2015/12/04 のログ
■ヨキ > 「そう、ヨキだ。他に名はない。覚えやすいだろう?」
(首を傾げる。『君、名前は?』。
彼が石膏像として実際に立っていたという話を聞くや、合点がいった様子で明るく笑い出す)
「――ああ、張古君の!
ガワを貼って、君が像に?……はははは!はは、そうだったのか!
いやに表現が卓越しているし、動くしで、そんな異能なのだとばかり。
あははは、あれは君だったのか!」
(一しきり笑い転げて、息を整える)
「はあ……、それにしても驚いた。
まさかモデルではなく、君本人だったとはな。
君、さっき向こうのガンシューティングをやっていたろう?
巧い子が居ると思って、遠目から見ていたんだ。
ここへはよく遊びに来るのかね?」
■真乃 真 > 「はい!凄く覚えやすいです!僕の名前は真乃真!2年生です!」
生粋の日本人である真はカタカナ名前を覚えにくいという弱点があるが問題なさそうだった。
ぴしとした礼で自己紹介をする。
「あれ、笑いごとじゃないくらい凄い大変だったんですよ!熱は籠るし、痒くても搔けないし、
動かないの辛いし、暇だし!」
普段、止まると死ぬマグロのような生き方をしている真には苦痛な時間だった。
これならもっときつくても肉体労働がずっとましだ。
「いや、そこまで上手くないですよ。当たるのは当たるんですけど弾をリロードするタイミングが
難しくて。ここにもあまり来ないですよ。今日は勉強の合間の息抜きです!」
そもそも真乃真はそれほど歓楽街の方には近づかない。来るにしてもほぼ日中だ
用事がないし、歓楽街でのトラブルなんかは個人には解決し難いものが多い。
自分の力不足が見えるようで嫌だ。
「ヨキ先生はよくここに来るんですか?」
■ヨキ > 「君の名前も呼びやすくてよいではないか。マノ・マコトか。いい名だ。
ふふ、その背筋に名前が顕れていることだな」
(真の、しゃんとした一礼に会釈を返す。
石膏像の大変な思い出には、くすくすと愉快そうに笑って)
「く、ははは。あれをやり果せたのだから、君にはよほどパフォーマーの才能があるのではないか?
過酷だったろうな……、ヨキにはとても出来そうにない」
(もうひとりの『止まると死ぬ』回遊魚気質であるところのヨキが、真の苦労を思ってさも労しそうに首を振った。
ゲームセンターの話には、ほう、と感心する表情を見せる)
「勉強の合間、か。ふふ、真面目で結構。このヨキも、たまの息抜きにな。
ほれ、先日まで常世祭があったろう?それに、島の新美術館の方にも作品を出していてな。
それらの展示が終わったから、今日はその労いという訳だ。
会期中はおいそれと盛り場で遊ぶにもゆかなくてな、随分と久しぶりだ」
(ボトルの茶を一口飲んで、ベンチを立つ)
「どれ、ヨキも君の遊んでいたゲームをやってみようかな。
あれは初めてなんだ、一緒にいかがかね?」
(真が飲み物を購入するのを待って、ガンシューティングの協力プレイへ誘う)
■真乃 真 > 「良い名前ですよね!!僕もいい名前だといつも思ってます!」
凄い自画自賛。自分の名前をここまで褒めるのはそうそういまい。
「もう、二度とできそうにないですよ…。」
せめて走る石膏像の方がまだいけそうな気さえする。
「先生の作品もう展示終わったんですね。どんな作品だったんですか?見てみたかったです!」
この教師はどんな作品を作ったんだろうそれが気になった
前に合った美術部の人は優しそうな作品は案外ひねくれたやつが作るなんて言ってたけど。
この先生はどんな作品をつくったんだろうか?
「そうですよね!自分への労りは大事ですよね!!」
うん、最近普段より多く勉強もしてる。今の時期の平均的な学生くらいには少なくともしてる!
そんな真よりも更に長い期間様々な企画に携わってきたこの先生のストレスはかなりのものだろう。
「一緒にやります?Theゾンビダッシュ3。」
自販機で缶のカフェオレを買いながら聞く。
3まで出てるあたり割と流行っているシリーズなのかもしれない。
「僕実はこのゲーム協力プレイしたことないんですよ。一緒に頑張りましょう!!」
200円いれる一人協力プレイでなくても二丁拳銃は普通に使える。素敵なゲーム。
■ヨキ > 「君が自分の名前をそれほど気に入っているなんて、両親も君を誇りに思っているのではないか?
名付けた甲斐があるというものだろう」
(真の自画自賛は爽快でさえある。美術展の作品について訊かれると、にんまりと笑って)
「ヨキの作品か?ああ、ヨキは金工を教えておってな。
それ以前に、金属を操る異能も持っているのだ。
それらを使って……鉄の像を作った。ひとつは異能で、もうひとつは手で。
同時進行で、全く同じ形を作るのさ。
さて、見た目ではどちらがどう作られたかは判らない。
そうすることで、『異能と手わざに区別などない』……とな。そういうテーマをやっている」
(真の明るい言葉に、肩を揺らして笑う)
「ああ、自分への労いと、君のような生徒とのふれあい。
ヨキの疲れはそれだけで吹き飛ぶよ」
(飲みかけのペットボトルをボディバッグに押し込み、『Theゾンビダッシュ3』の筐体へ向かう。
取り出した硬貨を入れて、いざ銃を取る)
「おや、協力プレイははじめてか?ふふ、足手まといにならないといいが」
(オープニングの操作デモを見ながら、手元の銃と画面とを見比べる。
リロード、ターゲット、撃ってはいけない一般人……。
横目で真を見遣って、にやりと笑う)
「よし。把握したぞ」
(理解がやたら早い。眼鏡の奥がゲーマーの目だ)
■真乃 真 > 「同時に同じ形を作るんですか!それは凄く疲れそうですね!
うーん『異能と手わざに区別などない』ですか…。
わざわざ普段異能で作ってるものを手でも作るということですね。
確かにどっちも自分で作ったものだから変わらないのかな?…うん実物見ないと分からないですね!」
真は自らの異能を技術或いは身体能力の一部として捉えている。
それを使うことに手足を動かしたりするのと同じ感覚である。
そう異能を異とは思っていないのだ。
その為わざわざ異能と手わざを区別する意味が伝わりにくい。
「さて、じゃあ始めますか!」
首に巻いていたタオルをとカフェオレをカバンにしまうと銃を構える。
構え方は凄く様になっている。
ステージ1 病院
普通の病院にゾンビが跋扈する。ゆっくりとした足取りで近づいてくるゾンビ。
それらにわざわざ一発一発ポーズを決めながら銃弾を撃ち込む!
全て脳天中央!
「先生!ここはまだウォーミングアップです!そろそろ走りますよゾンビが!」
■ヨキ > 「そう。異能と手わざは、どちらがより優れているかということはない。
それぞれ並ぶことも、凌駕することも出来る、という話でな。
この常世島は元より……本土では、異能者への差別というものが根強く残っているんだ。
人びとの中には、異能が『特殊なもの』という見方もあるのだよ。
それにヨキは異邦人であるから……、さらに異能をも持っているとなれば、余計に目立つ」
(あっけらかんとした様子の真に、ふっと笑いかける)
「理想を言えば、みな君ほど自然な在りようで居られるのがいい。
ヨキと君とは、気が合うようだよ」
(異能が『異ではない』という意味で。
やがて真に続いて画面を見据え、銃を構える)
「――ふむ」
(犬の動体視力が、導入ステージの標的を捉えるのは容易かった。
手均しに数発撃ち、銃の射線を掴む。心臓より脳天。なるほど。
ポーズを決める真と交互に、一体ずつゾンビを仕留めてゆく)
「…………、たのしい……」
(小さく笑った。笑っているのだ)
「ふふ。伊達にドット単位の弾幕で鍛えておらんわ」
(真にアイコンタクトを取る。リロードして、敵陣に備える)
■真乃 真 > 「そうなんですよね。僕の生まれたところでは全然そんなことはなかったので
こっちにきてそんな事が多いって聞いて逆にびっくりしました。」
自分が生まれたところ人口100人にも満たない小さな島。
そこでは異能を持っていたのは自分だけだったが異能が原因となって差別されたことはない
真の性格や異能の分かりにくさが理由かもしれないけれどもなかった。
「そうですよね、割とみんな悩んでますもんね。こう、もう少し詳しく分かればみんな安心できるんですかね?」
きっと知らないものは怖いのだと思う。異能が怖い。
自分が持つ異能ですら仕組みが分からない人もいるだろうそれで自分の異能を怖がってる人なんかもいるかもしれない。
そういう意味では常世祭の展示なんかは凄く良かったと思う。
「先生、上手いですね!これは負けてられないな!」
ゾンビのスピードが増すに連れてポーズが切り替わる速さが早くなっていく。
もう三秒同じポーズを取ってないがそれでもポーズを取ることはやめない。
HELPと叫ぶナースのすぐ後ろに迫ったゾンビを打つ。
医者のゾンビが投げてくるメスを打ち落とす。
一人でするのよりもかなりやりやすい。欲しい時に欲しいところに弾を飛ばしてくれる。
口元に笑みを浮かべてアイコンタクトに答えた。
■ヨキ > 「異能者がたくさん居るはずのこの島の中でさえ、息苦しさを感じてしまう者だって居る。
君は家族や……故郷の人びとに恵まれたのだな。
君もまたそんな大人のひとりになるのだと、その明るさを忘れずに居てほしいものだ。
『詳しく判って』ゆくのは……恐らく、まだまだ先の話だろうな。
安心してくれる者も大勢居るだろうし――あるいは、『やはり異能は危険だ』と思い直す者も居るやも知れん。
どうなってゆくかは、君のようにこれから成長してゆく生徒ひとりひとりに懸かっておるのだよ」
(よろしく頼むぞ、と。
異能の将来とも、ゾンビとの攻防ともつかず声を掛けた。
真がポーズを取る、はたまたリロードを行う一瞬の合間。
腕利きの彼がどうあっても反応しづらいポイントを狙って撃つ。
真のような派手さはないが、獣の動体視力は正確だった。
壁の向こう、ストレッチャーの陰、破れたカーテンの隙間へ次々とトリガーを引く。
シーンが切り替わる演出の合間に、くく、とひどく楽しげに笑った)
「学校では秘密だぞ。
ここで鉢合わせた者にしか見せない、プライベートのヨキなのでな」
■真乃 真 > 「本当にそうだと思います。僕も頑張らないと!」
自分がどんな大人になるのかまだ具体的には見えてこない。
でもこのままの自分をそのまま成長させた感じにはなりたい!
「そう言われると緊張してきますね。僕は研究とか以外で頑張りますよ!」
ゾンビを撃ちながら言う。先ほども倒した巨漢のゾンビそのあとのラッシュも難なく抜ける。
強い協力者がいるだけでここまでも変わるものなのかと感心していると赤く点滅するWARINGの文字
ボス戦だ!
「分かりました!張古君にもいいません!ラストスパート行きましょう!!弱点は頭です!」
プライベートと仕事を分けるタイプなのだろうこの先生はもしかすると学校ではもっと固い先生なのかもしれない。
現れたのはチェーンソーを持った大きなゾンビ。何故病院でチェーンソーかは置いといて
ゾンビが振り下ろしたチェーンソーが画面に迫る。迫るチェーンソーを何回も撃つと離れるゾンビ!
その隙に頭を狙う!
いよいよポーズを取る余裕がなくなったようでひたすら撃ち続ける!
■ヨキ > (真の前向きな台詞に、教師の穏やかな顔を見せたのは一瞬。
次の瞬間にはもう、共闘する仲間としてひたすらにゾンビを薙ぎ倒していた。
ゲーマーとしての反射神経は申し分ないが、このゲーム自体に関しては全くのビギナーだ。
ヨキがタイミングを見誤ってしまった敵を逃し、それをすかさず真が撃つ。
真が作った隙を利用してリカバリを図り、再びゾンビを倒してゆく。
息抜きに遊ぶ程度と言いながらも、真の腕前はまったく見事なものだった。
絶えず感心しながらステージを突き進む。
現れたボスに、銃を握り直して構えた)
「ありがとう。ふふ。真乃君、君はまったく信頼の置けるパートナーだ」
(真のアドバイスを聞きながら、巨大なエネミーめがけて撃つ。
連射でノックバックさせる彼の戦法を真似て、リロードとショットを繰り返す)
「よろけたな――もうすぐか!」
■真乃 真 > 初めて人と共闘したがここまで息が合うことはこれからも恐らくまずないだろう。
いつもあるポーズを決めてる間にやられてることが無くなってる。
うまいタイミングで守ってくれているのだ!
「先生こそ!すごく頼れる先生ですよ!!」
ゲームの話だろうか或いはこれまでの話の中で感じたヨキへの評価だろうか。
「これでトドメだ!!」
ボスが膝から崩れ落ちるそれと同時に真のスマホが鳴り響く勝利を祝うファンファーレにしては
勇ましい音、恐らく少し昔の特撮のヒーローの主題歌だろう。携帯のアラームだ。
「うわ、もう一時間たったのか!早いな!」
アラームを止めて残念そうな顔をする。
ゲームは一日一時間。決めておかないと際限なくしてしまう。
そしてそれに合わせて予定を組んでいる。
「ヨキ先生!!僕もう帰ります今日は色々とありがとうございました!それじゃあ!!!」
最後に表示されたスコア画面を見ることもなく風のように駆けていった。
ご案内:「歓楽街」から真乃 真さんが去りました。
■ヨキ > (新しいゲームに対する敷居が殊更に低いのは、真のサポートあってのことだろう。
テレビで目にするヒーロー顔負けのポーズを取る真を援護する形で、一連のプレイは心から爽快だった。
真の褒め言葉に、ボス戦の合間にも笑みが零れる。
真が決め台詞と共に放ったとどめの一発が、劇的にボスを打ち倒す。
真と喜びのハイタッチを交わしながらに、筐体とは異なる音源のファンファーレに瞬く)
「ふはッ。一日一時間、か。最後まで感心なことだな、君は!」
(小学生でも守る者の少なそうな、古き良きゲーマーのルール。
挨拶を告げるが早いか駆け去ってゆく真を、手を振って見送る)
「ああ、こちらこそ楽しい時間だったとも。またやろうではないか、相棒よ」
(笑いながら、筐体のスコア画面に目をやる。……目を剥く)
「ラっ、……ランクインしておるぞ……」
(呼び戻そうにも、真は既に姿を消したあとだった。
功労者たる真のイニシャルを撃ち込んで、スコアランキングに名を残す。
晴れやかな顔で伸びをして、ヨキも帰るか、と支度を整える)
「ヒーローを見習わねばな」
(ゲームは一日一時間……せめて、今日くらいは)
ご案内:「歓楽街」からヨキさんが去りました。