2016/02/04 のログ
ご案内:「落第街大通り」にカインさんが現れました。
■カイン > 「……………。」
その日は、特に何もなかった。
少し寒さは厳しかったが積雪もなく、曇天続きの中に爽やかに晴れた日。
寒いために気分こそ落ちるものの、スカッとした良い日であった。
その日は、何もなかった。
落第生同士の小競り合いや荒くれたちのケンカ、はたまたよろしくない道を歩く者達のドンパチなど、
ここ落第街では様々なことが大小あれど起こる。
しかし、その日は何もなかった。
■カイン > そんな何もなかった日の昼頃。
ゴミ捨て場の中に、一つだけ黄金に光るものが落ちている。
それは、油差し。ランプであった。
黄金一色で味気ない色合いではあったものの、よく見ればシンプルながらも文様などが彫り込まれていて美しい。
普通であれば、落第街の者達に持ち去られて居るはずだろうが、何故かそれはゴミ山にちょこんと鎮座するのみである。
■カイン > ただ、妙なことにそのランプは誰も手に取ろうとしない。
浮浪者も、落第生も、荒くれも、よろしくない道を歩く者も。
その黄金の輝きに気付いていないかのように通り過ぎていく。
そのランプは、ゴミ捨て場の王様か何かを気取るように、黄金の光を跳ね返している。
ご案内:「落第街大通り」からカインさんが去りました。