2016/09/01 のログ
ご案内:「歓楽街」にクライド・マクスウェルさんが現れました。
クライド・マクスウェル > 「なるほど。なかなか賑わっている」
 
 数人の部下をつれた金髪碧眼の米国人……在日米軍より出向中のクライド・マクスウェル大尉は、ただ部下にそう呟いた。
 部下達は遠慮なく軍服を着ており、周囲からは少々浮いている。

クライド・マクスウェル > 『大尉。副官として一応言っておきますが、勤務中ですよ』
 
 そう、英語で話しかけてくる部下に対して、クライドもまた英語で気安く返す。

『わかっているとも。私は仕事をこなしているだけだ。その土地を知りたいならまずは歓楽街から。これは不慣れな土地に出た時の基本だぞ?』
『ガイドを伴っていることが最低限の条件かと思われますが』
『何。困ったらその辺の生徒さん達に聞けばいいさ。この島の住民は全体的に親切らしいからな』

クライド・マクスウェル >  異邦人とよばれる亜人の類や、見るからに足元からして浮いて飛行している人影などを見ながら、米兵たちは街の中を進んでいく。

『坩堝という単語がこれほど似合う場所もありませんね』
『だからこそ我が国も注目している。グローバルなどという単語では収まらないほどの広がりが、既にこの世界には生まれてしまった。仕事でなければ留学や観光できたかったものだな』
『御冗談を』
『本気さ。半分以上はね。学者が此処に身を寄せたがる理由も分かるというものさ』

クライド・マクスウェル > 『しかし、ここの連中は信用できるんですか?』
『ここの連中とは曖昧だな』
『委員会の連中の事です。風紀の彼は……あまり乗り気ではなかったように見えましたが』
『何をいうんだ。だから良いんだよ』
『と、いいますと……?』
『必要最低限の仕事だけをしてくれるということだ。我々にとっても、そして彼らにとっても都合がいい』

クライド・マクスウェル > 『仕事であるからこそ、互いの信頼は過剰でも過少でもいけない。そのバランスが保たれていることが私はむしろ好ましい』
『ビジネスライクに、ですか』
『まさに、だ。それこそ、それが互いにとって都合がいい信頼になるだろうさ』
 
『しかし、いい街じゃないか。次はオフの時に来てもいいな……じっくりとな』

ご案内:「歓楽街」からクライド・マクスウェルさんが去りました。