2016/05/26 のログ
ご案内:「歓楽街」に金良 楽さんが現れました。
■金良 楽 > 夕方の歓楽街、人通りの穏やかな路地で
ギターを下げて目の前でケースを開き、傍らにトラ猫を連れた男が立っていた
小さな看板には『リクエスト受けつけます』の文字
「さぁピート、お駄賃を稼ごうぜ」
痩せて背の高い男はとなりの猫に話しかけた
猫は尻尾をゆらりと一振りし、にゃあ、とだけ鳴いた。
■金良 楽 > しばしのイントロの後、ヒュッと息を吸い、歌を唄い始めた
曲はタイマーズの『デイ・ドリーム・ビリーバー』
「もう今は 彼女 どこにもいない 朝早く目ざましが 鳴っても
そういつも 彼女と 暮らしていたよ ケンカしたり 仲直りしたり」
道行く人の反応はそれぞれだった
素通りする者、足を止める者、聞きいる者、多少ではあるがギターケースに小銭を投げ込む者もあった。
■金良 楽 > 「ずっと夢を見て 安心してた 僕は
Daydream believer そんで 彼女はQueen」
となりにいる猫のピートは、曲に合わせてパタパタと尻尾を振った
猫につられて女子学生たちが足を止める
「大人しい奴だから、触ってもいいよ?
人懐っこいしね」
間奏の合間に、女学生に言う
■金良 楽 > しばらくして唄い終わると、次の曲に差し掛かった。
「二曲目はTHE BLUE HEARTSで『チャンス』
ブルハはリンダ・リンダやTRAIN‐TRAINばかり有名だけど
こういう曲もあるんだよ?」
それなりに名のあるバンドだが、有名な曲以外を知ってる人はあまりいない
再びギターを弾き、唄い始める
■金良 楽 > ギターとハーモニカの二重奏の後、口を開いて唄い出す
「空前絶後 前人未到 そんな風な生き方は 楽しいだろう
魚になって 泳いで行こう あの娘も魚になったなら 楽しいな」
ピートは相変わらず、尻尾をメトロノームのように振っている
「誰の上にも 雨は降るけど
時々素知らぬ顔をして チャンスも降って来る」
そして再びギターとハーモニカの二重奏による間奏が入る
■金良 楽 > 「西日の射す ドライブインで
冷えたビール飲みながら 話をしよう
アメリカにいる あいつの事や イタリアあたり旅してる あいつの事」
歌詞と同じ西日の射す繁華街、賑やかな喧騒から少し離れたこの路地は
少しのんびりした空気が流れている。
「誰の上にも 雨は降るけど
時々素知らぬ顔をして チャンスも降って来る」
■金良 楽 > 彼自身も軽く左右に揺れながら、歌を紡いでいく。
「今日しか吹かない 風に吹かれ
明日はどこへ行こうかな 楽しいな」
そして三度ギターとハーモニカによる二重奏
少しずつ緩やかになり、萎んでいき、そして止むと、彼は小さくお辞儀をした。
さて、ここらで何かリクエストでも受けつけようかな?
■金良 楽 > 女学生からのリクエストを受け、数年前のヒット曲を歌う楽
夕日はもうすぐビルの向こう側へと消えようとしていた。
もうすぐ夜である。
ご案内:「歓楽街」から金良 楽さんが去りました。