2015/08/19 のログ
ご案内:「歓楽街細道」に昼奈さんが現れました。
ご案内:「歓楽街細道」に昼奈さんが現れました。
昼奈 > 他人とコミュニケーションを取ることに関して言えば、見た目以上に頭は回るし、言葉に詰まることも少ない。
元が人だったのか、それとも人工的に作られた生命体なのか。それすらも分からない状況にしては、人格的には大きな破綻は無い方だ。

ただ、倫理観については違う。善悪の判断がそこまで色濃くついているわけではなく、本人の感情オンリーで判断をして、迷うこと無く実行してしまう危うさがある。
それを止める人間は、まだいないわけで。


「よーしよし、よーし。」
野良猫をちちち、と指を振って笑いかける、赤色の髪をちっちゃなツインテールにした少女。
野良猫は全く気にした様子も無く、視線をちら、と向けただけでぷい、っと横を向く。つれない。

昼奈 > つれない野良猫と無邪気に遊ぶ彼女は、数分前まで暴力の権化だった。

ちょっかいをかけてきた男を投げ飛ばし。 それで激怒した相手に更に攻撃をしかけ。
明らかに昨晩より理不尽さも、暴力性も増しているが、本人は気がつかない。
本来の衝動的な暴力欲求を、簡単に満たす事が出来る場所だ、くらいの感覚で荒れた街を行く。
その上で、財布を投げ出して逃げ出す男達の姿を見て、更に間違った情報を学ぶ。

「……ほーら、折角食事買ってきたのに。食わねーの?」
猫と一緒に食卓を囲む。 下水の匂いのするこんな場所で食事を開く神経は明らかに異常なのだが、本人はそれを異常とも負わず、にゃーにゃーと鳴き真似をして気を引いてみる。

昼奈 > 「ちぇー、………折角買ってきたってのにさ。」
ぶつくさと呟く彼女の額は、相変わらずまた血を流し、顔面が赤く染まっているまま。 それを気にした素振りも見せないままに肉の串を咥えて、モグモグと口を動かす。

………その背後に聞こえる足音に、ぴくり、っと耳が動く。
金属の匂いに、くんくん、っと鼻を動かして、ぺろりと舌を出して唇を舐めて。

「なんかもーちょっと遊べそう、って感じぃー…?」
けけけ、っと笑って肩を揺らす。刃物の閃きを目の端に捉えながら、肉の串を咥えたままに振り向いて。

「………私の食事を邪魔するたぁ……いー度胸ぅー…」
片側の頬だけ思い切り持ち上げて、笑う。血塗れの少女に全く恐れも、不安も、正しい道を照らす灯りも何も無い。
あるのは未だ崩れぬ自信と暴力のみ。

あと、すっごく悪そうな笑顔。

ご案内:「歓楽街細道」から昼奈さんが去りました。