2016/12/31 のログ
ご案内:「歓楽街」にセシルさんが現れました。
セシル > 「クリスマス休暇」やら「年末年始」やらで、この世界にルーツを持つ者達が少なからず帰省するこの時期。
それでも、警邏は必要だ。帰省出来ないなりに年を越す文化を楽しもうという者達が羽目を外しすぎるのも良くないし、何より、警邏が手薄になった中で「何か」が起こってはたまらない。
この島にしか寄る辺の無いような「異邦人」たるセシルにとっては、それなりに切実な問題であった。

というわけで、鍛錬やら冬期休業中の課題やらの合間を縫って、セシルは積極的に警邏の任務を引き受けていた。
風紀委員の制服を、軽く胸を張ったきりっとした姿勢で着こなし、堂々と黄昏時の歓楽街を歩く。

セシル > (…今のところ、この辺りに目立った異状はなさそうか)

先頃、落第街のとある区域で、薬物中毒者による襲撃事件が起こった。
薬物汚染がこの辺りにまで広がっていれば問題だと思ったが、今のところ目立った気配はないようだ。

(…そういうのを探るのは、得意ではないんだがな…)

セシルは、自分のアイデンティティを「剣士」に置く姿勢を変えていないし、元の世界に帰ることを諦めていない現状、変える気もなかった。

そして、その状態で、住民の自由な経済活動に根拠なく踏み込むような姿勢を取ることを、セシルはあまり良しとしていない。
「校則違反が懸念される事態」「被害が発生しそうな状態」が確認出来ない段階で自らの力を振るうことを、セシルは望ましくないこととして捉えていた。

セシル > 事件について調べたり、証言を集めるのを試みたりするのは、刑事課や…あるいは公安の仕事だ。
彼ら彼女らは捜査・調査のプロであるのだからして、セシルなどでは到底及ばないような発想や手際の元、調査を進めていることだろう。

(…私は、私に出来ることをするだけだな)

セシルは組織の1つの駒でしかない。頭を使うような駒でもない。
セシルに出来るのは、こうして睨みを利かせながら治安の引き締めを図ること。そして、介入すべき場所で、適切に介入して被害の発生を抑えることだけだ。

セシル > この一週間は、落第街の警邏も多くなる。

(…せめて、手の届く範囲では、事態を収めなくては)

そんなことを考えながら、セシルは暗くなりつつある空の下、歓楽街の通りを歩いていった。

ご案内:「歓楽街」からセシルさんが去りました。