2016/06/11 のログ
ご案内:「地下闘技場」に虞淵さんが現れました。
■虞淵 > 「……つまんねェなァ」
どよめきの中、闘技場の武舞台
その中央にどっかりと腰を下ろしている巨躯の男は非情に不機嫌だった
「えらく荒稼ぎしてる新チャンプがいるって話だったのによ」
唾を吐き捨て、煙草を咥える
此処のところ、パトロンがついたことで此方での喧嘩が減っていたのもあるが…
いつまでも喧嘩相手がうまい具合に見つかるわけもない
結局、この落第街に逆戻りという寸法だった
そこで地下闘技場の話を聞いてきたのだが
「肝心のヤツァいねぇ。
他の奴らはカネ目当ての緩い突きしかできねぇような連中ばっかりと来た。
肩透かしもいいトコロだぜ」
■虞淵 > 「オイ、てめーらの子飼いの連中に面白いのはいねェのかよ。
今投げ込んで俺様に勝てば面白いように金が転がり込むぜ?」
闘技場の観覧席、武舞台から見て正面に位置する…所謂VIP席に向けてそう言い放つ
所謂、落第街で違反部活や組織を取り締まっている───
いわば人を陥れて私腹を肥やす連中の椅子だ
■虞淵 > 声を投げかけられた男達は一様に顔を見合わせる
ある者は舌打ちして席を立ち、
またある者は曇った表情を浮かべ、視線を逸らせる
「…落第街も平和になったもンだねェ」
天井を仰ぐ
あれだ
ロストサインとかいう連中が跋扈していた時期が一番楽しめた
相応に治安も乱れ、誰もかもが───
…結局、グランドマスターとやらの指示がどうとかいう話で、
連中と遊べなかったことは心残りだった
「(あいつらぐらい骨のありそうなヤツは、高望みってモンか)」
ふぅっと煙を吐き出す
今日の煙草は一際マズい
■虞淵 > ズン───
苛立ちを込めた新客は闘技場全体の空気を震わせる
足元に小規模なクレーターが出来、天井からはパラパラと石埃が落ちる
案の定というかなんというか、
地下である
崩落を恐れた観客の一部がわたわたと逃げ始めた
「チッ…誰も戦わねェどころか逃げはじめる闘技場なんかには、いる意味ねェな」
■虞淵 > 「(話になんねェな)」
観客の中にも腕自慢はいるだろうに
この場でノシた連中以外にも戦れるヤツはいるだろうに
このまま控室まで殴りこんでやろうかと一瞬思ったが、
ブルって出てこれないような連中を殴ったところで楽しくもなんともない
煙草の灰が落ちる
ちょうど、1本吸い終わった
「また来るぜ、今度はもうちょい遊べるヤツ用意しとけよ」
吸いガラを踏み潰して、巨漢は不機嫌そうにその場から立ち去った
ご案内:「地下闘技場」から虞淵さんが去りました。