2015/08/17 のログ
ご案内:「落第街大通り」に佐伯貴子さんが現れました。
佐伯貴子 > 【PL注:しばしソロールに場所をお借りできればと思います】
佐伯貴子 > (深夜、後輩二人を連れて大通りを歩く)
(二人共戦闘は得意ではなく、佐伯貴子は言うまでもない)
(危険である)
(しかしこの制服がこの街を歩くことに意味があるのだ)
(風紀委員会が見回っているということが問題なのだ)

(先頭を歩いていた佐伯貴子の前に集団が現れる)
(後輩二人は戦闘態勢をとるが、手で制する)
「オレらのダチが昇格希望したんだけどよォ、今は牢屋にブチ込まれてるっていうじゃねえか!」
「詐欺じゃネェのか風紀委員さんよォ!」

佐伯貴子 > (どんな行為であろうとだれもが幸福になれる行為はない)
(特に歪なこの島の最も歪なこの街ではそうである)

嘘は言っていない。
二年次以降も正規の手段で学費を納めれば受け入れる。
(実際、現在無能力の正規学生もいるし、「役に立たない能力」の正規学生もいる)
だが罪は罪だ。
相応の処罰を受けてから入学するのは当然だ。
(毅然とした態度で学生、おそらく二級学生たちに言う)

「それを詐欺っていうんだよォ!」
(異能でも魔術でもなく拳が顔面を捉えるのを感じた)
(こういう場合はつまり、制したいという感情ではなく、怒り)
待て!
(後輩二人に言いながら暴力を受け入れる)

佐伯貴子 > (素手同士の戦いなら素人には引けをとらない程度には鍛錬を積んでいた)
(しかしその技術を使わず、されるがままに地面に引き倒され)
(四方八方から蹴られていた)

(偽善であった)

(この学生たちの怒りを沈めても何にもならない)
(だが自分はその程度を受入なければ、この街を歩く資格はないと思っていた)

(やがて気が済んだのか、「うまい話には裏があるよなー!」「おう」などと言いながら学生たちは去っていく)
(心配そうに後輩たちが駆け寄ってくる)
大丈夫だ…
(ボロボロになりながら身体を起こす)
(この光景は映像に収められており、学生たちは見つかれば処罰されるだろう)
(風紀委員の名を汚すわけにも行かなかった)

(だから偽善なのだ)

佐伯貴子 > 【PL注:以上です、乱入歓迎です。ありがとうございました】
佐伯貴子 > (肋骨にヒビが入っているであろう痛みがあった)
(我慢すれば歩いて病院まで行けるが、もちろん平気ではない)
すまない、ちょっと肩を貸してくれないか…
(慣れっこといった普段の表情に、苦痛が浮かんでいた)
(後輩二人に肩を借りながら立ち上がる)

ご案内:「落第街大通り」にライガさんが現れました。
ライガ > 路地の一角にある銭湯。
その店先に別れを告げて、さっぱりした顔つきで路地を歩く。
風呂ついでの情報収集、といってもここ最近は特定の件についての調査だが。

が、どこからか罵声や打撃音が聞こえ、立ち止まる。騒ぎは大通りの方で起きているようだ。
またか、ここ最近多いなと顔をしかめ、壁に手をつき、音もなく進んでいく。
通りに出る直前、不法投棄されたガラクタの影に身を潜め、通りの様子をうかがった。
(……おいおい、まさか)
右手を額に当て、あっちゃーと苦々しげにため息をつく。
そこにいて八つ当たりともいえる暴行を受けているのは、見知った顔。

(……たしかに突発的な怒りは収まるだろ。
だけど、その先……もしも、より感情がエスカレートした「先」があったならば。
無用な犠牲が出ないとも限らない、それも、自身の身を顧みない類の。
それこそ、一歩間違えりゃ尊い自己犠牲、か)

周囲の人影を確認し、偶然を装って早足で歩いてくる。

「ありゃ、やっぱ貴子じゃない。
なに、乱闘?」

佐伯貴子 > (こういった行為を受け入れるのは自分の《治癒》魔術に賭けているからだ)
(死なないから攻撃されても良い)
(だから偽善を通り越したただのひとりよがりなのだ)

ライガか。
乱闘というかリンチだな。
よくあることだ、慣れている。
(切れた口の中から血があふれる)
(ペッと吐き出すと欠けた歯の欠片が混じっていた)
(これでもどうにかなってしまうからこの島の医療は恐ろしい)

ライガ > 吐き捨てるような、自分を顧みないような発言に、僅かに目が険しくなる。
付き添いであろう2人の風紀委員は無傷なことから、おそらく彼女がわざと自分1人にひきつけたのだろうと推測する。

「よくあること、って……なに、抵抗しないの?
さっきそこで相手らしき学生通ってったけど、あの程度怪我するほどでもないだろ。
それに、最近は結構過激になってきてるって噂もあるし、あんまり自分から殴られに行くのはおススメしないよ」

これでも、目の前にいるのが風紀委員だと、わかったうえでの発言である。

この常世島の医療技術は、確かにすばらしいものだ。
死んでさえいなければ、治療が間に合えば、どんな傷を負ってもたいてい、なんとかなる。
だがそれは、あくまでも死ななかった場合で。

「そんなことやってると、……いつか死んじゃうぜ。
それとも、ひょっとして、この前の事、まだ気にしてる?」

佐伯貴子 > 抵抗するかしないかは場合による。
完全な巻き込まれの場合には抵抗するさ。
おすすめされないのはわかっている。
自己満足さ。
(自嘲気味な苦笑を浮かべる)
なに、私の能力で風紀委員をやっていれば死と隣り合わせさ。
この街だけでなく歓楽街でもな。
この前のことってなんだ?
とりあえず、「風紀委員」に恨みがあるのなら気が済むまで殴られるのはいつものことだが。
(二人の会話に後輩二人は特に入ってこようとはしない)

ライガ > 「自己満足って、仕事ですらないんじゃないか。
少なくとも仕事としてやるなら、、見回り役と、サンドバッグ役は分けるべきだと思うぜ?
で、サンドバッグなら、こんな人目の多いところじゃなくて、もっと隅っこの方で。そして、事が終わったら何事もなかったみたいにピンピンしてたほうがいいだろ。その場でやられ役をやってりゃあいいんだし。
一般学生にしてみりゃ、日ごろ自分たちを護ってる、頼りにしてる奴が凹られてるのを見て、何も思わないやつはいないだろうし」

死と隣り合わせというのは、治安に関わるすべての人間がそうだろう。
そこに関してあれやこれやいうつもりはない。

「この前の事って、そりゃあ……」

本部襲撃とか、その前の誘拐事件とか、言おうとして、そういやあんまり大声で話すような話題でもなかったか、と口をつぐんだ。

「……ファミレスの話。まあ、いいや。
ただ、一言だけいっとくぜ。
風紀だろうが、あるいは公安だろうが、そのほかの自警団だろうが……
そういう治安組織めがけて襲ってくる連中が、当たって気が済む連中ばかりだ、とは思ってないよな?」

佐伯貴子 > その点は大丈夫だ。
この二人がさっきの犯人を映像で抑えている。
風紀委員暴行自慢をしている頃に捕まるさ。
(そういう手はずであった)
私は特殊な例だ。
この街じゃなきゃやってないし…
普通の風紀委員は暴力沙汰になる前に捕らえているだろう。
私の能力なりのやり方なのさ。
(歓楽街ではさすがに反撃する)
(二級学生率の高いここだからできるのだ)

ああ。
相手は見極めているつもりだ。
さっきの連中は小物だし、だからこそ殴られた。
風紀委員によっては小物だろうが何だろうが捕らえるだろうけどな…っていうか普通はそうだな。
いつものことと言っても、大勢いる中の一人だ。
対処も用意してる。
完璧な秩序維持とはいえないが、私なりのやり方さ。
(肩をかしている二人は複雑そうな表情で聞いている)

ライガ > なるほど、要するに囮か。
だとしても、彼女がその役を買って出る意味はあるのだろうか。考えるが明確な答えは浮かばない。

「あー、物的証拠の確かな、現行犯が一番確保しやすいってのは、わかるよ。
でもそれだって、一発殴られたらボコボコにされる前に捕まえりゃあいいだろ。
気の済むまで殴らせて、しかも泳がせるなんて……風紀委員に対する暴行を容認してるような話だよ、聞いてる限りは」

ため息をつく。これ以上話しても、平行線だろう。

「わかった、そこまでいうなら止めはしない。でも
……顔くらいはガードしなよ」

いくら治る怪我だとはいえ。

佐伯貴子 > (頬をさすりながら、腫れを確かめる)
一発殴らせてから…それもありかもな。
だが、いつでも相手が私より弱いとは限らない。
3人がかりで、いや風紀全員でかかっても勝てない相手もいるかも知れない。
だからこそ、手が回り切らないからこそ「私は」こういうやり方をしているのさ。
気の済むまで殴らせるのは、私の気が済むから…だな。
だが、今後は殴られたら直ぐに立ち上がることにしよう。
(完全な平行線ではなかったようだ)

顔も肋骨も大して変わりはないだろう。
でも…君がそういうのなら善処しよう。
…ありがとう。
(こういうことが起きるのは一斉昇格の後だけだが、ライガを公安と知らないのでそれは口にしない)
(ただ顔を気遣ってくれる相手には礼を言った)

ライガ > 風紀総勢でかかるほどの相手……そんなの居たら嫌だな。
肩をすくめて苦笑する。

「それこそ、ただ殴られてる場合じゃないだろ。
少なくともそれほどの危険な相手なら、応援を呼ぶとか、一時撤退するとか、なんとか、あるんじゃない?」

あ、自分のことは棚に上げた。

「どういたしまして。
肋骨はまだ服着てるから隠せるけど、顔は隠せないだろ。
例え治る怪我だとしても、パンダ顔なんかは見てられないよ。
今回はそこまででもなかったようだけど」

今日はこのあととくに予定はない。裏付けは、……明日でいいだろう。
病院まで付き合おうか?と声をかける。

佐伯貴子 > 相手は見てるって言っただろ。
さっきは小物だから殴られた。
中ぐらいだったらこいつ…テーザーガンを使った。
大物だったら即逃げて連絡するさ。
それに、風紀に手を出してくるのは小物か大物しかいない。
大物相手は私の仕事じゃないのさ。
(殴られたのにも理由があるのだ)

なんだ…
(女だから顔を守れという意味じゃなかったのか)
(少しがっかりする)
君がいてくれると助かる。
3人より4人がいい。
お言葉に甘えるとするよ。
(後輩たちとともに歩き出す)



(後日、今回の暴行犯は風紀委員の手により見事に捕まった)
(どう思われたかは情報を受け取った人間次第だ)
(その情報がどこまで広まるのかは、この街の住人かゲマインシャフトでもなければわからないことだろうが)

ご案内:「落第街大通り」から佐伯貴子さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」からライガさんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」にヨキさんが現れました。
ヨキ > (大通りに面したビルの隙間。ごく細い路地にほんの一歩入ったところで、壁に背を預ける形でしゃがみ込んでいた。
 郷に入らば郷に従え、の服装で、美術教師ともなればその顔に気付く者は今のところなさそうだった。
 自分の足に頬杖を突き、もう片方の手にはシャンパンゴールドのスマートフォンが握られている。
 頬に添えた手には吸いさしの煙草が抓まれている。持ち慣れた仕草で煙を呑み、ふっと吹き出す)

「……何度吸っても」

(この煙草というものは、よく分からない。
 別段咳き込むでもなかったが、浮かんで消えてゆく煙をぼんやりと眺めた)

ヨキ > (徐にスマートフォンの画面を開く。会話形式のメールアプリにメッセージを打ち込む。
 『異状なし』。‍ささやかな乱闘が散見されたにはせよ、今のところ取り立てて派手な出来事は、ない)

「…………。はあ」

(腕を下ろし、苦い顔で溜め息を吐く。
 常世公園で発生した、女子生徒に対する銃撃事件。
 その容疑者としてバロム・ベルフォーゼ・シインが出頭したと聞いたのだ。
 シイン。異世界からやってきた軍事講師――そして、『やなぎ』の上官)

「はあ……」

(先週、カフェテラスでやなぎと出会ったときのことを思い出す。

 『そうですっ!何か他に知っていますか?例えば……』
 『…その女学生がどこで入院しているとか。』

 何も疑いはしなかった。何ひとつ。
 『常世保健病院』。自分が彼に伝えた名前。

 やなぎが常世学園の一員として、四十万静歌と繋がろうとしていたのだと。
 そればかりを思っていた。その間にシインが介していたことを――知る由もなく)

ヨキ > (紫煙を呑む。吐き出す。また呑む。
 無為な考え事に浸るツールとしては、この煙草という嗜好品は悪くない。
 ずるずると滑るように、膝に顔を埋める)

「……ちくしょう」

(膝の隙間から、くぐもった声が漏れる)

「畜生めが……」

(男と女だとか、大人と子どもだとか、機械と人間だとか、教師と生徒だとか。
 今このときばかりは、その程度の身分はどうでもよかった。
 この島においては、もっともっと大きな括り)

「……異邦人が地球人撃って、……どーーすンだよ……」

(自分が『室長補佐代理』へ言って聞かせたように。
 この常世島の秩序は、薄氷の上に成り立っているに過ぎない。

 自分が獅南蒼二へ言って聞かせたように。
 自分たち異邦人は、いつまで経っても“招かれざる『まれびと』”に過ぎない。

 薄氷の上でステップを踏むように、異邦人たちは島のコミュニティへ恐る恐る足を踏み入れてきた。
 ときに歓迎されながら、ときに忌避されながら。

 いつその信用が欠けてしまうとも知れない日々を、手探りのうちに――
 学園の創設から、十年と少し)

「………………」

(有体に言って、落ち込んでいた。怒っていた。
 その一件がどんな影響を及ぼしたか、あるいは及ぼさなかったか。
 実際に見て聞いて確かめるには、この島はあまりにも広い)

ご案内:「落第街大通り」にサイエルさんが現れました。
サイエル > 帰り道――

今日も上等な嗜好品を求めて
ふらふらと歩いていた。ゆっくりと湿気たタバコを咥えて
ゆらゆらと、煙を漂わせながら。

その時に聞こえた、うめき声。
いや、うめき声というにはもっと”小さかった”が。
しかし、この男の耳に届くには”十二分過ぎた”。

なにかおもしろい見せ物、だろうか――
それとも……?

「おや、どんな女の子が鳴いてるかと思ったら
 予想は外れて、立派な男性じゃないですかぁ」

やれやれと首を振りながら。
あっはっはっと、笑ってじょりっと顎を擦る。

「……どうかなさいましたかー? 具合が悪かったりします?」

白衣を揺らめかせながらゆっくりと――近づいて

ヨキ > (上から降る声に、呻き声を漏らす。
 んん、と低いその声は不機嫌に過ぎて、どう聞いても酔っ払いめいていた。
 じろりと顔を上げる。幽鬼のように暗い顔。
 眼鏡のフレームを押し上げる……
 そうして、やってきた男の顔に気付く)

「……ッあ、……。――サイエル」

(学園の保険医。顔を拭う。頭を振る。揺らめきながら立ち上がる。
 仕事中とはまるきり異なる、落第街のための服装。
 スマートフォンを尻のポケットに捻じ込み、頭を掻いて小さく笑う)

「君か。いや……具合は悪くない。
 街の見回りをしていて、今はその休憩を」

(教師相手に話をしながらに、構わず煙草を吸う。
 その煙たい匂いに交じって薄らと立ち上る、異国調のスパイシーな香水。
 手首に重ねたバングルがじゃらりと鳴った)

サイエル >  
「おや……誰かと思えば――」

くすりと笑う。別段どこにでもあるような目立たない顔だ。
静かに目を細めて、くつくつ、喉を鳴らした。

「そぉですかぁ? 身体が頑丈そうなのは知ってますが――
 こころはどうだかわかりませんしねぇ?」

お勤めご苦労様ですと、告げて。タバコをもみ消し、新しいのを口に。
ライターをカチッと鳴らす……火が出ない・
あれ? とか言いながら何度もカチカチ。

「……ひぃ、アリます? もらえたりしません?」

すみませんっと、頭を掻きながら。

「随分気合の入った格好ですね。いやぁ、おしゃれな事で」

ほぉっと関心したように

ヨキ > (サイエルの言葉に、眉を下げて笑う)

「ご明察。心は大時化だ。
 ……知ってるか。教師がひとり、女子生徒を撃って風紀に出頭したらしい。
 彼は異世界から派遣されてた。異邦人全体の評判に係わるとも知れん」

(それだけ言って、また溜め息。
 火を求められると、ポケットから取り出した金属製のオイルライターをかちんと開く。
 点った火を、サイエルの煙草へ向けて差し出す)

「気合は……それほどでも。
 落第街に入るならそれなりの格好をせねばならんと考えたのが二割。
 あとの八割はヨキの趣味だ」

(ほぼ趣味であるらしい。
 咥え煙草でサイエルを見遣って)

「そう言う君は?サイエル。
 このようなところにまで、往診でもしに来たのかね」

サイエル > あぁ――すみませんと

顔をそっと、火に寄せて灯す。
強い、きつい香り。きっといまどき吸ってないような
古い古い、銘柄。一行に改良もせず、貫いて。”まずい”と
時代に、乗れなかった故に評されてしまった――

「あぁ、あれですか。ええ、ええ。知ってますよ。入院患者は
一応、耳に入れてますからねぇ」

いいライターですね、なんてお世辞を口にしながら。

「――異邦人の評価。あぁ、それを口火に差別とか出ちゃうかもしれませんね。確かに」

事も無げに、さらりと。
へぇ、趣味――すごい趣味だ。おしゃれな男……

「いやぁ、モテる男は違いますね。私は、見ての通り……」

タバコを数点。もう売ってないような銘柄ばかり。
そして度数が強い酒も、数点。

「往診なんてとてもとても。サボりですよ、サボり
サボるのに必要な品を求めてはるばると、です」

ヨキ > 「だろう?
 我々『善良な異邦人』の努力が、水泡に帰したとしてもおかしくはない。
 ……さておき、あとの懲罰は財団と、風紀が是非を下すだろうからな。
 ヨキに出来るのは、変わらず善良な隣人で在り続けることだけだ」

(すん、と小さく鼻を鳴らす。
 『好い趣味だ』と呟いて、にやりと笑う)

「何しろ、モテた方が心地の良いのは当然だろう?
 ヨキは元々が犬だ。人間と、誰より女にモテるためなら、相応のことはする」

(サイエルの買い物を覗き込む。
 感心した声を上げて)

「君こそ、随分と上質なサボり方を心得ているようではないか。
 これはこれで、堪らぬ女も居るのではないかね?
 サイエルはカウンセリングの腕が、なかなか立つと聞いているからな」

サイエル >  
「あっはっは。ええ、ええ。そうでしょうとも
 我々教師にできるのは、変わらないですよ。いつまでも
 どこまでも――この島の中では……」

ふーっと、空に煙を吐いていく。
静かに静かに、揺蕩わせて。
そっと、善良な同僚に視線を合わせた。
嫌いじゃないようで何よりなんて、肩をすくめて。

「水泡にきそうが、そこで何かを起こしてしまえば
 それこそ、軋轢になるでしょうしね。理性的で――少し心配ですね?」

ゆったりと、目尻が緩む。
じょりっと再び顎をさすりながら――

「えぇ、それはそうですが。そのためにキッチリできるというのは
 なかなか難しいものですよ……? ほら見て下さいよ。
 思ってはいますが、できてない前例が目の前に――」

そこで、世辞だかわからぬ言葉を投げかけられれば。

「よしてくださいよぉ、仕事は嫌いだし女は商売でしか寄って来ませんって。何も出ませんよ? あ、酒飲みます?」