2016/07/19 のログ
■真乃 真 > 「危なっ!何をするんだ!」
姿勢ごと変えてタオルで包み込むようにしてザクザクに尖った氷の塊を受ける!
硬度と弾性を伴うタオルは容易にそれを防いだ!
「全く何でこんな…なるほど分かった!分かったよ!こうだろ!
全く僕じゃなかったら怪我してるぜ!」
タオルで包んだ氷を使って赤くなった頬を冷やす。
ひんやりと冷たい氷はこの時期にはピッタリ、便利な魔法である。
その様子を見ていた三人組は怒気を孕んだ声を上げる。
『さっきから喧嘩売ってるのかお前は!』
「なに言ってるんだ?もう、僕が君たちに何かする理由なんてないじゃないか!
あの子のも財布帰って来たし…。平和が一番!喧嘩とかよくないぜ!」
ごく涼し気に言ってのける真と対照に怒りを強めて向かってくる三人組!
ライオン顔の不良が叫び声を上げながら真の方に跳びかかってくる!
ご案内:「歓楽街」に迦具楽さんが現れました。
■迦具楽 > 「スーパーイナズマキーック!」
そんな少年に飛び掛るライオン顔の真上から、赤い魔力の軌跡を残しながら急落下してくる小柄な影。
丁度頭を踏み抜くようなベストな位置に、ジャイアントストライドエントリー。
「――っと、久しぶり真。
こんな所でなにしてるの?」
そしてライオン顔を地面に半ばめり込ませつつ、何事も無かったかのようにふわりと浮き上がって少年の前に。
何をしているのもなにもあったような状況じゃないが、道端であったみたいに軽い挨拶だった。
足の靴からは、小さな赤い魔力の羽根が生えている。浮き上がっているのはこの装備のお陰だと見て取れるだろう。
■真乃 真 > 『ああ!ライオーンがやられた!』『畜生!!良い奴だったのに!』
地面に埋まるライオン顔の男を見て叫ぶ残りの二名。
「迦具楽さん!久しぶり!僕はいつも通り人助けに励んでそれがさっき終わったところさ!」
そう、人助けは終わったのだ。
目の前の人らは既に関係ないらしい。
『お前らグルなのか!財布だけでは飽き足らず!よくもライオーンを!!』
氷の塊をガンガンこちらの方に向かって飛ばしてくる!
速度は遅いが数は多く刺されば重傷はまぬがれないだろう!
「迦具楽さん、凄い怒ってるよ!謝った方が良いって!」
だが弾速遅ければ簡単に避けも防げもする。
氷の塊を避けて防ぎながら迦具楽に話しかけた。
■迦具楽 >
「ふぅん、それで絡まれてたのね」
ついさっき踏み潰した何かを横目で見つつ、少年と同じ目線程度に浮いたまま振り返る。
「そうかしら。謝る必要はなさそうだと思うんだけど」
自分の方に飛んで来た氷の塊は、特別避けようともせず。
迦具楽に触れる前にそれらは全て、音を立てながら蒸発した。
いくらか周囲の気温が上がったように感じるだろうか。
「私にその程度の氷じゃ届かないわよ。
ねえ真、この人たちって少しくらい食べても大丈夫かしら?」
と、足元に倒れているライオン顔の襟を掴んで、空中に軽々と持ち上げながら聞いた。
■真乃 真 > 「僕は暴力とかは振るってないんだけどね…。」
なるべく暴力的でない手段を使うのにそれでも絡まれるのは何故だろう…。
本気で分からない…。
「でも、あれだぜ。この人からしたら突然、頭蹴られたようなものだから…
やっぱり謝ったほうがいいよ。一応、形だけでも!」
形だけ謝ったところでどうなるのだろう火に油を注ぐだけではないのだろうか…。
飛んでくる氷を避けたり受け止めたり、蹴り返したりする。
…けっこう楽しい。
「え!?駄目だよ!お腹空いたんだったらまた何か買ってあげるから!
ほら、君たちも!早めに帰った方がいいぜ!」
持ち上げられたライオン顔の男を回収し二人に渡そうと試みる。
素直に渡してくれるならライオンは二人に運ばれて行くかもしれない。
ライオン…獣くさい。
■迦具楽 >
「多分そういう言い方が怒らせるんだと思うんだけどなぁ」
とても人の事を言える様な台詞回しはしていないが、それでも無自覚にやってるのは危なそうだなあなどと考えつつ。
「そっか、ダメなら仕方ないわね。
……一応私風紀の関係者だから、あなた達、捕まりたくなかったら早く逃げた方がいいんじゃない?」
ダメといわれれば素直に渡して、元気のいい二人に向かって微笑みながらそんな事を言う。
実際は風紀委員でもなんでもなく、風紀委員のさらに個人の下請けレベルなので権力も何もないのだが。
ちなみに迦具楽を中心に周辺の温度がじわじわと上がり続けている。
そろそろ不自然な熱を感じ取っても良い程度になりつつあるだろうか。
■真乃 真 > 「うーん、次から気をつけるよ…。」
これで絡まれなくなればいいのだけれど。
絡まれるのは面倒なのである。
「そうそう風紀の関係者だから…って本当かい!?
なんかそういう風なイメージないな…。」
去っていく三人組を見ながらそんな事を言う。
それに元風紀である真も知らないのだ。
「…ところで、さっきからなんか暑くない?」
三人組が路地から出て行ったころポツリと呟いた。
タオルに包んで頬を冷やしていた氷も溶けたし。
何故か迦具楽の周りの空気が揺らめくようにも見える気がする。
■迦具楽 >
「なんだ、あっさり逃げてっちゃうのね。
少しくらい運動しても良かったんだけど」
素直に去っていく二人+一人を見送りつつ、空中をすべるように動きながら再び少年の隣へ。
「うん、一応ね。個人的なお手伝いってだけだけど。
……あ、ごめん、ちょっと熱くしすぎたみたい」
そう少年が暑さを訴えると、今度は反対に迦具楽に熱が吸い込まれていくかのように周囲が涼しくなっていく。
熱で陽炎のように揺らめいて見えるような事も無くなった。
「私、少しだけ熱を操れるの。
吸収したり集めたりね。
けど、ちょっと回りから集めすぎちゃったみたい」
失敗しちゃった、と言う調子で舌を出してはにかんでみた。
恐らく周辺数メートルから十数メートルの範囲が、今は春ごろの気温まで下がってる事だろう。
迦具楽が周囲の熱を集めて、たった今集めた熱の殆どを吸収したのだ。
■真乃 真 > 「やりすぎはよくないぜ。だいたい『畜生!覚えてやがれ!!』って相手が言うくらいが丁度いい感じかな?」
路地の入口あたりから『畜生!覚えてやがれ!!』という声が聞こえた。
うん、これぐらいがおそらくいい感じである。
それ以上は良くない。後ろ盾がないのに恨みを買いすぎるのは良くない。
「おおっ!便利だね!夏でも冬でも対応できるじゃないか!一家に一人欲しいな!」
今までと比べてかなり過ごしやすい。
この、異能?魔法は本当に凄い!
「ううん、丁度いい気温だと思うよ!夏っぽくはないけども!」
■迦具楽 >
「……うわあ、漫画みたいな捨て台詞」
あんな捨て台詞を聞いたのは……以前にもあったような気がするが、珍しい。
「うん、丁度いいなら良かった。
我ながらこれはそこそこ便利に使えるのよね。
夏ならエネルギーの補給にもなるし」
「私は熱がエネルギー源になるの」と、ついでと言うように人じゃない疑惑に決定打。
案外異邦人の中にはそういう人種も普通に居そうではあるが。
そこで少年の周りをぐるりと飛んでから正面に向き合うと。
「ところで……一家に一人ほしいって、プロポーズなのかしら?
私も真のことは気に入ってるけど、それはもう少しお互いの事を知り合ってからの方がいいんじゃないかなあ」
などと、少しからかうように笑いながら上目遣いで言った。
■真乃 真 > 「本当に何でも応用できそうだよね!そうか、熱がエネルギー源に…。」
じゃあ夏場はあまり食べないでもいけるのでは?
…いや冬場は食べる量が凄まじいのかもしれない。
…どっちにしてもやっぱり人間じゃないっぽい。
「ち、違うよ!プロポーズとかじゃなくてこうあれだ!
…物として手元にあるといいなというか…!
…いや!これも違う!凄い失礼な感じがする!
ごめん、違うから!えーと!夏でも冬でも一緒にいれたらいいなとか思ったんだ!そう、それだ!」
必死に否定する。テンパりすぎて訳の分からないことを言い始める。
プロポーズとかでは全然ないのである。
「そ、そんな事よりその飛んでるの凄いね!!いやあ!楽しそうだな!!」
露骨に話を逸らす。
何だったっけ?あれ?見たことあるような無いような気がする!
■迦具楽 >
「応用なら結構できるのよ。
熱を集めて束ねて撃ったらビームにもなるし」
非常に暴力的な応用方法である。
「……夏でも冬でも一緒に居れたら、なんてプロポーズ以外のなにものでもないと思うけどなあ」
「ほんとに違うのかしら?」なんてテンパる顔を下から覗き込みながらニヤニヤ笑う。
この娘、人をからかうのが好きなのだ。
それで痛い目に遭った事も一度や二度じゃないのだけれど、懲りないのがまた酷い。
「あ、これ?
うん、とっても楽しいわよ。
ほら前に言ってたスポーツ、エアースイムって言うんだけど。
この靴と、この手袋はS-Wingって魔道具で、これを使って飛んでるの」
とても楽しそうな調子で説明すると、目の前で両手を広げながらくるりと一回転。
空中でスケート選手がしているように回ってみせる。
■真乃 真 > 「ビーム!?えっそれかなり凄くない?」
レーザーよりもビームの方が何となくカッコいい!
区別はつかないがレーザーの方がかくかくしてそう。
「違うから!違うから!
プロポーズはもっと思いっきりカッコつけて何か高そうなレストランとかで
サプライズ的に給料三か月分の指輪を渡すって決めてるから!
あと、夏と冬以外も一緒にいてっていうから!」
下からの視線を避けるように必死に上を見上げる。
テンパって謎のプランを話始めるが中身は凄くフワフワしてる。
…相手とかもちろんいない。
「おお、凄いな!
それがあれば誰でも簡単に飛べたりするのかな?」
人が簡単そうにやってることは結構簡単に出来ると思えるものである。
それこそスケートとかでも。
■迦具楽 >
「そうなのかしら。
それくらいならできそうな人沢山居そうだけど」
そこは常世島。
もっととんでもないのはいくらでも居そうだった。
「……うん、わりと古風なプランでちょっと驚いた。
多分それ、ベタ過ぎてサプライズ的な展開にはならないような気がする。
でも、そうやって真にプロポーズされる人は、きっと幸せものね」
相手はいるのかなあなんて思いつつ、反応的にはいなさそうだと判断してからかうのは終わりにした。
どこと無く満足げな表情なのは、久しぶりに人をからかって欲求が満たされたからかもしれない。
「うーん、これがあれば誰でも飛べるはずだけど……簡単かどうかは人次第じゃないかなあ。
私は普通に飛べるようになるまで三日くらい掛かったし」
どうやらその簡単そうに見えるものが実は難しい、という例には漏れないらしい。
迦具楽が靴への魔力供給をやめると、靴から生えていた赤い光の羽が消えて、すとんと地面に着地する。
「興味があるならスポーツショップとかに行って見るといいかも。
確か商店街に扱ってるお店があったから、体験くらいはできるんじゃない?」
実は中々に高価なアイテムではあるのだが、そんな悲しい現実はとりあえず置いて置くとする。
■真乃 真 > 「確かにいるよ!多分その辺に転がっている!でも、僕には出来ないからね!」
こう、ビームとか光線とか撃てたらカッコいいだろうなと思うも真の異能には出来ない。
魔術的なビームは何か違うのだ!異能でビーム撃てるのとは!!
「女の子がそう言ってくれると自信が持てるね!
じゃあ後はなんとかサプライズの部分を工夫しないとな!」
将来にむけての課題である。
相手が出来なければ何の意味もない話なんだけども!
「へえ、スポーツショップか…。
ふんふんなるほど、やっぱり空を飛べるってのは憧れちゃうからなー!」
魔力が乏しい身でどれほど飛べるのかは分からない。
普通の学生の身でお金が足りるかも分からない。
正直、上手く飛べるかも分からない!
「よし、今度、見に行ってみよう!」
だけど、とりあえず行こう!
■迦具楽 >
「そっか。
なら、また今度機会があったら見せてあげる」
そう軽く口約束をして、しかし熱は収束しても熱なのであまり視覚的に面白いものではないかもしれないと思いつつ。
「うんうん、頑張ってね。
いい人が見つかる事を祈っててあげる」
微笑みつつ、人が良すぎると『ただのいい人』で止まっちゃいそうだなあとか内心思っていた。
そこになんらかの『特別さ』が付属しないと、なかなかその先には進まないのである。
「憧れるならやってみるのが一番ね、きっと。
私も空を飛びたい、風になりたいって憧れてたから」
と、どこかうっとりした表情で真を、その向こうの夏空を見上げる。
飛ぶには魔力は最低限必要なものの、それ以上に姿勢維持や変更に使う筋肉が重要だったりもする。
体の軸がぶれていたりバランス感覚がないと、真っ直ぐ飛ぶのも困難だったりするのだった。
「うん、是非行ってみて。
それでやりたくなったら挑戦してみるといいと思う。
もし困った事があったら相談してね」
お金はないが、実はこの装備一式、自分で作ったものである。
相応の食べ物さえもらえれば、一人分くらいなら造れない事もないのだ。
ただし、食費の方が高くなる可能性は十分にありえるが。
「……っと、そうだ。
私これから買い物にいくんだった。
ほら、この前のスーパーのタイムセール!」
はっとして、すっかり忘れていた目的を思い出す。
時間的にまだ余裕はあるものの、危うく完全に忘れるところだった。
特売の品もある程度抑えておきたい所なので、そろそろ向かったほうがよさそうな頃合だ。
■真乃 真 > 「本当かい!?いやあ楽しみだな!」
こう厚い鉄板とかドロドロに溶かすイメージ!
あの鉄板が赤熱するところを後ろから見てみたい。
「ああ!気長に待ってるとするよ!」
正直、自分でもそんな相手が出来るイメージが無い!
そう、おそらく全体的に人からの評価は低いのだ!
「分かった!とりあえず行ってみる!
そして、もちろんやってみるさ!!」
何事もやってから決めるのが一番である。
お金もあれだ!なかったらバイトとか全力ですればいいし!
「おっと、それは一大事だ!僕も買いたいものがあったんだ!
さて、僕の事は気にせずに行くんだ!なあに大丈夫、きっと後から追いついてみせる!」
完璧に忘れていた!
そう、わざわざこの道を通ったのも元はと言えばあのスーパへ異邦人街から行く際の近道となるからだった!
飛べない真が一緒に行ってもきっと足手まといになるだろう。
それなら迦具楽一人でもたどり着けた方が良い。
「さあ!行くんだ!迦具楽さん!」
そんな事を言いながら見送る事になるかもしれない。
■迦具楽 >
「あ、やっぱり真もいくところだったんだ?
ここ近道だものね……え、そんなフラグみたいな言い方されても」
完全に追いつけないし辿り着けない人の台詞である。
確かに飛んでいけばすぐだし、むしろ抱えて飛ぶくらいならできないでもないのだが……。
「うーん、別にまだ急ぐほどの時間じゃないし。
折角あったんだから一緒にいかない?
ほら、戦力は多い方がいいし」
タイムセールと特売は戦場である。
そこに仲間がいるというだけで心強いのだ。
ちなみに抱えて飛ぶという選択は無し。
折角なら最初は自分で飛んでもらいたい所。
「――これでよしっと。
それじゃ、いこっか」
どこから取り出したのか――いや、いつかのように黒い何かがもれ出て鞄になり、そこにはいていた靴とグローブを絞まって、普通の靴を作って履き替えた。
一歩進んで振り向く迦具楽は、確かに一家に一人いると非常に便利な生き物かもしれない。
■真乃 真 > 「スーパーでタイムセールスが始まる瞬間にボロボロの僕が登場とかなんかカッコよくない?」
何故、ボロボロなのか?何故ギリギリなのか?
それはともかくあこがれるシチュエーションではある。
「そうかい?一瞬でも早い方が良いと思ったんだけど…。
でも、確かに戦力が多い方が安全だしね!」
そう、特売とは血でトマト汁を洗うような戦場なのである!
戦友の存在はとても頼もしい。
「やっぱり、一家に…いや!なんでもない!ああ、行こう!」
エアコンの機能の他にもこれがあったのかと凄く便利さを実感する。
この路地を抜ければスーパーまでもう少しである。
ご案内:「歓楽街」から真乃 真さんが去りました。
ご案内:「歓楽街」から迦具楽さんが去りました。