2015/06/09 のログ
ご案内:「落第街大通り」に東郷月新さんが現れました。
■東郷月新 > ずるずると蕎麦をすすっている。
この男、完ぺきなお尋ね者のはずなのに、そんな事を微塵も感じさせない。
今はこの一杯のかけ蕎麦が何よりも重要なのだ。
「お代わりをお願いします」
――今、二杯になったけど。
■東郷月新 > しかし、これからどうしよう。
ロストサインは壊滅したし、行く宛ても無い。
グランドマスターに恩義はあるが、それ以外の連中の為に働く気もない。
なにより、組織とかいうものは苦手だ。
「――なるようにしか、なりませんかなぁ」
■東郷月新 > まぁ、この常世島をぶらつきながら考えるとしよう。
風の向くまま、気の向くまま。
どうせそのうち殺されるか、野垂れ死ぬだろうから。
それまで、精々自由を謳歌し、好きな人斬りをするとしよう。
「――にしても、平和になりましたなぁ」
ご案内:「落第街大通り」にソラさんが現れました。
■ソラ > 落第街大通り。
街並みに似つかわしくない金髪の少年が くるくると踊るように回りながら歩いている。
■東郷月新 > 昔はこの落第街、もっと喧騒が絶えなかった。
ロストサイン全盛期には、一般生徒など見た瞬間強盗の餌食だったのだ。
それに比べれば、なんと穏やかになった事か。
「いかんですなぁ、それでは小生がつまらない」
■ソラ > 服装は白のワンピースに裸足。
路面の石やらなんやら踏んづけているように見える。
傍目にはかなり痛そうだが本人は気にした様子もなく 笑顔だ。
■東郷月新 > ふっとやってきた少女を見る。
あんな少年が居ても、襲う人間も攫う人間もいない。
まったく、ここの連中は何故こんな腑抜けてしまったのか。
斬る気も失せる。
「店主殿、お代わりを」
■ソラ > しばらく歩いていると ガラの悪い大人に声をかけられた様子。
飴玉を差し出されてほいほいと何処かへ着いて行く。
■東郷月新 > ちらりと少年を見やる。
どうやらどこかへ連れていかれそうだ。
うむ、それでこそ落第街。
その治安の悪さ、混沌こそ、この男の望むものである。
「いやいや、運が無かったですなぁ、少年」
■ソラ > そのまま路地裏に連れ込まれて 少年は視界から消えていった。
ご案内:「落第街大通り」からソラさんが去りました。
■東郷月新 > まったくもって気にしない男。
そこらへん、この男も違法部活に居た男である。
しかし、今は蕎麦だ。
「店主殿、蕎麦湯をお願いいたす」
■東郷月新 > 美味そうに蕎麦湯をすする。
和装なので様になるが、まったく暢気に見える。
落第街の喧騒の中では、不気味な巨大な二刀のみが違和感を出しているだろうか。
■東郷月新 > 「しかし、宿などが面倒ですなぁ。
ウィルマース殿が居てくれれば便利なのですが」
かつての同僚を思い出す。
ロストサイン時代の、8人のマスター達……
ロクな奴がいなかった。
■東郷月新 > 「……いやまぁ、ウィルマース殿にはお世話になりましたが」
うんと頷く。
一人くらいはまともな奴がいた。裏切り者だったけど。
そう考えると、本当ロクな奴が居ない。
自分も含めてだが。
壊滅して正解だったんじゃないか、あの組織?
■東郷月新 > 「店主、馳走になりました」
会計を済ませ、立ち上がる。
さて、そろそろ金も心もとない、どうするか。
風の向くまま、気の向くまま、か。
ご案内:「落第街大通り」から東郷月新さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」に湖城惣一さんが現れました。
■湖城惣一 > 入れ違いに、貧血気味の剣士が蕎麦屋へ現れた。血だ、血が足りていない。
「主人、そばを三杯天ぷらはオススメの物を適当に大量に」
席に腰掛けながらそう注文する。店主の勢いのいい返答を聞きながら、ゆっくりとあたりを見回した。
――嫌な気配だ。一悶着はないまでも、不吉の風が僅かに漂っている。
■湖城惣一 > 思案げに顎を撫でた。いかほどのものかは分からないが、やはり、昨今のトラブルは前年の比ではない……気がする。
いずれにせよ、関わりあいになるなら体力が必要だ。補給をせねばならない。
蕎麦を待って、ひとまず水を啜る。
思ったより水の具合がいい。落第街にしては上出来だ。
■湖城惣一 > 蕎麦と天ぷらが目の前に置かれると、小さく唸る。
しまった、"かけ"のつもりだったが"ざる"だった。
どちらかといえば、かけそばのつゆに天ぷらを浸したい派であった男は、やむを得ず天ぷらに塩をふりかける。
■湖城惣一 > 口に運べばさくりとした食感が返る。
店主のオススメはいわゆるかしわの天ぷら――要するに鶏肉だ。
落第街ならば、肉の需要は高かろう。
肉も思っていたより柔らかく、噛んでいると、肉と衣の油が、じんわりと口の中に広がっていく。
■湖城惣一 > 少々油がキツいようにも思えるが、食べ盛りの生徒たちには上等だろう。
お次は主役である蕎麦である。
つゆに半分ほど麺を浸して、一気にすする。
「これは……」
■湖城惣一 > ――実に見事な十人並み。
麺はおそらく一般流通している出来合いのもの。
茹で過ぎたのか、やや伸びてコシがない。
つゆもまた、特に工夫もないもので驚きはない。
「……ふむ」
これならば、薬味のネギを入れるのはやめておこう。あまり上手い結果にはなるまい。
■湖城惣一 > 「む」
致し方なし。かしわ天をゆっくりと片付けていると、その奥には別の天ぷらが眠っていた。ちくわの磯辺揚げだ。
おそらくこれも手作りというわけではあるまい。
軽く息を吐いてから口に放り込んだ。
「……美味い」
おそらく、自家製だ。周囲を海に囲まれているだけあって、確かに海産物はよく獲れる。
魚の甘みと、海苔の香りがほどよく混ざり鼻を抜けていく。
噛めば噛むほど甘みは増し、
口の中でおおよそ原型を留めぬほど噛み続ける湖城のスタイルにも相性は良い。
――この店主、蕎麦屋よりも天ぷら屋のほうが向いているのではなかろうか?
■湖城惣一 > 「…………うむ。馳走になった」
たっぷり一時間はかけただろうか。
蕎麦も天ぷらも十分に満喫した。
会計を済ませてゆっくりと立ち上がる。
さて、次はどこへ向かうべきか……。
思案しながら、ゆっくりと歩いて行った、
ご案内:「落第街大通り」から湖城惣一さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」に設楽 透さんが現れました。
■設楽 透 > 「ふーんふーん、ふん、ふふふ、ふーん」
「えっと、」
「これは何年頃に流行った歌だったかな」
【数十年前に流行ったというサブカルソングを鼻歌しながら大通りを往く】
【治安の悪い場所にはあまりにも似つかわしくないほど気楽に、】
【まるで自分の家の庭を歩くかのような足取りだ】
■設楽 透 > 「しかしまあ、」
「本当に、」
「いつ来ても殺伐としたところだねえ、この辺は」
【それでも人は居る】
【ならば設楽 透にとって、】
【足を運ぶ理由は十分だし、】
【足を運ばない理由は無い】
■設楽 透 > 「さて、」
「……何しに来たんだっけ。」
【確か目的は幾つかあった筈である】
【しかしまず寮からここまでの間に見かけた女の子に声を掛け、】
【女の子に声を掛け、】
【女の子とお茶して、】
【また女の子に声を掛け、】
【何気ない立ち話などをし、】
【女の子に声を掛け、】
【そして女の子に声を掛けたりなんかしてる間に忘れてしまっていた】
■設楽 透 > 「ここまで目的を忘れてるとなると、」
「多分男関係のことだと思うんだけど……」
【気乗りしない事は大抵忘れる】
【それが設楽 透、三年生】
■設楽 透 > 「んまあ、良いや」
「そのうち思い出すでしょ」
「そういや最近食レポ書いてないなあ」
「色々立て込んでたから、ついついそっちを優先しちゃった」
「今度異邦人街の方で何か美味しいお店無いか聞いてみようっと」
【人が集まる場所には自然と話も集まるものである】
【設楽は自分の趣味と実益の為に、】
【グルメレポートをSNSにて不定期更新していたりする】
【評判の程は興味が無いのでもっぱら書いて放置が常だが】
■設楽 透 > 「そういえば」
【この辺りにもひそかな人気を持つ蕎麦屋があるらしい】
【そんな話を聞いた気がする】
「まあ、大抵蕎麦屋ラーメン屋なんてのは」
「何処の地区にも一件か二件美味しい所があるもんだけど。」
■設楽 透 > 「気が向いたら行ってみるか」
「けど落第街じゃなあ……」
「食レポは上げられそうにないねえ」
【物好きな生徒は来るかもしれないが】
【それでもこの地域に人を呼び込むのは】
【平時には避けたいところだ】
ご案内:「落第街大通り」に園刃 華霧さんが現れました。
■園刃 華霧 > 「しっかしまあ、でかい事件の後だしなー。流石にこの辺もおとなしいモンだよナー。
それならアタシとしては、のんびりと散歩気分でも味わいたいトコだけど」
ぶらぶらと歩きながら、ガリ、とコンクリートの塊を口にする。
日課のパトロール……といえば聞こえはいいが、半分はサボりと趣味、みたいなものである。
なにか面白いことがあればよし、なければ、まあ体裁を保ちつつサボれるわけだ。
そんなわけで、見ようによっては暇を持て余した肉食動物が獲物を求めて歩き回っているようにも見えるかもしれない。
■設楽 透 > 「おや?」
【目的を探して周囲を見回した先に女性との影が映る】
(あれは、風紀委員の……)
【場所が場所だけに風紀委員や公安委員の見回りが行われているのは知ってはいたが、】
【こうして実際にお目に掛かれると珍しい物に遭遇した気分になる】
「うん、やっぱりこういうところにも花は咲いて然るべきだね。」
【軽やかな足取りで、そちらへと向かう】
■園刃 華霧 > 「うん、よし!本日の報告は、異常なし、とかでいいかナ。
さて、それじゃどっか適当なトコで休むかネー」
ふぁ、と早速のんきなあくびをする。
場所はまあ、本当に適当に選べばいいのである。
といっても、威光でどうとかする気はあまりない。
いっそ無防備に襲ってください、みたいな風情の方が面白いネタが湧いてくるだろうか……などと思案する。
■設楽 透 > 「やあ、園刃ちゃんだよね。」
「風紀委員のお勤めご苦労様、」
「こんな所まで、大変だねえ」
【欠伸をするその背後から、】
【剣呑な場所とは無縁そうな気楽な声が掛かる】
■園刃 華霧 > 「んぅ……?」
声をかけられれば、流石に振り向く。
思わず視界に入った男の顔をマジマジと見つめる。
「あ、あー……んー、なんか見覚えがある気はするんだけど、誰だっケ?
アタシ、頭悪くてなかなか人の顔覚えないんだヨ」
んん?と首をひねって考えこんだ。
■設楽 透 > 「ああ、」
「僕は三年の設楽 透といいます。」
「気軽に設楽先輩って呼んでくれて良いよ」
【自分の胸に手を当て、】
【普段通り、人の好さそうな笑みを浮かべる】
【物騒な地区に不釣り合いに華奢な体躯と端正な顔だった】
■園刃 華霧 > 「設楽……設楽……あー、なンか思い出した。
ナンパ男だとか聞いた覚えがあるナ」
おーおー、とだいぶ失礼な物言いをするが、どうも素らしい。
「で、その優男さんは『こんな所』でなにしてンのサ。
アタシみたいなオツトメならともかく、
一般生徒がほいほい来るところじゃないだロ?
それとも……なんか職務質問しなきゃいけない系かネ
■設楽 透 > 「はは、随分な風評も広がってるもんだ」
「まあ頭ごなしに否定できる訳でも無いけれど」
【苦笑しながら、人差し指で頬をかく】
【何をしているのか、と問われれば困った様に】
「いやー、何かするつもりで来たんだけどね」
「来る間にすっかり忘れちゃってさ」
「何しようか考えてたところで、」
「可愛い子を見かけたんで声を掛けようかと思って。」
【やましい事は何もしてないよ、】
【そう言って朗らかに笑った】
■園刃 華霧 > 「否定は出来ないワケな。
風紀的には、あんま変なことしてるとぶっ飛ばしてもいいンじゃないかって気がするケド……
まー、いいサ。そんなの取り締まるのはアタシの仕事じゃないシ。」
面白くもない、と付け足す。
「は? おいおいおい、優男さん。
目的を忘れました、とか。悪いケド、それどう聞いても胡散臭いぞ?
その上、なんだ。アタシにナンパ? いい度胸してるナー」
呆れたな、と表情からして完全に呆れた顔になる。
「んじゃ、いっそ二人っきりのドキドキ尋問コースでもするカ?
まー、正直面倒だから本気でやる気はないケドさ」
■設楽 透 > 「あくまで声を掛けてお茶してるってだけで、」
「目に見えて風紀を乱してる訳でもないんだけどね。」
「まあ、どう思ってるかは各個人に委ねる主義だし。」
【要するに風評はさほど気にしない性質、らしい】
【呆れ顔をにこにこと眺めながら】
「胡散臭いとは言うけど、」
「元々ナンパ目的でこんなとこ来る方がよっぽどだぜ?」
「それが今こうしてるわけなんだから、」
「そこそこ信憑性はあると思わないかな?」
「君みたいな可愛い子に尋問されるのも良いけど、」
「どうせならもうちょっと華のある話をしたいものだね。」
■園刃 華霧 > 「まあジッサイ無理矢理襲ってル、とかそんなでもなけりゃ、流石にしょっぴけもしないだろーナー。
別に人の主義をどうこう云うきはないケド、どっかで悪い噂流れてモいいのかネ。
まー、だいそれたことでもしてなきゃ、早々酷い噂も流れないだろーケド。
……って、考えてみりゃ、あんま人のコト、言えないカ。」
ふと、自分のことを考えてみる。
まあわざとやってる面があるとはいえ、公衆の面前で噂になるようなことをしてる自覚はある。
「こんなトコにナンパ目的で来てるとしたら、医者にいくことを進めたいネー。
まあ史上最大の馬鹿としてギネスブックだかに載せれるか聞いてみるのもアリかもナ。
で、更にマジで本気でナンパする気かネ……
……いや、っていうかまさかホントにナンパ目的で来たんじゃないだろうナ……?」
マジか?という顔をして見つめる。
■設楽 透 > 「無理やりってのは好きじゃないんだよ、僕も」
「悪い噂も良い噂も、所詮は噂さ。」
「人の噂も何とやら、ってね」
「自然と消えていくものだから気にしても仕方が無いさ」
【好んで『噂の発信元』になる事もあるこの男は】
【思っても無いような事を笑顔で平然と言ってのける事がある】
「はは、史上最大の馬鹿とは文字通り大きく来たね」
「まあでも、」
「それで君に名前を憶えて貰えるなら、悪くないかもしれない。」
【そもそもこの男にナンパを目的にするという考えは無い】
【訪問先でお茶を出されたらとりあえず手をつける様に、】
【異性が居ればまず声を掛ける。】
【それがこの男にとっての『普通』なのだ】
■園刃 華霧 > 「んー……なるほど、ナ……
ある意味徹底してるワケだ、この優男様は」
そこで、ポケットから取り出したボトルの中身を口にする。
やや強い刺激臭。多少離れていてもわかるかもしれない。
匂いの正体もまた、ありふれていて分かる人にはすぐわかるだろう。ガソリンだ。
「まー、いいヤ。もしあんたがなんか悪巧みしてよーが、こうして話してる間は何もしようが無いってワケで。
アタシは、一応それなりに仕事ができてる名目は立つわけダ。
でも、正直、そいつはつまらない。アタシはつまらないことは好きじゃなイ。」
わかるかい、と語りかける。
■設楽 透 > 「だってねえ、」
「無理やりな事をして女の子に嫌な顔されるのって嫌だし。」
「やっぱり女の子は笑顔じゃないと」
【ガソリンには気づいたが、特に反応するそぶりは見せない】
【相手の顔と名前以外にも知ってる事があるのだろう、】
【にこにこと、笑みを浮かべているだけである】
「だから何も企んじゃいないし」
「企んだところで実行する力もないさ」
「つまらないって言われたところで、」
「自慢じゃないけど僕は学園一荒事と無縁の男だぜ?」
【本当に何の自慢にもならない様な事を自慢げにのたまう】
■園刃 華霧 > 「んー……まー、頭の悪いアタシでも多少、アンタのことは分かったケドさ。」
やや様子を伺ったが、まるで変化がない。
自分の悪食はそれなりに知られているだろうが、面と向かってされれば何がしかの反応をする方が多いのに、だ。
やれやれ、なに考えてるかわかりにくいっていう手合は一番面倒なんだよなー。
最近、そんなのばっかりな気がする、と心でぼやく。
「別に、荒事だけが企みじゃないだロ。
アタシみたいな頭悪い奴からすれば、頭脳労働する奴は厄介なんだヨ。
で、アンタがそういう手合でない保証はないワケだ。
……ま、今んトコ疑う理由もないケドな。」
やれやれ、と肩をすくめる。
「で、それだヨ。アタシとしては、このふんわりした会話は面倒なワケだ……
更に、アンタは何も企んでない、と、そんなことを言ってるわけだ。」
割と大雑把に、そして、身も蓋もなく本音をはく。
「だからまあ、そこの辺りのホントのトコがどうなのか、とかいうのはまあ置いておくとして。
んで、じゃあ目的も忘れたアンタは当面、どうするつもりなんだ?」
■設楽 透 > 「おや、それは嬉しいなあ」
「なるべく誰にでも分かり易い人となりを心がけようと思ってるからね」
「それでなくても先輩っていう立場は敬遠されがちだからさ」
【肩も凝るんだよね、と笑いながら軽く腕を回す】
【実際のところこの男何も考えてはいないのだが】
【どうにも警戒されているらしい、というのは薄々勘付いていた】
「まあ、確かに」
「でも本当に何も企んじゃ居ないさ。」
「可愛い子に声を掛けて、他愛無いお喋りをしてる」
「それだけでまあ、満足だからね」
【吐かれた本音に肩を竦めて】
【それは申し訳ないね、と思ってもいない謝罪を口にする】
「当面、ねえ……」
「特にこれと言って考えてるわけじゃないんだけどさ」
「まあ、この辺ぶらぶらしたら適当なとこに行こうかなって」
■園刃 華霧 > 「まー、わかったって言ってモ、よくわからン人だってことがよくわかったってことだけどナ」
相変わらず身も蓋もない言いようであった。
が、正直な気持ちなのだから、やむをえまい。
「正直な所、アンタを此処でボコって『とりあえず不審者っぽかった』とか報告するのもアリなんだけどなー。
それはそれで面倒くさい。マジで」
とんだ不良風紀もあったものである。
「だもんで、とりあえず真に受けて考えるわけだケド……
はいはい、目的を見失ったから適当に歩きまわるってワケだ。
まー、そンなもんか……」
そういえばさっきの自分がそうだったっけか、とか思い出しながら。
「このまま開放して、サヨナラすんのもアリかなとは思うんだけどナ。
ちょっと、それはそれで悔しイ。
なわけで、いくつか他愛のない話でもするかね。
つーか、まずアタシはその辺の心理がイマイチよくわからないンだけどさ。
何を話すでもない会話って、楽しいモンなのか?」
■設楽 透 > 「あらら」
「よく分かんないかなぁ‥…」
【流石にちょっとショックだったのか肩を落とし溜息、】
【しかしまあ良いかとすぐに開き直るのだが】
「まあ、それが出来るならね。」
「突き出されたところで、」
「それなりに顔の広い方だからさ、僕」
【在学歴だけは無駄に長い故だろう】
【もちろん風紀委員にも旧知の仲は居る】
「そんなもんだよ」
「どうしようか考えてるところで君が居て」
「可愛かったから声を掛けた、ってさっきから言ってるじゃない」
【そこに何の不都合も無いだろう、と言いたげに笑みを浮かべている】
「なるほどね。」
「楽しい楽しくないは人それぞれじゃないかな」
「僕としては楽しいけど、」
「園刃ちゃんが楽しくないと思うなら、まあそれも仕方ないよね……」
■園刃 華霧 > 「ん?なんだ、割と普通に感情はあるンだな。
ようやっと少しだけ親近感湧いたかナ」
へー、と。感心したような声をあげる。
「うわー……それって、アタシが上から叱られるパターンかヨー……
やンなくてよかった。面白くもないことになるトコだったなー」
げそっとした表情を取る。
「なるほど、それがナンパ男の思考パターンってヤツか。
アタシに声をかけるなんて珍しい人種に会ったこともないシ、覚えておこうかナ。
ちょっとソレは面白かった。」
ケタケタと笑った。
「気にシない気シない。センパイさん。アタシはそういうのを聞く方が面白いんだシ。
ジッサイ、いまちょっと面白い話が出たし、捨てたモンじゃないかもネ。
アタシとしては、うわさ話とかの方が楽しくはあるンだけどサ。 」
■設楽 透 > 「えっ、そこから……?」
「一応僕だって人間だから、」
「喜怒哀楽くらい持ち合わせてるぜ」
【周囲にどう思われてるのか少しだけ気になってしまった】
【捕え所がない、ならまだしも感情が無いと思われるのは流石に戸惑うらしい】
「ははは、まあ少なくとも僕もお説教はされるんだけどね」
「誤解を招く様な事はしないでください、って佐伯ちゃんとかに。」
【まあ次から気を付ければ良いさ、と何の慰めにもならない言葉を掛ける】
「ナンパする子の皆がそうとは言わないけどねえ」
「へえ、園刃ちゃんナンパされないの?」
「見た感じ可愛いのに、意外だなあ」
【少しオーバー気味に感嘆して見せる】
「ああ、そう?」
「それなら良かった」
「やっぱり時間を貰って話し相手になって貰う以上、」
「それなりに楽しんでもらわないと、って思うからさ。」
■園刃 華霧 > 「へらへらへらへら笑ってばっかジャン?
ホントに笑ってンのか、笑ってるフリなのか、イマイチわっかンないんだよネ」
本人に悪気はないのだろうが、割と直球の感想を寄せた。
どうにも歯に衣着せぬ部分があるのだろうか。
「あー、佐伯ちゃんネー……そりゃ怒るだろーネー……
ていうか、アタシも怒られたくなイ」
おー、やだやだ、と大げさに身震いする。
「少なくとも、目の前でガソリン飲まれて引かないのはセンパイさんが初めてな気はするヨ。
大体そこでアウト。むしろ、センパイさんが引かないっていう方が不思議なンだケド。
なんなノ? 変な趣味とかアルの?」
自分が曲がりなりにも褒められていたのに酷い言い方だな、とは思ったが、割と純粋に疑問だったのだ。
別にナンパされたいわけでもないが、一体どういう思考なんだろう、この人物。
「アタシは、人間の中身とかノ方が好きだからネー。
だかラ、さっきみたいな話とか、噂話とかは大好きなのサ」
■設楽 透 > 「真顔で話しかけられるよりはマシでしょう?」
「流石に笑いたくない時に笑うほど道化じゃないよ。」
【面白い事を言う子だなあ、と微笑ましく思いながらも答える】
「淡々としてるから、心に来るんだよねえ。」
「いっその事目くじら立てて怒ってくれる方が可愛げもあるのにさ。」
【再び肩を落として愚痴をこぼす】
「まあ、長い事この学校に居るとさ」
「色んな子と会うし、その能力を見る機会も多いからね」
「ガソリン飲むくらいじゃ驚かないさ」
「ロボットだって居るくらいだからね、普通普通。」
【思考回路と言うよりは、感覚が麻痺しているのに近いようだ】
【それだけ多くの能力者を見て来たのだろう】
「奇遇だね」
「僕も人間の内面は興味深く思うよ」
■園刃 華霧 > 「いや、あんまりニヤニヤされてもそれはそれで正直、キモいかイラつく。
よくわかンないけどバランスじゃないの、そういうのっテ」
ズッパリと言った。遠慮というものがない。
「なンだ、結構佐伯ちゃんに怒られてる口なノ?
実は結構やらかしてるんじゃないの、やっぱり」
やはりアタシは正しかったか、と冗談めかせていう。
「まー……奇人変人大賞って意味じゃ、山ほど優勝候補居るだろうしネー……
ちょっと納得しタ。センパイさんならロボットだろうとナンパしそうだナ。
いや、もうしたコトありそう」
だいたいわかってきたな、と頷く。
「……………へー、確かニ奇遇だ」
と、ちょっと余計なこと言い過ぎたかな? まあこの程度なら普通だよな、と
心のなかで自問自答。
「長いコトここにいるセンパイさんは、さぞかし沢山の人をみてきたんだろうナー。
なにか面白いエピソードとか色々知ってそうダ」
■設楽 透 > 「ニヤニヤじゃなくてニコニコって言って欲しいなあ」
「そこまでゲスな笑顔じゃないよ、」
「公安の誰かさんじゃないんだから。」
【不満げに自分の頬を指先でぐにぐにと揉み解しつつ】
「怒られるというか、まあ、何と言うか……」
「真面目で可愛い子なんだけど、」
「真面目過ぎるのが珠に瑕だよねぇあの子。」
【もっとからかい甲斐が欲しいんだよねえ、と】
「そういうことさ。」
「いや、流石にロボットだって知っててナンパした事は無いよ?」
「でも、知らずにナンパした相手がそうだった、って事はあるのかもね」
【基本的に相手の素性は気にしない方だ】
【とりあえず女の子であれば声を掛ける、ただそれだけである】
「沢山見てきたけど、」
「そんなに面白エピソードは無いかなあ。」
「何か事件でも無い限り、」
「みーんな普通の学生や先生なんだよ、ここでは。」
■園刃 華霧 > 「あっはっは、悪い悪い。
でも、あンまニコニコされてると、その表情崩してみたくなる気持ちも分かって欲しいネ」
不満を述べる姿に気を良くしたのか、カラカラと笑う。
「あー……セクハラかなんかして、冷たくあしらわれたトカ、そんなトコか。
ロクなもんじゃないナ、センパイさん。」
勝手に決めつけて評価をしていたが、当たらずとも遠からずだろう、と踏んでいる。
「うっそ、ロボットだろうとなんだろうとかわいけりゃ、とりあえず声かけてみる、にならナいの?
読み違えたカー……」
あっれー、と首を傾げる
「ふーん……たくさん見てもそんなモンか……
やっぱ、事件、カ……」
ぽつり、と最後は聞こえるかどうか、くらいのボリュームで呟く。
■設楽 透 > 「うーん、分からなくもないけど」
「まあ時と場合と相手によるよねえ」
【僕のそんな表情見ても面白くないよ、と軽く肩を竦めた】
「そんなとこさ。」
「ノリが良い時も、あるっちゃあるんだけどねえ……」
「まあ、そんなとこが可愛いんだけど、あの子は」
【ニコニコと話す姿は年頃の妹をからかう兄、といったところか】
「そんな事はないよ。」
「まあ、そもそもパッと見ロボットだ、」
「って分かる子の方が少ないからさ。」
【ほとんど人間同然な方が多いよ、と】
「そんなもん、さ。」
「ごめんねえ、期待を裏切るようで」
■園刃 華霧 > 「うん、時と場合と人によるナ。センパイさんは、やっておかないトいけない義務感に駆られたネ。」
ケケケ、と、およそ乙女らしくない笑いをあげる。
「面白そうだカラ、今度見てみたいネ。
やり過ぎない程度に、大いにやればいいンじゃないかナ」
やっちまえー、と割と無責任に炊きつけていた。
「あー……そもそも、ぱっと見人間、くらいじゃないと可愛いって範囲に入らないカ……
しまった、ソコは盲点だった!」
おお、なんてことだ、と大げさなポーズを取る。
「やー……まあ、ソレがわかっただけでも収穫かナ。
ちなみに、私もまあ、普通の学生って考えていいのかナ?」
ふと、聞いた。
■設楽 透 > 「何でだよ……」
「まあ気にしてもしょうがないから、」
「気にしない事にするけどさ」
【くすっと笑って水に流すことにしたようだ】
「まあちょくちょくやるけどね……」
「人から後押しされると俄然やる気が出て来るよ」
【はっはっは、と声を上げて笑う】
【とはいえ、何をするのかはこれから考えるのだが】
「そういうこと。」
「見るからに機械です、って感じの女の子はあんまり居ないしねえ。」
「男の子ならたまにいるんだけど」
【僕はそっちの気は無いし、と首を引っ込める】
「そりゃあ、そうさ。」
「僕にとって普通じゃない学生なんて、」
「彼女でも無い限り思われないと思った方が良いよ」
【にっこりと笑って肯いた】
■園刃 華霧 > 「おーおー、大人の余裕だネ。」
水に流された、ということはわかったのだろう。
肩をすくめて、笑う。
「はい、頑張ってネー。
アタシがおもしろ愉快な姿を見ることが出来るまでファイトだー」
実に楽しそうな扇動者であった。
「ソコはきっぱりノンケなんだナ。
これで女装男子とか引いたラ面白そうなんだケドなー。
センパイさん、ぜひ」
なにが是非、なのか。酷い要求をしてきた。
「へ? 彼女? センパイさんの?
え、居るの? ああ、いないカラ、ナンパしてるんだよナー」
ひどい言い草であった。
■設楽 透 > 「まあ、これでも成人してるしね。」
「実際大人さ、学生だけど。」
【笑う少女を見て、やっぱり女の子は笑顔が一番だよねと思ったが、】
【口にしたら何を言われるか分かったもんじゃないな、と】
「基準が分からないけど、まあ僕なりに頑張るよ。」
「もちろんノンケだとも。」
「女装かあ……僕も何度か経験あるけど、」
「この身長だとやっぱり違和感出ちゃうんだよねえ」
【むしろコツとか聞きたいもんだね】
【平然とそんな事を言う】
「そう、居ないんだよ。」
「よく言われるんだけどねー、『見た目だけは良いのに』って」
「まあ、そのうち出来ると思って早6年だよ。」
【もっと格好良い異能とか使えれば良かったのかな】
【と、苦笑しながら肩を竦めた】
■園刃 華霧 > 「モデルとかだと身長高い人もイるからナ。
違和感は、そういう路線で突っ切るしかナイんじゃないかネ?」
この娘にしては真面目に考えた物言いだったが、内容が内容なのであまりありがたみはなかったかもしれない。
「そも、センパイさんがどんな異能を使うか、アタシは知らないケドさ。
あ、教えてくれるなら歓迎するヨ。」
肩をすくめる相手に向かって話しかける。
「でまあ。そんなだけど、今ちょっと話したダケでも、ないわーってなる人間がいそうな気がするのはアタシの気のせいかネ?
異能とか、ソレ以前の問題じゃないの?他、見直すトコない?」
割と辛辣なご意見であった。
■設楽 透 > 「それはそうだけど、流石に180は高すぎない?」
「男でも高い方だと思うんだけど。」
「こう見えてまだ伸びてるんだから。」
【一応参考にはするけど、と呟いて】
「ふふ、僕の異能なんて僕の名前と同じくらい有名さ」
「何なら気が向いた時にでもそのへんの子に聞いてみると良いよ。」
【きっと10人に聞けば3~4種類くらいの異能が上がるだろう】
【自分の異能を騙ることはこの悪趣味な男の趣味の1つだ】
「うっそ、ホントに?」
「うぅ~ん、そうなると色々と難しそうだなあ。」
【さほど困ってもいない様な声音と、笑顔だった】
【はた、と何かに気づき腕時計を見て】
「ああ、もうこんな時間か。」
「そろそろ一度帰ってシャワーでも浴びないと。」
「男子寮のお風呂、混むタイミングが独特なんだよねえ……」
■園刃 華霧 > 「まだ伸びてンの? センパイさん、樹木か何かかネ」
うわー、なにそれー、みたいな声をあげている。
別に不快感はなさそうではある。単に面白がってるのだろう。
「あ、ならいいヤ、面倒くさい」
ざっくり切って捨てた。
本気なのか冗談なのか。この娘なら、本気の可能性もあり得る。
「ま、本気で彼女が欲しいナラ、だネ。
フリとかポーズなら、アタシは知らない」
そしたら協力する気もないよ、好きにすればいいじゃん、と。
「うぇ、こんな時間か。
あー……なんだ、結構な暇つぶしになったナー。
アタシも報告くらいは作らなきゃならないシ……一旦戻るカー……
あー……面倒……」
言われて自分も時計をみる。意外に時間が経っていた。
まあ誰かと約束していたわけでなし、どうでもいいのではあるが。
■設楽 透 > 「僕もそのうち鳥が巣をつくるんじゃないかって心配でさー」
【酷い言われようにも笑って応じる】
【楽しげな様子を見ているのが楽しいらしい】
「わあ、スッパリ」
「園刃ちゃんってサバサバしてるねー」
【少し残念に思った様だが、】
【まあそれも良いか、と肩を竦める】
「ふむふむ、覚えておくよ」
「……もし切実に彼女が欲しくなった時は、」
「また園刃ちゃんに相談してみようかな」
【きっと凄く面倒臭がられそうだ、と笑う】
「はは、お仕事頑張ってねえ」
「無所属フリーターの僕から言えるのは労いだけだ。」
「それじゃあ園刃ちゃん、」
「またね。」
【軽く手を振ると踵を返して】
【来た道をふらふらと戻っていくだろう】