2015/06/18 のログ
■浦松時子 > 掴んだ、そのまま飛びつき腕十字…
と思った矢先何かが爆発するような衝撃を受ける。
そのまま吹き飛ばされて観客を数人巻き込んで倒れる。
「…参った、降参です」
さすがにこれだけのダメージを食らっては立ち上がれない。
この場で負けを認めた。
「…いや、お強いですね、お名前聞かせてもらってもいいですか?」
■ラルフ・李 > 降参宣言を受け入れるのは、言葉ではなく動作。構えを解き、開始前にした抱拳礼を再び。
それを確認したブックメーカーがゴングを打ち鳴らし、観客達が歓喜し、または悲嘆する。
博打打ち達の喧騒を背にして、倒れた相手を立たせようと右手を差し出す。
「楽しかったヨ。投げられたのは久しぶりダ。
ラルフ・李。2年生だヨ」
よろしく、と。その右手は握手を兼ねた。
■浦松時子 > 差し出された右手を掴んでにこりと微笑む
「浦松時子、私も2年生ですよ」
にこりと微笑み。
「先ほどのは発剄というやつですか?初めてですよ、実戦で食らったのは」
中国拳法の中でもこれができる人間を見たのは初めてだ。
それもあらかじめ決められた演武ではなく実践で使い手がいるとは思っていなかった。
「今度会ったときは一緒にお食事でも行きましょうね」
■ラルフ・李 > 「キチンと功夫を積めバ、難しいことじゃないヨ」
相手を立たせながら、本当にそう思っているのだろう、事もなげに言う。
その言葉に含意される鍛錬の量は、生きてきた時間の内、膨大な量を占めるのだが。
「勿論。喜んでお受けするヨ。僕みたいな無骨な武辺者でよければネ」
言葉を交わしていると、騒がしさは異質になる。
何やら忙しなく、見れば神出鬼没のブックメーカーの姿は既に無い。
「……サテ、そろそろお開きカナ」
「風紀が来るヨ。さっさとずらかろウ」
これだけ堂々とやりあっていれば、風紀の一人も駆けつけてくる。
合意の元の試し合い、賭博行為も常世学園においては黒ではない。
一応は後ろ暗いことはないのだが、時間は有限、職質などされては面倒だ。
不夜城たる落第街。賭け試合の喧騒は、電撃的な白昼夢。今日は、これまで。
■浦松時子 > 「それができる人間はあなたが思っているよりずっとずっと少ないのですよ」
謙遜する相手を見てほほ笑んで答えると風紀委員が来たのか別の意味で騒がしくなる。
「あらあら、もっとゆっくりお話ししたかったのですが…さっさと逃げましょうね」
面倒事は避けたいという気持ちは一致したようで、喧騒に紛れてその場を去って行った。
ご案内:「落第街大通り」から浦松時子さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」からラルフ・李さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」にカエラムさんが現れました。
■カエラム > 十階建ての廃ビルの屋上に、死神は佇んでいた。
その傍では三匹の雀……タク、ミト、コウが、小刻みに地面を蹴って飛び跳ねている。
遠くを覗いてみれば、我先にと互いを押しのけるよう光が輝いて要る。歓楽街だ。
一羽のカラスが、死神の肩に止まった。
■カエラム > 『アー』
彼女の口から、この近辺に関する情報が並べ立てられる。
最近の出来事や、知り合いの様子、スーパーの特売の内容に至るまで。
カエラムは知り合いの野生生物と提携することにより、独自の情報網を築いているのだ。
「Ke, Alice.」
【ありがとう、アリス】
■カエラム > いつものように定時連絡を済ませたら、ビルを降りていく。
ビルを出て大通りに出ると、怪しげな情報を追って奔走する。
学園都市の闇が集まるこの街において、この姿はかえってよく馴染む。
それでも住人の持つぴりぴりとした空気に、若干の苦手意識を抱かずにはいられない。
■カエラム > 通りの隅に、倒れている男子生徒がいた。
少年の顔はひどく腫れ上がっており、両手の指の第三関節を覆う皮膚がめくれあがっている。
おそらく喧嘩でもしたのだろう。
死神は生物同士で争うのは仕方の無いことだと思っているし、それそのものを止める気はない。
だが少なくとも学園の平和は守る必要があるわけで、治安の改善には尽力するつもりでいる。
―――目の前の生徒を医者のもとに運ぶ理由とは、まったく関係のない話なのだが。
■カエラム > 死神は生徒を背負い、それなりに信用のおける医者のもとへと運ぶ。
落第街に住む医者……いうなれば闇医者なのだが、腕は確かなのだ。
治療費をぼったくることなんて日常茶飯事だが、
それでも払えないことはない程度の値なので余計にタチが悪い。
闇医者の隠れ家に着くと、備え付けられたソファに生徒を降ろして闇医者を呼ぶ。
彼は「またお前か」といった顔で死神を見ると、生徒の治療に取り掛かるのであった。
■カエラム > 流石に治療費までは受け持たない。
収入源がない以上みだりにお金は使えないし、このペースでそれをやると財布すぐ空になってしまう。
だから、自分がやってやるのはここまで。
それにここの闇医者はまだ良心的なので、きっと払えるはずだ。
役目は果たしたので、闇医者に一言挨拶をして隠れ家を離れる。
■カエラム > 大通りに戻る途中、カラスの知らせを受けた。
そこから新たな情報を得た死神は、往く道を変えながら闇に溶けていくのであった。
ご案内:「落第街大通り」からカエラムさんが去りました。