2015/07/29 のログ
惨月白露 > 想像以上に辛かったカレーうどんを口に運びながら、
その高い水をもう1杯頼み『ほんと、いい商売だな。』と悪態をつく。

「―――なぁ、風紀委員。
 その『罪を償って一般学生になる』ってーの?
 それって、どの程度のレベルまでならいいんだ?
 申請すりゃ、誰でもなれんのか?」

ケホケホと咽せ、若干涙目になりながらも、
風紀委員の彼に声をかける。

惨月白露 >  
少女は、彼女が路地裏に消えるまでの間、その背中を睨みつけ続ける。
やがて路地裏に消えれば、安堵の息をついた。

『ありがとうございます、私、頑張りますから。』

そう、五代に笑顔を向けつつ、水を一口飲んだ。

五代 基一郎 > 「まぁあれだよ、そもそもそれが全てと思うのこと事態が危ういわけでさ。
 触れないとしつつも実際どういうもんかわかったもんじゃないんだから。
 話す場合は風紀委員の……そうだな、刑事の方とかさ。
 あと保護観察、って形になるから。その観察の人と相談して決めようよ。」

なんとかなるよ、と少女をそれとなく励ましつつ向かいでカレーうどん啜る客の呼びかけに答え始める。

「そうだなぁまぁそれこそ程度によるよ。
 殺人、とかになっても情状酌量の余地があればとかね。
 例えば異能の暴走で、とか制御できなくて仕方なくとかさ。
 個々によってどうすれば償えるか、一般の社会で生活できるかも考えられるわけだし。
 そもそも申請した、ということである程度条件は緩和されるんだよ。
 更正の意志ありってことだからさ。 大体がこの子みたく保護観察ってことで
 誰かとってなるだろうけど正規の学生になって一般の生活を送ってもらいつつって感じかな。

 で、君はどんな事情なのさ。相談freeだけど。」

そう興味を持った客に、でなければ聞きはしないだろうわけであるから。
大まかな説明をした後に個人が抱えるものを聞いた。
つまり程度を計りかねるような事情があるということだ。

惨月白露 > 『わかりました、刑事課の人ですね。
 ……もし何かあったら頼る事にします。』

そう頷きながらも、二人が会話をはじめれば、
少女は静かに水を飲みながらそれに耳を傾けているようだった。
元々、流されやすい、遠慮深い性格なのかもしれない。

「ふーん。」

カレーうどんをつつきながら、彼のおおまかな説明を聞く。

「それじゃ、不本意ながらも二級学生だとか落第街で過ごしてるやつらは、
 もう全員風紀側で抱え上げるって事か?―――そりゃ随分と頑張るな、あんたら。」

1口すすれば、再びケホケホと咽る。

「にしても、マジで辛いなこのカレーうどん……。
 なぁ、アンタ、これ、半分食べないか?
 ―――正直、全部食べきれる自信が無いんだけど。」

個人的な相談に入る前にと、カンカンと音をたてて
カレーうどんの入ったどんぶりの淵を叩いた。

五代 基一郎 > 「それが仕事だしね。仕事だけ、ってわけじゃないよ。
 それこそ”困っているならば手を取りたい”という人間が風紀になるし、まぁいるわけでさ。
 ”正義の味方”だの理想的だどうのと揶揄されようとも、やらないと何も始まらない。
 その人や、この島が住みやすい様に平和であるようにってさ。
 だからどんな事情であろうと、平和に生きられるように解決を手伝うわけなんだよ」

平然と冷やしトムヤムうどんの二杯目を食い切ると
その客からの頼みに頷き丼を寄越せと手招きする。

「なら代わりに水だなぁ。水飲んで冷ますか、カルボナーラうどんがいいんじゃないの
 カルボナーラ」

惨月白露 > ケホケホと咽ながらカレーうどんをぐいと五代のほうに押しやり、
自分は水を飲んで一息つく。

「いや、さすがにこれ以上はくえねぇよ。
 ……ってか、カルボナーラうどんってなんだよ、
 なんでそんなうどん狂いなんだこの店、素直にカルボナーラ出せよ。」

またコインを置いて水を催促しつつ、
出された水を一口飲んで、ふぅ、と息をつく。

「言ってる理屈は、まぁ、分かるんだけどな、
 でも、それって今はどうしてもある二級学生差別はどうする気なんだ?
 とりあえず拾うだけ拾って、そのまんま海水で生きてきたやつを真水に叩き込む気か?

カンカン、と箸で机をつつき、
どんぶりを早く返せと手を出す。

「俺がそうだけどな、ただ『二級学生』として健全に生活してても差別はあるんだ、
 それが『元二級学生』とか、『元落第街の住人』に変わっても、一般の学生からすりゃ、
 異能がよく暴走するとか、生きるためなら人だって殺すとか、
 ―――そんなクズを『学生街』なんざに入れたくはねぇだろ。」

五代 基一郎 > それは残念、とカルボナーラうどんを頼まなかった客の
どんぶりを受け取ればそのまま啜っていく。
なぜかワイシャツに一切跳ねない。

「差別はどうしたってあるよ。ハッキリいえばね。
 古来から人間の社会にはどうしても生まれてくる。
 要因は色々あろうけど、ここじゃ『二級学生』とか『落第街』って話しで。」

異能事態がそも、人と異なる……本来持たない異なる能力のことだ。
それが生まれた時……その力を持ったものがどのような扱いを受けて来たか。
異邦人もまた同じく。この常世島では感じにくいが差別となる、争いの種はいくらでも転がっている。
だが少なくとも人類はそれを乗り越えて来たし、また抱えた問題に取り組もうとはしている。

「変っても差別はあるし、続くだろうし心無い言葉を浴びせる人間はいるだろうさ。
 それを無くすために、そうであってはいけないから仕事してるわけだし。
 でもだからといって最初から駄目だと思うのは間違いだよ。
 そうであっても、どの程度のものであれ何かを償い社会で生きていく
 そのための手伝いをするのも風紀だからさ。
 異能が暴走しないように何がしかのことをしたり、この学園社会に
 『学生街』という、常世島の社会を知ってもらったりさ
 そこは生きて姿を見せて伝えるしかないよ。
 何も一人でやれつってるわけじゃないんだから。」

そして食い終われば、催促のままにどんぶりを返して

「学生になるように手伝い、学生になることを望んでいる者がいるんだ。
 ならば学生になれば、差別されようが学生だ。それは『学生街』にいる学生。
 
 正直風紀からいえば、異能がどうのとかは結構にいるし抱えてる生徒も多い。
 加えて『学生街』の中にいても危険なヤツは危険だし。
 だからさ。
 
 聞くに『学生街』に入るのが怖いように思えるけど。」

威勢がいいからそこを悩むとは思わなかったなと
いやちゃんと考えていることはいいことだよと付けつつ水を一杯飲んだ。

惨月白露 > どんぶりを受け取り、残り少なくなったカレーうどんをつつく

「そりゃ怖いよ。
 なんせな、二級学生ってのは偽装された学生証で学校に通ってる奴らだぜ?
 特に意思も何も無く落第街で好き放題やってるチンピラとはちげーんだ。」

一口食べ、ケホと咽せ、また一口運ぶ。
五代程早くは食べれないカレーうどんをゆっくり食べる。

「わざわざ説明するまでもねぇと思うけどな、
 二級学生は嘘ついてでも、その弱い立場で脅迫されるっていう泥すすってでも、
 普通でありたいって願って、それで普通のフリしてるやつらの事だ。
 ま、悪意を持って学生街に踏み込んでる奴も居るから、全員が全員そうとは言わねぇけどな。」

また水を1杯飲み干すと、コインを置く。
『クソ、まじ金かかるな、この店。』と嘆息する。
 
「まぁ、ようするに嘘の学生証で、嘘の立場で、必死に嘘ついて学生街に居たんだ、
 嘘の立場でも普通に学生として通って、普通に勉強して、普通に友達もいる。
 嘘がバレたときに周りが何をするかっていうのは、正直想像に難く無いっていうかな。」
 
ケホケホと咽ながらも、なんとか食べきる。
顎の汗を手の甲で拭い、明らかに暑そうながらも、その体が、小さく震える。

「―――そりゃ、怖いだろ。」

惨月白露 > 「例えばそうだな、拾い上げる人間は風紀に都合のいい人間だけで、
 拾い上げたやつは風紀で働かせます、
 ―――みたいな『大義名分』を与えてくれるなら、俺も一向にかまわないんだけどな。」

少し考えてゆっくりと水を飲みながら、そう付け足す。

「―――ってか、俺は風紀の審査ってのはそういうモノなのかと思ってたぜ。
 そうじゃなかったら、こんな大量に『二級学生』がいるって事はないだろ。
 風紀にとって都合のいいやつだけ味方に引き入れてるってなら、納得が行くけどさ。
 そうじゃないなら、そもそも『二級学生』ってのが居るって現状に納得がいかないし、
 差別されてる現状にも納得がいかねぇよ。」

五代 基一郎 > 「なるほどね」

と腹いっぱいだから箸をおいてよっこいせと
その客に向き直り、答える者に放し続ける。

「わざわざ説明しなきゃいけないんだろうけどさ。
 嘘をついてでも、偽りの学生証でも
 普通の学生の生活がしたいと、普通の学生生活を送っていたんだ。
 ならばその生活は、したいということは本物で
 そこで得た関係もまた本物じゃないの。学生証も本物になれば本物だし。」

だからチャラにしようって話でもなくて、と繋ぎ

「その恐ろしさ、というのはそこで過ごしていた時間とか関係がさ
 本物だから来るものでしょ?
 好き勝手やってる違法入島者じゃなく学生としてこの島にいたいってわけだからさ。

 そこはもう何はともあれ、嘘をついていた相手に謝るべきだよ。
 そこから本物になれるわけだしさ。」

と水を一口飲んで合間に入れつつ。

「あぁうんこれは心構えの話。
 ハッキリいえば”都合のいい人間を引き抜く”ということはしてるし。
 司法取引や社会更正ということでね。
 良く考えて見なくても、この常世は力が持つものが集められている。
 どこの部署でもそれ相応のことはされていると思うよ。
 風紀だけじゃなくてさ、引き抜きはね」

実際自分も力のあるもので、特に更正が可能と見れた者は
恣意的に引き込んでいる。先日の件がそれでもある。

「審査してそれがどうなるかはわからないけど、ある程度”有能と思われる”人間が通りやすいってのはあると思うよ。
 それこそ”保護”はするが”審査”するのは我々じゃないしさ。
 能力持ってる人間放置しておくのもどうか、というのもあるだろうし
 事件で保護された二級学生が、というのも利用される程度の能力を持っているってことからでしょ。
 こぞって書類の応募がないのもそういうことで、弾かれた人が多大にいるってのが現状ってとこかな。
 ここらにいる連中の一年の学費免除するだけで財政かなり圧迫するなんて目に見えたことじゃない。
 学園は資金一切かけずに運営されてるわけじゃないんだから。」

その利用されていた、能力があるから使われていた少女が傍らにいるのに
平然と話しながら続ける。
”風紀だけに”とって都合のいい者だけどうこうされているのではないと。
そして今目の前で話している、その”客”もまた最低でも”学費一年分”に見合う者だろうことから
ここで薦めているのだと。

惨月白露 > 「正直に話して、謝った所からはじまる本物の関係、か。」
 
「まぁ、そうなのかもな。」

五代の言葉をゆっくりと咀嚼し、飲み下す。

「でもさ、それ、本当に受け入れてもらえると思うか?
 嘘ついてましたって言って、謝って、それで「いいよ」って言ってくれる人ってさ。
 ありのままの、こんな汚れた奴でも受け入れて、愛してくれる人って、本当に居るのかなって。」

カランと音を立てて、水が机に置かれる。
スカートの裾を掴む手が、ぷるぷると震えた。

―――ゆっくりと深呼吸して、胸に手を当てる。

「でも、そういう事情なら、まぁ、納得は行くな。
 勇気が出たら、俺も風紀委員に申請に行くよ、
 立場上言いにくい事だろうに、正直に話してくれてありがとな。」

そう彼に笑いかけると、少女の様子を伺う。
少女のほうは、その話を聞いても変わらずノリ気のようだ。

『……俺には、こいつ程の勇気は無ぇな。』

そう考えながら、箸を置く。

「店主、御馳走様。うまかったよ。………商売上手だな、アンタ。」

結局、水に随分お金を払ってしまった。
それでも、また来てもいいかもしれないと思ってしまうのが、
この店のうどんだった、味は間違いなく最高だ。
いや、うまいとかまずいとかじゃなくて、独特の中毒性がある。
『次に来た時はカルボナーラうどんを食べてみよう』と思いつつ、荷物を纏める。

五代 基一郎 > 「汝隣人を愛せ、だっけかな。いないわけあるまいよ。
 少なくともここに一人はいるわけだし。そうして続くのが繋がりだとおもうよ。」

会計を済ませるように代金を置いてこちらも帰る準備を整える。
何せ一人送っていかなければいけないのだ。

「話す価値のあるから話すだけだよ。
 話さないと言うことはそういうことだし、話すということもまた然り。
 まぁ待ってるよ。口添えやら何やら出来ることもあるしさ」

ほら行こうか、と隣の少女を促し立ち上がる。
立ち上がるとあぁそうだと思い出し手帳を引っ張り出し
自分の名前と所属、アドレスが書かれた名刺をその”客”に掴ませ

「そんじゃまた。待っとるよ。」

と店主にか、客らにもかわからぬ別れの言葉で〆て
そのまま少女を連れだって屋台から出て、また落第街からも出て行った……

ご案内:「落第街大通り」から五代 基一郎さんが去りました。
惨月白露 > 「……そっか、アンタは愛してくれるのか。良かった。」

そう言って、髪の毛をくるくると弄りながら、頬を少し朱に染める。

「ま、俺も前向きに考えておくよ、
 『正義』の為に働けるなら、それはそれで楽しそうだしな。
 そうだな、どうせ働かせるなら、アンタの下に置いてくれ。」

少女も立ち上がり、男と連れ立って歩み去る。
それを見送れば、鞄を担いで、自分も屋台を出て行く。

「……『本当の関係』か。」

そう呟くと、眩しそうに眼を細める。

「俺にはやっぱりちょっと、眩しすぎるかもな。」

そう言って自嘲気味に笑うと、落第街へ、そして、学生街へと消えて行った。

ご案内:「落第街大通り」から惨月白露さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」に園刃 華霧さんが現れました。
園刃 華霧 > 「はー……最近、色々五月蠅かっタからナー……ようやっと落ち着いて此処に来れたヨ。」

我が物顔で道を歩く。
ゆったりとした足取りで、まるで堪能するように。

「ァー……やっぱり、落ち着くネ……この雰囲気……」

園刃 華霧 > 「ン……そっカ……今日は、一人……だよ……ナ……」

ふと、思いついたような顔をする。
思わず辺りをきょろきょろと眺める。
うん、複数体制って言われてるけれど今日は誰も誘っても誘われてもいないし……誰もいないな。

「久々に……行ってみる、カ……?」

迷いのない足取りで何処かへ向かって歩いて行く。
歩いて行く先には……屋台のうどん屋。

「ォ。アノおっさん、まだくたバってなかったカ」

園刃 華霧 > 「よォ、おっさン。元気してるカ?」

暖簾をかきわけて、中に顔を差し入れる。
ただよう香り。
種種雑多なスープの節操のない匂いの奔流
しかし、それでも嫌味にならないのは店主の腕前か。

「なんだヨ、嫌そーナ顔するなッテ。一応、上客だったロー?
 昔からアンタの店だけハ、食い逃げはしなかったでショ。」

まあそうだったな、という店主に楽しげに笑いかけて席につく。
いつものでいいのか、と聞かれるので当然、と答える。
それだけで通じるのだ。

園刃 華霧 > ほれ、と店主が差し出したうどんはひどく真っ赤だった。
もう、色々と真っ赤だった。
中身もかなり雑多どころではなくめちゃくちゃだった。

「来た来た、カラシメンタイコキムチあえワサビうどんー。」

珍しく相好を崩した笑顔になる。
さらに目の前に置かれた七味を遠慮無く景気良くぶちまける。
ついでに、添えてもらった激辛調味料をぶちこむ。
……味もへったくれもないように見えるが。

「ナー、おっさん。これ、折角だからメニューに入れないノー?
 もう大分経つケド、見た覚えがナイじゃん。」

そんなゲテモノ食べるのはおまえだけだ、と店主はにべもなく答えた。
ちぇ。
まあいいや、食べよ。

「ん……む」

ずるずる、とすする。
……うまい。辛い。うまい。
何よりすごいのは、これだけ無茶苦茶に辛くしてもしっかりスープも味も主張していることだ。

「じゅる……ト。相変わらズ旨いナおっさん。やっぱ、うどんはおっさんの店だナー」

園刃 華霧 > しばらく、ずるずる、とうどんを啜る。
うまい……うん。懐かしい味だ。

「んぐ……ん、んぐ」

あんまり旨いので、スープまで飲み干す。
いや、うどんだから汁、といったほうがいいのか……?

「ぷハ……ヤ、旨かった。おかわリ、よろしク。」

おまえそれよりこんなところにいていいのか? まさか仕事をクビになったんじゃないだろうな、店主が露骨に疑わしい目で見てくる。
クソ、酷い言われようだ。

「いやいや、確か二今は風紀の制服着てナイけどサ。
 アタシだって立派に更生してお仕事してるんだゾ?
 おっさんだって二年前のコトは覚えてるだロ?」

抗議すると店主は面倒臭そうに、そうだな、とだけ答える。

「いいカラ、おかわリ、早くクレよー」

園刃 華霧 > そして、二杯目が来た。
ちょっとだけ盛りがいい気がする。
なんだおっさんツンデレか?ツンデレなのか?
あんまりかわいくないけれど、今日ばっかりはちょっと愛しちゃうぜ、なんてな。

「イッヒッヒ……あんがとサン。
 っし。いただきまース!」

ずるるるるる、と景気良くすする。
うどんは一気にすするのがイイのだ。
そういえばこの間、でかい規模の二級学生保護があったぞ、と店主がぼそっと口にした。

「…………アー……ウン。やったみたいだナ。」

景気良くすすってたうどんから一旦、口を離す。

「なんダおっさん急に。っていうカ、そんな政治っぽいコト言うようなキャラだったっケ……」

おまえの上の方の人がきて、一通り演説をぶっていったんでな。
で、保護された学生の先輩としてはどうなんだ、ああいうのは。
店主はつまらなそうに言った。
おい、つまらなそうに言うならそういうこと聞くなよ、おっさん。
愛情指数が下がりまくりだぞ、こんにゃろ。

「サー……アタシは頭が悪いから、よくわからン。
 真面目な連中がやるからにハ、少しは意味があるンじゃないノ……」

園刃 華霧 > ずる……ずるるるる………
問答はさっさと切り上げて、うどんを無心にすする。
うん、やっぱり旨い。
うまい飯を食べている時に、余計な話はいらないと思うんだ。
全く、誰だそんな話をこのおっさんにしたのは……?

「はぁ……」

うどんを食べ終わって一息つく。
明太子のピリッとした辛味。
キムチのまろやかな辛味。
そして、ワサビのツンっとした辛味。
それらが渾然一体となったところに、七味の辛味が適度に混ざり……
そして、トドメとばかりにぶちまけた辛味調味料の辛味が引き締める。
最高だ。
ただし、素人にはおすすめできない。

「ま……アタシはとりあえず、ソコそこ楽しくヤレてるヨ。
 だからまア……上手くいけバそれなりにヨロシクやれるンじゃないかネ。」

それだけを店主に答えた。

園刃 華霧 > 「ほイ、お代。
 昔と違う、まっとーに稼いダ、まっとーナお金だヨ。
 ご存知のトーリ。」

丼を差し出し、きっちり数えてお金をおく。
ちょっと色を付けようかと思ったけれど、やっぱやめておく。
おっさんは黙って受け取った。

「ほんじゃ……まあ、また気が向いたラ来るヨ。
 やっぱ旨いしネ。」

園刃 華霧 > 暖簾をくぐって、屋台の外にでる。

「んー……やっぱ古巣は落ち着くナ……
 今日は、コッチに泊まっていくかネー」

そのままフラフラと街を歩き始めた。

ご案内:「落第街大通り」から園刃 華霧さんが去りました。