2015/07/19 のログ
ご案内:「落第街大通り」にアーヴィングさんが現れました。
■アーヴィング > おーおー、マジでごちゃごちゃしてんなあ
(常世島に来て数日、カリキュラムによっては夏季休暇にはいったりと半端な時期な上
異世界の魔道兵器なんてものを持ち込んだアーヴィングの入学手続きは終わっていなかった
そのため日がな一日ぶらぶらとこの島のあちこちを歩き回っているのだった
大体の地理は頭の中に叩き込んでいるが
なるほど確かにここはスラムというか、非正規地区としての賑わいを見せていた
レガリアにも外輪地区と呼ばれる城壁の外に作られた街があったが
成立から百年をゆうに越え、下町としての安定を見せていたのでこうした活気と熱のある地区はなかなか新鮮だった)
■アーヴィング > しかしうめぇなこのから揚げってやつ……
鶏揚げただけなのになんでこんな味になんだこれ
(新聞紙で雑に包んだから揚げをさくりと齧って不思議そうにする
似たような料理が故郷になかったわけではないが、やはり香辛料や調味料の使い方で味付けは大きく変わる
故郷では海がない関係上塩が貴重だったため、こうした舌にびんびん来る塩分は新鮮な体験だった
しかし塩に脂と立て続けに摂取すれば喉が渇くのも当然
自販機とかいうやつでもないかときょろきょろと見回して……)
■アーヴィング > (さてここで視点を変えよう
落第街というのは確かにスラムめいた雰囲気を持つが、この大通りはどちらかと言えば境界上に位置すると言える
それは正規のルートではない品や型落ち品が多く流通している事を意味する
また許可も取らず料理自慢がふらりと作るような隠れた名店という物もまた少ないが存在するのだった
必然、危機感の足りない一般生徒がその魅力に引き寄せられ、自衛を怠った結果トラブルに巻き込まれると言う事件は後を絶たない
このとある女子生徒もその一人だった
趣味のパソコン部品の安い型落ち品を求めここに訪れ
そしてあからさまに正規の生徒ではない集団に路地に連れ込まれて絡まれていたのだった
金ですめばそれでいい、しかしそれ以上は…
助けを求める声も出ず、無遠慮に近づいてくる男から顔を逸らした瞬間、その圧力が横へと吹き飛び消えた
そこに現れたのはまた別の男
派手な服に身を包み、好戦的な笑みを浮かべて次々と不良共をなぎ倒していく姿は急激な現実の切り替わりに呆然と眺めてしまうほどだった)
『大丈夫かよ?』
(そう声をかけられ、一瞬遅れて、ようやく「ああ、助かった…」という実感がわいてきた
見れば男はなかなか整った顔立ち、これは運命的な出会いではないか?
そう心臓が高鳴った直後…男はなぎ倒した不良共の横でしゃがみ込み)
『おーずいぶん持ってんなこいつら』
『なんだ怪我してんじゃねえか』
『一枚追加だな』
『服も汚れちまってんなあ…』
『ありゃ三枚分は追加だな…』
(自分を気遣う言葉と交互に不良共の財布を漁り、剥ぎ取りを始めるハンターの姿がそこにはあった
違う…そう痛感する
あれは救いの王子でも運命でもない。モヒカンの縄張り争いだ…
おいつめられた小動物のような研ぎ澄まされた感性でモヒカンBが向こうに注意を払っているうちに少女はゆっくりと間合いを外し
警戒距離から抜けたと悟るや否や猛烈なダッシュで逃げ去った
ハイドビハインド
この時、自分の無能力に嘆く彼女は異能:影より影へという異能に目覚め
その結果様々な事件に関わる事になるのだが、それはここで語るところではないだろう)
■アーヴィング > あれ……どこいった?
(チンピラから剥ぎ取った財布を片手に
もう片方の手には諭吉さんを数枚摘んだまま周囲を見回す
そこには先ほどの女子生徒はおらず
客観情報としてチンピラを叩きのめして金品を奪うチンピラBという状況が完成していた)
■アーヴィング > ……
(どうしたものか、と悩む
これが自分をめがけて襲い掛かってきたのなら自分が剥ぎ取ってもどこからも文句は出ないだろう
しかし横から割り込んだ以上は謝意を受け取るべきは先ほどの少女であり自分ではない
ここで金品を巻き上げてしまえば盗賊と違いがない
ぶっちゃけどのパターンでも強奪していることには変わらないのだが彼なりの判断基準ではそうなっている
しかたなく紙幣を財布に戻し…
ふと、殴りかかる前に投げ捨てた新聞紙の底の方からころりとから揚げが一つ転がり出ているのに気付いた
小さすぎて食べきったと思い込んでいたのだろう)
……から揚げ分だけ貰っとくか
(そうして500円玉一枚抜き取り、財布をへばった奴の頭の上に投げ捨て、その場を後にする
九割九分食べきったから揚げの賠償としては少々多すぎるが、まあこれくらいはいいだろう
動いてから揚げ分は腹減ったしその補填である)
■アーヴィング > 噂に聞いてたほど治安わりーわけじゃねーんだな
(新しく買ったから揚げを美味そうに頬張り
喉が渇いたので適当に買ったジュースを片手にぶらぶらと散策を続ける
悪さする奴でも居ればとっ捕まえて持っていけば借りの一つも上の奴らに返せるだろう思ったのだが
なお、彼の物差しでは路地裏で絡むチンピラというのはそれほど重要なファクターではなかったらしい
食べ物や雑誌などは見ていて面白いが、売っている道具類は大半が用途も良く判らない
いい加減飽きてきたし、そろそろ帰るかな?と
来た時とは別の駅に向かう道を選び、周囲を眺めながらゆっくりと歩き出す)
ご案内:「落第街大通り」にミウさんが現れました。
■ミウ > この落第街には似つかわしくない光景がそこにあった。
大通りのど真ん中。
そこに、一人の少女が突然、転移してきたのだ。
少女の見た目は十代を満たない。
そして、背中からは翼が生えており、白い羽毛が周囲に散らばって行く。
周囲の人達は、突然現れた少女に一瞬だけ驚く。
だが、すぐに落ちつきを取り戻していく民衆達。
少女は、そこで茫然と立ち止まったままだった。
しかし、しばらくすると少女ミウは、男達四人に囲まれてしまっていた。
『おい嬢ちゃん、痛い目に遭いたくなかったら金出しな』
『大人しく金出せば、見逃してやるぜ』
『こんな所にきちまったのが運の尽きだったな……』
男達四人は、ミウをまだ幼き子供だと侮っているのだろう。
白き翼が生えていたりと明らかに異常な部分がある子供ではあるが……。
ミウは上品な笑みで周囲の男達を見渡す。
さて、どうしたものか……。
■アーヴィング > ……………なんだこれ
路上劇系の見世物か?
(その辺を歩いてる奴を捕まえて聞いてみるもブンブンと首を振られ、フンと鼻を鳴らす
少し先に突然羽の生えた女が転移してきたかと思えば流れるようなスムーズさでチンピラが吸い込まれていった
しかもまたセリフがふるっている
女子供から小銭巻き上げてどーすんだと
くしゃくしゃとから揚げの包装紙とジュースの紙コップを握りつぶすと手の中で炎を生み出し一瞬で燃やし尽くし…
両足に光の輪を生み出すと垂直に空へと上昇していく
十数mほど上昇してから、斜め45度の角度で急降下していく
着地地点はチンピラの後頭部だ
頚椎は前に倒れるからショック吸収して死にはしないだろう)
■ミウ > 残念ながら、それは路上劇ではなかった……。
少女がからまれたのは、単に目立ってしまったからだと思われる。
それはお手本のようなかつあげ。
全くもって、しょーもない。
『何笑ってんだ、こらぁ!』
『いいから、金出せや!!』
子供にどれ程の金額を期待するというのか……この男達。
全くもって、大人げないというもの。
黙っていた少女だが、口を開く。
「避けた方がいいわよ」
それを聞いた男は、頭にクエスチョンマークを浮かべる。
その時だった──。
『ぐえぇっ!!?』
チンピラの一人が、空中から来た藍色の髪をした男に蹴りをいれられていた。
後頭部にナイスヒット!
そのまま、チンピラは倒れてしまう。死んではいない。
『な、なにすんだてめぇ!』
空中から来た男に、チンピラは声をあげる。
■アーヴィング > 息
(いまどき小学生の子供でも言うかどうか怪しい屁理屈をチンピラにぶつけ
蹴りつけた反動でひらりと身を翻しながら改めて地面に着地
自分に声をかけたチンピラへ向かい右足を軸に左足を捻るようにして地を這い、跳ね上がる軌道の蹴りを放つ
肋骨の裏側にねじ込む様にして肝臓を蹴り上げつま先を突き刺す凶悪な一撃
自分に最初に意識を向けた奴から倒す、多対一戦闘の基本だ)
で、なんか落ち着いてんなガキ?
余計な世話だったか?
(ほとんど脊椎反射で蹴りをぶち込んだが、見れば対して動じた様子もなく
一人でなんとか出来たのだろうか?と
実際自分が騎士の力を得たのもこの頃だった)
■ミウ > 空中から来た男は、チンピラの一人を華麗にやっつける。
そいて二人目も、その蹴り捌きにより吹き飛ばされる。
『ごふっ!?』
これで二人KO。
『あ、兄貴!!?』
『お、覚えてろよおおおおおお!!』
そんな捨て台詞を吐いて、残りの男達二人は、倒れた二人を抱えて退散していく。
小物たる不良達は走り去ってしまった。
「いいえ、助かったわ。
ありがとう」
優雅に微笑みながら、助けてくれたお礼を言う。
彼の言うように、随分と落ち着いたものだった。
確かに一人でも対処できたが、面倒事にからまれてしまったのには違いなく、どうしようかと悩んでいたのも事実。
それを解決してくれた彼には、感謝する。
「ここの治安は本当によくないわね……。
わたしの名はミウよ。
あなたは?」
ひとまず自己紹介をして、相手にも名前を尋ねる。
■アーヴィング > …………マジでなんなのアイツら
治安悪いって噂のここで村おこし的な事やってるエンターテイナーかなんかか?
(大通りのど真ん中で子供に絡んだ上にそっこーでヘタレるし
ワンダリング系の芸人かと思えてしまうスピード解決っぷりであった)
助けが必要だったよーには思えねーけどな…
まーいーわ
治安が良い悪いの問題じゃなくて頭が良い悪いの問題じゃねーかなこの場合…
(ガリガリと頭をかきながら、未遂だったし追撃かけるほどじゃないかと去っていくチンピラを見送る)
アーヴィング・ヴァン・オルブライトだ
ってかさっきから気になってたんだけどよ、その羽ホンモノか?
(故郷はいわゆる剣と魔法の世界…の文明が発展したタイプだが
俗に言う亜人タイプは存在しなく、ついものめずらしげな視線を向けてしまう)
■ミウ > 「さて、どうかしらね……。
単に、目立ちたいだけかもしれないわよ。
あなたの言う通り、エンターテイナーの才能がある人達なのかもしれないわね」
散々皮肉られている不良達。
哀れ。
「あなた、強いだけではなくて鋭いのね」
そう言って、助けが必要なかった事を遠回しに認めてみせる。
「治安が悪いのではなくて、頭が悪い……ね。
確かにその通りかもしれないわ。
大して強くはないから、人数だけ揃えて、知恵もなく誰かを襲うのね」
しかも、一瞬で逃げる。
ミウは上品に、口に手を当てて笑う。
「アーヴィング君ね。
よろしくね」
にこりと笑って、握手しようと手を伸ばす。
「この翼は本物よ。触ってみる?」
そう、提案してみる。
■アーヴィング > だったらガキに喧嘩売ってねぇで俺のところにくりゃイイ感じのエンターテイメントとして盛り上げてやったんだけどな
花火とか
(打ち上げて一花咲かせてやる気満々だった)
そりゃまあ普通のガキならビービー泣くか、せいぜいビビるくらいはすんだろがよ
落ち着いてるってのはそれがそいつにとっちゃ許容範囲内ってこった
理解もできねーアホならちげーけどそういう風には見えなかったしな
つかお前もイイ感じに口わりーな、嫌いじゃねーけど
(思いのほか厳しい評価には若干面食らうが、すぐに笑って見せる
そもそも他人を襲って金品を得ようとするやつに優しさは無用だ)
君ってお前……
つかアッサリと許すのなお前、王族か何かか?
(許可されれば遠慮せず持ち上げ、くいくいと手に乗せては重さを見たり、羽を引っ張っては羽毛の広がりを見たり、軽く動かして翼の可動を見たり
完全に性能評価のための手付きであった)