2016/05/26 のログ
ご案内:「歓楽街」に金良 楽さんが現れました。
金良 楽 > 夕方の歓楽街、人通りの穏やかな路地で
ギターを下げて目の前でケースを開き、傍らにトラ猫を連れた男が立っていた
小さな看板には『リクエスト受けつけます』の文字

「さぁピート、お駄賃を稼ごうぜ」

痩せて背の高い男はとなりの猫に話しかけた
猫は尻尾をゆらりと一振りし、にゃあ、とだけ鳴いた。

金良 楽 > しばしのイントロの後、ヒュッと息を吸い、歌を唄い始めた
曲はタイマーズの『デイ・ドリーム・ビリーバー』

「もう今は 彼女 どこにもいない 朝早く目ざましが 鳴っても
 そういつも 彼女と 暮らしていたよ ケンカしたり 仲直りしたり」

道行く人の反応はそれぞれだった
素通りする者、足を止める者、聞きいる者、多少ではあるがギターケースに小銭を投げ込む者もあった。

金良 楽 > 「ずっと夢を見て 安心してた 僕は
 Daydream believer そんで 彼女はQueen」

となりにいる猫のピートは、曲に合わせてパタパタと尻尾を振った
猫につられて女子学生たちが足を止める

「大人しい奴だから、触ってもいいよ?
 人懐っこいしね」

間奏の合間に、女学生に言う

金良 楽 > しばらくして唄い終わると、次の曲に差し掛かった。

「二曲目はTHE BLUE HEARTSで『チャンス』
 ブルハはリンダ・リンダやTRAIN‐TRAINばかり有名だけど
こういう曲もあるんだよ?」

それなりに名のあるバンドだが、有名な曲以外を知ってる人はあまりいない

再びギターを弾き、唄い始める

金良 楽 > ギターとハーモニカの二重奏の後、口を開いて唄い出す

「空前絶後 前人未到 そんな風な生き方は 楽しいだろう
 魚になって 泳いで行こう あの娘も魚になったなら 楽しいな」

ピートは相変わらず、尻尾をメトロノームのように振っている

「誰の上にも 雨は降るけど
 時々素知らぬ顔をして チャンスも降って来る」

そして再びギターとハーモニカの二重奏による間奏が入る

金良 楽 > 「西日の射す ドライブインで
 冷えたビール飲みながら 話をしよう
 アメリカにいる あいつの事や イタリアあたり旅してる あいつの事」

歌詞と同じ西日の射す繁華街、賑やかな喧騒から少し離れたこの路地は
少しのんびりした空気が流れている。

「誰の上にも 雨は降るけど
 時々素知らぬ顔をして チャンスも降って来る」

金良 楽 > 彼自身も軽く左右に揺れながら、歌を紡いでいく。

「今日しか吹かない 風に吹かれ
 明日はどこへ行こうかな 楽しいな」

そして三度ギターとハーモニカによる二重奏
少しずつ緩やかになり、萎んでいき、そして止むと、彼は小さくお辞儀をした。

さて、ここらで何かリクエストでも受けつけようかな?

金良 楽 > 女学生からのリクエストを受け、数年前のヒット曲を歌う楽
夕日はもうすぐビルの向こう側へと消えようとしていた。
もうすぐ夜である。

ご案内:「歓楽街」から金良 楽さんが去りました。