2016/10/01 のログ
■ルチア > 「ゴロゴロいても、自分にその配役が回ってくるとは限らないだろう。
勿論君ならヒーローにもなれそうだが。
……神隠し、か。それはそれでも仕方がないさ、事故のようなものかもしれないしね。
そう云うのは女性を口説く時に言う台詞だよ。
ああ、アルビノなんだ。色素が少しあるタイプだから真っ白の赤目、ではないんだが」
さり気なく話の矛先を彼へと変えるように言葉を紡いで。
原因は今は探るだけ無駄だろう、それはそれこそ状況が落ち着いてから、になる。
ついでに言えば褒め言葉には冗談めかして返したが――美人、と言われたのは否定しなった。
自信があるのか否か。
まあ、歩いてくる途中に何とかなりそうな場所がなかっただろうか、と思っていたことろに飛んできた言葉には、意外そうに瞬きをして。
「いいのか? 当然助かるが――いや、言うのは野暮だな。
ありがたく借りることにするよ。
これは焼肉か寿司を奢らないといけないな」
取り出された鍵の束をみて沢山有るんだな、と感心するように言うと、
放り投げられた鍵を危なげなくキャッチしてポケットへとねじ込んだ。
これで取り敢えずは寝床には困らない。
後は学生となる手続きを取ったり、稼ぎを得るような何かを探すことを考えればいい。
案内に関してはしてくれるのであろう、と思っていたので今は何も言わなかった。
その“お節介”に現状救われた女は、彼が書き記す指先を眺めながら。
自分は運が良かったのだと思う。
この常世島という場所に来て――まず、出た先がこの場所であったことが幸運だったのだろう――こうして親切な者に出会うことが出来た。
悩むことはあるが、悪いことばかりではない。
「まあ、それはそうだけれどね。
私としても今みたいな格好が楽でいいんだけれど、ほら、着飾ったほうが“らしい”だろう?
お店のチョイスは任せることになると思うがね」
食事の約束を恩人とする事は何の躊躇いもなく。
とは言えその頃になって食事処に詳しくなっているかと言われれば全く別ではあったので、そこはおまかせする、と。
「いいのかい? じゃあ遠慮なくブラックで。
丁度飲み物がほしいと思ってた所なんだ。
……捨てたもんじゃないな、この世界だって」
ありがとう、と、ブラックの缶を受け取りつつ。
■櫛鉈 蛟 > 「ま、ヒーローやヒロインでなくとも自分の人生自分が主役だろ?脇役なんてこたぁねーさ。陳腐なセリフだけどな我ながら。
ああ、やっぱアルビノだったんか…いや、普通に口説かれると思うぞルチアは」
露骨に口説いた訳ではないが、男とて下心が無い訳ではないのだから。
あと、さりげなく美人を否定しなかった辺り、さりげなく自分の容姿に自信があるのでは、と思いつつ。
(いや、まぁ自信持っても問題ないレベルだが。スレンダーだからモデル体型っつぅのかね)
そして、矛先がこちらに変えられている事に気付くが特に指摘するでも気分を害した訳でもなく。
あくまで飄々とした気楽なノリは崩さない。それに、この方がルチアも話しやすいだろう。
「おぅ、ただ日当たりが悪いからそこだけは勘弁な。
あと、水も電気も使えるがガスだけは使えないから要注意。
後はー……ああ、塒のベッドの下に一枚黒い板があるんだが。
それ外したらへそくり出てくるからやるよ。”こっちの日本”の金は入用だろ?」
と、そこまでフォローしておく。とはいえ大金ではないので、稼ぎそのものは彼女自身に頑張ってもらうしかない。
自分が手助けするのは寝床の提供と幾ばくかの金銭だ。後は彼女自身の頑張りと慣れ次第。
「ああ、まぁこういう隠れ家的なスポットは割と役に立つしな。
ついでに、ルチアが問題ないなら鍵はそのまま持ってていいぜ。
お前さんも今後、例えば女子寮に住むとしても別にセーフハウス的なのは必要になる可能性もあるし」
と、小さく笑いながらアドレスを書き終えればペンを仕舞って。
ガイドブックは無料だし当然彼女にそのまま進呈だ。暫くは彼女の助けになるだろう。
「おいおい、ルチアが着飾ったら周りの目がそっちに全部向くだろ…いや、それはそれでいいな」
優越感に浸れそうだ、とか楽しげに笑いながら。まぁ、食事に行く目処が付いた時にでも詳細は決めればいい。
「ハハ、正直俺は下心ありありで親切心だけでルチアに手を差し伸べた訳じゃあねーんだけどなぁ。
まぁ、お互い損は無いんだから結果的には問題なしだろうけども。」
と、困り笑いしつつこちらは残ったカフェオレの方のプルタブを開けて一口。
■ルチア > 「勿論それを言われればそうなのだけれどね。
でも、誰かの人生では脇役さ。そこら辺はバランスを取るよ。
そう、だから太陽が上る前に寝所が見つかって良かったよ。
……いや、感謝しているんだ本当に。
そう言う経験も無いわけではないけれどね」
勿論冗談やら笑い話として流せるくらいのものであったし、別に不快に思ったわけでもない。
美人だと言われて嬉しくない女性はいないのだから。
それもあって、ありがたくその言葉は受け取った次第。
自信があるかどうかは、神のみぞ知る。
然しながらしれっとながされてしまった矛先には、笑みを深めるばかり。
このくらいの軽い会話が出来る距離感は、好きだ。
「ああ、日当たりは悪い方がありがたいんだ、何せ紫外線に弱いから。
了解だ、心得ておく――、本当、君にはぐうの音も出ないな。
いや、それも含めてきっちりと返すよ。
その時はそれくらいに生活が落ちついたということだから、そうさせて欲しい」
申し訳ないやらありがたいやらで、頭が下がった。
大金ではなくても、これで取り敢えずは食いっぱぐれる事はない。
ここまでしてもらうとなると、本格的に恩を感じてくる。
そもそも彼にそこまでする義理はないのだから、純粋な善意と言ってもいいだろうし。
後は自分次第、と言うのは解る。
何かしら出来ることはあるだろう。
「……いいのかい?
私としては当然助かるが、いや――あ――。
うん、素直に受け取ることにするよ、ありがとう、クシナダ。
本当に、助かった」
ガイドブックを受け取って。
これは多分ここらではそこまで価値のあるモノではないのだろうけれど、それでも一つの導にはなる。
それから勿論、彼のアドレスも。
「そりゃあとびっきりに着飾らないと。
何せ恩人の優越感がかかっている」
なんて、冗談が口にできる位には気分が上がっているのを感じる。
それは多分今はとても必要なものだ。
「それは別にかまわないよ。“今すぐ”対価を要求されても文句は言えないことだけのことはしてもらった。
猶予があるだけ相当に親切だよ。
だから、矢張り礼の言葉は受け取って欲しい。
ありがとう」
自分もブラックの缶を開けつつ、ゆっくりと飲んだ。
違う世界のものなのに、同じ味がした。
■櫛鉈 蛟 > 「アルビノに日光は天敵、だからなぁ…つぅと、昼間はあんまり活動できなくないか?
学園生活とか流石にちと支障が出てきそうな気がしないでもないが。
むしろ、ルチアは口説いてもスルリと交わしそうな気がするがなぁ」
確信は無いがそんなイメージがある。ガードが固い、とは少し違う気はするが。
紫外線については、流石に彼女も幾つか対策は心得てはいるのだと思いたい。
しかし、こうして互いに気兼ねなく話せるのは矢張り楽でいいものだ。
こちらは暇潰しにもなるし、彼女からすれば今後の道標が大まかにでも出来た事だろう。
「そっか。まぁルチアにとっちゃ好都合なのは何よりだが。
別にわざわざ返す必要も……あーうん、分かった。金銭に余裕が出来た時に返してくれりゃいい」
と、最初は断ろうとしたが…相手の意思を尊重してそう言い直した。
そして、彼女の中で男が恩人ポジションなのが確定したようだが…肝心のこの男に自覚はあまり無い。
そもそも、善意とはいえ下心もあるし、それ以前に彼の中の基準でイイ女…美女でなければここまでしない。
野郎だったらここまで親切なんてしないだろうし、美女でなければそれもまた然り。
結局、そのあたりは下心も矢張り十分にあるのだ。
「おーーい、あんまり気合入れて着飾ると食事だけじゃ終わらなくなるぞー…ぶっちゃけホテル連れ込むぞー」
と、笑って言うが、多分本気である。残念ながら親切心はあれど同時に女好きなのだ。
ともあれ、改めての礼を述べられれば別にいいって、と笑って返しただろう。
「ま、取りあえず今回の対価はディナーをご一緒にって事で。
取りあえず、ぼちぼち塒に案内すっから今夜はゆっくり休んだほうがいいぜ。
何だかんだで体の疲れもだけど、突然の異世界で心労も溜まってるだろうしな。」
と、下心もありながらやっぱりお節介焼きというか甘い面が出てしまうのである。
本当に、我ながらイイ女にはかなり弱いと思わざるを得ない。
――今更この気質を治す気も無いが。ともあれ、カフェオレを一息に飲み干して。
「さぁて、じゃあボチボチ行くか?それとも、もうちょいダベってくか?」
■ルチア > 「全く出来ないわけではないからね。
こう、着込んだり何だりで対策自体はちゃんと出来るから。若干不審者だがね。
ふふ、どうだろうか。素敵な男性に本気で口説かれればわからないな」
と、さらっと言う辺りは真偽は不明である。軽い印象をあたえるかガードが堅いと思わせるか。
紫外線については自分の事であるし、対策自体はある程度あるので、それほど問題はない。
軽口の応酬はそれこそ時としてベッドの睦言よりも心地が良いものだ。
実際、彼のお陰で今後の指針は大まかに決まっていた。
「当たらないに越したことはないからね。
うん、すまないね。気を使わせてしまって」
意思を尊重してくれた彼に軽い口調でそう言った。
事実恩人である。とは言え一生恩に着る、と言うわけでもないのだし、そこら辺は軽い。
然しながら貰った分は返さないとな、と思うわけであり。
下心については申告もあったことだし、解ってない、という事はないのだが、そもそも無償の親切のほうが恐ろしいくらいであるので、気にはならないらしい。
まあ、下心を向けられても気にならない程度には、好印象なのは確かだ。
応えるかどうかはまた別として。
「おや、ベッドのある所で抱いてくれるなんて優しいんだな?」
さらっと冗談とも本気ともつかない――冗談じゃなければ恐ろしいのだが――台詞を返しつつ。
まあそれはそれこそその時になってみないと解らないし、
無理強いするタイプでも無さそうなので、口調はどこまでも軽い。
「わかったよ。
うん、ありがとう、助かるよ。
……それは否定しない、取り敢えずゆっくり眠りたい気分なのは確かだ」
やさしいなぁ、といった言葉はからかいか本心か。
此方もコーヒーを飲み干した。
「案内してくれると嬉しい。
話は道中でも出来るしね」
と、言いつつあくびを噛み殺す。
安堵から少しばかりでてきた眠気。
多分塒に付けば、ベッドに突っ伏すようにして眠ってしまうまでそれほど掛からないだろう。
彼がいようがいまいか関わらず)
■櫛鉈 蛟 > 「まぁ、自分の体の事だから、ルチアもそこらはしっかりと対策は考えてるとは思ったけどさ。
って、素敵な男性かぁ。俺には中々に縁遠い言葉だぜ」
と、こちらも軽口を返しつつ笑う。印象としては読めない、という感じだが。
案外、その素敵な男性とやらが本気で口説いたらルチアも流石に墜ちる、という可能性はゼロではあるまい。
ともあれ、何だかんだで彼女の今後にそれなりの貢献が出来たとなれば幸いである。
「別にこのくらい構わねーさ。それに、ちゃんとディナーとっていう見返りもあるんだし」
と、楽しげにこちらも軽い口調で答えようか。無償の親切ほど時として怖いものはない。
そういう観点から見るならば、下心を正直に自己申告してるだけマシ、かもしれない。
ただ、少なくとも悪い印象は抱かれてはいない。男は自惚れでなくそう思った。
「何だ、外でスるのが好みかよ?大胆だな…ま、そん時は寝不足は覚悟しろよ?
イイ女を抱けるんなら、そうそう簡単に解放はしないぜ?」
と、朝チュンコースなのを告げて楽しげに笑っているだろう。
無論、それが本気…だとしても、実際にディナーだけで終わる可能性も濃厚だ。
つまり、結局その時になってみないと分からないのである。
ただ、いきなり彼女に強姦紛いの事をする事は無い。そこは彼女も感じ取っているだろう。
「ま、休息は誰だって必要だしな。と、いう訳でボチボチ行くとすっかぁ。
まぁ、個人的にルチアの具体的な素性とか色々と興味はあっけど。
そこはまぁ、また次の機会の楽しみに取っておくかな」
等と笑いながら述べつつ。飲み干した空き缶は近くの缶用のゴミ箱にダストシュートしておく。
「さて、じゃあ行きますかねぇ」
そして、ルチアを促して塒まで案内しようか。多分、塒に着いたら彼女はベッドでダウンしてしまうだろう。
もし、彼女がそのまま直ぐに完全に眠りに落ちてしまったのなら。
「…ようこそ常世島へ、なんてな」
と、口にしながら彼女の頭を緩く撫でてから出て行くだろう。
■ルチア > 「まあ体質だからね。不便といえば不便だが仕方がないよ。
なぁに、ヒーローの素質がある位だから問題ないさ」
先程の話を蒸し返しつつ。
どうとでもとれるし、流せてしまえる程度の口調の軽さ。
要するに言葉遊びの範疇なのである。
取り敢えず明日から動かないとなぁ、なんて口にしながら。
「遠慮なく甘えさせてもらうよ。
見返りが軽すぎる気がしないでもないがね」
ディナーを一緒に、は要求としては相当に軽いと思うのだが、甘えることにして。
無償ではないし、下心もある。
その程度の方が気が楽だし、警戒もしなくていいので此方としても悪いことではなかった。
「まあ外でも構わない質ではあるけれど――まあ朝日が差し込む前までならお相手するさ。
楽しませてくれたまえ?」
挑発というにはあまりに軽すぎる口調で言葉を口にしながら。
これまた言葉遊びの範疇であり、嘘になっても真になってもそれはそれで、ということなのかもしれない。
何にせよ、全ては未来に委ねられている。
当然、強姦されるなんてことは思っていない。
信頼していると言えばそうなのだ。
「具体的な素性、と言われるとどこからどこまで、を指すのかが少々迷うな。
そうだな、秘密の多い女性は魅力的だということだし
そうだな。よろしく頼む」
自分も空き缶は同じように捨てた。
塒に付いてから、あっという間に枕に顔を埋めて眠ってしまったから。
口にされた言葉も手のひらの感触も気づかなかったけれど、
小さく唸るように声を、一つ落とした)
ご案内:「歓楽街」からルチアさんが去りました。
ご案内:「歓楽街」から櫛鉈 蛟さんが去りました。