2016/05/02 のログ
真乃 真 > 今までとは違い警戒しているのか中々相手は出てこない。
二戦目、三戦目は『ふ…あいつを倒すとは中々やるな!だが俺も同じと思うなよ』って言いながら出て来てくれたというのに…。
とか考えながら観客席の方に目を向ける。
見るからにゴロツキといった風貌の生徒だけではなく結構上品な格好の人もいる。
どこにでもいそうな生徒いるし、初めて見るような異邦人もいたりする。

ご案内:「地下闘技場」に悠樹臨助さんが現れました。
ご案内:「地下闘技場」から悠樹臨助さんが去りました。
ご案内:「地下闘技場」に一樺 千夏さんが現れました。
一樺 千夏 > 「ふ…あいつを倒すとは中々やるじゃない!だがアタシも同じと思わないでよ?

 ……さっきまでの人、始めて見たけど。」

やってきたのは2m近い長身の女性。
まず目を引くのはその右腕である。あきらかに機械のそれをぐるぐると回してアピールしている。

一樺 千夏 > 軽く屈伸運動で体を解す。

「今のオッズってどれくらいかしらん?
 アタシにこの財布の中身全部賭けちゃう」

ポケットから財布を丸ごとぽーいと投げる。
負けたら無一文になるが、それはそれ。少しくらいはなんとかなるだろう。
何よりも。

「勝負って多少のスリルがある方が楽しいもんだし、ね?」

真乃 真 > 「オッズ?だいぶ高いよ。ダークホースってやつだからね!僕は!」

無駄にかっこいいポーズで答える。

「いや、凄いね…。なんでみんなそんなギャンブラーなのさ…。」

少し前に味わった感覚をまた味わいながら右手にタオルを構える。

「でもスリルがあるのが良いのは同感だよ!さあ、始めようか!!」

一樺 千夏 > 「高いほうが儲かるから嬉しいわ。
 退屈な日常に刺激をってね!」

右手を前にした極端な半身の構え。

「あら、イカしてるわね“ヒーロー”。
 壊れても怒らないで……ね!!」

右半身のまま、タックルの要領で真に向かって駆けていく。
工夫も何も無い、ただただ力に任せただけのタックル。

真乃 真 > 見た目で言えば明らかにあの右腕がメインの攻撃手段だ。
うん、間違いない。
背丈もあるし、リーチもある。その上機械だからまだ何があるか分からない。

「こっちこそ!壊したらごめんね!勝った分から修理代くらいは払うよ!」

その力任せのタックルに対してこちらも正面から返す半歩横に動いて全力でタオルを振りぬく。
一見ただのタオルだがそうではない。
このままタオルにぶつかれば鉄板がぶつかった程度の衝撃は免れないだろう。

一樺 千夏 > 硬いモノ同士がぶつかる音が響く。
ちょっと意外そうな顔でそれを見る。

「あら、やっぱり何か仕込んであったのねぇ……気をつけなきゃ」

ニィと笑って、そのまま押し切るつもりか脚にさらに力を込めた。

「鬼ごっこと綱引き、どっちが好み?」

真乃 真 > 「やっぱり堅いね。これはあまり良くないかな?」

タオルを引くとそれが自分の右腕に巻かれる。
あっけなく引き下がると、左側を取ろうと走り始める。

「どっちかって言うと鬼ごっこかな?もちろん鬼は僕だけどね。」

自らの異能を何度も発動し一歩、また一歩と一歩ずつ早く移動する。
その移動に少し違和感を感じるかもしれない。

一樺 千夏 > 「そりゃあね、硬いのがウリだもの!」
あっさりと引けば、その分追いすがるように歩を進める。

「ここが白い砂浜じゃなくて、アタシが白いワンピースとかじゃなくてごめんねー?」
少し怪訝な顔をするものの、そういう歩法だろうと納得させる。
同時に、“目”を戦闘用に変更。
世界がスローに感じる。

背後を取る目論見なのは想像につく。
とりあえずは……自身を中心にした円の動き。
武術のそれで最初の動きで相手を常に正面に。
「お手並み拝見ってところかしら?」

真乃 真 > 「今の時期なら砂浜よりも!菜の花畑とかいいかもしれないねっ!」

白いワンピースは否定しない。
速度を速める。スローにすればより異常さを感じるだろう。
足を上げる過程を飛ばしてすでに一歩先に足を下しているのだから。
一歩では後ろを取るまでには至らない。

「生身の方狙うけどごめんね!」

ぐるぐると後ろを取ろうとする動きから一転、二秒で切り返して攻勢に移る。
いつの間にか左手に持ち替えられたタオルが生身に見える左側面からの攻撃を狙う。

一樺 千夏 > 「弱いとこ狙うのは卑怯でもなんでもないから気にしなくていいわよー」

再び響く、硬いもの同士がぶつかる音。

「生身だって、紹介したつもりもないし……ね!!」

迫ってきたタオルを左手で捌いた。
少しだけ顔をしかめる。

「めんどうな獲物ねえ……打撃武器みたいなもんかしらね。
 アタシからもそろそろ行くわよ。
 おねーさん、サービスしちゃうわ」

ウィンクしてから、間合いを詰める。
初手のタックルとは速さが違う。そのままヤクザキックするような蹴りを見舞う。

真乃 真 > 「こっちも駄目か!これはいよいよ不味いね!超ピンチだ!」

全くピンチには見えないくらいに楽しそうに言う。

「このタオルは攻めるだけじゃなくて守りにも使えるんだぜ!…丁度こんな風に!」

左右の腕で持ったタオルを弛ませてキックの力を防…防ぎきれない!
勢いの乗った蹴りは真の体を吹き飛ばした。いや、勢いを殺す為に自ら吹き飛んだのだ!

「足も機械なのかい?良いキックだね、腕がジンジンするよ。」

空中で止まると、そのまま地面に降りて向き直る。

「仕方がないこれは限りがあるからあまり使いたくなかったんだけどね!」

ポケットから短杖を取り出した。

一樺 千夏 > 「あらん、仕留め損ねたわ。残念」
欠片も残念そうな雰囲気を出さずに笑う。

「魔法か異能か……まぁ、どっちでもいいわ。
 サムライの力見せてあ・げ・る」

右半身だが、極端な前傾姿勢。
そのまま左右に振るように迫る。

「使いたくないなら、使わなくてもいいのよ!!」

間合いが近づけば、そこから右腕で大振りな一撃。
遠心力をつかい、左足の回し蹴り。
さらに回って、再度右腕の横からの一撃。

真乃 真 > 「派手好きな虹光【セブンス・エフェクター】起動!」

『セブンス・エフェクター起動します。(残り使用回数0!)』

機械のような音声が何らかの起動を告げる。
しかし何もおこらない。

「…?おかしいな故障かな?」

そんな事を言いながら大振りの右を躱し左の回し蹴りも衝撃をいなしたが…
最後の右を防ごうとしたのが間違いだった。
異能を発動し防御の姿勢をとったものの遠心力の乗った重厚な右腕を防ぎきるには至らず
左脇腹に衝撃を受けてのけぞる。

「重いな。ああ、本当に重い!」

のけぞった状態から異能で無理矢理に姿勢を変えて腹部めがけてタオルを振りぬいた。
無理矢理姿勢を変えて放った一撃であっても真っ向から受ければ普通の人相手なら強烈な
痛みにってよって戦闘継続は困難になるだろう。普通の人間相手なら。

一樺 千夏 > 腹に痛烈な一撃。
それは鉄の鈍器に等しい衝撃をもたらす。
しかし、三度響くのは硬いもの同士がぶつかった音。

たまらずに、体勢を崩す。
「死ななきゃ、安いわ!!」
吼えて血を口から吐いて。
しかし。当たった右手を開きそのまま掴みかかろうとする。

「レディに重いは禁句よ、“ヒーロー”!!」

真乃 真 > 「これでも駄目か!」

起死回生の一撃も致命傷にはなりえなかった。。
躱そうにも左脇腹の痛みが邪魔して上手く異能を発動できない。

「ああ、今度からは気を付けるよレディ。最後にお名前を伺っても?」

最後と言いながらも一切負けるつもりはない。
往生際悪く戦う姿勢は崩さない、しかし闘志だけでは右腕は躱せない。

一樺 千夏 > 「一樺 千夏 よ、“ヒーロー”」
掴んだときに笑顔でそう返事をした。

「起きたときに覚えてるといいんだけどね」
そのまま力任せに地面に叩きつけ。
持ち上げて、再び叩きつけ。
さらに持ち上げて……壁に向かって放り投げた。

「怪我の治療代はおいて置くわ。魔法だか異能で治せるでしょきっと」

真乃 真 > その笑顔と名前を最後にはっきりした意識は途絶えて
ブツリとブツリと細切れになっていく。

叩きつけられ、叩きつけられ、叩きつけられて。
薄れゆく意識の中、膝から崩れるあの男子生徒の姿が見えた。

(ああ、ちゃんと三回目で止めとかないから…。ギャンブルは引き際が…大…事。)

記録は三連勝。真乃真の初の地下闘技場挑戦は一樺千夏によって幕を閉じたのだった。

一樺 千夏 > 「楽しかったわ、ヒーロー」

口からもう一度、血を吐き捨てて。

「アタシに挑むやつはいないでしょうから、今日は帰るわ。
 アタシの儲けからその子の治療費と今までの勝ち分程度はあげていいわっよー」

一樺 千夏 > ポケットから煙草を取り出し、赤熱させた右手で火を点けた。

「今日は気持ちよく寝れそうね。
 しばらくは、ここで稼ごうかしら」

鮮烈な赤を残して、長身の女は悠然と歩き去る。

ご案内:「地下闘技場」から一樺 千夏さんが去りました。
ご案内:「地下闘技場」から真乃 真さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」に”望月満月”さんが現れました。
”望月満月” > とある喫茶店から外に出て。

まだ残る珈琲の香りを感じ、ゆっくりと散歩する様に通りの端を歩いている。
時たま、通行人の顔に視線を向けて誰かを探している風でもあるけれど、それはあまり期待してはいない。

「…もう夏が近いのね。」

着ているコートはもうそろそろ使えないだろうか、と独り言。
軽く手で顔を仰ぎ。

”望月満月” > コートの袖の中、左腕にだけ見えた包帯。

この前のジャンク屋隣での戦闘の痕跡がまだ残っている。
受け止めた重さに耐え切れなかった、もの。

「痛みはないのよね、もう。」

喫茶店でも日常生活でも包帯を隠すと言う点以外に不便はなかった。
左手を一度握って離して。違和感はない。