2015/08/27 のログ
ご案内:「歓楽街(夜)」にクレアルトさんが現れました。
クレアルト > 日が落ちても昼間のように目映い不可思議な場所。この世界では然して珍しくもないそうだけど
私の記憶の中だとそんな場所は夜街とも腐街とも言われる所か、妖精光で満ちた故郷の森くらいなもので
この場所がどちらに近いのかと言えば前者な事くらいはわかる。

でも、何処か賑やかしい気配は大市にも似ていたものだから、私はついつい様子見のつもりがこうして足を運んで
今、ちょっと通りの露天商さんに捕まって問答をする事になってしまっているの。

『この石鹸はこの世界で生まれた物です。異世界の代物じゃあない、品質に特別自信のある品物です。香りつきが好き?結構、ではますます好きになりますよ。』
「いやあの~」
『ほら、いい香りでしょう?合成香料、でも天然素材なんて無駄に高価で香りは弱いし、他の材料との馴染みも悪く、ろくな事は無い。』
「だからあの~」
『容量もたっぷりありますよ、どんな髪の毛が長い方でも大丈夫!』
「そう何度も言われても~」
石鹸を探しに来た訳じゃあないから、私はコボルドーのような獣人さんと暫し身振り手振りを交えた問答となってしまう。
私が「一先ずよこに置いて」と手を動かせば獣人さんは『まあそう言わず』と置いた何かを戻す素振り。
傍から観たら……うーん、御芝居か何かをしている風かも。
ちなみにこの獣人さんが取り扱っているのは石鹸の他には香料とかそういった類の品物なのだけど
雑多に香りが入り混じってしまっているから、正直件の石鹸の香りは良く判らないのよねえ……。

ご案内:「歓楽街(夜)」に昼奈さんが現れました。
昼奈 > 「おっちゃん、それちょーだい。」
ぺろ、っと己の拳についた血を舐め取りながら、肉屋の店先で声をかける少女が一人。赤いちっちゃなツインテールをぴょこん、と揺らして、ほれほれ、とぶら下がった骨付き生肉を要求する。
硬貨と引き換えにその生肉を手に、曲がり角を曲がって。………ばきり、ぼきり、っと音がする。

そして、ひょこ、っと顔をのぞかせるのは、少しすっきりとした顔の少女。ケンカをして、肉を喰らって。まあ、今宵くらいはなんとかなるだろう。



………と、まあ、目の前に見知った顔。

「で、何してんの。…………コント?」
思わず普通に声をかけてしまった。
面白おかしく店員とおしゃべりをしている姿を見つければ、眉をひそめて思わず訝しげに。

露天を見れば、石鹸や香水が様々に並んでいて。
……訝しげなまま、じろりとその露天商を睨む。

クレアルト > 押して引いて、引いて押して、上下斜めに話題が転がるようでまた元に戻っていって
いっそ石鹸、買った方が気が楽かも。なぁんて私が眉を顰めて石鹸を手に取って
矯めつ眇めつ眺めて、鼻先に近づけて匂いを嗅いだりして……

「んうぇえ……なんか凄い変なにおいがするんだけど~……」
『ええ、そんな筈は無いんですけどね。どれどれ……いい香りですよお客さん!』
「え"ぇ~?」
思いっきり渋ったい顔をしてしまって、獣人さんも釣られて渋ったい顔をしてしまって
でも彼は石鹸の匂いを嗅ぐとちょっと怒ったような顔になって、白黒不明の灰色模様。
種族の違いは嗜好の違いと相成って、正面からごつんとぶつかって周囲にちらばりもし――

「……あ、なっちゃん。こんな所で奇遇……コント?ううん、ちょっとした探索よ?」
――その散らばったのを拾った顔見知りをね、私は首を傾げて迎えて、売り物の石鹸をすっと差し出すの。

「ねえねえ、この石鹸の香り、どう?」

昼奈 > どうやら、目の前のこの女性は質の悪い露天に引っかかったようだ。
はー、っとため息をつきながら、頭を横に振って。だから一人で行ったら危険だと言ったのに。

「……探索、ねぇ? ………なになに、どれどれ?」
……すう、っと吸い込めば、眉を顰めて顔をしかめる。石鹸は石鹸、確かにそういう匂いはするのだけれども、………つまるところ、石鹸の匂いしかしない。

「………まー、確かにいい香りかもしんないけどさ、裏面に他の会社のマーク刻んであるよ?」
ぽん、と店員に渡してさも当然のごとく声をかけ。

店員が裏返して石鹸の裏面を見ようとしたところで、ぐ、っとエルフの腕を引いてそこから逃げ出すことにする。

「……あんなの、ふつーの石鹸にお香で匂いつけてるだけだって。絶対そーだよ。」
逃げながら、肩を竦めて声をかけ。

クレアルト > なっちゃんが石鹸の匂いを嗅いで渋ったい顔をするなら、私の顔は綻んでしまうのだけど
矢をつがうより速く石鹸を放って、御手手を掴んで走り出すことにはつんのめって転びそう。

「え、ちょ?お、おお~?」
姿勢制御をなんとか保って引っ張られ、通りに響く私の声。背後では獣人さんが喚いていたけど
どれもこれもがその内に喧騒の中。

「え~、そう、なのぉ?でも、イイモノって割には、変なにおいだったものねえ。」
ある程度の所まで走って逃げて、止まった所で空気を求めて言葉が途切れて深呼吸をし
顔を顰めるのは直ぐ傍にゴミ箱があったから。お鼻を抓んで渋い顔。

「むう、中々油断がならない所ね。買物でもしてみようと思ったけど…あ、ところでなっちゃんはどうして此処に?お散歩?」
酒場と思しき建物の壁に背を預け、雷を用いたと言う煌く看板を見上げつつ

昼奈 > 「あーいうのは、置いてある板の下に匂いをつける何かを仕込んどいて、手にとってしばらくは匂いがあるよーにしとくんだよ。」
腕を組んで、この街で生きる術を偉そうに語る少女。長くここに住んでいるわけでもないけれど、この眼の前の女性よりかは用心深い自信がある。

「そゆこと。今回は変な匂いだったからいーけど、いい匂いでも買うならちゃんとしたとこで買っといたほーがいいかもね。……せめて露天以外?」
ゴミ箱の匂いに、こっちも顔を顰めて一歩二歩、手を繋いで離れる。

「………んー? まあ、散歩みたいなもんだね。お礼しにきただけさ。」
口元を歪ませて笑う少女。バイクでぶっ飛ばされたお礼の一つもしなけりゃなるまい。そんなことは言わないけれど。

「むしろそりゃこっちが聞きたいけど。 何買いに来たのさ? 夜のここは危ないよ?」

クレアルト > 「へえ~……そういう仕組みなの?もしかしたら昔大市で見た露天もそういうのだったのかしらねえ」
なっちゃんの説明を聴きながら看板を見上げていると、その光芒がブレてしまうのは彼女に手を引かれ始めたから。

「あら、お礼?私に?嫌ねえ、私なんにもしてないけれど……あ、でもどうしてもって言うなら
 この間ちょっと美味しそうなお店を見つけてね、其処でも……」
用向き会話の内容に私の心はときめいて、無遠慮になっちゃんの頭を空いた手でぐりぐりと撫でもしてしまうのだけど
途中で事が私に向くと、その手は少し止まって、足も止まって、往来の中で考え込むような図を作ってしまう。

「ほら~私って独り暮らしでしょう?だからねえ、ペットでも飼って見ようって思ってね。
 何が良いかなあって考えて、お世話とか簡単そうだからウニさんとか良いかな~って。
それで探索ついでに小さくて可愛らしい水槽でも探そうと~。」

……そうしたら露天商の獣人さんに声をかけられて、縦横無尽の押し問答になってしまったの。
と、一から十までの経緯を詳らか。

昼奈 > 「ズルをしてる奴なんて、どこも大体そんなもんだろ。」
偉そうに言い放ちながら歩き始めて。ゴミ箱の匂い嗅ぎながらお話ってのもあれだろ?と肩をすくめる。

「って、なんでお礼をレアちゃんにする話になってんのさ!?」
思わずバシッとツッコミを入れる。むしろ助けたの私の方だよね!? どう考えても私のほうがお礼もらうべき立場だよね!?
でも、なんだろう、こう頭を撫でられると逆らえない。

「……いやまあ、店に行く分には行ってもいーけどさ。 レアちゃんの分払うほど余裕はねーよ。」
うんざりといった顔で呟く。絶対奢るとは言わない。
それは心に誓った。

「ウニ!?」
びくり、っと肩が震える。頭とかいろんな場所にぶっすり刺さったトラウマは未だ癒えていない。
ぶるぶると首を横に振って。

「ぺ、ペットはいいんじゃないかなあ。せ、世話大変だと思うし、ウニとか見ててもさ、ほら……」
こんなの飼ったら、どこかで必ず自分に刺さると判断する。
その判断はきっと、正しい。

クレアルト > 「何処も彼処も大変ねえ……差し詰め生活の智慧……あら違うの?
 じゃあ違くない時までとっておきましょっと……」
ばしんと軽めに叩かれて、痛くは無いけど眉根を顰めて残念そうな顔を向ける
ことがお金に至るなら、ポケットからガマグチとかいうお財布を取り出して中身をなっちゃんに見せてあげるんだから。

「ふふふ……残念でした。ガンちゃん(※杖)のおかげでお金はそこそこあるのよ~?」
中にはたくさんの硬貨が詰まっていて、それを見せたらもう一つ別のガマグチを取り出して……等々
全部で5つくらいの色違いのガマグチを御紹介。

「ええ、ウニさん。5匹くらい飼おうかなあって……え、そう?ウニさんだめ?」
其の後は五つ繋がるペットの事を歩きながら話すのだけど、どうもなっちゃんの反応は芳しくない。
水槽の中に静かに鎮座するウニさん。とっても癒されそうな気がするのだけど、ひょっとしたらこれも種族的な感性の違いかも

「んーと、それならなっちゃんはどんなペットが好き?犬?猫?」
気になった所を質問していると、丁度通りを犬系の獣人さんや猫系の獣人さんが歩いていたから、指は指さずとも顔を向けてみたりもする。
他意は、多分無いと思う、たぶん。

昼奈 > 「……マジで!?」
自分よりも明らかに生活力で劣ると思っていた相手が、お金持ちだとわかった時の顔。
驚きとなぜか若干の悔しさ。

「………そんならさー、レアちゃんが私に奢ってくれてもいーんじゃなーい?」
なんて、意地悪に言いながら笑ってやる。奢ってよ、なんて言いながらそのがま口に手を伸ばしてみる。流石に盗るつもりはないけど。

「……い、いやまあ、水槽から外に出さなければいいんだろーけどさ。癒されるなら亀とかそういうのがいいんじゃねーの? ……ほら、こう、なにか食べてる姿とか、癒されるんじゃない?」
なんて、適当なことを言う。犬や猫の獣人の周りでそういう話をする相手にちょっとひやひやしながら、視線を周囲に巡らせる。ケンカしても負ける気はしないが。

クレアルト > 「ほら、前にも言ったけどガンちゃんって不思議な杖でしょう?だから調べたいって言われてね、いいわよ~って言ったら御金貰っちゃった。」
ついでに異邦人街でアパートを借りる手続きなんかもしてもらっちゃった。とかとかの諸々を得意気な顔で伝えてしまうのは
なっちゃんがちょっとからかってしまいたくなるような面白い顔をしているから。

「……え~私が奢るの?そうねえ……それなら……」
でも次には私が面白い顔となり、数拍おいてさも良い事を思いついた、なぁんて風に御手手をぽん。
そして伸びるなっちゃんの手に青いガマグチを一つ乗せてあげる。

「はい、じゃあこれ上げるから私に御馳走出来るでしょう?」
鳥が風に舞って蝸牛ものんびりと枝を這うような解決を告げ、口端がしてやったりと歪む。

「うーん亀?亀はちょっと御馳走されたくは……あ、そっちじゃないのね。んー確かに亀さんを
 飼うのも楽しそうね~……。」
周囲を見回すなっちゃんに倣うように此方も見回すのだけど、生憎とこの近辺に食べ物屋さんはないみたい
居並ぶ露天商は道具類を取り扱うのが多いみたいで、水槽のような代物も一先ずは見当たらなかった。

昼奈 > 「んなバカな………ほんっと、レアちゃんって自由だよねえ。」
何にも縛られずに暴れ、戦い、食らう彼女からしても、更に自由人な女性。腕を組んで、はぁあー、っとため息をついて。
杖持っててそれが凄い価値でしたとか………まあ、彼女の経歴からするとあり得ることなのだけれど。

「………いや、…本当に渡してくれるとは思わなかったけど。 …わかったわかった、んじゃ、これでちょっと何か食べてみよっか。」
流石に本当に財布を渡してくるとは思わなかった。ちょっと目をぱちぱちとさせながら、気にした素振りもない彼女に肩を竦めて。

「誰が亀を食べるかっ! ……そういうこと、そういうこと。 まあ、ペットは今度でもいいんじゃない? つまんないなら遊びに行くしさ、昼間とか。」
街を歩いて露天商を睨み、のんびり二人で夜のお散歩。

あー、一度暴れて肉食っといてよかった。

クレアルト > 「だって私は魔法使いで冒険者だったんですもの。自由は自らを由とするのだから、私は私を手段とし、私は私を拠り所にして当然でしょう?なっちゃんったら面白い事言うのね。」
青いガマグチを握らせるのもそういう事で、なんだか盛大に溜息を吐いている彼女の背中を何となく擦ってみるのもそういう事。もっと出てくるかしら?なんて与太な事を考えるのは~…どっちかしら。

「ふふふ……だって一緒に御飯食べたいんだもの。ペットは一先ずにして、何を食べるかを決めて……」
溜息を吐いたり、肩をすくめたり、かと思えば元気良く叫ぶ傍らさんに含み笑いを差し向けてゆらゆらと夜の喧騒の中。
この後店構えに引っ掛かって、ちょっとゲテモノしい料理を出す御店に入ってしまうのだけど、それはやっぱり後の話になってしまうのでした。

昼奈 > 「………何を言ってんのかよくわかんないけど、相変わらず自由っていうか、………強いってのはよーくわかった。」
撫でられると、ため息はもう一度出た。勝てる気配がしない。

「へいへーい、ま、適当に見繕ってみるのも悪くないよね。」
で、まあ、ダメな店にあたってしまって。家に帰ってから口直しの料理を作ることになるんだけれども、それもまた後の話。

ご案内:「歓楽街(夜)」からクレアルトさんが去りました。
ご案内:「歓楽街(夜)」から昼奈さんが去りました。