2016/07/09 のログ
ご案内:「歓楽街」に黒い髪の女さんが現れました。
黒い髪の女 > 歓楽街だが、やや落第街に近い地域に、その古着屋はあった。
青文字系の品揃えのセレクトショップながら値段が手頃で、その手のファッションを愛好する学生や…値段の手頃さに惹かれて、「裏」の住人も度々訪れているという。
品揃えにこだわりのある店主も、「騒ぎを起こされなければ」それを黙認していた。

夕刻。「身支度」を整えた黒い髪の女がその店に姿を現した。

黒い髪の女 > 「〜♪」

楽しげに、ストリート系のファッションを物色している女。
シンプルながらも整った服装の端に、アンティーク調のアクセサリーがどこかちぐはぐな印象を受ける。

実際のところ、いかに「変身」しているとはいえ、防御を外すということは「女」にとってはあり得ないことだったのだ。
それでも、普段と魔術防御の装備構成を変えて、「自分も外側に魔力を放出出来ないが、外側からの魔力干渉を受け付けない」ものを装備することで、結果的に魔力容量等の偽装を兼ねている。
気配「だけ」では、そうそう見破られないだろう。術式を「見る」ことの出来る相手ならば、それだけ分厚く装備した防御術式で、ただ者でないことくらいは悟られてしまうかもしれないが。

黒い髪の女 > 色違い、サイズ違いのレギンスやカラータイツ。
比較的ゆるく着れるロングTシャツの他に、ショートパンツも、いくつもカゴに放り込んでいく。
サイズ等の統一感のない、観察する者がいれば不自然な買い方と映るかもしれない。
店にとっては上客だろうが。

黒い髪の女 > 変身魔術が使えるとはいえ、それが服装に及ばないとなると、それなりに面倒なのだ。
服の形を変えるような魔術もないことはないが、防御術式と干渉して効率が落ちるのは頂けないし。
特別な服ならともかく、日常着のようなものまで、いちいちデザインやら縫製やらやっていられないのだ。

そんなわけで、今日は変身時用の衣服の調達に、変身して訪れているのである。
今来ている服は、変身魔術の成功報告ついでに「一度だけ」と頼んで、ハウスキーパーから借りたものだ。
そのため、ハウスキーパーの体型に合わせる形で変身している。顔立ちは、近くにある「日本」の人々の中では埋没するような感じにしておいた。

(…少し、派手なのも見繕おうかしら?)

「女」は、パンク系のファッションのコーナーにも足を運ぶ。

黒い髪の女 > アシンメトリータイプの巻きスカートを手に取ってみたり…皮のジャケットを手に取ってみたり。

(…流石に、これらは身につける体型を選びますわね)

選択肢としては優先度が落ちるが…まあ、こういう者も抑えておいた方が良いだろうと、適当なものを1枚ずつカゴに放り込み。そして、その動作で足元に目がいって、気付く。

(…靴も、必要ですわね)

やや早足で、そのコーナーに足を運んだ。

黒い髪の女 > そこまで大きな店でもないので、靴の品揃えはさほど多くない。
…いや、正確に言えばそれなりの種類はあるが、サイズ展開の幅が狭い。
「女」の本来の靴のサイズとハウスキーパーのそれとにさほど差はないが…そのサイズは、日本人女性の平均からすると少し大きめなようで、あまりものがない。

(…あまり、贅沢は言えませんわね)

今カゴに入っている服飾と喧嘩しなさそうなデザインで、サイズが合いそうなものを「一応」試着してみて(変身魔術で靴に足を合わせれば良いので、極論を言えば必要はないのだが)、それからカゴに追加する。それを2回。

(…靴は、またどこかで別に調達致しましょう)

大分重たくなってきたカゴを、レジに持っていく「女」。

黒い髪の女 > レジに持っていくと、担当の店員はまずその量に驚き、そして一部サイズ違いの服飾購入に一瞬不可解そうな顔をするが…
「裏」の住人を黙認している店だ、裏にある事情の存在を勝手に忖度し、その上で黙認してくれる。店員は、すぐに平静の態度に戻った。

手頃な店とはいえ、これだけの物量を買えば会計は馬鹿にならない。
それでも、その支払いを「女」は現金でぱっと済ませてしまった。

黒い髪の女 > 大きな袋をよいせと持ち上げて、入り口まで持とうとしてくれる店員に、苦笑混じりで

「ああ、大丈夫です。自分で持ちますよ。
…一気にたくさん買ってしまって、すみません」

と、礼儀正しい口調で言う「女」。本来の身体より柔らかさが失われているのに対応するかのように、柔らかさよりは幾分芯を感じさせる声だった。

「よ…っと」

しかし、鍛えられた肉体を模してもその分の筋力が特についたりはしないのがこの変身魔術のデメリットといえばデメリットである。
少しよたつきかけるが…店員の手が離れる瞬間重力操作術式を仕込んで軽くすることで、何とかそれらしい体面を保つことは出来た。
いくら魔力の出力を抑えているとはいっても、この程度の事は「女」にとって造作もないことだ。

黒い髪の女 > 「ありがとうございました」

店を出る際、改めて店員に礼を言って頭を下げる「女」。
居住区の方に歩き始めたと思えた女の姿は…いつの間にか、見えなくなっていた。

ご案内:「歓楽街」から黒い髪の女さんが去りました。
ご案内:「歓楽街」にバラルさんが現れました。
バラル >  
「……思ったよりも暇ねぇ。」

 退屈そうに夜の街を歩く。
 色々手を掛けてこそいるが、思った以上に平和だ。
 歓楽区を歩いていても意識もされず、あまつさえ登校してもいまのところは咎められていない。
 現行犯の確証を持っていない ないし 確証を得る為の準備中などの可能性は十二分にあるのだが、

 それでも少々持て余す。
 退屈そうにゲームセンターの外に置かれた豚をモチーフにした抽選機に背中を預け、だらける。

「まだ有象無象なのかしら、ねぇ……。」

ご案内:「歓楽街」に松渓つばめさんが現れました。
松渓つばめ > 暑い。夜でもこの時期は結構湿度も高く。
手に持ったアイスキャンデーは、思い切り結露と凍結を繰り返して表面が何とも薄味だ。

「散歩にしちゃあ、ちょっと足伸ばし過ぎたか、な」
とひとりごちつつ、いつもは余りあるかない繁華街の景色を眺めた。
「……ぅぉ?」そうすると、夜に紛れるようなそれで居て目立つ少女がいるではないか。

――ここで会ったが百年目だ。

「ちょいこらアンタぁっ」 反応素早く、声をかけていた。