2016/10/08 のログ
ヨキ > それから深夜まで遊興は続いたらしい。
学生と笑い合い、共にゲームで盛り上がり、知らぬ者と連絡先の交換をして、和やかに別れる。
そんな刹那的な愉しみの繰り返し。

そして。
不意に擦れ違った学生のグループへ、ヨキが静かに振り返る。

「……………………、」

リーダー格の身なり。取り巻きの顔触れ。会話の内容。交わされる符号。
それまで人懐こく柔らかだったヨキの眼差しに、ふと獣の怜悧さが過った。

細めた目の奥で、どこまでも深い青だけが雄弁だった――“見つけた”。
正規の学生との格闘ゲームの次は、違反学生を相手取った、ゲームでない格闘の時間だ。

――視線を感じてグループが振り返った空間には、誰も居ない。

ヨキ > その日を境に、街で悪さをしていた集団のひとつが忽然と姿を消す。
獣であった時分から、人間に成り代わった今の今まで、密やかに続いてきたヨキの“雑用”。

すべては些事にして不可欠。

秋めく空気の冴えと共に、穏やかな日々が続く。

ご案内:「歓楽街」からヨキさんが去りました。