2015/08/31 のログ
ご案内:「落第街大通り」に佐伯貴子さんが現れました。
佐伯貴子 > (後輩二人を連れて警邏である)
(なぜ風紀委員がここを警邏するのかといえば)
(二級学生が二級学生を襲うのを止める…ためではない)
(被害者が二級学生ならば、加害者が誰であろうとそれを止める法はない)
(「二級学生が”正規学生”を襲うのを止めるため」である)
(だから、一般生徒がここに立ち入らなければそんなことは必要ないのだ)

佐伯貴子 > (しかし、ここは島の闇の部分)
(好奇心などからここを訪れる生徒は後を絶たない)
ふむ…
(今日はこの制服から距離を取られている)
(平岡ユキヱとアーヴィングの活躍があったためである)
同僚さまさまだな…
(他にも、この世界にきてすぐの異邦人が迷い込んだのを保護したり、様々な仕事がある)
(ともかく、風紀委員がこの場に駆り出されるのは違反生徒の摘発だけではないということだ)

ご案内:「落第街大通り」に”望月満月”さんが現れました。
”望月満月” > 偽の名前、偽の立場。
それらを落第街で作っておく為、十六夜棗は”望月満月”として落第街で行動する頻度を少しずつ上げていた。
それでも、誰かに話しかける事は殆どなく、制服姿の3人組を見かけた時も、建物の壁に背を預けて様子を見て、公安から研究施設の事件で自分が手配されているか、反応を確かめようとするに留まっている。

佐伯貴子 > (制服姿の生徒が絡まれている現場に遭遇する)
おい、やめろ。
風紀委員だ。
(絡んでいた二級学生は舌打ちしながら姿を消す)
(制服姿の学生から学生証を受け取り、身分を確かめたあと、転移魔法で歓楽街まで)
(こういった仕事がメインである)

(望月満月はここに溶け込んでおり、風紀委員としては情報も持っていないので、チェックの対象ではない)
(なので、特に反応も示さない)
(大通りの全員に声をかけていてはそれこそ仕事が成り立たない)

”望月満月” > 風紀委員が、絡まれている生徒の救出を行っている…が。
こちらには反応を示す様子はない。少なくとも手配されているとしても、公安と名乗っていたアトラ9…あそこで偽証を考える必要は薄いから、公安と風紀のラインがそこまで密ではなさそうだと解る。

それよりも、自身ではなく他人にかける転移魔法が委員会の警邏レベルで実用化されている事。その魔法の詠唱の解読を可能ならば試みる。
そちらの方が、より身になりそうだった。長時間は危険だとしても、付かず離れずを保って、彼らの追跡観察を行う事にする。

佐伯貴子 > (本来、本土では警察組織より公安のほうが上位組織である)
(だからというわけではないが、頻繁に情報交換が行われているわけではない)
(風紀委員同士でも知らないことがあるので尚更である)

(転移魔法を行ったのは後輩の一人)
(その呪文は、4年間講義を熱心に聞いていれば理解できる程度の難易度だ)
(ただし、素質はそれなりにありそうである)

”望月満月” > 組織の外部と内部では、その知識量と見解や実情とイメージに大きな差が生まれる。
この観察は、その点でもある程度収穫になりえるかも知れない。

思考は転移魔法への解読、解析に移る。
講義としては約半年程度。残りは独学。知識面では恐らく不足しているが…
一度では足りなくても、ピース毎の解読を行えるなら、一部分の解析ならできそうだ。もう一度転移魔法を行うような事件を待つか、それとも――

――仕掛けるか。何かしらの切欠が先か、それとも決心するのが先か。追跡は続ける。

佐伯貴子 > (そもそも風紀委員でも意思統一がされているわけではない)
(だから見ていても理解できるのは、風紀は一枚岩ではない、といったところだろう)

(しばらく三人組はゆっくりと歩みを進める)
(人混みがまるで聖者に割られたように避けて行く)
(転移呪文を使う機会はなさそうだ)

”望月満月” > 人混みが彼女達を避ける事事態は至って自然。
何かをするような機会も普通の生徒がいるか、誰かが仕掛けでもしかい限りなさそうだ。

と、なれば。一端路地に入って彼女達の行く先へ、先周りを計る。
…大通りに出直して、手頃な…チンピラっぽい人物を見つけて、手が止まった。
そもそも自分が人間に仕掛けるのに向いてなかった。
だから人間じゃなくてアンドロイドを書き換えてしまいたくて、勢いで研究施設で張ってみたりして、事件を起こして今の状況だと言うのに。
そして逆にどこ見てんだオラとチンピラに絡まれた。

佐伯貴子 > (何か揉め事の火種になりそうな様子に目が行く)
(「被害者」は制服を着ていないようだが、正規学生である可能性は否定出来ない)
そこで何をしている。
風紀委員だ、道を開けろ。
(望月に絡みそうなチンピラに向かって三人組は早足になる)

”望月満月” > ちょ、まって。予想外過ぎる。
構想では、このチンピラを風紀にけしかけようと思っていたのに。

仕方ない、このまま意識下で魔術を構築して頭が煮え上がったチンピラが風紀に襲い掛かる様に仕向ければ…って風紀早っ!

「な、何って…」

こっちに来ちゃったよ、どう、どうし…チンピラが風紀委員を見て舌打ちして逃げた。
待って、置いてかれた。
……どうしよう。

「……礼は言って置くわ。」

私の自業自得だけど助けられた格好だし、手配も掛かってなさそうなら、穏便な対応をするに限る、筈。

佐伯貴子 > 怪我などはないようだな。
礼には及ばない。
こちらは金と単位をもらって仕事をしている。
まあ当然のことだ。
(佐伯貴子は微笑みかける)
君、名前を聞いてもいいかな。
私は風紀委員、2年の佐伯貴子だ。
(相手が二級学生でも正規学生でも、目の前でトラブルが起きるのは御免であった)

”望月満月” > 「……」

金と単位と聞いて押し黙る。
そういう報酬がなければ、精力的に活動は行われない、と言う事だろう。
微笑みも、素直には受け取れなった。

「…望月、満月よ。」

一言それだけ言って。
学年も名乗らなければ、他の二人には目を合わせようともしない。

ただ、ふと気になる事が、ある。

「生身でここに来るって怖くないのかしら?」

佐伯貴子 > (報酬によって動くのも一部にすぎない)
(報酬があろうがなかろうが、己の『正義』に従って活動するものもいる)
望月満月、だな。
(携帯デバイスを取り出して検索しようとしたが、続く言葉に仕舞い直し考えこむ)
そりゃあ怖いさ。
だが、迷い込んだ――あるいは自分から入り込んだ学生が、危険にあうのを少しでも防げれば…
私たちも危険に身を晒す意味があるというものだ。
(真顔であり、いつもの表情である)
本当は、私一人では危険すぎるんだがな。
後ろの二人がいるおかげで何とかやれている。
(苦笑しながら後ろを見やった)

”望月満月” > 聞いた内容で判断するしかないのだから、現状は、そう考えている。
全てを真に受ける事はどうかと思うけれど。

「…ええ。
防げれば。ね。逆もある事を覚えておくと良いわ。
”風紀や公安がいるからこの辺りも大丈夫”だから安心ってね。」

虎の威を借る狐。と言う物だ。
本当にそうかは知らないけれど、誰かが護ってくれると言う期待なんて、運や人脈と言う力がなければ裏切られる。

「……そう」

仲間、と言う事か。少しだけ羨ましくも、ある。

佐伯貴子 > ああ、防げれば、だ。
私たちも万能ではない。
派手にやるものもいれば、こうしてこそこそやるものもいる。
そこはまあ、全能な人間などいないということで赦してもらえないだろうか。
(話しながら、なんとなく相手は二級学生ではないかと推測する)
(そして、こうして話すだけなら報告する義務もないので、検索はしないでおく)
(相手が風紀や公安をわかっているのだったら、昇格を希望するなら進んで言ってくるだろう)
(それをしないということは、何か事情があるのだろう)
(ここは独断で見逃すことにする)

”望月満月” > 「…ええ、そうね。……全能な人間もいなければ完璧な人間もいないわ。」

そして、完全な社会もなければ、闇が深まる事を防げない事だって解る。
目に止まる、助けられる力がなければ、そこで沈むのだから。

「…そう言う物でしょう?何かの力があればこそ、救いの手は差し出される。
それが社会だもの。」

善意を口で述べていても、原理としてはそうなのだ、と認識している。
本当に力のない弱者は救われない。自力で這い上がるしかない。
冷静に話していても、視線は冷たくつりあがっているのが自分でも良く解った。

佐伯貴子 > 残念ながら、その通りだな。
情報があったら。
歩ける足があったら。
聞こえる耳があったら。
喋れる口があったら。
――なんて、考え始めるとキリがない。
(肩をすくめ)
だから私は、私ができることだけをやるよ。
ただし、手は抜かない。
まあ、凡人なのさ。
(後ろ二人は周囲を警戒している)
(エアポケットのように人だかりは離れていく)
(これ以上長話するのは、双方にとってあまりよろしくない)

”望月満月” > 「…そういうレベルじゃないわよ。」

まぁ、似た様な物なのかも知れない。
この島においては特に。

話していて多少は不信感は和らいだ。とは言っても。
別段それで何が変わるか、というと直ぐに変わる物もない。

「…仕事の邪魔をしたわね。」

長話しすぎたし、今日これ以上追跡するのも無理だろう。手を軽くひらひら、と振って。
背を向けて去る事にする。人目のない所を移動して今夜は十六夜棗に戻った方が無難だろう。

佐伯貴子 > 喩え話さ。
(この島では異能や魔術は手足である)
(だから喩えた)
いや、勉強になったよ。
気をつけてな、望月。
(軽く手を振ると、先ほどの仕事に戻っていった)
(後ろの二人は待ちくたびれた様子もあったが、佐伯貴子の性格には慣れっこのようであった)
(こうして、「望月満月」の名前は、わずかばかり風紀委員の下っ端の脳裏に残されたのであった)

ご案内:「落第街大通り」から佐伯貴子さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」から”望月満月”さんが去りました。