2016/06/05 のログ
■セシル > そんなわけで、目当ての店に向かうセシル。
その通りは、歓楽街の中では、どちらかというと落第街に近い…少し、奥まったところにあった。あまり、大きな店ではない。
『いらっしゃいませー』
それでも、店主は青年…といってもギリギリ許されそうなレベルの、人の良さそうな男性であったが。
「すみません、こちらでは身につけて使用する魔術具を専門に扱っていると伺って来ました。
…個人の周りの気温を調節出来るような魔術具は扱っていらっしゃいますか?」
そう切り出すセシルに対し、店主は
『はい、ありますよ。
こちらになります』
と、愛想のいい笑みを浮かべて店の中央近くの陳列ケースに向かう。
セシルも、その陳列ケースに向かって歩き出した。
ご案内:「歓楽街」に真乃 真さんが現れました。
■真乃 真 > 「うーん…。」
陳列ケースを覗き込む一人の男がいる。
男の首には異様な長さのタオルが巻かれている。
「はあ、こういうのがあれば夏でも涼しいっていうけど…。」
真乃が巻いているタオルは夏場は熱く、冬は冷たくなる。
金属に近い性質を持っているから仕方がないとはいえこれからの時期は辛い。
そんな事を考えながら顔を上げると他の客が来たようだった。
「おや、君はいつかの!」
そう、あの顔、見覚えがある。
いつか、服屋であった男前な異邦人の女生徒。
「確か、セシルさん!君、風紀委員に入ったんだね!」
確か、前の所では騎士だったか兵士だったのか学校に行ってるって言ってたな。
そう考えたら自然な流れなのかもしれない。
■セシル > 店主が案内した先には、先客。しかも制服姿。
あまり治安が良い地域とは言えないが、それでもしっかり正規の学生が客になっている辺り、なかなか信用出来そうな店だと思った。
…そして、その先客は。
「………マノマコトか?」
「久しいな」と笑う。その笑みは、やはりどこか男性的な風情があって。
「ああ…こちらで無為徒食というわけにもいかんからな。
私が故郷で積んできた剣術や学んできた倫理と照らして、一番相性が良いだろうと判断した。
採用されたあたり、そう考え違いでもなかったのだろう」
風紀委員に入ったことを認めて頷く。
ちなみに、セシルと…真が目当てにしているだろう魔術具、普通にそこそこ高い。
いつぞやのコートの3倍以上のお値段である。
ちなみに店主は、『おや、お知り合いでしたか』とか言いながら、にこにこ様子を伺っている。
彼ら学生にお目当ての魔術具を買う資金があると信じているのか、定かではない人の良さそうな笑みだ。
■真乃 真 > やっぱり男性っぽい。風紀委員の制服も男子仕様だし。
以前知ってなければ男性としか思わなかっただろう。
真乃真には人を見る目がないのだ。
「うん、何か向いてそうな感じはするね。」
真面目そうだし向いている感じがする。
コンビニの店員とかしてるよりは想像しやすい。
「ところで、何を探してたんだい?何か仕事で使う道具?」
このような場所で打っている道具は割と風紀委員の仕事でも便利に扱えるものが多い。
(経費ではおちない。)
■セシル > 「先輩にそう言って頂けると、少し安心するな。まだまだ新米だが」
そう言って、ふ、と安堵の笑みを漏らす。やっぱり、どこか「王子様」っぽい。
なお、セシルの表情の作り方とか立ち振る舞いは、「男社会」からトレースして育ってしまったためであり、完全に素である。
…それでも自己認識が「男ではない」なあたり、人間の神秘かも知れない。
もっとも、男だと認識すると家督相続の話が非常にきな臭くなるので、流石にそこは親も徹底したものと思われる。
…そして、何を探していたのかと聞かれると、少しばつの悪そうな顔で笑い。
「仕事で…使わんこともないだろうが、生活全般に関わるものだな。
…少々、こちらの気温の高さに滅入っていてな…個人的に周囲を涼しくしたり出来る道具がないかと思って探していた」
「そうでもせんと、日の高いうちに外を歩き回る気がしない」と、苦笑いを浮かべ。
いつぞや寒さに対する強さを見せつけたセシルだったが、その分というか何というか、暑さには大分弱いらしかった。
そして、該当の魔術具とその値段を見て………彫刻のように彫りの深い中性的に整った顔立ちの眉間に、深い皺を刻んだ。
「………やはり、値が張るな………」
中性的に低い、渋い声が漏れる。
■真乃 真 > 「ああ、確かここよりも寒いとこの生まれだって言ってたっけ?
ちょっとずつ暑くなってきたからね。」
確か前にそんな事を言ってた気がする。
でも、今からそんな事を言ってたらここから先どうなってしまうのか。
ああ、だから道具を買いに来たのか。
「うん、かなり高い。正直僕は買えない…。」
人の良さそうな店主の眉が少し動いたような気がする。
前のコートは食事を犠牲にすれば買えるものだったがこれは違う。
高い。とても高い。
「魔術を使える人とかならこれに頼らなくてもいつでも身体とか冷やせて便利なんだろうな…。」
遠い目でそんなことを言い始める。完璧に購入することを諦めている顔だ。
無いなら無いで気合いで乗り切れるものである。そう、夏には慣れてる。
■セシル > 「ああ…故郷では生地さえ気を遣えば年中長袖で過ごせたからな。
袖の短いものを着ればもうしばし保つだろうが………
出来れば、避けたいんだ。故郷では、女性の盛装以外で手足などの素肌を出す服装はなかったから」
後半は、渋い顔で声のトーンを落としながら(それでも作った声は維持したが)。
よほど抵抗感があるらしい。
「………まあ、部屋の空調も安くはないし、ましてや魔術具だ。こんなものだろう。
魔術もな…学ぶ分野によると思うぞ」
そう言って、溜息を吐く。
セシルは、故郷では凡庸レベルとはいえ多少の魔術の才はある。
しかし、座学が性に合わないセシルは魔術を理論的には突き詰めておらず、魔法剣以外の魔術は「何とかサバイバルの役に立てられそうな程度の元素魔術」程度しか心得がないのだ。
…しかし、暑さ対策は切実である。セシルは諦めなかった。
「別の仕組みで構いませんので…身体を冷やせるような仕組みの魔術具、他に何かありませんか?
その…出来れば、これより安いもので」
真の呟きに少し表情が微妙になっていた店主が、少し考えるように言う。
『うーん…汗の水分を感知した瞬間に水分を分解して、そのエネルギーを使って微弱な冷却魔術を発動させる肌着とかならありますけど。微弱とはいえ身体を直に冷やしちゃうから人を選ぶんですよねぇ。
魔術具って、動力源の魔力バッテリーが高くなってしまうんですよねぇ。
何らかの形で魔力を供給出来るなら、価格は半分くらいになるんですが。十分に効果を発揮出来るほど魔力のある人ばっかりじゃないんで、お取り寄せになるんですよ。』
『何だかんだ、この手の商品は魔術具以外にも色々ありますからねぇ』と呟きながら、とりあえず男性用の肌着のパッケージを手に取ってみせる。
バッテリーとかは関係ないのだろう。通常の涼感肌着の2倍程度の値段ではあった。
■真乃 真 > 「こっちでも、夏でもずっと長袖着てる人もいるしね!
そこまで嫌なら仕方ないよ。」
こちらの世界でもずっと長袖を着てたりする人もいるし
嫌だというなら仕方ないのだろう。
「魔術は全く詳しくないからね。何でも出来そうなイメージしかないよ。」
授業も受けてないし、軽く本で読んだ程度の知識しかない。
魔術に詳しくない奴はそういう事言う。
「…?……?なるほど。」
店主の説明に適当に頷く。水を分解するのかすごいなー。
しかし、魔力バッテリーが高いっていうのは分かった。
そして、もしかしてここで買う必要ないんじゃないかというのも感じた。
「ああ、これなんかはまだ買える値段だね。汗を全部分解してくれるだけでも過ごしやすそうだしね。」
店主が見せた魔術具よりも安価な肌着を見ながら言う。『汗を分解する…式構造採用!』とか書かれている。
冷却の魔術が仕込まれていない分より微細な魔力の人でも扱えるらしい。
汗を分解して出たエネルギーで稼働し続ける凄いヤツだ!
■セシル > 「…この気候で年中長袖か…魔術か何かで調整出来るのでなければ、信じ難いな。
………本当に、なりふり構わぬまでいかずに済めば良いのだが」
最終的には実を取るつもりはあるが、ギリギリまで粘りたいらしい。
そう言って、溜息を吐いた。
そして、魔術具店に買い物に来てる割に、マコトが魔術の知識に乏しいのを見て取ると。
「…そうだな、座学の科目に種類があるように、魔術にも種類があると考えると良いと思う。
そして…魔の術とはいえ人が扱うものだからな。個人的なものにしろ、構造的な問題にしろ、限界というべきものはある」
と、ざっくりとだが、馬鹿にするような響きのない声音で説明をする。
「まあ、私の魔術の素質は凡庸だが」と、最後に付け加えて軽く笑った。
『ああ、その辺の肌着は魔術の素養とか特に必要ありませんよ。素材の繊維に属性が付与してあったり、同じ色の糸で術式が刺繍されてたりして、水分をエネルギー源にして発動出来るので。
ただまあ、「凄く高性能な涼感肌着」ってだけですけどね。夏真っ盛りに屋外で肉体労働する…農業区の人達とかには凄くオススメなんですが』
真が見ている肌着類に対して、そのような説明をする。
冷やかしにならずにすむかも知れないとなれば、態度は随分朗らかだ。
そもそも、高いものはさほど数が出ないのだし。
…と、セシルは真とは違って、「魔力を供給」のところに興味を持ったようだ。
「…必要なだけの魔力が供給出来るか…試してみることは可能ですか?
普通に、魔力を流せば良いんですよね?」
そう、店主に尋ねた。
『はい、普通にものに対して魔力だけを流してもらえれば、大丈夫です。
製品自体はありませんが、魔術具の魔力供給に必要な容量を持ってるかを測る器具はありますので、少々お待ちを』
セシルに尋ねられた店主は、店の奥へ。測定器具を探しに行ったようだ。
■真乃 真 > 「本当に凄いよね見てるこっちが暑くなってくるぐらいだよ。」
首に巻いた異様に長いタオルを棚に上げて言う。
そもそも、これのせいで暑さ対策をしなければいけないのである。
「種類と限界ね。やっぱり、才能が大きいんだね…。」
種類は分かりやすい。治癒の魔術と攻撃の魔術か違うものだというのは何となく分かる。
やはり魔術を扱うには素質がある人でないと難しいのかもしれない。
一朝一夕で才能の無い自分が扱おうなんて無理な話なのかも。
今度、上手いこと使えそうな人に聞いてみよう。
「じゃあ普通に洗濯も出来そうな感じだね。」
よく見ればたしかに。白い生地に白い糸が何か模様を作っているのが分かる。
こういう魔術は最近、少しだけ調べた。
やはり、魔術って便利。
「魔力供給のの測定?セシルさんやっぱり魔道具の方を買うのかい?」
奥の方に行く店主を見送りながら改めて道具の値段を見た。
くらくらする…。魔道具がこんなに高いと知っていたらここには来なかっただろう。
■セシル > 「全くだ…もっとも、互いに言えた義理はないかも知れんな?」
ふ、と、少しいたずらっぽい笑みを浮かべる。それでも、目の細め方とかがやっぱりどこか男性的だ。
一方は夏服とはいえ、長袖。もう一方は、この季節でも首に異様に長いタオルを巻いている。あまり、見目に涼しいとは言えない2人組である。
「才能もあるだろうが…理論の方をきちんと学べば、体質の問題がない限り全く使えんということはそうないのではないか?
私はこの世界の人々と魔術の関係にはまだ疎いから、とても断言は出来んが」
真顔で、努力で補う道を提示するセシル。
ちなみに、セシルの故郷では、「魔術の素養がゼロの体質の人間」は2割程度で、少数派だ。
その比率は男性が8割、女性が2割程度。女性に魔術の素養が全くないのはかなり珍しい。
『お待たせしました。
そうですね…術式を刺繍した糸がよれると効果が凄く落ちてしまうので、洗濯機を使う時は、ネットに入れて、洗う強度を弱めにして下さい。
本当は、手荒いが理想的なんですが』
器具を持って戻ってきたところで、一旦それを脇に置いて肌着について説明をする店主。一応それなりに繊細な肌着らしい。
「警邏の時間を増やせば…ほぼ半額になる自力で魔力を供給する方式のものならば、一番暑くなる時期には間に合うだろう。
…だが、必要な魔力がなければ話にならんからな。まずは確認だ」
そう、真に説明して。
それから、店主の方に向き直り
「それでは、測定させて頂きます。よろしくお願いします」
と、頭を下げた。
『はい、どうぞ。
この丸い金属部分に手を当てて、魔力を流して下さい』
と、セシルに器具を差し出す店主。
「はい」
そう言って、器具の、丸い金属に手を伸ばした。
■真乃 真 > 「確かに。」
乗っかるように笑みを浮かべる。
首からかけるぐらいならまだしも巻いているのだ。
「理論か、ああ魔術の授業を受けてればもっと上手く魔術が使えたのかな。」
例えば魔術学の何とかいう先生の授業なんかは厳しい代わりに
学ぶ気があるのならば誰でも魔術が使えるようになるという話を聞く。
流石に三年になってからそれらの授業を受けるつもりはないのだが。
「なるほど洗濯できるのか。二、三着ぐらい買おう!」
洗濯も出来るのであれば買うしかない。
首に巻いてるこのタオルでは汗を拭くことが出来ないので汗を何とかするのは
真の中で重要であった。
「おお、こんな道具を使うんだね!初めて見た!後で僕も測っていいですか?」
魔道具を買う気は無いけども一応使えるかどうかは見ておきたい。
セシルが測定する様子を見ながら店主に尋ねた。
■セシル > 「魔法剣に必要な最低限しか学んでおらん私が偉そうに言えることでもないが、「魔力容量が少ない」程度ならば、それなりにやりようはあるからな。
この学園にも随分魔術理論の授業はあるようだし、やりようはいくらでも学べそうだ」
シラバスを流し見した程度だが、この学園は異能や魔術の授業が随分細分化され、充実しているようだった。
恐らく真が言っている授業もその手の者なのだろう、と考えながら、魔力を器具に流しつつ応じる。
『ありがとうございます。
ええ、それではそちらのお客様の後に、どうぞ』
真の肌着購入決定に伴い、店主の晴れやかな笑み。
魔力測定も快諾されました。
魔法剣2、3回を使える程度に魔力を残せなければ普段使いは出来ないと判断して、そこまで魔力を流してセシルは手を離した。
店主が数値をチェックすると…
『おお、一応問題なさそうですね』
ということだった。少し疲れたのか、強い息を1つ吐きだすセシル。
さて、真はどうであろうか。
■真乃 真 > 「なるほど。今度色々試してみるよ!でもスマホで調べるのにも限界はあるからな…。」
でも、正直今から授業を追加で受けるのは厳しい。
今年からとり始めた【異世界言語】や【異邦文化】、【混成文化論】なんかのせいで手一杯なのだ。
うん、詳しそうな知り合いに聞いてみるとかしよう。あんまりいないけど!
「でも、魔力を流すって感覚が良く分からないんだよな…。」
一応金属球に触れて「はあー!」とか「ふん!」とか唸る。
数字は動かない。
『体内の魔力の流れを意識して見てください。』
魔力の流れ…?
持ってる魔道具を使って魔術を使う時の体から抜けるあの感覚かな?
「はっ!」
徐々に首に巻いてあるタオルが光始めた。ただし数字は上がらない。
この結果には店主も少し困っているようだった。
『一度そのタオルを外して測ってみてはいかがですか?』
そうした場合の結果は平均より少し低めぐらいの数値であった。
■セシル > 「スマホ…この世界の学生がよく持っているあの小さな機械か?
ああいった機械で多少でも調べ物が出来たら、確かに便利そうではあるな」
感心したように頷き。
いわゆる情報機器を使った情報収集が出来ないから、セシルは歓楽街を結構歩く羽目になったのである。
『………うーん、あの魔術具を使うには少し足りませんねぇ。
照明とか、発熱系なら使えるものもありそうですが』
真の数値を見て、そう告げる店主。
その一方で、セシルは
(…あのタオル、魔力を吸うのか…?)
と、凄く不可解そうな表情を浮かべて首を傾げていたとか。
■真乃 真 > 「ああ、便利だよ。連絡も簡単にとれるしね!」
無駄にポーズをつけてスマホの画面を見せる
この『ヒイラギ亭』についての評価が書かれている。
ちなみに星は5中4の高評価である。
初心者にも優しい店である事ついて褒められているが、より専門的なものを扱っていないあたりで星を下げられていた。
「照明はともかく発熱系か。ちょっとした時便利そうだね。」
たいした数値ではないけれども自分にも使えるものがあるようで安心する。
慣れればもう少しうえの数字が出せるかもしれないし!
「でも、今日はとりあえずこれだけかな?」
魔道具は思いのほか高い。簡単な物なら安いのだろうが最悪ライターでもいける。
手に三着の肌着を持ってもう一人の若い店員がいるレジの方に向かう。
「それじゃあ、セシルさん!これから暑くなるけど身体に気を付けて風紀委員がんばりなよ!」
店の名前が書かれた袋を片手に下げて店の入り口の方から風紀委員である後輩に告げる。
うん、これだけ優秀そうな後輩がいるなら風紀委員は大丈夫だろう。
それにしてもこのタオルをつけてると上手く魔力を流せないなんて全く気が付かなかった…。
そんな事を思いながら学生街というよりは異邦人街に行く道を行く。
こっちの方が家に帰るには近道なのだ。
ご案内:「歓楽街」から真乃 真さんが去りました。
■セシル > 「そうらしいが…使い方もよく分かっておらんからな。他のものも入用だし未だ様子見だ」
スマホについてはそう言って苦笑いを浮かべるセシル。
ヒイラギ亭についての評価は、真顔で頷いているセシルの背後から店主もちらりと見たようだが、特に表情を変えるというようなことはしなかった。大人である。
『電源がない時に使えたり…普通に保管している分にはガスより安全だし劣化もしませんよ。
私としては、魔力バッテリー式でも良いので防災袋の中の火や熱を扱う道具は魔術具で揃える方をお勧めしたいくらいです。
うちでも、身につけるものでは質がいいものをいくつか取り扱っていますよ』
よほど自信があるらしく、満面の笑みを浮かべる店主。
と、真が肌着を購入してレジで会計を行うと、
『ありがとうございましたー』
と、朗らかに見送った。
セシルも激励を受けて、
「ああ、ありがとう…マノマコトも、気をつけて帰るのだぞ!」
と、元気に声を張って見送った。
■セシル > さて、魔力補充型の魔術具が何とか使えることが分かったセシルだったが、それはまとまったお金が出来た時に改めて取り寄せてもらうことにして、今回は「凄く高性能な涼感肌着」を2枚だけ買って帰ることにした。
魔術具の購入資金が貯まるまでの間、昼間に屋外を長時間歩く時に使う予定だ。
なお、「女性用」を要求して『えっ』と言われてしまうのは、もはやお約束である。
セシルに日焼け止めを薦めた魔法薬店の店主は、相当観察眼か何かに優れていたのかも知れない。
ご案内:「歓楽街」からセシルさんが去りました。