2015/08/13 のログ
ご案内:「歓楽街」に迦具楽さんが現れました。
■迦具楽 >
【常世学園歓楽街。
落第街に比べれば治安も良く、人通りも多い。
今は特に夏休みということもあり、常よりも多くの人が集まっているようだ。
そんな人波に紛れ、迦具楽は悠々と歓楽街を歩いていた】
「そうよね、別に一日中向こうにいることもないんだった」
【少々やんちゃをしすぎて大幅に能力を弱めている迦具楽は、気分転換とエネルギーの補給も兼ねて歓楽街に出てきていた。
適当な料理店の裏手に回り、排出され溜まった熱や、壁越しに調理場の炎を奪い取ると、何事もなかったかのように別の通りに出る。
料理店からは店員達の悲鳴が聞こえたが、知らん顔だ。
迦具楽はのんびりと気ままに歓楽街を歩きながら、そんな事を繰り返していた】
■迦具楽 >
【普段から見かけられる遊び慣れた雰囲気の学生。
そこに混じる落第から出てきたような、薄暗い空気の連中。
さらには夏休みだからと遊びに出てきたのだろう、空気に慣れてない様子の品のいい学生。
歩いて眺めていれば、なるほど。色々な種類があるまるものだ。
やはり誰もが浮かれているのだろう。
思い思いに遊び歩いているようだった】
「楽しそうで何よりね。
これだけ人通りがあれば……」
【多少適当に『食事』をしたところでバレなさそうだ。
裏道で誰か捕まえるか、すれ違った相手から少しずつ奪うか――】
「――それにしても」
【人波を眺めながら歩いていれば、妙な違和感を感じた。
普段より身体が重いのはあったが……それ以上になぜか、やけに空腹感がある。
歩く学生らを眺めていれば、それはますます、刺激されるようだった】
■迦具楽 >
【――こんなに、美味しそうだったっけ。
歩く人波を眺めていると、強烈な空腹感を感じて首を振った。
どうも妙な具合だ。いつもと何かが違う。
空腹感が増すにつれて違和感は強くなり、そのためか。空腹感に反比例して食欲が無くなって行った。
――帰って大人しくしていよう。
すれ違う人に手を伸ばしそうになるのを耐えながら、来た道を引き返す。
今の自分は正常ではない。
その自覚があったからか、今『食事』をするのは危険だと考えたのだ。
いつも五月蝿く騒いでいる聲が驚くほどに静かなのも、その危機感を助長していた。
しかし、そうして帰る途中にふらつきを覚え、電柱へとよりかかり、そのままうずくまる。
頭の中がかき回されるような不快感と、立ち上がるのも億劫になる疲労感。加えてただ強まるばかりの空腹。
そして】
「……ここ、どこ?」
【顔を上げれば帰り道を見失っていた】
■迦具楽 >
【路地裏を出たときは、あんなに楽しい心地だったというのに散々だ。
記憶をたどるように、右や左を眺めて今の位置を確認する。
あの店には見覚えがある。あの看板にも。
そうして確認すると、その場でわずかばかり休み。
ゆっくり重たい身体を引き摺るようにしながら、落第街の方へと帰っていった】
ご案内:「歓楽街」から迦具楽さんが去りました。