたんだからね? とニヤリと笑った。
■ミウ > わはは、と笑うユキヱちゃん。
「そんなのあたり前よ。
別に、あの状況でわたしがあの男達を傷つける必要なんてなかったもの。
わたし自身、男達に恨みがあるわけでもないものね」
その『いい子』という言い方からユキヱちゃんはミウを子供扱いしている、あるいは話を合わせているという事がうかがえるが──。
むしろ、ミウの事を信頼してくれているという見方も出来て、嬉しい。
「ちゃんと、後で病院に行くのよ。
絶対よ!」
神として、念押ししておく。
なにせ、傷は額だ……。
傷の事が心配という事もあるが、頭というのは大事な部分である。
それに、少女の額に傷を残すのもいただけない。
「風紀のお仕事、頑張ってね。
でも、無理はしないようにね」
そう、優しい笑顔で言う。
■平岡ユキヱ > 「…。そういう考え、かなりイエスね」
あの神の子の意味じゃないよ、と回りくどい注釈をつけて笑う。
傷つける必要がない時に、過剰な武力を行使しないというのは、
当然のようであって、なかなかできる事でないとユキヱが考えているからであった。
「頑丈さには自信があるんだけ…。あ、いやいやちゃんと病院行きます。いやホント」
…多分。と最後ボソッと言った気がするが、ヒュバりと踵を返して。
「ミウちゃんも、ちゃんと帰るように! …あ。風紀の警備いる?」
多少なりとも先の戦闘で相手の実力を見定めて一人歩きも問題ないのだろうとは推察しているが、
それとこれとは話が別。自分の方が年上(と思い込んでいる)身としては、
それりも幼い者に気遣うのが義務であり、当然の事であり、人の道というものだ。
■ミウ > 「相手が強大であるなら、拘束はし辛いのだけれどね」
そう言って苦笑する。
「この前、竜と出くわした時はさすがに倒すしかなかったわ。
被害を最小限にとどめる事すら、大変な状況だったのよ」
スラムでの出来事である。
無事に竜を倒す事が出来たが、その被害はかなりのものだった事を覚えている。
「本当に行くのかしら?」
訝しげな目で見つめる。
「行かないと、どうなっても知らないわよ」
『多分』と聞こえたのは、きっと気のせいだろう。
「気持ちだけ受け取っておくわ」
何せ、住んでいる場所が空にあるのだから、残念ながら、風紀の警備ではどうにもなるまい……。
「わたしは、一人でも帰れるわよ」
そう上品に笑ってみせる。
「でも、お気遣いはありがとう」
そして、丁寧に礼を言ってみせた。
■平岡ユキヱ > 「え、なにそれは…」
かくなる上は、ユキヱさんもドラゴン○ーンになるしかないのであろうか。
竜と聞いて若干くらりと気が遠のく。
「…わかった、約束。そしてユキヱさんはウソツカナイ」
なんか今しがた覚悟を決めたような顔で改めてサムズアップ。
今度こそ本当に約束という形で、神に対して誓いを立てた。
…。病院に行きますという、ひどく生活感じみた誓いを。
「それじゃあ…またいずれ」
竹刀袋を握りなおすと、踵を返してこの場を立ち去った。
■ミウ > 「それも、この常世島ではよくある事なのかもしれないわね」
再び苦笑。
「約束ね」
彼女のサムズアップを見て、優しく微笑む。
約束したという事で、ユキヱちゃんの事を信じよう。
「またね、ユキヱちゃん」
去っていくユキヱちゃんに手を振る。
ユキヱちゃんを見送ったミウは、再び歓楽街の裏路地を突き進むのであった。
ご案内:「歓楽街・路地裏」から平岡ユキヱさんが去りました。
ご案内:「歓楽街・路地裏」からミウさんが去りました。