2016/11/16 のログ
ご案内:「歓楽街」にギルバートさんが現れました。
■ギルバート > 『歓楽街イベントスペース』
ご案内:「歓楽街」に竹村浩二さんが現れました。
■ギルバート > 「えーでは、本日は特別対策部の公開集団面接を始めます。
まず華々しい活躍をしたい! っていうのは、風紀委員へ行ってくれ。
うちはそういうのはやりません。裏方の細々とした事象を取り扱います。
だがご存知の通り部費は出るし、公的な証明書にもなる。」
オープンスペースの寒空の下。一攫千金を夢見た二級学生やら、自称正義の一年生やらがわんさか。
長机に座る男はギルバート・レイネス。部長だ。
「みんなー、銭が欲しいかー!」
「「「「オーッ!!!」」」」
「毎日あったかいメシが喰いたいかー!」
「「「「オーッ!!!」」」」
「よろしい。では始めます。」
■竹村浩二 >
「お、おー……」
若者達の中に混じって弱々しく声を上げる26歳用務員。
その声が裏返っていたからか、あるいは一人だけ歳がアレなのか。
周囲五人くらいから視線が集まる。
が、すぐに視線を外された。そのほうが助かるがちょっと空しい。
「やべ、店主と常連が話してる喫茶店みたいなアウェー感……」
椅子が狭く感じた。
■ギルバート > 「はい、じゃあそこの前列の、はい君。特技は?」
「はい! 全身からすごい臭いを出せます!
巨竜だって屠ってやりますよ!!」
「じゃあその隣の君は?」
「俺様は喧嘩五万段! 生涯最強絶対無敵!」
「わあちせいがない……。
はい、君たち二人は帰ってね。」
控えていた黒服の男たちは仕事が早い。
■竹村浩二 >
すごい。帰らされた二人すごい。
これほどの短時間で集団面接からアウトされる経験なんてそう積めるものではない。
でもこれからの人生、そんなこともあるよ。
Int足りなさそうだもん。
■ギルバート > 「ええと次はそこの君と君と君。先に相手を笑わせた人だけが残ってください。
ああそっちはもう帰っていいですよ。だって70過ぎて部活動は勘弁してくれ! 管理責任が重すぎる!!」
老人を追い返すハイティーン。
ただ年収は老人の500%ほどは軽く超えていた。
そういう部活なので、ワンチャンかけてロクデナシが山ほど来ているのです。
「んで次はー……ああ? 竹村おじさん? おじさん生徒でしたっけ……?」
■竹村浩二 >
ご老人は残念そうだ。
だがその歳で無念を残すのは勘弁してもらいたい。
最期を看取る人がかわいそうだ。
とか考えていたら声をかけられた。
「26歳です……まだおじさんじゃないっす…」
これはもうダメかも、という感じに視線を彷徨わせながら答える。
「用務員だけど入りたいんだ、頼むよ」
「決してふざけているわけでも記念に面接を受けに来たわけでもない」
■ギルバート > 「じゃあ用務員の給料だけではやっていけず……?」
■竹村浩二 > 「あのな……100パーセント金目当てだと思ってないか?」
ご案内:「歓楽街」に大河さんが現れました。
■ギルバート > 「うちには婚期に焦った女性部員もいませんよ。」
■竹村浩二 > 「婚活の一環でもねーから!!」
頭をガリガリ掻いた。
「俺だって正しいことをやって生活していけるならそれにこしたことはねぇと思ってるんです、ガチに」
■大河 > 竹村が丁度面接に入り始めたそのとき、全身の関節がいくらか増えた亜人と、全身べこべこにへこんだ鉄の塊のような
男を引きずった、目つきの悪い男が別室から出てくる。
「腕に自身ありって言うなら、もうちょい足掻いてみせろ。」
弱々しく助けを求める二人を蹴りだすと、竹村の方を見て
首の骨を鳴らす。
「で、次はどいつが俺の面接担当だ、そこのおっさんか」
竹村を見る目は果てしなく冷たい。
■ギルバート > 「えぇ……。」
長机に頬杖。ほつれたマフラーがだらり。
「じゃあ特技聞きますよ……特技。トイレを綺麗に磨く以外のもので。」
■ギルバート > 「大河お前ね、その人怒らせると部室の水道詰まったとき完全に終わりだぞ。
用務員さんの中の用務員さん、竹村浩二を知らないなんてどの世界で生きてきたんだ。」
■竹村浩二 >
「だから俺はおっさんじゃ………」
勢いよく振り返る。
そこにいたのは、恐ろしい目つきの人。
「ど、どうも。おっさんです………」
視線を外した。
人の目をまともに見れない系用務員である。
「俺、用務員の中の用務員って言われてたの? 知らない間に?」
すごい環境だ。自分の語彙が尽きるくらいに。すごい。
「ええと、特技はだな……」
右手を開くと、その中にジッポー。
次に煙草の箱。
次に水道管用の工具箱が何もない空間から出てくる。
「こう」
■ギルバート > 「あっすごい。」
■大河 > 「知らねえもんは知らねえ、水道なんて叩けば直るんじゃねえの。」
力技で何とかしてきた男の生き方がよくわかる答えを返しながら
「手品か?」
身も蓋も無い感想を返す。
■ギルバート > 「お前が住んでた廃墟みたいな雑居ビルと一緒にするなよ……うちの部室棟はハイテク技術の塊だぞ。
瞬間沸騰で風呂もオートで用意してくれるんだからな。ったく。お前もINT2属か。」
■竹村浩二 >
「叩いて直る水道があるなら用務員は用なしだよ……これは異能」
それが人口異能であることは隠しながら答える。
「ポケットディメンション。小型車くれーのものなら異世界に隠しておける」
「特別対策部の仕事なら便利っしょ」
■ギルバート > 「それで竹村さん、オレ思ったんですよ。
用務員……天職じゃないですか? そのポケットビスケッツ。
いや便利ではありますけど。」
■大河 > 「なんだINT2って、暗号か?」
男は戦い以外に関してはかなり残念な人であった。
「へー、車が入るぐらいなら割と色んなモンはいるなブラックビスケッツ。
まともに戦力になるなら俺はいいと思うけどな。」
異能の便利さに関心を示したのか、割といい反応を示すチンピラ。
■竹村浩二 >
「ポケットディメンションだっての。なんだその古代のバンド名」
深く重い溜息を吐いた。。
「確かに用務員なら便利だ、見ての通り工具箱やら掃除道具やら持ち運び自由」
「だが俺もそこそこ鍛えてて、ちょっと戦闘ができて、正しいことに興味がある」
「それが志望理由だ」
「だからポケットディメンショ……ブラビは掠ってすらいねぇ!」
「生ものの長期保存は無理だがな。隠しておきたいものを隠しておけるし、物資の持ち運びにも使ってもらって構わない」
■ギルバート > 「なるほど。そこまで具体案があればまあ。しかし先輩であっても学生でもなければ教師でもないからな……。
いいでしょう。特別顧問ってポストでよければ。近日中にご用意します。
大河はそれでいいか?」
■大河 > 「俺はかまわねえぜ。ま、これからよろしくなおっさん。ところで…」
竹村に肩を回し、ひそひそ声で
「それ、人間とかしまったりもできるか?授業一回分の時間ぐらい」
私欲全開の質問を投げかけた。
■竹村浩二 > 「本当か、じゃあ今後よろしく頼……」
大河に顔を近づけられるとキョドった。
大河が嫌いなんじゃない。全人類が苦手なんだ。
「俺が生きてると認識しているものは無理なんだ……」
一体何をやらせようとしているのか。
不安が募る。
■ギルバート > 残りの面接待ちをしまうことはできないのだなあと、残念そうな顔
■大河 > 「んだよ、サボって隠れるのにはつかえねえか…」
ギルバートに見抜かれていた事も相まって、不機嫌そうに舌打ちする。
「で、はれて部員…部員?一人ゲットしたが、どうする、まだやんのか?」
廊下の向こうには未だ衣食住を求める者達による、長蛇の列。
■竹村浩二 > ……ひょっとして枠って一名だったのだろうか。
だとしたら怖くて後ろの面接待ちを見れない。
■ギルバート > 「ええ? あー……じゃあ、経歴書持参の方はご提出の上、お帰りください。
残りの方はこちらの極悪人の面構え、大河くんを倒したら入部とします。
さあ何人でもいいぞ。一度にでもいい。ほら。そこの君と君。君はどうだ? 怖いか?
じゃあお帰りはあちらだよ。うわー、君は参戦しちゃうかあ。そうかあ……。」
参戦表明三十数名分。これ好機とばかりに一斉に大河へと飛び掛かった。
直後、数多の希望が一瞬で潰えたのは言うまでもない。
■ギルバート > 「暴力装置は楽でいいな……。」
そんな、初冬の日の出来事。
ご案内:「歓楽街」からギルバートさんが去りました。
ご案内:「歓楽街」から竹村浩二さんが去りました。
■大河 > その後納得が行かない連中と存分に面接して楽しんだ、後で建物直す人にめっちゃ怒られた。
ご案内:「歓楽街」から大河さんが去りました。