2015/07/16 のログ
影山過負荷 >  「モテたいかモテたくないかで言えば、まあ後者になるな
 むしろそれフツーじゃない?年頃の男子高校生だし
 そりゃガンジーに目的は?って聞くようなもんだよ
 世界平和って答えちゃう。」

軽い調子、友達と話すような感覚で手振りをする
そういう事もあるもんだと

「おたくが普通かどうかなんて、決めるのは見た目じゃねえだろ?
 俺はイイと思うぜ、んな悲しい事言うなよ!
 あとな、公安の女ってなんか怖いんだよ、ここだけの話だけどな、泣けるぜ?」

泣くようなジェスチャーで恐れを表した、だってあの人たち、目がキツいんだもの…
そんなのに俺とお茶でもどう?と聞いた所で、鏡を見て出直せといわれるのが関の山だ
自分のメンタルはそこまで強靭ではないのだ

「そっか、まあ何かメッセージ性を感じる奴はいるかもしれないが、それだけだな」
飛び去っていく鳥を見届けると、視線を戻す
さて、じゃあこんなものか、後は安全な場所にでも…と思考を巡らせて

「フェ…ニーチェ?
 あーあー…えーと…あー…うん、待てよ?」

スマホをフリック操作する、資料、フェニーチェ…検索…
<pi>と音が鳴り響く
該当無し。

「あー…そう、そうだよ!そう、良い劇団だったらしいな!ハハ…
 うん…悪ぃ、あんまり知らねえんだよな、俺はただの協力員でさ
 このアプリで検索して引っかかった人だけ補導しろって仕事なんだ」

自分は、腕章はつけていても、あまり深いこの島の闇について知らされていない一般生徒だ
どこかで聞いたかもしれない、あるいは、正式な公安の誰かが食事中に呟いたかもしれない
ただ、知っているのはその程度の、記憶の残滓にあるかどうか、程度の情報だった

「まあ、鮮色屋?だかなんだか…知らないけどさ、大仰な名前を付けなくたって
 おたくはおたくだろ?濡衣…っつー、親に貰った大事な名前があんじゃねえか
 俺は劇団の事はよく知らないから、おたく個人とお友達んなった!っつー事でさ
 あ、俺…影山ってんだ、影山過負荷、よろしくな?」

結論つけるようにそう纏めて、ニ、と笑い、なんだか軽くなったような顔の鮮色屋という少女に
握手の手を差し伸べた

『鮮色屋』 >  
【  不純な目的とガンジーの目的を
             同義にするのはどうかと思うぞ    】
歴史の教科書に載っている有名人と男子高校生と一緒にするのはどうかと思う。
いやもしかしたらガンジーもそういう時期があったのかもしれない…
想像すると少し、世の中が明るく感じた

【  なんというか、強く生きろ
  お前はまだ未来はあるのだからな  】
何故目の前の男を励ますような流れになっているのだろうか。
実際に放っておけないというのもあるのだが仮にも公安に手を貸している男だというのに

【  そう、そのフェニーチ 】

【  え?知らない?公安の協力員?  
   知らないならそれはそれでいいか…
   今度公安のセンパイにでも聞けばいいさ  】
そうか協力員か。所謂一般生徒。一般生徒なら仕方ない仕方ないが
流石にあれだけカッコつけて自己紹介してコレは恥ずかしい。

ただスケッチボードには【よろしく、カフカ】と書くだけ書いて紅潮した顔を見せないように俯いて握手に応じる

影山過負荷 > 「不純かなあ、世の中に愛がなければ人間はアダムとイブの代で終わってるぜ
 ラブ&ピースって奴だよ、そう思わないか?
 ラブ&ピース…かなりスカイハイな言葉だぜ」

あ、今俺上手い事言ったな、うんうんと頷いた
そう、ラブ&ピース、良い言葉だと思う、スカイハイというのは口癖だ

「今が終わってるみたいな言い方!
 ひっでえな、俺も頑張ってるんだぜ!ほら、こうして公安の仕事手伝ってるしさ!
 そんな俺を見て、この人すごーい…ならねえよなあ」

まあ名声の為にやっている訳ではない、とはいえ
やっぱり甘い思い出のひとつも欲しいのは事実だ、なんか相談みたいになっているのもおかしな話かもしれない
とポン、と手を叩いて話を区切り

「ああ、悪い、さっぱり知らないな…あ、あ…ごめんって、な!
 きっとこれから話題になるぜ!あの時知らなくて後悔した!って時が来るさ
 ただ、今俺は、おたくと仲良くなった訳だからさ
 俺もこんな腕章付けてるけど、そこはほら、人は肩書きだけに在らずって言うし
 おたくがその組織に愛着があったかもしれないけど、おたくをおたくという一人の人間として
 見る事の出来る人間も、この先きっと必要だと…思う…ダメ?まあ…なんかあったら力んなるからさ」
うつむいた姿を見て、何か落ち込ませてしまったかとわたわた手振りをして
言い訳めいた補足を連ねながら、ぐっ、と握手を交わし

「ふう…なんか長話になっちまったな、悪い悪い…大丈夫か?」
大丈夫かというのは、ここから帰れるかという質問だ
当然助けが要るような精神状態にも見えないが、確認を取るように

『鮮色屋』 >  
【  それはそれ、これはこれ  
  ラブはどうしても無縁なものだ  】

身体のこともあり、どうしてもそういう話にはついていく気力も沸かない。
ただラブ&ピースを叫ぶにはこの落第街大通りという場所は少し悪い気がする

【  公安のだれでもやってるようなことを
               やってもすごいとはならない  
   誰もやらないようなことをやって凄いと言われる    】
実際にフェニーチェの団長も誰もやらないグラン・ギニョール劇場の再現を目指したから一時期話題にもなったし湧き立った。
今はそんな影もないのだが

はぁ、とため息をつきつつも握手していた手を離していつもの表情に戻る。
平常心、平常心。ペースを乱されるのは良くない
【  濡衣茶久として助けを借りる事はあるかもしれない
   鮮色屋として力を借りたらカフカは不味い事になる  】
協力員とはいえ、劇団フェニーチェの力を貸したらとんでもないことになる。

【  一応、落第街の住人だ。
   ただの少女だと思わないで欲しい   】
大丈夫と主張するかのようににやりと過負荷に笑みを浮かべる。
身体になれるのも2年、落第街に慣れるのも2年あれば慣れるものだ

影山過負荷 > 「なんかドライな子だな、濡衣ちゃんはよぉー
 もうちょっと目ぇキラッキラさせた方が可愛いぜ?
 今も可愛いけどさ」

自分の唇の端に指を当て、口角を吊り上げてみせる
まあこんな場所で世間話というのも、あまり長くするものではないかと思うのだが
なんとも乾いている感じのする女の子を見ると、どうしても声が続いてしまう

「うん、うん…そうなんだよなあ、こういうのは協力する!って気持ちが大事だしな
 見返りは求めちゃいねえよ、うん」

やりたい事をやっているだけだ、全員がそうだし、この島はその気持ちで動いている所が大きい
それは能力を持つ者の余裕なのかはわからないが、何もしていない人間のほうが少ない
人間仕事があるのが一番だ、頷いた

「ああ、任せとけよ、一日一善、良いことをすれば何時か自分に帰ってくるって言うしな
 何でも言ってくれよ、俺にも…ちょっと返して貰いたいモノがあるからな…」
出来る範囲で、友達としてならな、と、裏表を見せた様子もなく歯を見せると

「そっか…まあ人間みんなクリーンに生きてるなんて平和な考えはないよ、難しい事もある
 だから道を外れる事もあるかもしれないし、俺がどうこう言うもんじゃねえからな
 まあそれでも、それでもだよ、何かあったら助けてやるって事だけ、覚えといてくれよな」

それは相手が車椅子に乗っていたからの、ただの憐憫だったのかもしれないが
どこか乾いたような声色を聞くと、そう声をかけてしまう

「じゃ…俺はこの辺でフケるぜ、そろそろ仕事を続けないとな
 可愛い子に声かけてて職務放棄しました、なんてバレたら吊るされちまう」
思い出したように人差し指でクルクルとまわしていたバインダーを持ち直すと
一歩後ずさった、車椅子の少女を落第街においていくのは気が引けるものだが…

『鮮色屋』 >  
【  ドライは性分みたいなものだ  
  名前はウェットだが、
          ドライなものはドライ  】

【  後カワイイは余計だ  】
我ながら上手い事を言えた気がする。
いやそんなことを競っているのではない。
最後の一文は半ば走り書きのような字の汚さだが、それにはどこか慌てている雰囲気だ

【  自分がやりたいことをやるっていうのも大事だぞ
  私もやりたいことをやって今の状態があるのだからな  】
今の状態はあまり誇れる状態ではない、がこの状況に至るまでの自分は誇りたい。誇らないとやるせなくなる

【  それならなんだ、私も茶久としてカフカに協力するぞ
  協力することがあればだが、私も出来るだけのことはやる  】
『鮮色屋』としてではなく『茶久』としてならば個人でカフカに力を貸しても良いかもしれない。
果たして手伝えるようなことがあるかが疑問だが、果たしてやることがあるのかどうか

【  何なら私がカフカの上司に告げ口してやって教えてやってもいいぞ
   まぁ、場所が場所だから気をつけてな。私は私の場所に帰るよ  】
カフカが一歩後ずさったのを見てその正義感を駆られて追いかけられる前にはやめに退散しようと車椅子を自分が来た方向へ走らせていく。

「濡衣を着せられてるかと思ったら自分が勝手に着てたなこれ」
そんな1人手話をしながら帰っていくのだった

ご案内:「落第街大通り」から『鮮色屋』さんが去りました。
影山過負荷 > 「でも、笑ったりは出来る。良い顔も出来るじゃねえか」
うん。
良いと思う、見送りながら頷いた
女の子ってカテゴリの生き物は考えを読むのが難しい
だけど、同じ人間だ、友達になるのは容易い

「そうだな、なんか俺には実感沸かないけど、今までを大事にしろよな!」
パタパタと手を振り、踵を返しながらそう返す
彼女にも、どこかに気持ちを残している、そんな居場所があるのかもしれない
それは、自分にはないものだ

「うわ、それは簡便だな…」
協力員だから怒られる事はないかもしれないが
少なくとも白い目で見られるのは間違いないだろう

やれやれと肩を竦ませながら、相手が去っていくのを見て
自分も、別の通りに足を踏み入れよう


「あ、すいません、今ちょっとこの辺パトロールつーの?してましてね………」

ご案内:「落第街大通り」から影山過負荷さんが去りました。